堀井憲一郎のレビュー一覧

  • いつだって大変な時代

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    著者みたいにこんなふうに、世間を醒めた目で見ていたい。確かにいつだて「大変だ」「大変だ」って、先走っていたような気がするなぁ。いつだって「世の中は不景気」だったし「未曽有の事態」だったし「正念場」を迎えていた気がする。そんなことないんだよね。と、大震災後に熱の上がった頭に水をかけてくれた。

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    2011年09月13日
  • いつだって大変な時代

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    今をどうしても切り取れないもどかしさを感じます。この今にいる私たちには今を語れないのでしょうか?今を生きているとしか言いようがないのでしょうか? 

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    2011年08月26日
  • いつだって大変な時代

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    内容はまさにタイトル通りの本。
    最近追い詰められて、神経過敏になっている社会や日本人や私のような人には、肩の力が抜けてしっくりくるものだ。
    全9章あるタイトル、例えば「第5章 子供の名前を自由に付けてはいけない」や「第6章 無縁社会はみんなの努力の結果である」というのは本当に納得できる。科学に対する批判はパラダイム論とも違い、「正義を放棄してみよう」という程度の意見だとも思う。
    日本の政治や外交が2流だとも3流だともいうのは、政治家個人の素質に依拠するのではなく、日本人の政治と外交の意識が2流であり3流である証左なのだけど、そうえいば、外交1流国というのは結局人情が死滅した世界に住んでいる国だ

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    2011年08月08日
  • 若者殺しの時代

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    ネタバレ

    もはやインパクトのあるタイトルで勝負!ってのは新書界での常識なのでしょうか。

     非常に社会学的で、各年代の若者たちを追った内容は単純に興味深かった。雑誌アンアンの1983歴史的宣言が、クリスマスを「パーティー」から「恋人たちの夜」とするクリスマス・ファシズムの走りだとか。ホームドラマが衰退し、トレンディドラマが台頭してきたあたりに若者はアウトドア派(サーフィン、スノボ)とインドア派(オタク)に二分されたとか。1997年、若者が携帯電話で覆い尽くされてしまったとか。例を挙げたらキリが無いのだが。

     自分のお誕生日に、いったいいくつメールが来たか。そのメールの数で「いま存在する世界の中

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    2011年07月20日
  • いつだって大変な時代

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    「今は大変な時代だから…」って毎日のように言ってる気がするな。でも昔だって大変だったわけだし、どの時代だって大変なんだ。今が大変だと思うとラクなんだよね。特に震災後は、国民が一致団結して復興支援みたいな風潮が強いけれど、一歩引いて社会を見ていきたい。

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    2011年07月17日
  • 落語の国からのぞいてみれば

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    最近、落語をよく聴く。
    話の背景を理解するのに便利。
    現代の常識はたった400年前の常識にあらず。

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    2017年08月29日
  • 江戸の気分

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    落語から覗える江戸の「気分」を追体験してみよう!という本。

    一昔前に「週刊文春」を時々読んでいた(最近はほとんど買わないなぁ)が、この人の連載「ホリイのずんずん調査」は「はぁぁ」と体中脱力するほどクダラナイことを調べ、そのクダラナサのあまりについつい読んでしまう欄であった。「テーマパークのアトラクションの待ち時間」だの「チョコ菓子をいくつ買ったら当たりが出るか」だのをとにかくひたすら調べるのである。今でも連載は続いているらしい。ある意味、すごい欄なんである。

    で、そんな「ずんずん調査」風のテイストもちょっと盛り込みつつ、数々の落語から、現代人がなかなか嗅ぎ取れない江戸時代の「空気」をすくい

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    2011年06月20日
  • 落語の国からのぞいてみれば

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    ネタバレ

    堀井氏の著書は、他に『若者殺しの時代』を読んだことがあります。『若者殺しの時代』は、雑誌やテレビ番組の分析を通じて、80年代とはどういう時代だったのかを検証するユニークな一冊でしたが、今回ご紹介する『落語の国からのぞいてみれば』も手法は一緒。落語の作品を分析することを通じて、江戸時代とはどんな時代であったのかが検証されます。

