堀井憲一郎のレビュー一覧

  • 落語の国からのぞいてみれば

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    落語を題材にした、江戸時代の庶民の生き方。
    面白い。
    が、ちょっとこの、舐めた文体が、時に苛つく。

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    2013年11月01日
  • やさしさをまとった殲滅の時代

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    資本主義の発達によって消費の主体としての個人になるべく教育を受けてきた若い世代は、個に分断され潜在的な
    不安を抱えながら生きている。かれらが、ラノベやBLに走る心理をその不安と性欲の吐露だと考える。また、2000年から10年の間に静かに多くの物が変わり、特にネット社会の進化、意識が変化した。その変化を父性の消失した母性の時代として若者の社会の捉え方の変化を、ブラック企業を例に考える。

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    2013年10月26日
  • 江戸の気分

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    フロイトは「キツネタヌキに騙されるな」ような心理を未熟だというが、本書ではそれを豊さであるという、20世紀最大の科学者フロイトの知恵と江戸の知恵はどちらに共感できるかという形で読むと非常にスリリングでした。「蚊帳という結界」という着想や、無尽の話から始まる江戸のお金の話がいい。

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    2012年11月30日
  • 江戸の気分

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    落語が好きなので、「江戸の気分」というものを知っておきたいと購入した次第。堀井さんの本は「落語論」「いつだって大変な時代」(ともに講談社現代新書)を読みましたが、いずれもためになる作品でした。
    で、「江戸の気分」は、というと、これが現代人にもためになるのですね。
    たとえば、江戸の人は、「病い」を「引き受ける」と考える。ただ、どうしようもないから諦める。「それが幸せとはいえない。でもどうにもならないことを、なぜ、私が、家族がこんな目に、と考える苦しみはそこにはない」と著者。
    江戸の気分とは直接関係ないですが、本書によると、「キツネ」はかつて身近な存在だったのですね。1965年といいますから、私が

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    2012年11月25日
  • ねじれの国、日本

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    「日本人にしかわからない何か」を著者は「ねじれ」という言葉を使って、日本の歴史、成り立ちが書かれている本。この手の本はあまり好きではなかったのですが、著者が出演したラジオ番組を偶然聴き、興味を持ちました。

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    2012年06月17日
  • いつだって大変な時代

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    本当に大変な時代って言うことが多くなり、ときどき本当に今が大変な時代なんだろうかって思うようになった時に見つけた本。そうなんだよ、いつだって大変だったはず。でも、過去のことはいい思い出になりやすいから、今が大変って思っちゃうし、本当は、大変だ大変だって思うことでしか生きていけない私たちが「大変な」問題なのかもしれない(笑)
    一方で経営者が景気が良くなれば、、なんて言う話があるし、アンケートでも「景気の回復はいつごろになると思いますか」ってあるけど、景気なんかいつだってよくはないって言うのに通ずるものがあった。

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    2012年06月16日
  • ねじれの国、日本

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    読んでいると「日本辺境論」の内容が思い出され、いろいろと納得させられる気分になった。仏教や神道の話は、自分の中でもやもやとしていたものを言語化してくれた感じもあってすっきりとした。
    自分自身、外国人と話す度に感じていた感覚、これがまさに著者が言うところの「ねじれ」だという気がした。日本という国の特徴を自分自身も持っていたのだなという思い。

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    2012年05月11日
  • いつだって大変な時代

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    「今は大変な時代だから」はつまり「おれは忙しいんだよ」の亜種ですね。
    なんとなく変わっていく状況と、
    実は変わっていない状況とを混同してはいけない。
    今嘆いていることは、過去に自分が選んできたことの結果でもある。
    落ち着いて考えれば分かること、見えることがたくさんあるのだ。

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    2012年05月06日
  • ねじれの国、日本

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    TBSのラジオ番組「小島慶子のキラ☆キラ」の火曜日のパートナー、堀井のおっちゃん。
    落語が好きでディズニーランドも好きな京都の人。
    というイメージ、最初から好感しかありません。

    物々しい見た目のわりに気の抜けた文章でほっとしました。
    ラジオで喋ってるまんまだな!
    この独特の喋り口調に、慣れてない人にはきっと読みにくかろう。

    今まで自覚はしないままなんとなく不自然さや無理さを感じていたことに「それってこういうことだからじゃないの」と答えをもらったような内容でした。
    すでに知ってる人にとっては「それが今さらなんなの」というようなことかもしれないし、これだけが唯一絶対の答えだとも思わないけれど。

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    2012年03月21日
  • 落語の国からのぞいてみれば

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    ある日突然「落語の国」に迷い込んでしまったビギナーにとって、この一冊はなかなか便利な「道しるべ」となっている。

    ここでは落語の歴史やあらすじ、おすすめの噺家などが紹介されるかわりに、落語に登場する人たちー 熊さんや八っつぁん、長屋のご隠居や与太郎といった魅力的な人物たち ーのことばや動きの背景をなす「感覚」について、「時間」「金銭」「結婚」「恋愛」「酒」「死」といったキーワードを通して語られる。

