シャーロット・ブロンテのレビュー一覧

  • ジェイン・エア (下)

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    素晴らしい。
    自分で選択し、自分でその人生を素直に生きる、そんな自由な人間の姿が生き生きと実直に記されている。
    ロチェスターとの結婚によるいわゆるハッピーエンド的な展開に関しては賛成。
    この物語の肝は一人の女性がある環境や人生の転機に自らの意志によってその苦難を乗り越えていく、その瞬間瞬間の発火点、そこに尽きると思う。
    フェミニズム的な要素はあるものの、決してその思想に傾きせず、感覚的な生の人間の内面が映し出される。
    ロチェスターの結婚を力強く跳ね返す場面は勇気をもらえる。
    原語で読みたいなー。

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    2025年08月31日
  • ジェイン・エア (上)

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    久しぶりにザ・文学みたいな本読んだ。
    内面の細やかな動きや奥行き、幅、色、全てをまっすぐ記してある。ジェインの激しい感情の昂りは今後描かれるのか。
    館の主人であるロチェスターとの関係を今後どのように描いていくのか気になる。
    言葉で待って客観的にどこか遠い距離から世界を覗き、分析するように物語る主人公。

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    2025年08月22日
  • ジェイン・エア(下)

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    ネタバレ

    上下巻になっているうちの、2冊目、後半の下巻です。


    ロチェスター様に求婚されて舞い上がるジェインに、ミセス・フェアファックスがたしなめるのですが…
    ふたりは20歳差だったのですね。(もちろんロチェスター様が年上)
    あしながおじさんとジュディの年の差(14歳差) よりも大きい!!
    ジェインは18歳だから…38歳か。あれなんか思ったより若い…?
    ちなみに、のちに出てくる従兄のセント=ジョンは10歳上でした(第37章より)

    そこに、ロチェスター様の重婚疑惑!?

    謎の女グレイスに世話される、もうひとりの謎の女……その正体は、なんと!?


    リード家のぼっちゃん、叔父さん、牧師のセント=ジョン、

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    2025年06月18日
  • ジェイン・エア(上)

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    ブロンテ三姉妹の長姉で、『嵐が丘』のエミリーの姉。

    『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)も担当された小尾芙佐さんの翻訳が大好きで、お気に入りの1冊です。


    ジェインもロチェスターも、自分を美女とか美男とか思っていないところが特徴的ですね。
    彼女の視点で物語が進むせいか、そんな彼女の頑張りや内面の可愛らしさばかり見えてしまい、もう、北川景子さん似の美女にしか思えなくなりました!!
    で、いかつい顔のロチェスター様は、きっと伊東四朗さんみたいな人なんだろうと!

    途中、ジェインの親友ヘレンが肺病で死んじゃうんですが…
    亡くなる直前に、ジェインが病床のヘレンのもとに会いに行くんですね。

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    2025年06月18日
  • ジェーン・エア(下)

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    1847年出版の本を、これだけ楽しく、思慮深く読めるとは。多くの女性は、激しい共感を持って読める文学ではないかと思う。これほど心の内を的確に、美しい言い回しで表現出来るのだなぁと発見でもあり、哲学的に納得する箇所も少なくなく、作品世界に没頭できて、良い読書体験だった。ただの恋愛小説と侮るなかれ。今よりずっとずっと女性の人生が檻に囲われていた時代に、女性の能力と意志を力強く社会に主張した作品でもある。先達に感謝!
    古い作品にありがちな堅い翻訳でもなく、大変読みやすかった。他の翻訳では冒頭で挫けそうだったので、大久保氏の翻訳がおすすめです。
    イギリス的なシビアな価値観、英国社会の持つ心地よい

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    2025年03月24日
  • ジェイン・エア (下)

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     ジェインは事あるごとに「容姿に恵まれていない」と色んな人から言われるが、そんなにブスだったのʕʘ‿ʘʔそれに「頑固」だとか性格までケチョンケチョンに貶される。
     一番腹が立つのが、牧師のセント・ジョンで、彼はジェインの命の恩人ではあるのだけれどジェインのことを「労働するように生まれた人」と言って、愛がないのにジェインと結婚して助手としてインドへの宣教に連れて行こうとした。
     セント・ジョンは容姿に恵まれているし、きれいな女の人にもモテるのに、自分の過剰な野心を「神からの使命」と勘違いした人。 
     かつてお金持ちだったロチェスター様の妻の座を狙っていたミス・イングラムのような人は容姿にも家柄に