    堀井氏の真骨頂は、メディアの中身に分け入りながら、自らの身体感覚を通じて、その時代の空気感を浮かび上がらせていくことにあります。本書でも、縦横無尽に落語の作品世界に分け入っていきながら、同時に、実際に京都まで徒歩旅行を試みるといった身体を張った検証作業を通じて、江戸時代

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    2011年02月07日
  • 若者殺しの時代

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    [ 内容 ]
    クリスマスが恋人たちのものになったのは1983年からだ。
    そしてそれは同時に、若者から金をまきあげようと、日本の社会が動きだす時期でもある。
    「若者」というカテゴリーを社会が認め、そこに資本を投じ、その資本を回収するために「若者はこうすべきだ」という情報を流し、若い人の行動を誘導しはじめる時期なのである。
    若い人たちにとって、大きな曲がり角が1983年にあった―80年代に謎あり!
    ずんずん調べてつきとめた。

    [ 目次 ]
    第1章 1989年の一杯のかけそば
    第2章 1983年のクリスマス
    第3章 1987年のディズニーランド
    第4章 1989年のサブカルチャー
    第5章 1991

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    2010年11月21日
  • 落語の国からのぞいてみれば

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    [ 内容 ]
    時間の感覚、死生観、恋愛と結婚、酒……
    今の暮らしは、どこかヘン!?
    江戸を向いて歩こう!
    恋愛こそすべてという圧力、名前に対する過剰な思い入れ、死んだらおしまいと言えないムード……どこか息苦しくないか?
    落語のなかに生きる人々の姿から、近代人のおかしさを撃つ!第1章 数え年のほうがわかりやすい。

    [ 目次 ]
    第2章 昼と夜とで時間はちがう
    第3章 死んだやつのことは忘れる
    第4章 名前は個人のものではない
    第5章 ゼニとカネは別のものである
    第6章 50両で人は死ぬ
    第7章 みんな走るように歩いてる
    第8章 歩くときに手を振るな
    第9章 生け贄が共同体を守る
    第10章 相撲

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    2010年11月21日
  • 若者殺しの時代

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    この本はむちゃくちゃ面白かったよ。
    「若者」の●●離れという文脈がいかにへんてこなものなのか、
    なぜ女性が恋愛のレートをあげ続け、
    それにより女性の性が一大産業に発展したのか、
    そこらへんが雑誌という切り口で書かれている。
    慧眼だと思います。僕にはとても面白く読めた。

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    2010年11月14日
  • 若者殺しの時代

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    「80年代、女の子がお姫様になった」 

    文章が軽妙で時代の軽さによく合っている気がする。そんな文体なのに、どこかバッサリと斬られるような感じがする。伸びよう、広がろうとするのにバッサリと斬られるような。読みながら、その時代の若者をイメージしながら読んでいると、確かに殺されているような気分になる。
     バブルを通して、「若者」までもが市場として意識されたということだろうか、名前をつけられた途端にそれは世界の中に位置づけられて絡め取られてしまう。
    バブルで生まれた金の多くが女性に捧げられ、女の子がお姫様にまつり上げられた。男の子はお姫様に好かれエッチできるように本を買い服を買い自分を磨いた。
     大

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    2010年11月02日
  • 若者殺しの時代

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    これは、、、。
    いろんな意味で笑える内容でした。
    タイトルは少し意訳し過ぎかな。

    バブル時代を謳歌した人びとには、腹が立つ内容かもしれないが、嘘は書いてないので、人生のレビューとして読んでみては?

