シャーロット・ブロンテのレビュー一覧
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▼たいへんにオモシロかったです。あざといばかりの筋立て。偶然。ラブロマンスと激動。そしてハッピーエンド。そして「言いたいこと」が実に背骨が通っています。既存の権力権威あるいは暴力構造の中で、弱いものが、それらのルールや前例にひれふさずに、たれも支配せず支配されずに生きて行きたい。
フェミニズム、なんでしょう。パチパチ。
▼1847年初出だそうです。「嵐が丘」と同年。「高慢と偏見」が1831年。「ノートルダム・ド・パリ」1831年。「ゴリオ爺さん」1835年。「オリバー・ツイスト」1837年。「クリスマス・キャロル」1843年。「貧しき人々」1846年。
産業革命からはじまる社会の変動、19世紀欧州先進国?の出版経済ビッグバン。おもしろいですね。
以下、ネタバレあり。
▼経済が中世から近代へと移り変わる。貨幣経済になる。個人という意識が出てくる。女性の社会進出が胎動する。
主人公ジェインは、「男性に認められ、男性を内助する存在として居場所をもらう」ことに縛られず、飽き足らず、自己実現と幸せを追い求めます。
求められての結婚、、、、という大きな波が2回来ます。それに対してのジェインの微妙な居心地の悪さの描写がすごい。とにかく、徹底してジェインの気持ちによりそって書かれているので、心理描写がとにかく突き刺さる。
▼ミステリーとしての作りも実にエンタメでした。後半に超絶のドンデン返しになる「ロチェスター夫人」の存在は、ちゃんとはじめから布石が打たれているし、その露見騒動の破滅カタルシスが半端ない。これは舌を巻きました。
▼牧師セント・ジョンとの関係と破綻に至っては、実に説得的。ジェインが「お断りする」というのが十分にスッキリ物語快感になりました。そこから先はもう、これはどうやって気持ちの良い小説としての着地点に導いてくれるのだろうかとちょっと不安になりました。
ラストに向けての怒涛の展開は、圧倒的な力技。でも嫌いじゃないです。フィクションは、ある意味、こうでないと(笑)。
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そんなうまいこと行くかーい!
いいんです!
うまいこと行っていいんです!
奇跡のような物語でいいんです!
だってジェインはいつだって正しくあったんだから
誰にもバレなければいいじゃないか!という誘惑、いや懇願に対してもきっぱりと跳ね除け、過分な幸運は断固として分け与える
誰も見ていなくても神様が見ている?
ジェインなめんな!と言いたい
もちろん、それもある
神様の件も確かにある
だけどジェインが正しき道を進もうとするのは、誰も見ていなくても”自分が見ている”という理由だったように思います
だからいいんです!
高貴な心で正しい道を進もうとするジェインに奇跡が降り注いできていいんです!
むしろ当然の結果なのです
ジェインのようにど真ん中とはいかないけれど、正しい道の端っこの方は歩いていたいな〜
そんな風に思う今日の日なのでした -
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なんでそーなるの?!
はい、ブロンテ三姉妹の長女シャーロットの『ジェイン・エア』です!じぇじぇじぇじぇ!(古い)
すごいよねー三姉妹全員100年残る小説書いてるって
まぁうちの三姉妹には負けるけど(負けるんかい!)
そして聖書です
バリバリ聖書です
でもやっぱりよく分からんので聖書方面は雰囲気で乗り切る
幼い頃に両親を亡くし、親戚に引き取られるが、そこで虐められ、孤児の学校に放り込まれそこでも苦労した少女が独り立ちした後、運命の人に出会う!という前半
冒涜に近いくらいざっくり言うとこんな感じ、大好きなやーつです
そして二人はお互いの気持ちに気付き、身分の差を乗り越えて結ばれ、幸せに暮らしましたとさ…とは一切ならなさそうな風雲急を告げる下巻に急げ!じぇじぇじぇじぇ!(それはもういいて) -
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ネタバレ上下巻になっているうちの、2冊目、後半の下巻です。
ロチェスター様に求婚されて舞い上がるジェインに、ミセス・フェアファックスがたしなめるのですが…
ふたりは20歳差だったのですね。(もちろんロチェスター様が年上)
あしながおじさんとジュディの年の差(14歳差) よりも大きい!!
