堀井憲一郎のレビュー一覧
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週刊文春に長期連載の『ズンズン調査』をもとに時代の変化をさぐった本。/「’80年代の入り口は、可能性に満ち満ちまもなく豊かになるだろうと信じ…’89には十年前には想像できなかったほど贅沢に暮らしていた。欲望が僕たちを追い越してしまい、欲望の指し示す道を突き進むしかなかった」→若者に消費を勧める「恋愛至上主義」トレンディドラマ/クリスマスの外泊推進/TDL聖地化/ワープロでミステリは分厚くなるばかり/ヘアヌード。宮沢りえ’91菅野美穂’97/携帯電話で社会が覆われた。友達数の格差が鮮明に/新幹線のぞみ停車駅に’85新横浜、’06品川が加わる。東京の拡張
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さすが堀井さん
ディズニーリゾートのアトラクションと原作をこんなに真面目に紐付けしたものをはじめて見ました。今はなかなか行きづらいですが、今度行く時はもっと楽しめるはずです。ありがとうございます。
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ネタバレタイトルからどんな内容なのかと思ったのだけど、ディズニーランド/シーのアトラクションの元になった映画のあらすじを書いた本だった。
でも、それって著者の「東京ディズニーリゾート便利帖」にあったじゃん、と思ったらやはり便利帖のあらすじの部分を抜き出して膨らませたものだった。
で、なーんだと思いつつ読んでみたのだけと、各章が結構大幅に増量してあるのと、ベイマックスやアナ雪など2020年以降にオープンするアトラクションの元になった映画のあらすじも書いてあったりして、ちゃんと面白かった。
どの映画もガッツリとネタバレで、そして著者の「ディズニーに詳しいけど、決して信者ではない」という目線からの感想がチ -
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ウェブメディアCakesに連載されていた時のタイトルは「1970年代の見張り塔よりずっと」。1973年に高校に入学した著者のちょっと先輩である全共闘世代への「おもい」とその後の社会主義の退潮への「おもい」を音楽や映画などの文化を通じてまさに「見張り役」のように呟いています。ほぼ同世代としてほぼ同じ時代を生きて来たものとして、著者の「おもい」は、わかるわかる的に染み込んできました。自分の中のモヤモヤが、どんどん言語化されていく感じがしました。1968年の「五月革命」から始まる若者の時代の流れを俯瞰したいという、このところの本のチョイスも、たぶんこのモヤモヤから来ています。1968年を政治から消費
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本書の著者は1958年生まれ。自分より3歳年上。この世代の3年は意外と大きい。本書で取り上げられている岡林信康、高橋和巳、ウッドストック、小さな恋のメロディ、ローリングストーンズ幻の日本公演、パリの五月革命、文化大革命、すべて何となくわかるが100%共感できるわけではないから。
とくに音楽をあまり聴かなかった自分には岡林信康はわからない。その次の吉田拓郎も怪しくて、多分、次の中島みゆきとかに飛んでしまう。「小さな恋のメロディ」もリアル感がないし。高橋和巳は自分が高校時代にはもう過去の人という感じだった(何しろ大学生になったときはすでに時代は村上春樹だったんで)。
著者は高校紛争に遅れてきた -
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1983年を境に日本が変わっていく、というポイントをほかの著書でも指摘していたホリイさん。今回はそのクリスマスをまじめに、ずんずんと調査していきます。
クリスマスなんて、いちいちまじめに調べるほどのもの?とか、戦後になってアメリカ文化に染まったってことでしょ?というのがアリガチなイメージです。
どうしてそういうイメージになるのか、そもそも、いつから日本のクリスマスはあるのか、などなど、歴史好きのオジサンたちにも面白い一冊になっています。
全力でふざけることで、全力で相対化することで、大事なものを守る。無意識ながら、確かに。と思うところがいっぱいみつかります。 -
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新潮文庫だけど横書きw
「TDLレストランぜんぶ食べたガイド」同様、マップも写真も無いのでガイドブックとは言い難いけど、調査結果としてはすごくよくまとまっています。
シーのレストランやショップについてメニュー形態や価格帯、雰囲気などわかりやすく書いてあるので、読み物としても面白く参考になることもいっぱいです。
あと、営業時間帯のことも奥地は開店遅く閉店早目で、エントランス付近になるにつれて閉園時間以降も開いてるとか…知ってる人は知ってるけど、便利な情報もあれこれ載っていました。
座って食べたいならPSは必要だけど、この本の分析からPSなしで余裕でごはんを食べる術を身につけるのもアリですね。
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新潮文庫だけど横書きw
ガイドと書いてあるけど、写真も絵もない謂わばオモシロ読み物です。堀井さんならではの、ちょっとシニカルなディズニー愛がギュギュッとつまっていました。
レストランとショップ全店の調査結果報告と言ったほうがわかりやすいかも。
ディズニー熱烈信者のような語り口じゃなく、いいところも悪いところもひっくるめて書いてあるのが爽快です。
でも辛辣なこともゆるめの文章だから、思わず納得してしまったり…
マニアの人なら知ってる情報ばかりなので、行った後から読んだ方が頷ける箇所もアレコレあって面白いです。
改めてTDRの時代に対応した進化や、流動性を認識しました。
そこがいいから何度でもリ -
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物騒なタイトルだけど、1980~90年代の日本の社会風俗史をクリスマスやトレンディドラマ等のユニークな視点と文体で纏めてておもしろおかしい。
それぞれの時代で“若者”がどう扱われてきたかを分析し、「若者であることが得をした時代」と「若者であることが損でも得でもない時代」と「若者であることで損をする時代」などと表現している。タイトルもそういう意味。
社会のシステムの1タームがおよそ60年とし、敗戦後社会の「裕福で幸せな社会を目指して右肩上がりで発展していくこと」を目標にしていたタームはもう終わろうとし、これからは別の目標の新しいタームに入ろうとしているクダリが面白かった。
最近 昭和懐古のコンテ -
Posted by ブクログ
堀井憲一郎さんの現代評論。
僕は、今の時代は「変わり目」だとは思うものの、そこまで激しい「変わり目」であるかというと、それはどうかな~と首を傾げてしまう。日本の歴史を観ても、明治維新や太平洋戦争の敗戦といった、人の生き方を180℃も変えてしまうような「変わり目」はたくさんあったし、それと比較しても、今はもっと緩やかで柔軟性に富んだものになっている。たぶん、今の世の中が高度に成熟していることが、知らず知らずのうちにセーフティネットになっていて、その恩恵を受けているのだ。
ゼロ年代を俯瞰して、インターネットやサブカルチャーの興廃から、日本社会の構造の変化について考察している。「世間」という