シャーロット・ブロンテのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分の考えを直球で相手に投げるジェインは感情的だけど、その一方で穏やかに過ごす術も知っている。どんな状況でも自分がどうあるべきかを考えて自分で決めていく姿はカッコいい。すべてがシンプルで、無駄がない。必要なものが必要な分だけあれば、人はこんなに活動的に生き生きとしていられるんだと思う。
貧しく境遇にも恵まれないなかでも、前向きでいることができることをジェインは教えてくれる。自分のやるべきことを知り実践していたら、嘆いたり不貞腐れたりしている暇なんてない。
ロチェスターとの結婚は、そんなジェインの唯一と言っていい望みだったんだと思う。何が自分の幸せなのかを知るジェインの夢が叶ってよかったなぁ。 -
Posted by ブクログ
身寄りのない少女が、新天地をもとめたはずの寄宿学校で、預けられていた家での辛い生活とはまた異なる性質の過酷な生活に身をおき、その中でも尊いまでの自立の精神と純粋な心を失わず、勉学に励み、自らの道を切り拓くべく、職を求め、はじめての地、ソーンフィールドに赴きます。
ジェーンの視点で一人称で語られる物語のため、非常に接しやすく、また、少しシーンに飛躍があったり、「むむ、なんで?」と思う箇所では、「読者よ、・・・・」という呼びかけでジェーンが読み手に語りかける注釈が入るので、「あ、そういうことなのね」と同じ時間を過ごしているように、自然に物語につきあうことができました。
とはいえ、全体を通して、あっさりとした記述が続くものの、ぐったりと疲れます。
それだけ、ジェーンの体験が容赦なく、読んでいるこちら側にも伝わってくるからでしょう。
実際、ローウッドの寄宿学校に転入して初めてだされた食事のおかゆは、ページを通じて耐え切れない匂いを発してきそうでしたし、ソーンフィールドでの恐ろしい体験や不安に陥らせる出来事も、「かんべんして~!」と逃げ出したくなるぐらいの心情にさせられます。
この物語は、幼い日を過ごしたリード家での生活、ローウッド寄宿学校での日々、ソーンフィールド館での家庭教師としての生活、そして、結婚の夢が破れ、ソーンフィールド館を飛び出し、セント・ジョン牧師とその妹達に助けられ身を寄せるという風に舞台がめぐります。
それぞれ、過ぎ去った舞台はその後つながりが断ち切られるのかと思うと全くそうではなく、最後まで物語は連なっていくので、全体を通して、ジェインの波乱に満ちた人生に立ち合った気持ちがして、一喜一憂して、ぐったりと疲れるのです。このぐったりは、別に、不満ではありません。
しかし先程、他に言葉がみつからなくて「一喜一憂」と書きましたが、ジェーンの生活の中で心から「喜ぶ」という感情は、ほとんど見当たらないように思います。随所に「美形ではない」とする(そこまで言わんでも・・・なぐらい。)ロチェスター氏に対する自分の思慕の感情に気がついてからも、どこか、「進むまい」「期待しすぎないようにしよう」と抑制する気持ちが働いているようだったし、相手も自分のことを想っていることがわかり、結婚に向けた日々を過ごしながらも、幸せに溺れないように、と距離を守るジェーンの様子は、幸せが簡単に手に入るものではなく、また、永遠でもないと、どこかさめた見方が人生の中で身についていたからでしょうか。
大久保氏の訳は、言葉遣いがとても穏やかで、一貫して毅然とした態度のジェーン像をあらわすのには、このしなやかな表現によるものが大きいと感じました。
また、自然や情景の描写は繊細で、登場人物の言葉もとても細やかに流れているので、映像を見ているような臨場感がありました。
50年前に訳されたとは思えないほど親しめる文章で、上品で、とても好きだと思いました。
読み終わった時、ぐったりしたのが素直な気持ちですが、これは、何度も読み返したくなるだろうな・・・と早くも思うので、本棚の、わりといい場所をあげるつもりです。 -
