佐藤朔のレビュー一覧
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ようやく五冊読破。物語を追いかけるのはおそらくもう4、5回目ほどになりますが、それでも要所要所涙がこぼれてきました。作者の思想、哲学からパリの歴史、思潮に文化、いろいろなことに触れつつも、ジャン・バルジャンの人生をたどってゆくかんじでした。罪は善行で償われることはないのか、わたしからしてみればもういいじゃん!としか思えないのに!(笑) 一番印象に残っているのは人物の葛藤の描写で、もう圧倒されました。それぞれの生きざまがかっこいい!胸をつくような言葉に揺さぶられまくりです。すべての人々が本当に幸福になったかと言われればそうではないけれど、幸福を求めて動く姿には本当に人間がでるなあ!と。なんというか言葉に尽くせないけれど、本当にすばらしいお話でした、ありがとう!
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本当に面白い。はらはらドキドキしてしまう。
マリユスがコゼットを追いかけているのを警官だと勘違いして逃げられる。
「マリユスー!」
隣人がテナルディエ夫妻だった。
「お前らかこの野郎!」
「ジャヴェール警部に会いたいと言えばよろしい」
「あかーん!」
この巻は一番面白かったです。新しく出てきたマリユスが、今までの因縁や伏線を見事にあの一室で回収しながらのアクション。
ジャヴェールが登場してその場を収めるシーンは小説ではなくドラマや漫画のような雰囲気。
ジャンはどうなる事やらと、助けてもらった後のいざこざを心配していたので、逃げてくれてよかったです。窓から逃走。次の巻を買っておいてよかった。 -
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ネタバレ第五部「ジャン・ヴァルジャン」
暴動のさなか、コゼットのためにマリユスを助けに行くジャン・ヴァルジャン。自分のためでなく、また、自分の血のつながった娘ではないにもかかわらず、コゼットのために動くジャン・ヴァルジャンは格好良かった。また、コゼットとマリユスが結婚した後、身を引こうとするジャン・ヴァルジャンも揺らぎながらも自身の正義に従って生きているかんじがして、格好よかった。マリユスに自身の生い立ちを語ったのも、司祭に習った正義に従ったため、というのも良かった。
ティルディナイがジャン・ヴァルジャンを救ったり、マリユスの誤解を解く手がかりとなったりしたことが、作者の構成力の高さをうかがえた。
帯に書いてあったことだが、ユゴーが「?」「!」の手紙のやり取りをしていた人ということは、とっても驚いた。 -
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ネタバレ読み終わったいまとなっては、もはや感動しかない。内容のレビューなんてとてもする気にはなれない。
そもそもこれは本当に小説なのだろうか。小説とはなんなのだろうか。
この作品は、小説という形を借りた、小説とは違うもっと別の「なにか」のように思えてならない。しかしそれはなんなのだろう、と考えたときに、うまく言い表せる言葉が見つからない。
この作品では、作者の言いたいことすべてが余すところなく綴られている。いわゆる「小説」ならば蛇足となることも、すべて書かれている。正直、読んでいて辟易としたが、これはなくてはならないものだと思う。物語としては必要はないのかもしれないが、この作品はただの物語ではないと考えるからだ。
それと、登場人物が型にはまりすぎている、という指摘もあるが、それも「小説」として捉えると確かにそうだが、作者のやりたいことは小説的に面白い、素晴らしい作品をつくることではないように思え、それが先から述べているようにただの物語ではないので、これはこれでいいと思う。
小説ではない「なにか」。その「なにか」を言い当てることはできないが、作者の目指していたものが徹底追尾、余すところなく、首尾一貫してできていたと確信できる作品だった。小説を書きたいのではなく、自分の伝えたいことを伝えるのに有効な方法が小説だった、そんなように感じた作品だった。 -
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ネタバレ小説を読んでいて、久しぶりに圧倒された。それが今日の作品ではなく、古典文学であるこの作品であるということは、少し残念ではあるけれど、しかし新しい出会いであることには変わりない。
これがほんの第一部であるということへの驚きと期待。まだこの作品の世界が広がっているという喜び。そしてそれはある種の絶望的な情緒でもある。
人間の喜怒哀楽が徹底的に描かれていて、それは読んでいて心地良いというレベルではなく、思わず目を伏せてしまうほどの描写で、それでもページをめくらずにはいられないという、「リアル」と「リアリティ」の紙一重で、読者(「読書家」とはあえて書かない)の倒錯的であるこの快感をひしひしと感じられる。これは小説を読むということの、最上の感動なのではないか。
これは手放しで「すごい」としか言いようがない。それをいま僕はがんばって言葉にしているのだけれど、この感動、このクオリアはやはり「読まなきゃわからない」という使い古された言葉でしか片付けられない。
ちなみに下世話な話になるようだけれど、訳は非常に読みやすく、注訳もその場でなされているので、翻訳小説にありがちな弊害はあまりない。あまりないというのは、原文が読めるなら原文がベストだと考えているから、ということであって、ここでは「問題がない」と書くのが適当だと思う。
なので肩の力を抜いて、余計なことは考えずに(つまり先入観を捨てて)、この本を手に取ってほしい。 -
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名作と呼ばれる作品は昔から苦手だったのですが、
この本を読んで、その偏見がなくなりました!
5巻すべて読むのに2ヶ月以上かかりましたが、読んでよかったと思います。
だけど、作者が伝えたいことが(それもとても強く伝えたいことが)何かあるのはわかっているのに、それが何なのかがわからない。
これかな?と思うと、なんだか違うな、って次に思わされたりして。
時間はかかるけど、もう一度読みたいです。作者が何を伝えたくてこんな超大作を書いたのか、知りたいです。
これだけ長いので、色々と心に響く部分はあるのですが、個人的にはジャンヴァルジャンが良心と欲求に葛藤している部分(数回あります)が、共感できてよかったです。
作者の真意はわからなかったけど、結末では胸がきゅんとなりました。ジャンヴァルジャン、素敵です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校生の頃、サルトルゼミで、サルトルを読んでいました。ちょっとした解説や批評、文学以外はちんぷんかんぷんでした。この本を読んで、カミュに興味をもち、カミュの本もたくさん読みました。そういうきっかけを与えてくれた本なので、感謝しています。
論争の表面的な言葉は、原文によらないとニュアンスが伝わらないと諦めているので、特に気にはなりませんでした。
この本を読んで、カミュが好きになったことを記録します。それまでは異邦人しか読んだ事が無く、どう理解したらいいか分からずに、好きとも嫌いとも言えませんでした。本書を読んだ後、カミュの出ている翻訳はかたっぱしから読みました。