堀井憲一郎のレビュー一覧

  • 落語論

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    タイトルに「落語論」と付いている本は、これまでに立川談志の以下の3冊を読んでいる。

    1.『現代落語論 笑わないでください』 (1965年、三一書房)
    2.『あなたも落語家になれる―現代落語論其二』 (1985年、三一書房)
    3.『談志 最後の落語論』 (2009年、梧桐書院)

    これらはいずれも、談志の生きたその時代を映した落語論で、談志のドキュメントとしても優れた本だった。

    本書は、コラムニストの堀井憲一郎氏による落語論である。しかし、まるで噺家が書いたような内容である。より正確に言えば、噺家に向けて書いたような内容だ。読み進めていくと、誰に向けて書いているのかが怪しくなってくる。どうも一般向けではない気がする。著者も書いる途中でそれに気づいたらしく、次のように書いている。

    いつしか、この本の仮想読者が試行錯誤中の若手落語家になってしまっている。とりあえず、この音声の章はそうだ。一般読者に聞いてもらっても、あまりしかたがない。時間があるならこのまま付き合ってもらってもいいし、急ぐなら第3部に飛んでいただいても構わない。(p127)

    本書は下記の3部しかない。

    第1部 本質論
    第2部 技術論
    第3部 観客論

    それにもかかわらず、一般読者に関係のない話が三分の一もあるのは問題だ。内容、構成、言葉の選択など、全体的に練られていない印象を受ける。
    あとがきによると42日間で書き上げた(220p)とあるが、その影響も大きいだろう。

    「落語はペテンである」、「落語は歌である」、「集団で同じ方向にトリップする」など、一風変わった切り口で語られているので、落語マニア以外にはお勧めしがたい。特に入門者にはお勧めできない。入門者から中級者には、広瀬和生氏の本がお勧めだ。

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    2026年08月01日
  • 若者殺しの時代

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    随分前に読んだので…
    印象に残っているのは、携帯電話の普及に伴い価値観の多様性を訴えつつも、距離が近すぎて、遠い距離にいるにも関わらず同調圧力を感じているの人が多いのかなと言う事を覚えています。

    便利になったけど、その代わり失ったものは何か?一人で考える時間?なんだろう?
    気が向いたら再読します。

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    2025年07月27日
  • 1971年の悪霊

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    この世代の3年は大きいと他の人が書いていたが、本当にそう実感して来た。個人的な感覚をグラフにすればU字状に左翼傾向から右傾化に移っていく底の部分が1960年生まれで、堀井氏58年組はやや左翼的情熱が文中でも記されるようにあったが、60年組ぐらいになると“先輩方”の“転向ぶり”に白けつつも理解できなくもないわなと漂流していたが、61、62年生まれになると左翼の影響など感じられない、というかそんな事に興味を持たずにひたすら自分の衝動に気が向いていたようで、校内破壊とか暴力への形となっていったのを当時見ていた。そんな事したって意味ないのにと60年組は眺めていた。つまり尾崎豊の世界は61年組以降の世界なのだった。
    もちろん地域によってこの年代の区分けは多少ズレるだろうが、京都近郊の片田舎で育った身としては、堀井氏の様な都(みやこ)住まいの体験派と3年程度ズレた世代で、「総括」の結果が多少違っているなと感じた次第である。

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    2023年11月06日
  • 若者殺しの時代

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    ネタバレ

    2006年。80年代あたりの、若者たちが消費の奴隷化されてクリスマスやバレンタイン、いわゆるトレンディドラマに踊らされていく感じを書いている。曖昧模糊といえばまあそんな感じもするのだが、時代の雰囲気を語るとはこういうことではないのか。

    後半の予測みたいなものも、2021年の俺から見ると結構当たってると思う。最後のアドバイスについても、かなり正しいと思う。

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    2021年12月18日
  • 流転の海 読本(新潮文庫)

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    流転の海シリーズを既に読み終えた身としては人物紹介を読みながらおさらいをする感じで楽しめた。

    シリーズを読みながら座右の書とするなら、人物相関図もそうだが舞台の地図が土地感のない読者の理解に役立つと思う。自分は長年関西に住んでいるので大阪や尼崎はイメージしやすかったが、南宇和や富山の地図は読んでいた当時にそばにあれば理解が深まったと思う。

    流転の海の後日譚やスピンオフ読みたい!

