佐藤朔のレビュー一覧

  • レ・ミゼラブル(五)

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    全5巻を読み終えての感想。
    古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。
    主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。
    特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的

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    2022年03月20日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    ネタバレ

    前巻で亡くなったファンチーヌの娘、コゼットと、刑務所から脱獄したジャンバルジャンの交流を軸に話が展開する。
    途中、ナポレオンの敗戦と修道院に関する、本筋と離れた著者による解説がある部分が、やや読みにくいが、その他は古典といえるほど古い話であっても、引き込まれる面白さがある。特に最終盤の不法に侵入した修道院から、いかにしてジャンバルジャンが逃げ出すか、というのは、現代ミステリーにも一脈通じるスリルが味わえる。

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    2022年01月29日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    ネタバレ

    フランス文学の古典ということで、構えて読んだが、思いの外面白い。フランス史とキリスト教の知識があまりないので、それがあればもっと楽しめそう。
    長い刑期を終え、出所したジャン・ヴァルジャン。出所の直後も刑務所上がりとして扱われ、絶望に打ちひしがれた中、司祭の家て盗みをはたらき、再度警察に捕まりそうになる。
    しかし、司祭の弁明で、彼の罪は不問とされる。その際に受けた人間的扱いから、彼もキリスト教の愛に目覚め、他者に奉仕するように。その数々の善行から市長にまで昇り詰めるが、過去が追い縋ってきて、再び全てを失うことに。。。というのが、この巻のあらすじ。
    犯した罪は許されないのか?というのが、物語の主題

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    2022年01月15日
  • レ・ミゼラブル(四)

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    政府に対する反乱が起こっていく町の様子が細かに描かれていて、緊張感が伝わってきた。ガヴローシュけっこう好き。

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    2022年01月01日
  • レ・ミゼラブル(五)

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    まずは読破できた喜び。がんばってよかった!

    遠回しな表現がフランス文学?なのか、でも、クライマックスが近づくにつれ、その感じが心地よく、感情が昂った。やっぱり娘には会いたいよね。

    ユゴーの事を知りたくなったし、歴史的背景を勉強してみようか、という気にもなってしまった。
    100年以上前の作品の思想は、今も大切にすべきであることに変わりなし。

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    2021年04月02日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    小学生だったか中学生だったか...
    ミュージカルを観る予定があり、5巻買ったのですが、この本の半分位までしか読めず。
    結果、あっという間に読んだ部分は終わり、あとは兎に角ミュージカルを必死に観ていました。
    観終わってから5巻全てを読み終え、大きな達成感と共に、凄い作品だったなぁ...と思った思い出があります。ミュージカルは未だに人気ですが、この本が重厚で内容が骨太いところがあるからだとも思います。

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    2021年01月23日
  • レ・ミゼラブル(五)

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    ユゴー 「 レミゼラブル 5 ジャンバルジャン 」

    ジャンバルジャンの更生やコゼットの愛の物語だけでなく、人間の闇や フランスの混沌も描かれている。まさしく人間劇場。面白かった。

    フランスの歴史、隠語集など本編と繋がらない部分に かなりのページを割いていたが、著者の意図を知りたい

    本のテーマは 進歩。レミゼラブル=虐げられる人
    *悪→善、不正→正義、虚偽→真実、欲望→良心、虚無→神、物質→魂、怪物→天使 への進歩
    *レミゼラブル(虐げられた人たち)が進歩するために必要なのは 光(道徳心、教育)

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    2018年08月04日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    ユゴー 「 レミゼラブル 1 ファンチーヌ 」表紙絵につられて購入

    テーマは
    *文明社会の掟と処罰
    *キリスト教道徳の実践者(正しいとは)
    *ミリエル→ジャンバルジャンへキリスト道徳が承継

    正しくあれ
    *人々の魂を救う
    *学問

    1章 正しい人
    「迷ったり〜してもいいが、正しい人であれ」
    「罪をできるだけ少なくすることが 人間の掟」
    「人間は無知という暴君を持っている〜人間は学問によってのみ支配されるべき」

    2章 転落→ジャンバルジャン
    「文明には恐るべき時がある〜刑罰が破滅を宣告する時」

    「キリストの神聖な掟が 我々の文明を支配する〜掟は文明の中まで入ってない〜奴隷制は依然としてあ

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    2018年08月02日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    『時代を乗り越える』

    こんなに素晴らしい作品だと思わなかった。
    素晴らしい。
    どんな時代にも、息吹を吹き込む理由がわかった。
    ジャンのように生きていくベクトルは
    これからどこに辿りつくのか?
    気になる。

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    2018年02月24日
  • レ・ミゼラブル(三)

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    物語の細かい端々の物事まで描写や説明がすご過ぎて、「で、今何の話だっけ」となる事がままある。けれど、この巻の最後、一気に今までの主役達が集まってきてドキドキの展開に!盛り上がった。

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    2016年07月02日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

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    これを収録するなら、まず『反抗的人間』の収録をしてください。
    ジャンソンもサルトルもカミュもお互いに読んでいるからああいう手紙のやり取りができるけれども、文脈のわからないまま読んでも、カミュのことばに触れることができず、ただジャンソンとサルトルがまくしたてるのをうんざりしながら読むだけだ。得られたのは、いかにカミュが誤解されているかということだ。
    カミュは哲学畠に生きた人間ではないから、ことばでがちゃがちゃ書き立てるのではなく、論理の飛躍の力で伝えようとする。そこが魅力であり、誤解の元ではないかと感じる。この論争を難しく面倒なことにしているのは、カミュのことばではなく、哲学とか批評とか称してい

