シャーロット・ブロンテのレビュー一覧
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上巻から物語は怒涛の展開を見せる。ロチェスター様については、事情があったとはいえ、重婚は許される行為ではないな。彼の孤独や苦悩に同情するが、その選択はあまりにジェーンにとって失礼。
ジェーンが彼のもとを去った後に出会うセント・ジョンは、怖すぎる。理性的でおだやかで普通にしていたら完璧な人だが、その内側には他者を自分の理想や目的に従わせようとする冷酷さがあり、支配的な存在として恐ろしさを感じた。ジェーンが彼に説得されてインドへ行ってしまうのではないかと、読みながら不安になった。
最終的にジェーンがロチェスターのもとへ戻ったことですごくよいラストで幸せな気分になった。 -
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伯母に疎まれていたと描かれているが、幼少期のジェーンは、正直なところ本当に育てにくい子どもだったのではないかと感じた。もちろん、いとこたちの態度もかなりひどいのだが。
時代背景を考えれば仕方ない部分もあるのだろうが、ローウッド学校の生活はあまりに厳しく感じられた。特に食事に関しては、子どもたちにはきちんと食べさせてあげてほしいと思ってしまう。ただ、そのような環境の中でも、ヘレンや人格的に優れた教師と出会えたことは、ジェーンにとってはよかったと思う。
ロチェスター様の態度は終始思わせぶりで、その振る舞いについてはどうなのかと思った。それがおもしろいのかもしれないが。 -
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エリザベス。田舎に住む5人姉妹の次女。才知。活発。そろそろ結婚の年齢。ある日、男ダーシーがエリザベスに求愛するが、エリザベスは身分が高く、お世辞の一つも言わないダーシーを「高慢」な男だと決めつけ、ダーシーを拒絶する。そして愛想のいい男ウィカムと付き合いはじめるが、ウィカムは実はだらしないただの女好きだと判明する。その後、エリザベスはダーシーが寛容で思いやりのある男であると気づき、自らの偏見を改め、ダーシーとの結婚を決める。ジェイン・オースティンAusten『高慢と偏見』1813 ※女性、10ポンド紙幣
●ウィカム。男。末娘リディアと駆け落ち。
〇ビングリー。男。温厚。ダーシーの親友。長女ジェインに興味。
〇ジェイン。長女。素直。控えめ。おしとやか。
〇ベネット。母。娘たちの玉の輿婚を目指す。
*日常会話にある空気、微妙な失礼、感情のズレ。人間観察。あらすじより会話とニュアンス。
ジェイン。女の子。孤児。チビ。顔色が悪い。ぶさいく。寄宿学校に入る。成績優秀。数年後、教師資格を得て、寄宿学校を出て、家庭教師に。家庭教師先の主人の男ロチェスターと恋仲になり、身分の違いを乗り越えて結婚を約束。しかし、結婚式当日、ロチェスターには精神を病んだ妻がいて、あまりに狂暴のため屋根裏に幽閉されていることを知る。ジェインは家庭教師先の家から去る▼ジェインは職を失い、金に困っていたところ、親戚の牧師の男に助けてもらう。牧師の男から、求婚され、一緒にインドに移住しようと持ちかけられるが、好きでもないため、迷っていると、「ジェイン、ジェイン」と自分の名前を呼ぶロチェスター(昔、結婚を約束した男)の声を聞く(幻聴)。嫌な予感がしたジェインは、ロチェスターの家に行くと、屋敷は焼け落ち、ロチェスターは左手を失い、失明していた。ロチェスターの妻は死亡。晴れて、ジェインとロチェスターは結婚、子供を産み、幸せに暮らす。シャーロット・ブロンテBrontë『ジェイン・エア』1847 ※ブロンテ三姉妹の長姉
●リード夫人。ジェインの叔母。いじわる。
〇ヘレン・バーンズ。女生徒。寄宿学校の友達。敬虔なキリスト教徒。学校の不衛生により肺病で死亡。
〇エドワード・フェアファックス・ロチェスター。ジェインがその娘(アーデル)の家庭教師として雇われた家の主人。
〇セント・ジョン。牧師。男。布教のためインドへ移住。
●ロチェスター夫人。狂って、屋敷に火をつける。