    くまざわ書店阿倍野店にて購入。

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    2021年04月21日
  • 愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか

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    「キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝う(クリスマスで騒いで楽しむ)のはおかしい!」という意見を耳にすることは多いです。
    特に昨今では、恋人のいない人がいわゆる「リア充」をねたんでこのような発言をすることをSNSなどで目にするように思います。
    「恋人たちの日」として認知され、さまざまな市場が沸き立つこの「クリスマス」というイベントがどのように日本に受け入れられ、そして今のような形になったのか。
    戦国時代のキリスト教伝来から江戸・明治初期のキリスト禁教の時代、日清日露戦争後の「一等国」として西欧文化を消化した時代に、太平洋戦争中の中断、そして講和条約後の騒擾。

    当時の新聞記事などをたどりながら「クリスマス」がどのように祝われて(クリスマスを理由にしてどのような騒ぎ方がなされて)いたのかが簡潔にまとめられています。

    根本にあるものとして、キリスト教を(その宗教として)受け入れることはできないが、国際情勢のなかでキリスト教を表立って拒絶することはできないから表象の文化(日曜日を休日としたり、教会で結婚式を挙げたり、クリスマスをお祭りとして取り入れたり)のみを受け入れる、という視点はとてもわかりやすく納得のできるものでした。

    真正面から取り組む(考える)と、日本の伝統的な風習と反発し、キリスト教を拒絶せざるを得ない、という理由から、「外国人の変わった年末行事」→「年末・新年のひとつの「お祭り」」→「羽目を外して遊んでよい日」→「(大正天皇の命日と重なったことから)大人が遊ぶのではなく子どものためのお祝の日」→「大人がバカ騒ぎする日」→「恋人の日」とその時々の社会を反映しながら位置づけの変わってゆく様子も非常に印象的でした。

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    2020年12月01日
  • いつだって大変な時代

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    堀井さん版「ファクトフルネス」。しかもファクトフルネスより7年も早い。「未曽有の」「大変な」「十年に一度の」って毎年言われてる気がするけど、そんなに大変なの?という本。途中で震災を挟むのだけど、それでも少なくとも東京の人たちは「大変」じゃなかった、という意見が潔い。データに基づいて書いてあるところもあるが、基本著者の肌感覚なので、まじめに読むと説得力に欠けるところもあるけど、面白かった。コロナの状況も論じてほしい。

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    2020年11月16日
  • ボーっとディズニーランド行ってんじゃねーよ ~ディズニーアトラクション34 本当の物語~

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    作家買いです。久々のディズニー本は、TDRのアトラクション大好きだけど、そのバックグラウンドをあまり知らずに乗ってる人に向けた「ディズニーアニメ世界の基礎知識」本です。
    ハッキリ言って、マニア&オタなら読まなくても大体知ってる内容なんだけど、TDR行くのにアトラクションの元になってるアニメのストーリーを知らずに行く人ってそんなにいるんですかね?
    プリンセスものやプーさん、トイストーリーあたりはみんな観て知ってますよね~
    だけど、ロジャーラビットや2万マイルとかになるとストーリー知らなくてつまらなくなってるゲストさんもいるのでは。映画もとても面白いからみんなに見てほしいですよね…
    ディップのことはわかってたほうが面白いです。
    後付け映画ではあるけどホンテもエディ・マーフィーの映画がすごく面白かったし。
    物語を充分知った上でTDRに行くと、もっと楽しめますよね。
    そういう、初心に帰る気持ちを思い出させてくれる一冊でした。

    あと、フランダーはフグって書いてあったけど、フグじゃないです~!!それは言っておきたかったです(笑)

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    2019年07月08日
  • やさしさをまとった殲滅の時代

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    便利なものが次々と現れた00年代。小学生の頃なのでぼんやりとしか覚えていないが本当に自分が知らぬ間に身の回りをインターネットで管理され、さらにコントロールされていたのだと気付かされた。
    豊かであるのに、満たされない、空回りしている感じ。筆者はそれを個の尊重の細分化の行き過ぎによってもたらされた美しい孤立だと述べている。この本は2013年に発行されたものだけどそれから6年後、今はその状態がさらに悪化しているんじゃないかな。

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    2019年06月12日
  • いつだって大変な時代

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    みんなが今は大変な時代だっていっていう時は、さして大変な時代ではない、ということ
    ほんとうに大変なときは、それについて話せないというのは本当。

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    2019年05月21日
  • あなたが知らないディズニーランドの新常識44

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    そもそもディズニーについて全然知らないから、知らないことばっかりだったけど、さらさらと読めて面白かった。混んでいる月は3月、8月、9月、10月らしいよ。ハロウィーン効果ってすごい。あと月曜と金曜だったら月曜の方が混んでいるらしい。参考になった。

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    2019年04月25日
  • 落語論

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    本質論、技術論、観客論の3部からなる。
    落語には意味がない深く考えずに聞け、とご自分のことを棚に置いているのが面白い。
    中でも技術論は一般読者ではなく落語家向けの内容である。落語を自身でも演じ、落語を聞き込んだ筆者だからこそわかる客観的かつ的確な技術論だ。人気の落語家がなぜ人気なのか少し見えてくる。小朝を聞いて見たくなった。
    落語の魅力とは、
    みんなで集まって、「おはなし」でトリップしようぜ。
    だそうだ。

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    2018年11月29日
  • ねじれの国、日本

