シャーロット・ブロンテのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ上下巻になっているうちの、2冊目、後半の下巻です。
ロチェスター様に求婚されて舞い上がるジェインに、ミセス・フェアファックスがたしなめるのですが…
ふたりは20歳差だったのですね。(もちろんロチェスター様が年上)
あしながおじさんとジュディの年の差(14歳差) よりも大きい!!
ジェインは18歳だから…38歳か。あれなんか思ったより若い…?
ちなみに、のちに出てくる従兄のセント=ジョンは10歳上でした(第37章より)
そこに、ロチェスター様の重婚疑惑!?
謎の女グレイスに世話される、もうひとりの謎の女……その正体は、なんと!?
リード家のぼっちゃん、叔父さん、牧師のセント=ジョン、 -
Posted by ブクログ
ブロンテ三姉妹の長姉で、『嵐が丘』のエミリーの姉。
『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)も担当された小尾芙佐さんの翻訳が大好きで、お気に入りの1冊です。
ジェインもロチェスターも、自分を美女とか美男とか思っていないところが特徴的ですね。
彼女の視点で物語が進むせいか、そんな彼女の頑張りや内面の可愛らしさばかり見えてしまい、もう、北川景子さん似の美女にしか思えなくなりました!!
で、いかつい顔のロチェスター様は、きっと伊東四朗さんみたいな人なんだろうと!
途中、ジェインの親友ヘレンが肺病で死んじゃうんですが…
亡くなる直前に、ジェインが病床のヘレンのもとに会いに行くんですね。
-
Posted by ブクログ
1847年出版の本を、これだけ楽しく、思慮深く読めるとは。多くの女性は、激しい共感を持って読める文学ではないかと思う。これほど心の内を的確に、美しい言い回しで表現出来るのだなぁと発見でもあり、哲学的に納得する箇所も少なくなく、作品世界に没頭できて、良い読書体験だった。ただの恋愛小説と侮るなかれ。今よりずっとずっと女性の人生が檻に囲われていた時代に、女性の能力と意志を力強く社会に主張した作品でもある。先達に感謝!
古い作品にありがちな堅い翻訳でもなく、大変読みやすかった。他の翻訳では冒頭で挫けそうだったので、大久保氏の翻訳がおすすめです。
イギリス的なシビアな価値観、英国社会の持つ心地よい -
Posted by ブクログ
ジェインは事あるごとに「容姿に恵まれていない」と色んな人から言われるが、そんなにブスだったのʕʘ‿ʘʔそれに「頑固」だとか性格までケチョンケチョンに貶される。
一番腹が立つのが、牧師のセント・ジョンで、彼はジェインの命の恩人ではあるのだけれどジェインのことを「労働するように生まれた人」と言って、愛がないのにジェインと結婚して助手としてインドへの宣教に連れて行こうとした。
セント・ジョンは容姿に恵まれているし、きれいな女の人にもモテるのに、自分の過剰な野心を「神からの使命」と勘違いした人。
かつてお金持ちだったロチェスター様の妻の座を狙っていたミス・イングラムのような人は容姿にも家柄に -
Posted by ブクログ
ジェインは孤児。母方の叔父に引き取られたが、叔父は亡くなり、伯母と従姉妹たちにまるで「キャンディ・キャンディ」のようにいじめられる辛い日々。唯一の味方は女中のベッシーと体調が悪い時に来てくれた薬剤師さん。
薬剤師さんの薦めもあって、叔母はジェインを「厄介払い」のために学校に入れる。
その学校というのは、孤児院で、「贅沢はさせるべきでない」という尊大な経営者のために、食事は食べられないほど不味いものが僅かだけ出されたり、天然パーマの子が「忌まわしい巻き毛」と言われたり、ジェインの叔母から「ジェインはどうしようもない嘘つき」と吹き込まれたことを皆の前で公表されたりという酷いところだった。
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ19世紀英国。女性としては際立つ矜持や自立心の故に困難の絶えないジェインは、身分を超えた愛情を育むが……。
多くの困難を越え、ようやくソーンフィールド邸という、穏やかな環境に身を置くことができたジェイン。ロチェスターの求婚までに至るまわりくどさと、グレイス・プールをめぐる秘密に翻弄される流れは、めんどくさい男だなと思いつつも、文章や演出の上手さと彼の人柄がよくわかる筋の運び方という点で納得しながら読んだ。
結婚が決まったときのミセス・フェアファックスのいっけん冷たい態度も、最初はジェインと同じく戸惑ったが後から考えると納得。
逃げ出したあとの放浪してどの家からも受け入れられないときのジェ -
Posted by ブクログ
ブロンテ姉妹のシャーロットによる、ヴィクトリア朝文学の名作。孤児となった少女が力強く生きていく波瀾の物語。
冒頭からもう面白い!幼少からいじめにあい、愛情をそそがれるべきはずの人物からそれを受けられず、それでもいじけず言い返す姿が主人公として最高。子供の頃こんなふうにものを言えなかったよなぁと。家を追い出されるように寄宿学校に入るが、そこで良き出会いがあり……この流れってどこか既視感がある。同時期に書かれたディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』の少女版といっていいような展開。しかしジェイン・エアの個性はコパフィールド以上に強烈なのが魅力だ。賢く誇り高い、しかし未知の世界への冒険心も持ち -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ有名すぎる作品をやっと読む。
やはり文学としては妹エミリーによる嵐が丘の方が格があるように思ったけど、こちらはストーリーの起伏が大きくてよりエンターテイメント性があるというか、分かりやすく面白い。解説によると妹たちのエミリーとアンの作品が世に出るきっかけはシャーロットの本作が成功したおかげだというから、その意味でもやっぱり文学上の重要作品。セントジョンのキャラクター付けとか、なかなかこれまで昔の文学作品で見ない感じだけどわかる!という描写だし。他にも稚拙な作品ではただ嫌な俗物と描写されそうなリード夫人とその子どもたちの描き方もすごく冷静で、ある種の同情も持って描かれていたり。
サルガッソーの広 -
-
-
Posted by ブクログ
カズオ・イシグロが影響を受けた作家、作品にブロンテの『ジェーン・エア』を挙げていたこと、先日読んだ『イノセント・デイズ』の主人公・田中幸乃が中学時代にこの本を読んでいたのがとても印象的で、どんな本なのか興味を持ち、読み始めた。
とても面白かった!
上下巻でぎっしり書き込まれているので一気読みというわけにはいかなかったけど、じっくり毎日共に歩ませてもらった感じ。
ジェーンの冷静さ、真面目さと、恋心による揺らぎと、ときめきと情熱と、描かれ方のバランスがとても良かった。ロチェスター氏とのやりとり場面は甘々すぎてこちらも照れちゃうくらい。
離れてみて、他人と一緒にいて再確認した、二人の時の安心感、自 -
-
-