ジェインは18歳だから…38歳か。あれなんか思ったより若い…?
ちなみに、のちに出てくる従兄のセント=ジョンは10歳上でした(第37章より)
そこに、ロチェスター様の重婚疑惑!?
謎の女グレイスに世話される、もうひとりの謎の女……その正体は、なんと!?
リード家のぼっちゃん、叔父さん、牧師のセント=ジョン、ロチェスター様のところの使用人と、重要キャラだけでも4人のジョンさんが出てきますが、人の好いジョンさんは、使用人のジョンさんだけですね……。
ジョンぼっちゃんは暴力的で、セント=ジョンは慈悲深さがあるわりに結構残忍で、叔父さんは、人づてにしか語られませんが、もう、お金のことしか興味ないようなイメージ…。
って、3人ともジェインの親戚やないか!!!
でも、ジョンぼっちゃんはジャイ○ンにも見えてくるし、
セント=ジョンは友人とか兄貴としてならすごくいい人だし、
やっぱりどこか憎めないんですよね~
でもジェインったら、ロチェスター様大好きドキドキだから、きっとジョンぼっちゃんのことも、セント=ジョンのことも眼中にないんでしょうけど。
【下巻目次】
21~22章・・・ミセス・リード母娘との再会 (18歳)
23章・・・愛の告白
24章・・・婚約までの日々
25章・・・ジェインの悪夢
26章・・・悲劇の結婚式
27章・・・ロチェスター様の秘密
28章・・・ジェインの果てしない旅
29~30章・・・セント=ジョン兄妹との出会い
31~33章・・・モートンでの小学校校長時代
34~35章・・・セント=ジョン兄妹との生活 (19歳)
36章・・・ジェイン、2度目の旅立ち
37章・・・ロチェスター様との再会
38章(終)・・・ロチェスター様との結婚生活 (19~29歳) -
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ブロンテ三姉妹の長姉で、『嵐が丘』のエミリーの姉。
『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス)も担当された小尾芙佐さんの翻訳が大好きで、お気に入りの1冊です。
ジェインもロチェスターも、自分を美女とか美男とか思っていないところが特徴的ですね。
彼女の視点で物語が進むせいか、そんな彼女の頑張りや内面の可愛らしさばかり見えてしまい、もう、北川景子さん似の美女にしか思えなくなりました!!
で、いかつい顔のロチェスター様は、きっと伊東四朗さんみたいな人なんだろうと!
途中、ジェインの親友ヘレンが肺病で死んじゃうんですが…
亡くなる直前に、ジェインが病床のヘレンのもとに会いに行くんですね。
そのときに、女の子同士でキスしたり、抱き合ったり…なんか危険な香り!
【上巻目次】
1~4章・・・リード家居候時代 (10歳)
5~9章・・・ローウッド養育院時代 (10歳)
10章・・・ローウッドでの教師時代 (18歳)
11~20章・・・家庭教師時代 (18歳)
(ロチェスター様がブランシュ嬢との結婚を示唆する場面まで) -
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1847年出版の本を、これだけ楽しく、思慮深く読めるとは。多くの女性は、激しい共感を持って読める文学ではないかと思う。これほど心の内を的確に、美しい言い回しで表現出来るのだなぁと発見でもあり、哲学的に納得する箇所も少なくなく、作品世界に没頭できて、良い読書体験だった。ただの恋愛小説と侮るなかれ。今よりずっとずっと女性の人生が檻に囲われていた時代に、女性の能力と意志を力強く社会に主張した作品でもある。先達に感謝!