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    2023年10月09日
  • ジェイン・エア (上)

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     ジェインは孤児。母方の叔父に引き取られたが、叔父は亡くなり、伯母と従姉妹たちにまるで「キャンディ・キャンディ」のようにいじめられる辛い日々。唯一の味方は女中のベッシーと体調が悪い時に来てくれた薬剤師さん。
     薬剤師さんの薦めもあって、叔母はジェインを「厄介払い」のために学校に入れる。
     その学校というのは、孤児院で、「贅沢はさせるべきでない」という尊大な経営者のために、食事は食べられないほど不味いものが僅かだけ出されたり、天然パーマの子が「忌まわしい巻き毛」と言われたり、ジェインの叔母から「ジェインはどうしようもない嘘つき」と吹き込まれたことを皆の前で公表されたりという酷いところだった。
     

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    2023年09月26日
  • ジェイン・エア (下)

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    頑固すぎるのでは、とこちらが当惑させられることも多いジェインだが、それゆえに、自らが求め、納得の上に得た幸せに浴することができるのかもしれない。
    最後にはいつも、流されることなく、自らの決断と能力で新たな道を行く姿に、鋭い強さを感じる。

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    2023年01月16日
  • ジェイン・エア (上)

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    ヘレン・バーンズは、ジェインとはまた異なる強い意志を持っているが、どちらも決して消えない火であるのは、それを燃やし続けているのが自らの手によるからだ。
    ロチェスターの意外な告白で上巻が終わり、下巻を手に取らずにはいられない。

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    2023年01月16日
  • ジェイン・エア(下)

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    ネタバレ

    19世紀英国。女性としては際立つ矜持や自立心の故に困難の絶えないジェインは、身分を超えた愛情を育むが……。

    多くの困難を越え、ようやくソーンフィールド邸という、穏やかな環境に身を置くことができたジェイン。ロチェスターの求婚までに至るまわりくどさと、グレイス・プールをめぐる秘密に翻弄される流れは、めんどくさい男だなと思いつつも、文章や演出の上手さと彼の人柄がよくわかる筋の運び方という点で納得しながら読んだ。

    結婚が決まったときのミセス・フェアファックスのいっけん冷たい態度も、最初はジェインと同じく戸惑ったが後から考えると納得。

    逃げ出したあとの放浪してどの家からも受け入れられないときのジェ

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    2022年11月14日
  • ジェイン・エア(上)

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    ブロンテ姉妹のシャーロットによる、ヴィクトリア朝文学の名作。孤児となった少女が力強く生きていく波瀾の物語。

    冒頭からもう面白い!幼少からいじめにあい、愛情をそそがれるべきはずの人物からそれを受けられず、それでもいじけず言い返す姿が主人公として最高。子供の頃こんなふうにものを言えなかったよなぁと。家を追い出されるように寄宿学校に入るが、そこで良き出会いがあり……この流れってどこか既視感がある。同時期に書かれたディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』の少女版といっていいような展開。しかしジェイン・エアの個性はコパフィールド以上に強烈なのが魅力だ。賢く誇り高い、しかし未知の世界への冒険心も持ち

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    2022年11月10日
  • ジェイン・エア(上)

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    テンプル先生がマクゴナガル先生とダンブルドア足して2で割ったみたい。
    ミセス・リードの我が子を夫がかわいがってくれなかったってところからジェインのその後の軌道に少なからず影響を与えてる気がする。
    パンとミルクとチーズをもらいたくなる。「バタ」って表記がおいしそう。
    古典というけどあんまり堅苦しくなくて、先が気になるロマンスの物語だった

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    2022年08月02日
  • ジェイン・エア(下)

