佐藤朔のレビュー一覧

  • レ・ミゼラブル(二)

    Posted by ブクログ

    第二部「コゼット」。自ら自分の過去を明らかにしたために、市長から一転して再び監獄生活に戻ったジャンは、軍艦で労役中にマストから海に飛び込んで巧みに脱出する。自由を得た彼は、ファンチーヌとの約束にしたがって、幼くして捨てられたその娘コゼットを、悪辣な養父母のもとから救い出し、彼女を伴ってパリの暗闇の中へと潜入する──。

    テナルディエ家でのコゼットの凄惨な生活に、とても胸が締め付けられた。そこに突然現れたジャンによって救い出され、安息を得たのも束の間、今度はジャンがジャヴェールによって追われることになる。その息つく間もない逃亡劇に、時間を忘れて夢中で読んだ。
    辿り着いた先での修道院の下りは、説明

    0
    2010年09月06日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    わずか一片のパンを盗んだために、19年間の獄中生活を強いられることになった男、ジャン・ヴァルジャンの物語。
    その第一部「ファンチーヌ」。出獄したジャンは、マドレーヌと名乗って巨富と名声を得、市長にまでなる。

    娘を産むも、育てることができずにテナルディエ夫婦に託し、その後娘の顔を見ることなく逝ったファンチーヌ、ジャン・ヴァルジャンと間違われ、終身刑の罰を受けたシャンマチウなど、不幸の中で生きる人の姿がとても切なく、胸に迫った。
    ジャンがミリエル司教との出会いによって改心し、その後の人生を大きく変えていくところに、一人の人間の精神の変革の重要性を見る重いがする。
    ファンチーヌの最期は、あまりにも

    0
    2010年09月06日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     サルトル・カミュ論争を集めた論文集。F.ジャンソン(サルトルの弟子で、「現代」誌の書き手の一人)が、カミュの『反抗的人間』に対しての反論を書きつづる所から始まる。
     カミュとサルトルとは、同時代の人間ではあるが思想的に全く異なる人間である、それがこれを読んで決定的に見える点である。この頃のサルトルは、贖罪の身にすでに浸っているのだろうか。革命かそれとも…、と2択を自分と相手に求める。同調するならば仲間で、そうでなければただの論敵である。一方、カミュは違う。そもそも、彼は特殊条件下であれば、原則を曲げてもよいというような人だった。暴力を否定しない。サルトルの論はいささか卑怯かな笑

    0
    2010年08月09日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    「悪習を壊すだけでは、十分ではない。風習を変えるべきです。風車がなくなったのに、風がまだ残っている」
    「私の兄弟のジャン・ヴァルジャンよ、あなたはもう悪の見方ではなく、善の見方です。あなたの魂をわたしは買います。暗い考えや、破滅の精神から引離して、あなたの魂を神にささげます」
    「この不幸な男より1800年前に、人類のあらゆる聖性と、あらゆる苦悩を、一身に集めていた神秘な人キリストも、オリーブの木々が、荒れ狂う無限の風におののいている間に、星にみちた深い空の中で、影をしたたらせ、闇をあふれさせていた恐るべき杯が差出されたのに、それをいつまでも手で押しのけていたのである」

    0
    2010年02月08日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    全てはここから始まった。


    ミリエル司教が素敵すぎる。

    ジャンバルジャン!ジャンバルジャン!

    0
    2010年05月06日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    近代フランス文学における“カミュ=サルトル論争”の元になった雑誌でのやりとり。
    両者の方向性のちがいが判り、非常に興味深い。

    0
    2009年10月04日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    レ・ミゼラブルを通して、一番おもしろかったのは1巻でした。理由は、物語に関係のある話しかないから。他の巻では歴史の話や文化の話がでてくるので読むのに苦痛ですが、読んで物語も読むと感動します。

    0
    2009年10月07日
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    カミュファンなのでもの凄く腹立たしく読んだ本。
    頭のいい奴に言い負かされてしまいましたよ。
    ただそうあることを述べるカミュを、明晰な論法で撃破するサルトル
    。実存主義ってしょせんは処世術じゃないか。哲学じゃないのに、なにを人の揚げ足とって!、と思ったのはわたしだけ?