古い作品にありがちな堅い翻訳でもなく、大変読みやすかった。他の翻訳では冒頭で挫けそうだったので、大久保氏の翻訳がおすすめです。
イギリス的なシビアな価値観、英国社会の持つ心地よい勤勉さに触れたい人も楽しめると思います。 -
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ジェインは事あるごとに「容姿に恵まれていない」と色んな人から言われるが、そんなにブスだったのʕʘ‿ʘʔそれに「頑固」だとか性格までケチョンケチョンに貶される。
一番腹が立つのが、牧師のセント・ジョンで、彼はジェインの命の恩人ではあるのだけれどジェインのことを「労働するように生まれた人」と言って、愛がないのにジェインと結婚して助手としてインドへの宣教に連れて行こうとした。
セント・ジョンは容姿に恵まれているし、きれいな女の人にもモテるのに、自分の過剰な野心を「神からの使命」と勘違いした人。
かつてお金持ちだったロチェスター様の妻の座を狙っていたミス・イングラムのような人は容姿にも家柄にも恵まれているのに「金の亡者」。これも可哀想。
血筋は悪くないが、孤児となったために、意地悪な親戚の家→貧窮院→ロチェスター家の家庭教師→ムーアハウス、貧しい子供達の学校の先生→ロチェスター家 と巡り歩き、最後に盲目となってしまったロチェスター様と再会し、彼の目となり手となる愛を結ぶシーンは本当に素敵。
四半世紀くらい前に読んで、このシーンに感動して、私の「愛のバイブル」となっていたが、ストーリーは99%忘れていた^_^
「強い女の人のストーリーが好きなんだね」と言われたことがある。うん、はい。確かに強い女の人の話は好き。でも、私が好きなのは「芯が強い人」であって、自分や同胞の権利を求めて、回りを攻撃するタイプの人はキライなんだな。
ジェインは何度か絶望の中、一筋の光を求めて荒野の中を彷徨う。それがジェインの心象風景でもあり、イギリス人の心の原風景でもある(たぶん)ヒースの丘や曇り空なんだなあ。暗いけれど、時々見える晴れ間が美しい。
自分に近しい人だと分かったムーアハウスの住人を喜ばせるために、ムーアハウスを女中と一緒に蜜蝋などでピカピカに磨きあげ、敷物やカーテンを変えて、料理を準備するシーンも好き。「上流階級→教養があって働かない人、働く人→教養がない下層階級の人」という認識のあった当時のイギリス社会の中で、自分の足で歩ける教養を身につけ、ある程度の身分になっても主婦のように働くことにも喜びを見出す、今の働く主婦のようにバランスの良い女性になっていったジェインの成長は気持ちが良かった。
そしてまた、机上の空論ばかり並べたて、貧しいものに対して上から目線であった聖職者に対しても「本当の愛」とは何かということを身を持って突きつけるような心地良さがあった。
今、「多様性」文学がもてはやされているが、「ジェイン・エア」もこの頃のイギリスの中では「多様性」を認めた文学だったのではないだろうか?ブスが幸せになるというだけでもʕʘ‿ʘʔ
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ジェインは孤児。母方の叔父に引き取られたが、叔父は亡くなり、伯母と従姉妹たちにまるで「キャンディ・キャンディ」のようにいじめられる辛い日々。唯一の味方は女中のベッシーと体調が悪い時に来てくれた薬剤師さん。
薬剤師さんの薦めもあって、叔母はジェインを「厄介払い」のために学校に入れる。
その学校というのは、孤児院で、「贅沢はさせるべきでない」という尊大な経営者のために、食事は食べられないほど不味いものが僅かだけ出されたり、天然パーマの子が「忌まわしい巻き毛」と言われたり、ジェインの叔母から「ジェインはどうしようもない嘘つき」と吹き込まれたことを皆の前で公表されたりという酷いところだった。
しかし、そんな中で、テンプル先生という美しく優しく聡明な校長先生やヘレンという崇高な精神を持った友人との出会いがあり、ジェインは心を強く持って、勉強に励み、何処へ出ても恥ずかしくない教養を身につけた。
