佐藤朔のレビュー一覧
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ネタバレ感動に満ち溢れていた。本当の善人がここにいた。その人はとても悲しく、貧しく、時には卑しく、輝かしい程の聖なる光で包まれていた。
この本は自分にとって聖書のような本。キリスト教ではないから難しい言葉も多かったが、伝えたいことはしっかり理解する事はできたと思う。
今の心の感動を言葉に表すことは難しい。5巻を通して、ハラハラドキドキもしつつ、ココロがここまで清らかになれるものなのかと感動し、とてもズルく生きる人々を軽蔑しながら、どこか尊敬していた。
ここに登場する人々は、生きていた。生きながら無為に生きる事は誰1人しなかった。どのような境遇でも、自分の信念を持っていた。1人1人の人物を忘れる事な -
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ネタバレ面白すぎる。1巻からこの重厚感。当時のフランスの価値観や様子がよく伝わる。
心が清らかである事が、どれだけ無惨な事かを実感する。いや、なろうとする過程が悲惨なのか。心が綺麗な事は、一種の貧しさなのか。正直者は賞賛されるが、醜さには勝てないように感じた。
ジャンバルジャンは、良い司祭との出会いで人生を変えた。その過程を読むととても心が痛くなる。それは辛い境遇からくる辛さではなく、自分の邪な心に訴えかけられるような、その心を思わず否定したくなってしまう。常に正しくある事、必要以上に持たない事。どれだけ今の自分が浅ましい人間なのだろうと実感させられた。
このお話は5巻まである。ゆっくり読んでい -
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ネタバレ【ジャン・バルジャンが聖人に生まれ変わっていく長い旅の始まり】
物語全体を通して、ジャン・バルジャンが聖人に近づいていく課程が描かれています。1巻では、以下の内容が綴られています。
・物語全体を通してバルジャンの目標となるミリエル司教のエピソード
・憎しみを持ったバルジャンが「正直者」として生まれ変わる
・「正体を明かすべきか否か」正直さとは何か問われる大きな試練
【理想人としてのミリエル司教】
冒頭のミリエル司教のエピソードが秀逸でした。ミリエル司教はこの物語で最大の聖人であり、理想的な人物として描かれています。物語全体を通して、ジャン・バルジャンは多くの苦しみ、葛藤を味わい、成長し -
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ネタバレ悲惨な結末を迎えた革命、多くの仲間の死。しかし、愛するコゼットをなんとしても守り抜くためにも、マリユスだけは救い出さねばならない...再びバルジャンのスリリングな逃避行が読み応え十分でした。
ジャベールの方はというと、悪人は変わることができないという考え(信念)が揺らぎ、自分が信じていた者が根底から崩れていくことに絶望します。これは、ジャン・バルジャンがミリエル司教に赦され、ひどく苦しんだ時と状況が似ています。バルジャンは苦しみ、再度悪事を働くなどしたあげくに乗り越えましたが、ジャベールは耐えきれず、死を選びます。人は変わることができるが、それには大変な苦しみを伴うというのが、この物語のメッ -
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第三巻目のマリウスは、スラスラ読んでしまいました。
映画では、パリに来てからのマリウスが描かれていましたが、本ではパリに来る前からのマリウスが描かれていて面白かったです。
マリウスは、裕福な家庭で育ちましたが、祖父のことが大嫌いでした。マリウスの父は、祖父によって家から追い出され、マリウスは祖父の手で育てられました。
マリウスの父が亡くなってからマリウスは、父について調べました。そして、父に熱い信仰心が芽生えました。
ここまでは、映画では描かれていなかったのでスラスラと読んでしまいました。
パリに来てから、マリウスの生活は苦しく貧しい日々を過ごしていました。そんな中で、マリウスは、コゼットに対 -
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2012年にやった映画を見て、すごく感動して本をすぐに買いました。
映画のレミゼラブルよりも、一人一人の登場人物について詳しく書かれていて、すぐに読んでしまいました。
本では、当時のフランスのことも説明がしてあり、時代背景がわかって良かったです。
一巻目は、ファンチーヌについて書かれていました。映画では、売春婦になったファンチーヌだけが出てきましたが、本では売春婦になる前のファンチーヌの姿も描かれていました。哀れなファンチーヌの姿が映画よりもはるかにリアルに描かれていたので、びっくりしました。
ジャンバルジャンは、囚人として19年間牢獄に入っていて、精神的に不安定な状態だったのをミリエル司教 -
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ようやく五冊読破。物語を追いかけるのはおそらくもう4、5回目ほどになりますが、それでも要所要所涙がこぼれてきました。作者の思想、哲学からパリの歴史、思潮に文化、いろいろなことに触れつつも、ジャン・バルジャンの人生をたどってゆくかんじでした。罪は善行で償われることはないのか、わたしからしてみればもういいじゃん!としか思えないのに!(笑) 一番印象に残っているのは人物の葛藤の描写で、もう圧倒されました。それぞれの生きざまがかっこいい!胸をつくような言葉に揺さぶられまくりです。すべての人々が本当に幸福になったかと言われればそうではないけれど、幸福を求めて動く姿には本当に人間がでるなあ!と。なんという