あらすじ
明日、レイフォンに会える……。リーリンは、心が痛くなるほどにその時を待ち遠しく感じていた。ツェルニでは、ニーナが突然行方不明になった理由を、誰も語ることができなかった。ナルキは、ツェルニの暴走を止めたのはニーナなのではないか、とうすうす感じていた。しかし、その疑問を誰にぶつけるでもなく悶々とする。事実、ニーナは[イグナシス]に関わる不思議な戦いに巻き込まれていた。誰も想像できない、なにか大きな力が働いている。そしてツェルニが都市戦に向けての本格的な演習に突入しようとしていたそのとき、都市接近の第一報が入った――。
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汚染された物質に覆われた、荒廃した世界。
自律型移動都市(レギオス)に暮らす人々を描いたSF学園ファンタジー。
終末SFらしい、どこか乾いた雰囲気。
汚染された世界の謎に徐々に迫っていくストーリー。
「剄(けい)」や「錬金鋼(ダイト)」といったガジェットを用いた迫力の戦闘シーンなど、厨二心をくすぐられる要素が満載です。
また、登場キャラクターたちが大変に魅力的。
武芸者として秀でた力を持ちながら、過去にとらわれ葛藤する主人公。
彼を取り巻く「第十七小隊」のメンバーや「学園都市ツェルニ」の面々が織りなす人間模様は、時にイライラ、時にニヤニヤ。
学園モノ好きもきっと満足!の欲張りな作品。おすすめです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
始めての都市対抗試合にも関わらず、ベヒモト戦での天剣の凄さやハイア達、教導傭兵団の話の方が主軸で霞んでた。
レイフォンの強さとは裏腹の純粋さも最後に見せた涙も分かる。
ハイアの家を想う気持ちもわかる。
熱さも柔らかさもあった良い巻だった。これからのサヴァリスにも期待。
Posted by ブクログ
私はハイアのように捨てられることなく育てられた。人から見ればそれは普通のことだし、ハイアのような捨て子から見れば幸福なことなのだろう。しかし私は幼い頃から家が、親が嫌いである。人から見れば贅沢な悩みかもしれないが、父親が仕事すら面倒くさがり、母親は自身の価値観を子や夫に押し付けていた。私が高校三年生になってすぐ離婚したが、逆によくそれまで保ったなと言いたくなるほど、険悪な場面が多々あった。それを17年も見ていたら、誰でもそこにいたくなくなる。
ハイアが心休まる「帰るべき場所」を求める気持ちはわかるが、過去の経験上、家が心休まる場所というのは共感できない。
Posted by ブクログ
リーリンがツェルニに着いて、物語がようやく一歩踏み出た感じ。
巻を追うごとにフェリの性格が鬱陶しくなっているのがどうも嫌だな。
ニーナとゴルネオの戦いが一番良かった。
先輩がステキです。
Posted by ブクログ
汚染された未来の自律移動都市で戦う少年少女の物語 7冊目
都市対抗戦の巻。
それに連動してのハイアとの決着と、リーリンの到着。
ハイアには一応の決着だが、レイフォンには、ここしばらくのヒキがようやく次巻で動き出すことになりました、というような流れ。
まあ、少しずつ進めていこう。
Posted by ブクログ
第二部第一巻且つ番外編との兼ね合いのせいか、
話を詰め込みすぎて展開も急だった感のある前巻に比べて
多少の落ち着きを取り戻しており読みやすい。
しかし恋愛模様が混沌としてきており
個人的にはそれをメインにされるのは正直興醒め。
女子それぞれの観点から語られた部分はうんざりしながら読んでしまった。
恋愛にまで発展してしまえば、必ず振られる者、壊れる関係が出てくるのに
ツェルニという狭い限られた空間の中で
学生という身分で
更には十七小隊の中で
となればドロドロしてくるだけ。
学園物ラノベにははずせないテイストかもしれないが
恋愛手前のあやふやな関係だったり
レイフォンの人生哲学として語られる分には良いものの
本編の展開も学園物からはみでようとしているのに
あまり可笑しな展開にはしないで欲しい気がするのだが。
余談だが、レイフォンの武芸者としての立場が
こうして書き進められて他の武芸者との戦いの中で描かれていくけれど
筆者は武芸の嗜みでもあるのだろうか。
あるなら兎も角、無いとしてどこまで真摯に取材等をしているのだろうか。
天剣授受者であるレイフォンを主軸に書く以上
いくらラノベだからとは言え真実味が無いことには
重みも深みも感じられない。
ファンタジーで事実ではない世界観としてある分誤魔化し用はあるものの
刀だの八双だの実際の武道の言葉が使われているのに
この戦闘シーンの描き方に、少々の疑問を感じる。