Posted by ブクログ
身寄りのない少女が、新天地をもとめたはずの寄宿学校で、預けられていた家での辛い生活とはまた異なる性質の過酷な生活に身をおき、その中でも尊いまでの自立の精神と純粋な心を失わず、勉学に励み、自らの道を切り拓くべく、職を求め、はじめての地、ソーンフィールドに赴きます。
ジェーンの視点で一人称で語られる物語のため、非常に接しやすく、また、少しシーンに飛躍があったり、「むむ、なんで?」と思う箇所では、「読者よ、・・・・」という呼びかけでジェーンが読み手に語りかける注釈が入るので、「あ、そういうことなのね」と同じ時間を過ごしているように、自然に物語につきあうことができました。
とはいえ、全体を通して、あっさりとした記述が続くものの、ぐったりと疲れます。
それだけ、ジェーンの体験が容赦なく、読んでいるこちら側にも伝わってくるからでしょう。
実際、ローウッドの寄宿学校に転入して初めてだされた食事のおかゆは、ページを通じて耐え切れない匂いを発してきそうでしたし、ソーンフィールドでの恐ろしい体験や不安に陥らせる出来事も、「かんべんして~!」と逃げ出したくなるぐらいの心情にさせられます。
この物語は、幼い日を過ごしたリード家での生活、ローウッド寄宿学校での日々、ソーンフィールド館での家庭教師としての生活、そして、結婚の夢が破れ、ソーンフィールド館を飛び出し、セント・ジョン牧師とその妹達に助けられ身を寄せるという風に舞台がめぐります。
それぞれ、過ぎ去った舞台はその後つながりが断ち切られるのかと思うと全くそうではなく、最後まで物語は連なっていくので、全体を通して、ジェインの波乱に満ちた人生に立ち合った気持ちがして、一喜一憂して、ぐったりと疲れるのです。このぐったりは、別に、不満ではありません。
しかし先程、他に言葉がみつからなくて「一喜一憂」と書きましたが、ジェーンの生活の中で心から「喜ぶ」という感情は、ほとんど見当たらないように思います。随所に「美形ではない」とする(そこまで言わんでも・・・なぐらい。)ロチェスター氏に対する自分の思慕の感情に気がついてからも、どこか、「進むまい」「期待しすぎないようにしよう」と抑制する気持ちが働いているようだったし、相手も自分のことを想っていることがわかり、結婚に向けた日々を過ごしながらも、幸せに溺れないように、と距離を守るジェーンの様子は、幸せが簡単に手に入るものではなく、また、永遠でもないと、どこかさめた見方が人生の中で身についていたからでしょうか。
大久保氏の訳は、言葉遣いがとても穏やかで、一貫して毅然とした態度のジェーン像をあらわすのには、このしなやかな表現によるものが大きいと感じました。
また、自然や情景の描写は繊細で、登場人物の言葉もとても細やかに流れているので、映像を見ているような臨場感がありました。
50年前に訳されたとは思えないほど親しめる文章で、上品で、とても好きだと思いました。
読み終わった時、ぐったりしたのが素直な気持ちですが、これは、何度も読み返したくなるだろうな・・・と早くも思うので、本棚の、わりといい場所をあげるつもりです。 -
Posted by ブクログ
授業のテキストになるというので軽い気持ちで読み始めると、すいすい読める。
あらすじも知っているので、ただの退屈紛らし程度にしか考えていなかった上に、先生の話しぶりから受けたイメージのジェーンは「愛情に飢えて恨みがましく野心家の女」という姿だったので、最初はその先入観から抜け出すのに苦労した。
けれど物語が進んでいくにつれ、いや、ジェインが大人になるにつれ彼女には自制心が備わっていくように感じられた。
ロチェスター伯とのロマンス、触れなば逃げる、というようなロマンスにはこちらもハラハラするほどだ。
リアルタイムでこれを連載で読んでいた人は、どれほど続きを楽しみに待っていたのか、想像に難くない。
面白いです。