シャーロット・ブロンテのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった!
最後まで読んでみて、「ああ、訳が秀逸だったのだなあ」と気付いた。
かの有名な一節、「読者よ、わたしは彼と結婚したのだ!」が、かくも丁寧に控えめに語られていようとは。
ジェインの口調は終始敬語が貫かれているし、それは彼女が持つ荒々しい人格を隠し礼節を弁えているという美徳を際立たせている。
正直に言おう。下巻を読んでいる時点ではもう、ジェイン・エアを嫌う気持ちはなかった。というか、好きだった。
原文で読んでも同じ感想を持ったかはわからない。このひとの訳したジェイン・エアが好きだ、ということだ。
展開も波乱に見舞われ、狂った妻の登場、ロチェスター邸からの逃亡、そして新しい人々との出会 -
Posted by ブクログ
これまで読んだ本の登場人物の中でダントツに強いと思う女性が二人居る。そのうちの一人がジェーンエアだ。ジェーンは控えめな女性だが、ものすごく強い不屈の精神と、誘惑に決して負けない強い芯の通ったまっすぐな正しい心がある。こんな女性、そうそう居るものだろうか…。
ジェーンは早くして両親を失い、非常に辛く厳しい幼少時代を送っていた。だがいつだって彼女は自分の意思を曲げる事無く、まっすぐに生きてきた。やがてそんな彼女が惹かれていく男性が現れた。家庭教師をしている家の主人のロチェスターだった。ロチェスターの表現や表情、ジェーンのあふれてくる愛や、近づいて行く二人・・・普通にかなりドキドキしてしまう。実に -
Posted by ブクログ
自分で勝手に決めた夏休みの課題として読んだこちら、久々の西洋文学。
物語に引き込まれてあっというまに、上・下巻とも読み切りました。
女って強いなぁ。
何もないところから、運命を切り開いたジェーンに凄まじいパワーを貰いましたです・・。
不屈の精神かぁ。。
足りなさが人を成長させる。。ってのは、ジェーンの生きて来た怒濤の半生のようなことを言うのかなぁ。
そして、自分をしっかり見つめて生きて行ける根性をつけたい。。
ラストから何十頁あたりからずっと、感動のあまり涙が溢れてきましたが、
朝の通勤ラッシュ時に読みましたので、涙をこらえて仕事場へ向かいました。
ぐったりしました。
文学って素晴ら -
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Posted by ブクログ
ロレンス・スターンSterne『トリストラム・シャンディの生涯と意見』1760 ※ジョイス、ウルフに影響
〇トリストラム。産まれるときに鼻が潰れる。家のメイドに抱えられ、窓から小便をしたときに窓枠が落ちて怪我をする。フランス旅行。
〇ウォルター。トリストラムの父。
〇エリザベス。トリストラムの母。
〇トビイ。トリストラムの叔父。
エリザベス。田舎に住む5人姉妹の次女。才知。活発。そろそろ結婚の年齢。ある日、男ダーシーがエリザベスに求愛するが、エリザベスは身分の高く、お世辞の一つも言わないダーシーを「高慢」な男だと決めつけ、ダーシーを拒絶する。そして愛想のいい男ウィカムと付き合いはじめるが、ウ -
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ネタバレいっきに読んでしまった。
会話が現代では考えられないほど回りくどいし、聖書等の引用が多くて理解しにくいのになぜこれほど引き込まれるのか。
サスペンスを読んでるのか?それとも少女漫画?
読みながら自分が何を読んでいるのかわからなくなりながらあっという間に読み切ってしまった。
下巻でどういう展開になるのか。
それはそれとしてジェーンは孤独なのか?孤独ってなんだ?
ロチェスター氏にとってジェーンは「おもしれーオンナ」ってとこか。
2人のやりとりと、ジェーンのやけに冷静に自分を落ち着けようとしてるところとか、なんかもう少女漫画読んでるような気持ち。身分違いを受け入れてるからこそなのか? -
Posted by ブクログ
ジェーン・エアという女性が両親を早くに失って、少女から娘へ他人の中で苦労して成長する物語。
豪壮な館での家庭教師、ロチェスターというミステリアスな館主とのロマンス、手に汗握る展開、そして幸せに…というのが10代のころの読後感。読書録を見るともう一度再読しているらしいのだが、その感想は忘却の彼方…というわけで。
今回、じっくり読んでこんな小説だったのか!と驚いた。
まず、ヒロインの性格が秘めた情熱からはほど遠い、たおやかなものではない。恋する城主ロチェスターもものすごく嫌なやつ、そして極めつけは、荒野をさまようジェーンを助けた青年牧師セント・ジョンの性格も自己主張の強い策謀たけた嫌らし -
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Posted by ブクログ
ネタバレとにかく地の文ーー語りが良い。油断して意識が語りにふっと吸い込まれて、何ページも何時間も経ってしまったこともあった。途中、3度くらい「このパートナー運の(男運とはいうまい、彼女の果敢な魂に懸けて)なさは何なの!?」と本を置いて溜め息を吐いたものだが。全体は主人公ジェインの、「その自由な魂のほんとうに充ち足りる『愛』」を指向して、大きく波立ちうねりながら進み、その愛に呼応したものの述懐が示すところによって閉じられる。前巻導入部に勝る「美」はない、けれど、ふたりが場所を越えて感応する箇所はまさしく完成されたもので、とても、うつくしい。
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Posted by ブクログ
ロマンティシズムとリアリズムの境目の時期に描かれた小説と解説を読んで納得。
ジェーンの思考、言葉の選び方、すべて私の感性に一致した。
イギリスの田舎の風景描写がとても美しい。表現力に驚かされた。
ロチェスター氏との愛の深め方が、よかった。もちろんロマンチックラブの要素はたくさんあり、嫉妬や燃え盛るような激しい感情に身を任せている描写も多いけれど。それ以上に性別や身分、障害などあらゆるものを超えていくような深いつながりをみた。今の時代ですばらしいとされるものと、1800年代と、さほど変わらない気がする。
感情がなさすぎると味気ないけど、理性がないのも話にならないみたいな表現が上巻にあって…
感情