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    2015年08月03日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    一巻目のファンチーヌの話は、本当にハラハラしながら読みましたが、二巻目のコゼットの話はゆったりしたかんじで読みやすかったです。

    ジャンバルジャンは、再び牢獄に入ってしまい、ファンチーヌとコゼットのことについて約束したことはどうするのかなと思いましたが、ジャンバルジャンは見事に牢獄から抜け出して、コゼットを助けに行ったので良かったです。
    牢獄から抜け出したジャンバルジャンですが、ジャベールに追われながらコゼットと逃げるシーンは、ハラハラドキドキしながら読みました。でも、無事に修道院で庭師として働いていたフォーシュルバンに助けてもらい、コゼットと共に修道院で暮らすことになったので安心しました。

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    2014年10月28日
  • レ・ミゼラブル(四)

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    【読書その143】最近にはまっている海外文学の古典シリーズ。今のマイブームはユーゴーの「レミゼラブル」です。現在最後の5巻の読書中です。何度も映画になっていますが、かなり省略されているので、本書を読むと、いかにスケールが大きい小説なのかを痛感します。心震える恋愛小説ですが、これまで読んできた恋愛ものの小説に比べて、愛に関する心理描写が非常に繊細で衝撃を受けています。

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    2014年05月09日
  • レ・ミゼラブル(三)

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    ネタバレ

    レミゼもようやく3巻終わりました。
    マリユスのターン。
    マリユスは映画だと、ただの愛に生きるピュアな良い子かなあという感じで、良さが全然わかんなかったんですが、こうして半生を読んでみると、わーん、名刺とかつくっちゃって、家出とかしちゃって、バカな子だ・・!と思いつつも、なんだかとてもじわじわきます。

    待ち伏せのところ、あれ映画にはなかった・・? すごくよかったなぁ・・。
    レミゼは文章とか言い回しも魅力的だけどちゃんとエンターテイメントしているというか、ハラハラドキドキ感が毎回すごいなあと思います。

    つぎもたのしみ!

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    2013年07月17日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    1巻と同様、始まりの100ページが長い!
    時代背景の描き込みかも知れないが
    途中で修道院の話が、もうひとつ加わると
    物語のどこに、どうつながるのか、そっちが興味の対象。

    とは言え、コゼットを軸に、ジャベールやフォーシュルヴァン
    を加えてにドラマもしっかり動いており
    物語の大きな流れ、うねりを感じる五分の二

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    2013年07月04日
  • レ・ミゼラブル(二)

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    ネタバレ

    あっというまに読んでしまった・・
    コゼットのターン。

    もう、ぜんぶおもしろいんですけど、あーたまらん、って思ったポイントは、
    宿屋で虐げられているコゼットが、しかられたくなくて平気でおかみさんに嘘つくところ(なんてミゼラブル・・!)と、修道院の描写でした。
    レミゼはたまに本筋に対しては補完でしかないようなことをえんえん書いてるくだりがありますけどそれがなんともいえずすばらしい・・。
    あと、ふたりが愛にめざめるところもすてきでした。

    つぎはついにマリユスか・・ひきつづき3巻にとりかかります。

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    2013年05月22日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    ネタバレ

    やばい、すごくおもしろい。
    いままでなぜ手をつけなかったんだろう。きっかけをくれた映画ありがとう・・。

    展開は映画ですべて知っているわけですが、そんなことどうでもいいくらいおもしろい。文章がすてき。こんな言い方も何だけど、おしゃれな言い回しだな!と何度も思う。

    1巻はやはり終盤の裁判所へ向かう一昼夜でしょうか。
    そしてバカでかわいそうなファンチーヌ!
    ミゼラブルです・・。

    ひきつづき2巻にとりかかります。

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    2013年05月08日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    覚悟を決めて読み始めたはずなのに、やっぱり挫折しそうになりました。笑
    最初の100ページと、パリの若者たちのあたり。
    昔の自分、良く頑張って読んだもんだ。

    1巻は「ファンチーヌ」の巻。
    ミリエル司教について、
    ミリエル司教とバルジャン、
    バルジャンの改心とファンチーヌの生涯が描かれてます。

    とにかくファンチーヌが哀れすぎてもう…。
    マドレーヌ氏と出会って救われたとはいえ、
    息絶えるシーンが舞台版の印象とは大きく異なるので
    彼女の生涯については本当に「哀れ」というしかない。

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    2013年03月23日
  • レ・ミゼラブル(一)

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    邦題「ああ無情」としても知られている名作です。
    つまり名作ゆえに過去児童書等で何となくあらすじは知っている(…ような気がする…)ので改めて手に取るまでもなかろうと思いがちな作品の一つなのかもしれません。
    ですが機会があれば一度は全編読み通してみることをおすすめします。
    タイトルの Les Misérables は「みじめな人々」の意。
    本来ならいわゆる社会の下層階級に属する弱者のことを指すのでしょうが、作品を読んでいくうちに、みじめな人々とは一体誰のことなのかと考えさせられます。
    加えて19世紀フランスの社会情勢や民衆の生活が実に細かく描写されていますので、当時を知るための歴史資料にもなりうる

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    2013年02月26日
  • レ・ミゼラブル(四)

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    半分はストーリーの本筋とは違う内容で、革命の歴史についてだったり、哲学についてだったり、レトリックや隠語についてだったり。適当に飛ばしつつ読んだ。

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    2013年02月18日