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    元来、日本は「言葉にしなくても共感できる基盤を持った共同体」である。
    しかし、対外的に「国家」という見てくれを装う必要があったため「日本国」という形を作った。
    これが本書でいう「ねじれ」だ。最初のねじれは律令制度を作った7世紀ごろ、次が黒船来航の幕末、そして3回目が大東亜戦争敗戦後だ。
    他国の「王」と日本の「天皇」は違う。天皇は、権力を持ったこともあるが基本的には「偉い」から「尊崇」される存在だ。その意味ではるか昔から日本国と日本人の象徴であり続けた。

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    2018年02月18日
  • 愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか

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    なかなか興味深かった。何だ、昨今のハロウィーンの渋谷でのバカ騒ぎが巷間批判・揶揄されているが、1930年頃、また1950年頃に、当時の若者たちもクリスマスをネタに乱痴気騒ぎをしていたのか!というのは初めて知った。日本におけるクリスマスの大衆化は思っていたよりもずっと歴史が長いことや、時代により雰囲気の変遷を経てきたことも。(ちなみに私の世代はバブルの頃の、「クリスマスイブは恋人と過ごす特別な日」というイメージが強いと思う)

    しかし、このテーマ(=日本人とクリスマス)で1冊の本を書くのであれば、なぜに「アメリカには無い、クリスマスケーキというものが日本ではここまで定着したのか?」について全く触れられていないのは片手落ちだ。あるいは著者もクリスマスケーキが日本特殊なものだとは知らないのだろうか?あまりに浸透し過ぎていて…。(かく言う私もつい最近知った訳だが…(苦笑))

    ぜひ、日本人はなぜクリスマスにチキンとケーキを食べるようになったのか?も盛り込んで考察して欲しかった!

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    2017年12月31日
  • 江戸の気分

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    落語の背景が理解できたという意味では収穫があった。しかし、しかし、全編を通じて「である調」と「ですます調」が混在する筆致はいただけない。この違和感はあとがきまで読み進めても同じだった。また、筆者は京都出身ということで、のっけから上方落語を引用しており、江戸≒昔の東京という先入観をもって読むと、文体と相まって「え、え、ええ~」という違和感だらけになる。本のタイトルが読み手に与える影響の大きさを改めて感じた。

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    2017年09月07日
  • TDLレストランぜんぶ食べたガイド 全土産店紹介付

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    TDLのレストランとお店を紹介している本です。
    お店の場所や名前をあやふやでしか覚えていなかったので、公式HPと照らし合わせながら読みました。
    本に閉店と書かれているお店以外にも数店、閉店していました。
    しかし、大凡は変わっていないので、場所や名前が一致しない場合は公式HPと照らし合わせながら読むと面白いと思います。
    あのお店の中ではこんな物が売られていたんだ!ととても楽しく読めます。

    レストランのレビューは人によってしまいますが、お土産物店の紹介は、次にディズニーに行く時の役にたつと思います。

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    2017年09月06日
  • 恋するディズニー 別れるディズニー(新潮文庫)

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    同じアニメや漫画を見ているはずなのに、どうして腐女子の方はキャラ同士の繋がりをあんなに深く考えられるのだろう、と不思議に思っていたのですが、それも女性特有の考えがあったからだそうです。

    ディズニーランドデートにおける男女の違い、勿論そのお話も大変面白かったのですが、個人的に上にあげた「腐女子の思考」部分がとても興味深かったです。
    ※腐女子について書かれているのはほんの一部分のみです

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    2017年08月04日
  • あなたが知らないディズニーランドの新常識44

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    新潮文庫だけど横書きwの、写真も絵もない謂わばオモシロ読み物です。堀井さんならではの、ちょっとシニカルなディズニー愛がじわじわ伝わってくるのがいいです。
    今回の調査結果報告は、今までの著作よりもっと重箱の隅をつつくようなww細かくてはっとさせる内容になっていました。
    なるほど~と何度も頷いてしまいました。

    例えば、「ファンタズミック!」のべスポジとか、「年越しディズニー」の当選確率とか…
    抽選があれこれあるTDRなので、やはりショーや年越しの倍率は気になるところです。

    大体は経験から知ってることが多く載ってましたが、スターツアーズの54通りコンプリートについての話は、ずっと不思議に思ってたことが解明できたので、スッキリしました!
    あと、自動販売機の話も。
    最初にランドに自販機できた時には衝撃を受けたけどw
    シーにはまだないのですよ。
    落とし物も経験したので、すぐに戻ってきたのに驚いたのと感謝したのを思い出しました。

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    2016年06月06日
  • 落語論

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    何で買ったか忘れたが積ん読に積んであった本。
    落語というものはこんな性質のものだよというのが書かれている(当然この人自身の個人的見解も含むが)。

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    2016年05月22日
  • 若者殺しの時代

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    クリスマス、バレンタイン、TDLと1980年代から2000年代にかけて若者から金を採取する文化が根付いたしまったとのこと。どのように根付いていったかの考察は面白いが、今後の進むべき道の提言が”逃げろ”ではちょっと・・・

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    2015年12月23日