    たとえば「時そば」という有名な噺(はなし)の下げ(オチ)は、「九ツ」と「四ツ」という江戸時代の時間の数え方を知っているか知っていないかでその面白さがずいぶんとちがってくるように思えるし、現代よりも

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    2012年02月10日
  • 若者殺しの時代

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    非常に読みやすく、あっという間に読める。
    殺しという言葉の与える印象と中身の文体が、まったく乖離している。

    クリスマスがなぜ、今のように恋人同士のモノになったのか?
    など、興味深い話が綴られている。
    タイトルで損をしている。
    『1983年のクリスマス』という章を、そのままタイトルにしてもよかったのでは。

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    2011年12月29日
  • 若者殺しの時代

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    ネタバレ

    新書としてはべらぼうに軽くて読みやすい。
    恋人と過ごすクリスマスをはじめ、バレンタインデーのチョコレート、デートスポットとしてのディズニーランド、携帯電話、マンガ、月9ドラマ、単位が「来る」という表現などといった、今の若者を取り巻く仕組みが、いつから、どのようにして生まれてきたのかについて、当時のドラマや漫研の資料、雑誌などを用いて解説している。

    ただ、もっと突っ込んで欲しかった部分も多い。例えば、「内にこもるな。外へ出でよ。仲間と遊べ」というスローガンはどこから出てきたのかとか。

    「こういう時代があった」という事実関係を楽しむ本としての性格が強い。

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    2011年12月29日
  • 落語の国からのぞいてみれば

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    落語の時代という200年前と現代の情勢を落語を交えながら比較しつつ語られた本。昔はいかに社会が優先され、今はいかに個人が優先されているか気付きを与えてくれました。随所随所で数々の有名落語ダイジェストもあり、面白かったです。

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    2011年11月07日
  • ねじれの国、日本

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    名コラムニストの堀井さんが書いた日本論。
    「若者殺しの時代」「いつも大変な時代」が面白かったので、著者買いしてみた。
    期待裏切らず、建国神話、天皇制、神道等々、ちょっと語るにはヤバそうな問題を、東アジアの文化性、中国との関係性から「ねじれがあった方が安定する」日本について語ってみせる。
    面白い!

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    2011年11月06日
  • 若者殺しの時代

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    題名から年長者の説教本ぽく見えるが、実は80-90年代の各イベントを著者のユーモアあふれる解説で、その状態の遷移を面白く語ってくれた本。題材が庶民的なので、ちょっとした脳休めにも良いと思います。

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    2011年11月06日
  • いつだって大変な時代

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    今の日本の社会のシステムの中でのもやもやしているものをこんな風にもやもやしていますと教えてくれている本。人の考え方のベースになる部分、当たり前の部分の考え方を揺さぶってくれる本です。
    読後のもやもや感は今も晴れませんが、物事ちょっと深く考えてみようと思わせてくれました。

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    2011年09月26日
  • いつだって大変な時代

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    ものの見方はさまざまであるということ。改めて感じさせられた。
    「第六章 無縁社会はみんなの努力の結果である」
    だけでも読んで欲しい。
    血縁・地縁など、さまざまな縁から自由になるために、われわれは無縁社会を選んだのではないか?
    結びつきというものが、一義的にいいもののように語られているが、それはわれわれが重荷として切り捨ててきたものではなかったか?
    その結果、本当に「さびしい」だけの人生を送ってきたのだろうか?
    どちらがいいというのではなく、両方、またはさまざまな視点で見ることが大切。

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    2011年09月26日
  • いつだって大変な時代

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    「いまは大変な時代だから」は、いつの時代にも言われていたこと。だから「いつだって大変な時代」。

    気象予報・少子化・無縁社会・子どもに付ける変な名前など、ある意味達観した諦念と独自の歴史感で鋭く突っ込んでいく。

    カンケーないけど、最近の本は震災以前に書いた内容を、震災を材料に論拠を補強するパターンが多い。

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    2013年01月23日
  • いつだって大変な時代

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    いつだって大変な時代なのだ。
    事後に大変だと塗り替えられることもあれば、突き詰めていくと実はぜんぜん違うものがみえることもある。
    著者は、あれ?と思ったことをなぜ?に置き換えて、思索を続けるているのだろう。
    梅雨入り宣言なんて大きなお世話だし、歴史的な転換点など当事者にはわからない。
    いつのまにやら個人が尊重されていると錯覚してしまったことで世の中がねじれちゃった。
    無縁社会を嘆くのはナンセンスでそれは団塊の世代が望んだことじゃないのか。それをいまさら大変だとは。
    社会で起きていることへの人々のカンチガイを指摘する。

    とはいえ、東日本大震災のときにツイッターは役に立ったかというくだりは、明ら

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    2011年09月24日
  • いつだって大変な時代

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    よく使われる「~が今ほど重要な時代はありません。」って言葉に違和感を感じていた。このもやっとした感覚を明快な言葉で整理して解決してくれる。腑に落ちる解釈がちりばめられていて嬉しかったな。

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    2011年09月23日