    0
    2009年10月04日
  • レ・ミゼラブル(二)

    Posted by ブクログ

    名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。

    0
    2009年10月04日
  • レ・ミゼラブル(三)

    Posted by ブクログ

    名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。

    0
    2009年10月04日
  • レ・ミゼラブル(四)

    Posted by ブクログ

    名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。

    0
    2009年10月04日
  • レ・ミゼラブル(五)

    Posted by ブクログ

    名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。

    0
    2009年10月04日
  • レ・ミゼラブル(五)

    Posted by ブクログ

    全5巻を読み終えての感想。
    古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。
    主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。
    特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的

    0
    2022年03月20日
  • レ・ミゼラブル(二)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前巻で亡くなったファンチーヌの娘、コゼットと、刑務所から脱獄したジャンバルジャンの交流を軸に話が展開する。
    途中、ナポレオンの敗戦と修道院に関する、本筋と離れた著者による解説がある部分が、やや読みにくいが、その他は古典といえるほど古い話であっても、引き込まれる面白さがある。特に最終盤の不法に侵入した修道院から、いかにしてジャンバルジャンが逃げ出すか、というのは、現代ミステリーにも一脈通じるスリルが味わえる。

    0
    2022年01月29日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    フランス文学の古典ということで、構えて読んだが、思いの外面白い。フランス史とキリスト教の知識があまりないので、それがあればもっと楽しめそう。
    長い刑期を終え、出所したジャン・ヴァルジャン。出所の直後も刑務所上がりとして扱われ、絶望に打ちひしがれた中、司祭の家て盗みをはたらき、再度警察に捕まりそうになる。
    しかし、司祭の弁明で、彼の罪は不問とされる。その際に受けた人間的扱いから、彼もキリスト教の愛に目覚め、他者に奉仕するように。その数々の善行から市長にまで昇り詰めるが、過去が追い縋ってきて、再び全てを失うことに。。。というのが、この巻のあらすじ。
    犯した罪は許されないのか?というのが、物語の主題

    0
    2022年01月15日
  • レ・ミゼラブル(四)

    Posted by ブクログ

    政府に対する反乱が起こっていく町の様子が細かに描かれていて、緊張感が伝わってきた。ガヴローシュけっこう好き。

    0
    2022年01月01日
  • レ・ミゼラブル(五)

    Posted by ブクログ

    まずは読破できた喜び。がんばってよかった!

    遠回しな表現がフランス文学?なのか、でも、クライマックスが近づくにつれ、その感じが心地よく、感情が昂った。やっぱり娘には会いたいよね。

    ユゴーの事を知りたくなったし、歴史的背景を勉強してみようか、という気にもなってしまった。
    100年以上前の作品の思想は、今も大切にすべきであることに変わりなし。

    0
    2021年04月02日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    小学生だったか中学生だったか...
    ミュージカルを観る予定があり、5巻買ったのですが、この本の半分位までしか読めず。
    結果、あっという間に読んだ部分は終わり、あとは兎に角ミュージカルを必死に観ていました。
    観終わってから5巻全てを読み終え、大きな達成感と共に、凄い作品だったなぁ...と思った思い出があります。ミュージカルは未だに人気ですが、この本が重厚で内容が骨太いところがあるからだとも思います。

    0
    2021年01月23日
  • レ・ミゼラブル(五)

    Posted by ブクログ

    ユゴー 「 レミゼラブル 5 ジャンバルジャン 」

    ジャンバルジャンの更生やコゼットの愛の物語だけでなく、人間の闇や フランスの混沌も描かれている。まさしく人間劇場。面白かった。

    フランスの歴史、隠語集など本編と繋がらない部分に かなりのページを割いていたが、著者の意図を知りたい

    本のテーマは 進歩。レミゼラブル=虐げられる人
    *悪→善、不正→正義、虚偽→真実、欲望→良心、虚無→神、物質→魂、怪物→天使 への進歩
    *レミゼラブル(虐げられた人たち)が進歩するために必要なのは 光(道徳心、教育)

    0
    2018年08月04日
  • レ・ミゼラブル(一)

    Posted by ブクログ

    ユゴー 「 レミゼラブル 1 ファンチーヌ 」表紙絵につられて購入

    テーマは
    *文明社会の掟と処罰
    *キリスト教道徳の実践者(正しいとは)
    *ミリエル→ジャンバルジャンへキリスト道徳が承継

    正しくあれ
    *人々の魂を救う
    *学問

    1章 正しい人
    「迷ったり〜してもいいが、正しい人であれ」
    「罪をできるだけ少なくすることが 人間の掟」
    「人間は無知という暴君を持っている〜人間は学問によってのみ支配されるべき」

    2章 転落→ジャンバルジャン
    「文明には恐るべき時がある〜刑罰が破滅を宣告する時」

    「キリストの神聖な掟が 我々の文明を支配する〜掟は文明の中まで入ってない〜奴隷制は依然としてあ

    0
    2018年08月02日