初恋を語る詩人は多いが、その後の恋を語る詩人が少ないのはなぜだろう。ジョージ・エリオットEliot『アダム・ビード』1859 ※男性名「ジョージ」だが女性
サイラス・マーナー。男。40歳。農村にある粗末な小屋で、機織りで布を織って暮らしている。親のいない赤ちゃん(エピー)を引き取り育てる。ジョージ・エリオットEliot『サイラス・マーナー』1861
・悪いことが起こると強く信じれば、それは起こらずにすむという、誰にでも染み付いている迷信。
夫婦をめぐる道徳。ジョージ・エリオットEliot『ミドルマーチ』1871
結婚を尻込みする人間は戦場から逃亡する兵士である▼最上の男は独身者の中にいる。最上の女は既婚者の中にいる。ロバート・ルイス・スティーヴンソンStevenson『若い人々のために』1883 ※スコットランド
ジキル博士。化学者。悪徳を求める心を抑えられない。そこで、自分の中に潜む悪を表出させる薬を発明。しかし徐々に制御が効かなくなり、突然ハイド(純粋悪)が出てくるように。ハイドは街角でぶつかり転倒した少女を執拗に踏みつける。また議員の男をステッキで殴り殺す。その後、ジキル博士の実験室で、ジキル博士の服を着たハイドの死体が発見される。ロバート・ルイス・スティーヴンソンStevenson『ジキル博士とハイド氏』1886
〇ジキル。悪への衝動。大柄。表向きは温厚。人望。医学者。国立協会員。学識。
●ハイド。純粋悪。小柄。薄気味わるい。青白い顔。残忍。冷酷。
〇アタスン。ジキルの友人。弁護士。謎の男ハイドの秘密を探る。
〇ラニョン。ジキルの友人。医者。ジキルの秘密を知りショックで死亡。
〇プール。ジキル博士の執事。
失敗をゆるすのは成功をゆるすよりもはるかにたやすい。チャールズ・ウォーナー『小さな旅』
ユーモアの利点は嘲(あざけ)りの笑で運命を平然と無視できることだ。ジョージ・ギッシング『三文文士』1891
絶望には独特の静けさがある。ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』1897
クルツ。コンゴ奥地で原始の闇の魔力に憑りつかれる。人間の内にある暗黒。文明が覆い隠した闇。未開世界で見た極限の生。クルツは「こわい、こわい」と叫びながら息絶える。ジョーゼフ・コンラッドConrad『闇の奥』1899
〇マーロウ。男。船乗り。アフリカ奥地コンゴにいる男クルツを救出するよう依頼を受ける。語り手。
見知らぬ国へ行く魅惑に満ちた恐れ。故国に帰る懐かしい安堵▼人々はローマが偉大であるからローマを愛したのではない。ローマは人々が愛したからこそ偉大になったのだ。ギルバート・チェスタトンChesterton『正統とは何か』1908
異なる価値観をもつ二つの家の交流。エドワード・モーガン・フォースターForster『ハワーズ・エンド』1910 ※ブルームズベリー・グループ
〇ヘレン・シュレーゲル。次女。教養。知性。内面重視。理想主義。
〇ヘンリー・ウィルコックス。実業家。実利追求。鈍感。保守主義・現実主義。
※自殺が罪悪であるのは、あとに残されるものの感情を顧みないからである。
インド人アズィズがイギリス人の婚約者アディラをレイプしようとしたとして逮捕、裁判にかけられる。被支配者側のインド人と支配者側のイギリス人の間の民族対立に発展。エドワード・モーガン・フォースターForster『インドへの道』1924
ヘンリ・ヒギンズ。言語学者。ロンドンの下町の貧しい花売りの娘(イライザ)を教育して、立派なレディに仕立て上げる。正しい発音・話し方・礼儀作法。バーナード・ショー『ピグマリオン』1913 ※「マイ・フェア・レディ」の原作
禁欲。青春。デイヴィッド・ハーバート・ロレンス『息子と恋人』1913
コンスタンス(コニー)。若い女。夫クリフォード・チャタレイは戦地で重症を負い、下半身が麻痺。車いすの生活。夫は傲慢で自意識の強い男。性生活もない。コニーは夫との肉体関係のない精神生活に満足できず、家の森番の男メラーズと不倫、妊娠。夫にばれてしまい、森番の男は解雇される。女は離婚を求めるが夫は認めず、女は夫の元を去る。デイヴィッド・ハーバート・ロレンスLawrence『チャタレイ夫人の恋人』1928
※イギリスで過激な性描写が問題となり削除版が出版される。