孤児院(「ローウッド」)も改善されてゆき、居心地のよい場所になり、やがてジェインは教師になったが、テンプル先生が結婚退職したことを機に、「もっと広い世界を見てみたい」という衝動に駆られた。そして、こっそり家庭教師の広告を出すと、ソーンフィールドという場所にある、由緒正しいお屋敷に雇われた。
10歳まで、虐げられながら過ごした叔母のお屋敷とその後8年間過ごした孤児院以外の初めての場所にジェインは自分の力で踏み出したのだ。
(抜粋)
自分の運命に無言の反抗をする人も無数にいる。政治的な反乱以外に、人々の間に燃え立っては消される反乱がいかにたくさんあることだろう。一般的に女性は穏やかだと思われているが、女にも男と同じ感情がある。能力を発揮し、努力の成果を生かす場を、男性同様に必要としている。
ジェインは男女の固定観念が強い時代に不遇な子供時代を送ったにも関わらず、自分の足でしっかり歩いて行くことを選ぶことが出来た知的な女性だ。
ソーンフィールドのお屋敷に普段、ご主人は不在だが、ある時帰ってきたご主人は、見かけがいかつくて、性格も偏屈な感じだった。だけど、ジェインに対し、ユーモアや皮肉を交えながらもまっすぐな気持ちをぶつけてくれるご主人、ロチェスター様にジェインは惹かれていく。そして、ロチェスター様のほうも社交界のチャラい女性達よりも美しくはないが知的で誠実なジェインに惹かれていく。
子供の頃にみたアニメのシリーズ「日曜名作劇場」のようにワクワクする。だけど、男の子の冒険物語とは違い、ジェインという女の子の物語は小さな「自分の世界」を自分の力で少しずつ少しずつ勇気を出して広げていく、精神的な冒険物語だ。
もう一つの魅力は“イギリスらしさ“だ。どんよりして凍てつく冬の厳しさの描写。それに対してさまざまな花がさく美しい春の自然の描写。
また、イギリスらしく、お屋敷には「幽霊」!ではないのだが、幽霊と同じくらい不気味な謎の人間が住んでいるようなのだが、実態が分からない。
ミステリー要素も含め、下巻が楽しみ。
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ネタバレ19世紀英国。女性としては際立つ矜持や自立心の故に困難の絶えないジェインは、身分を超えた愛情を育むが……。
多くの困難を越え、ようやくソーンフィールド邸という、穏やかな環境に身を置くことができたジェイン。ロチェスターの求婚までに至るまわりくどさと、グレイス・プールをめぐる秘密に翻弄される流れは、めんどくさい男だなと思いつつも、文章や演出の上手さと彼の人柄がよくわかる筋の運び方という点で納得しながら読んだ。
結婚が決まったときのミセス・フェアファックスのいっけん冷たい態度も、最初はジェインと同じく戸惑ったが後から考えると納得。
逃げ出したあとの放浪してどの家からも受け入れられないときのジェインの、誇り高さと自己肯定感の低さが同居しているような感情には、どこか共感するものがあって胸が痛かった。
セント=ジョンの厳しすぎる使命感には辟易。若さゆえの融通のきかなさがよく表現されている人物だと思う。しかし、ジェインが真実の愛に気づくために必要な経験をもたらしてくれた。
突然親族の財産が転がり込むお約束的なものや、精神が感応して聞こえないはずの呼び合う声が聞こえてしまうというエピソードは、現代の我々にはベタではあるが自分は好きだ。
魂では深く結びついている二人なのに、あのタイミングでうまく結ばれなかったのは、お互いに試練を越えて磨かれなければならない部分があったからだと、構成の巧みさに舌を巻いた。ロチェスターは高価な宝飾や服など価値がないと悟り、粗雑で高圧的だったところもすっかり角が取れている。ジェインもまた、多くの苦難とセント=ジョンとの件を越えたからこそ、彼のすべてを受け入れることができたのだと思う。
「どうなっちゃうのこれ!?」とヤキモキする展開がずっと止まらない本作。最後には、失って得るもの――二人の魂の成長を読者も実感できるような、見事な着地に拍手喝采。自立した女性の話というだけでなく、素晴らしいラブストーリーだからこそ長く愛されるのだろう。小説本編以上に興味深いブロンテ姉妹の経歴にも注目したい。