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    2010年10月31日
  • 若者殺しの時代

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    まず、文章が流暢で読み心地が良い。言い回しが面白い
    >昔の雑誌を介して怒られるのは理不尽なのだが、怒ってる内容は正しい。
    >女性に怒られるときは、いつだってそうだ。入り口は間違ってるんだけど、指し示しているポイントが恐ろしいほど正確なのだ。何も言い返せない。


    >第一陣の逃亡者たちは、ほとんど捕まってしまい「ニート」という立派な名詞が与えられてしまった。いまは構成しろと監視されている。
    >あきらかに逃亡する前よりも扱いが悪くなっている。次の逃亡は慎重にやったほうがいい。

    とかね。

    目の付け所が面白い。
    多くの人が見過ごすであろう、社会の変化から独自の分析・持論を展

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    2013年12月24日
  • 落語論

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    落語のすべてはセリフに宿る
    頭ではなく気で圧倒する
    客の機嫌を伺う。「誰にも嫌われない」が理想状態
    言葉よりも音が大事=歌である
    心地いい音を出す。自分の1番良い声を把握する
    ボケに力を入れない。
    テンポとギャグの按配がうまさの秘訣
    (ギャグはテンポを崩すが必須)
    落語とは業の肯定
    落語を語るのは嫉妬がもと
    落語から受ける衝撃は、身体的衝撃
    落語は異世界へのトリップ剤
    落語は凡人(強さと弱さ)と生死の肯定

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    2010年02月10日
  • 落語論

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    ■目次

    第1部 本質論(ライブとしてのみ存在する
    意味の呪縛を解く
    落語はペテンである ほか)
    第2部 技術論(落語は歌である
    音の出し方のポイント
    「間」が意味するところ ほか)
    第3部 観客論(好き嫌いからしか語れない
    落語の多様性
    嫉妬という名の原動力 ほか)

    ■レビュー

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    2010年01月11日
  • 若者殺しの時代

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    ★だから早くオジサンになりたかったのか★雑誌や早稲田漫研OBを軸に時代に対する認識をひもとき、この20年を、「若者」という消費者を作りだした時期と総括する。若者向けのクリスマスが始まったのがたかだか1983年とは驚かされた。バブルがはじけたのに若者市場という幻想だけが、かつて若者だった人に残る。被害を受けるのは何も残されていないいまの若者。バブル直後に学生生活を送り、いまの若者の端につらなると思っている身にはしみた。「ずんずん調査」するだけでなく、分析する枠組みも持っているのだと見直した。

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    2010年10月10日
  • 若者殺しの時代

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    随分前に読んだので…
    印象に残っているのは、携帯電話の普及に伴い価値観の多様性を訴えつつも、距離が近すぎて、遠い距離にいるにも関わらず同調圧力を感じているの人が多いのかなと言う事を覚えています。

    便利になったけど、その代わり失ったものは何か?一人で考える時間?なんだろう?
    気が向いたら再読します。

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    2025年07月27日
  • 1971年の悪霊

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    この世代の3年は大きいと他の人が書いていたが、本当にそう実感して来た。個人的な感覚をグラフにすればU字状に左翼傾向から右傾化に移っていく底の部分が1960年生まれで、堀井氏58年組はやや左翼的情熱が文中でも記されるようにあったが、60年組ぐらいになると“先輩方”の“転向ぶり”に白けつつも理解できなくもないわなと漂流していたが、61、62年生まれになると左翼の影響など感じられない、というかそんな事に興味を持たずにひたすら自分の衝動に気が向いていたようで、校内破壊とか暴力への形となっていったのを当時見ていた。そんな事したって意味ないのにと60年組は眺めていた。つまり尾崎豊の世界は61年組以降の世界

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    2023年11月06日
  • 若者殺しの時代

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    ネタバレ

    2006年。80年代あたりの、若者たちが消費の奴隷化されてクリスマスやバレンタイン、いわゆるトレンディドラマに踊らされていく感じを書いている。曖昧模糊といえばまあそんな感じもするのだが、時代の雰囲気を語るとはこういうことではないのか。

    後半の予測みたいなものも、2021年の俺から見ると結構当たってると思う。最後のアドバイスについても、かなり正しいと思う。

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    2021年12月18日