ローラ。庭でパーティの準備をしていると、近くで交通事故があり、人が亡くなったらしい。母にパーティの中止を提案するが、母は聞く耳をもたない。ローラは亡くなった人の家を訪れる、若い男の死に顔を見つめ、人生に疑念を感じる。キャサリン・マンスフィールド『園遊会』1921
机の上。インクつぼに蠅(ハエ)が入り込む。その蠅をつまみ取り、紙の上にそっと置く。蠅はピクピク動いている。蠅の上からインクを一滴ぽたりとたらす。さらにもう一滴。蠅は動かなくなる。死んで横たわる蠅を見て、惨じめな気持ちになる。キャサリン・マンスフィールド『蠅』1922
フィリップ・ケアリ。男。孤児になり牧師の叔父に育てられる。生まれつき足首が曲がっている。劣等感。歪んだ性格。ドイツに遊学し、宗教・倫理的な意識・しがらみから解放されていく。ウィリアム・サマセット・モームMaugham『人間の絆』1915
チャールズ・ストリックランド。男。妻と2人の子供を捨てて画家になる。芸術至上主義。自己中心。放浪の末、タヒチに住み着き、島の女と結婚。ハンセン病に罹りながら、小さな小屋で絵を描く。小屋の絵は焼き払うよう言い残して息を引き取る▼人は時に自分のつけた仮面を完璧なまでにつけこなし、やがて本当に人から見える仮面どおりの人間になってしまうことがある▼毎日きらいなことを二つずつ行うのは魂のためによいこと▼苦しみは人間を気弱くし、執念深くする。ウィリアム・サマセット・モームMaugham『月と六ペンス』1919
〇ダーク・ストルーヴ。画家。オランダ人。愛妻家。
〇ブランシュ。ストルーヴの妻。ストリックランドと不倫するも、捨てられて自殺。
美人はなぜつまらぬ男と結婚するのか。それは賢い男が美人と結婚しないからだ。ウィリアム・サマセット・モームMaugham『呪われた男』
若さの唯一の欠点はあまりに早く歳をとってしまうことだ。アガサ・クリスティChristie『秘密機関』1922
レベッカ。美貌。才知。没落貴族マキシムと結婚。ある日、レベッカは行方不明になり、海底の帆船からレベッカの死体が発見される。ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』1938 ※ヒッチコック映画「レベッカ」の原作
南海の孤島に取り残された少年たち。島で共同生活を始めるが、徐々に秩序が壊れ、殺し合いが始まる。ウィリアム・ゴールディングGolding『蠅の王』1954
〇ラルフ。12歳。リーダーに選出。良識。合理的。
〇ピギー。ひ弱。ぜんそく。肥満児。知的。ジャック一味に殺される。
●ジャック。狩猟隊。粗野。独裁。顔を迷彩色に塗る。殺した豚の顔を斬り落とし杭にさす。豚の顔に蠅が群がる。悪の象徴。森に火をつける。
〇サイモン。独特。神秘的。予言。蠅の王から「私はお前の一部だ」と言われ、意識を失う。ジャック一味に殺される。
スミス。17歳。労働者階級。母子家庭。窃盗罪で少年院に入所。少年院の院長は、スミスに長距離走の才能があることを知り、自分の名誉のためにスミスを大会に出場させ、優勝させることを思いつく。大会が開幕。スミスは院長の思惑通り、トップで最終コーナーに差し掛かる。しかし、急にゆっくり走り始め、ついには止まってしまい、2位のランナーに抜かれてしまう。オレは大人の思い通りにはならない。アラン・シリトーSillitoe『長距離走者の孤独』1958
アンソニー・バージェスBurgess『時計じかけのオレンジ』1962
イギリスの田園風景の品格。わかりやすいドラマや「見せ場」がないからこそ偉大。美しさの持つ落ち着き、慎ましさ。自らの美しさと偉大さをよく知っているので、大声で叫ぶ必要がない。カズオ・イシグロ『日の名残り』1989
※ダーリントン・ホール。貴族の屋敷。オックスフォードの近く。
〇スティーヴンス。執事。老齢。名誉・品位・伝統など形式を重んじる。
〇ファラデイ。アメリカ人。屋敷を購入。 -
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ネタバレいっきに読んでしまった。
会話が現代では考えられないほど回りくどいし、聖書等の引用が多くて理解しにくいのになぜこれほど引き込まれるのか。
サスペンスを読んでるのか?それとも少女漫画?