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    今まで見てきた映画やドラマの一部の展開で
    少なからずジェイン・エアの真似と思えるものが多々あった
    影響を受けたというかアイディアそのものが。
    エドワードが占い師として登場するなど
    突飛でオリジナリティがあるからこそ予想できない場面や展開があって
    作者の豊かな想像力と創造力の両方を感じられた
    あとエドワードかわいい。
    セント=ジョンとの対比で余計かわいい。
    彼は彼で禁欲的で信仰心篤いってレベルを超えてて、抑圧的で支配的で魅力的。ジェインがドMだったらついてっちゃってたんじゃないかな。
    まあとにかくエドワードがかわいい。

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    2022年08月02日
  • ジェイン・エア (下)

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    ネタバレ

    有名すぎる作品をやっと読む。
    やはり文学としては妹エミリーによる嵐が丘の方が格があるように思ったけど、こちらはストーリーの起伏が大きくてよりエンターテイメント性があるというか、分かりやすく面白い。解説によると妹たちのエミリーとアンの作品が世に出るきっかけはシャーロットの本作が成功したおかげだというから、その意味でもやっぱり文学上の重要作品。セントジョンのキャラクター付けとか、なかなかこれまで昔の文学作品で見ない感じだけどわかる!という描写だし。他にも稚拙な作品ではただ嫌な俗物と描写されそうなリード夫人とその子どもたちの描き方もすごく冷静で、ある種の同情も持って描かれていたり。
    サルガッソーの広

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    2022年12月15日
  • ジェーン・エア(下)

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    夏の嵐の夜、ジェーンとロチェスターが心を通じ合わせるシーンを初めて読んだ時は鳥肌がたった。
    ロチェスターのもとを去る時のジェーンの葛藤は痛々しいほど頑なだけどその強さと正義に心打たれた。
    クライマックス、
    ジェーンがロチェスターの呼ぶ声を聞くシーン、ちょっと出来過ぎだけどロマンチックに痺れる〜

    ヒロインが美しくないと随所に記述されているが
    裏返せば作者が美醜にこだわりがあったのかな?

    今まで何度も読んだ大好きな小説

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    2022年03月05日
  • ジェーン・エア(上)

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    ネタバレ

    また読みたくなり、数十年ぶりか再読
    カバーは映画の1シーン ジョーンフォンテーン
    ハリウッドらしき映画、そうそうたるメンバーが登場する。

    主人公の、頭をしっかりあげて生きている所がいいな
    あの時代にね
    女性の自立して生きようとする姿と、貴族の世界とそこから離脱する姿 両方を同時にえがこうとしているのか
    いくつもの視点で読める本であり、見れる映画かも。
    映画は今見るとどう感じるやら

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    2022年02月17日
  • ジェーン・エア(下)

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    カズオ・イシグロが影響を受けた作家、作品にブロンテの『ジェーン・エア』を挙げていたこと、先日読んだ『イノセント・デイズ』の主人公・田中幸乃が中学時代にこの本を読んでいたのがとても印象的で、どんな本なのか興味を持ち、読み始めた。

    とても面白かった!
    上下巻でぎっしり書き込まれているので一気読みというわけにはいかなかったけど、じっくり毎日共に歩ませてもらった感じ。
    ジェーンの冷静さ、真面目さと、恋心による揺らぎと、ときめきと情熱と、描かれ方のバランスがとても良かった。ロチェスター氏とのやりとり場面は甘々すぎてこちらも照れちゃうくらい。
    離れてみて、他人と一緒にいて再確認した、二人の時の安心感、自

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    2022年01月21日
  • ジェイン・エア (下)

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    期待せずに読み始めたものの、正月に読み通す。何かの小説の主人公が、続きが気になって仕方なかったと言ってましたが、そんな感じ。
    作中人物の感じ方に共感できなかったり、考え方が古い?ときもありますが、それはそれで面白いかも。

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    2022年01月03日
  • ジェイン・エア (下)

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    ロチェスター屋敷で伏線はいくつもあった。それが露見し、ジェインはさまよう。またも苦難。しかし、最後は胸が高鳴る、見事な大団円。自分で決める女性ジェインの勝利がみなの幸福、勝利にも関係したのだ。

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    2021年06月30日
  • ジェイン・エア (上)

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    ネタバレ

    ジェイン・エアに試練は続く。
    親の死、引き取り手のいじめ、すれ違う愛。
    なかでも最後は、切なすぎる。

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    2021年06月28日