読みながら自分が何を読んでいるのかわからなくなりながらあっという間に読み切ってしまった。
下巻でどういう展開になるのか。
それはそれとしてジェーンは孤独なのか?孤独ってなんだ?
ロチェスター氏にとってジェーンは「おもしれーオンナ」ってとこか。
2人のやりとりと、ジェーンのやけに冷静に自分を落ち着けようとしてるところとか、なんかもう少女漫画読んでるような気持ち。身分違いを受け入れてるからこそなのか? -
Posted by ブクログ
ジェーン・エアという女性が両親を早くに失って、少女から娘へ他人の中で苦労して成長する物語。
豪壮な館での家庭教師、ロチェスターというミステリアスな館主とのロマンス、手に汗握る展開、そして幸せに…というのが10代のころの読後感。読書録を見るともう一度再読しているらしいのだが、その感想は忘却の彼方…というわけで。
今回、じっくり読んでこんな小説だったのか!と驚いた。
まず、ヒロインの性格が秘めた情熱からはほど遠い、たおやかなものではない。恋する城主ロチェスターもものすごく嫌なやつ、そして極めつけは、荒野をさまようジェーンを助けた青年牧師セント・ジョンの性格も自己主張の強い策謀たけた嫌らしいやつ。
なんてこと!主要登場人物全員に寄り添えないではないか。人物たちが美男美女ならぬはいい、けれど各々の性格の我執、ぶつかり合いがすさまじくて、なんとも辟易するくらいだ。
と、違う印象に驚きながらも、長大な、ののしりあいのような会話が続くその内容は、作者ブロンテの18世紀ならではの、女性の自己確立への意気込みがひしひしと迫ってくるものなのだ。自己確立、自立ということは強い意志の現れ、それとブロンテさんの作家魂が加わったのだと思う。
さて、200年後のいまはどうなのか?ガラスの天井はつき破れていない。
読み継がれる名作ゆえん。 -
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ネタバレとにかく地の文ーー語りが良い。油断して意識が語りにふっと吸い込まれて、何ページも何時間も経ってしまったこともあった。途中、3度くらい「このパートナー運の(男運とはいうまい、彼女の果敢な魂に懸けて)なさは何なの!?」と本を置いて溜め息を吐いたものだが。全体は主人公ジェインの、「その自由な魂のほんとうに充ち足りる『愛』」を指向して、大きく波立ちうねりながら進み、その愛に呼応したものの述懐が示すところによって閉じられる。前巻導入部に勝る「美」はない、けれど、ふたりが場所を越えて感応する箇所はまさしく完成されたもので、とても、うつくしい。
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Posted by ブクログ
ロマンティシズムとリアリズムの境目の時期に描かれた小説と解説を読んで納得。
ジェーンの思考、言葉の選び方、すべて私の感性に一致した。
イギリスの田舎の風景描写がとても美しい。表現力に驚かされた。
ロチェスター氏との愛の深め方が、よかった。もちろんロマンチックラブの要素はたくさんあり、嫉妬や燃え盛るような激しい感情に身を任せている描写も多いけれど。それ以上に性別や身分、障害などあらゆるものを超えていくような深いつながりをみた。今の時代ですばらしいとされるものと、1800年代と、さほど変わらない気がする。
感情がなさすぎると味気ないけど、理性がないのも話にならないみたいな表現が上巻にあって…
感情と理性のバランスが人間に面白みをもたらし深みも出るのだなぁと。