桑原武夫のレビュー一覧
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本書は文学研究者で京都大学名誉教授の著者が、「インタレスト」という観点から、優れた文学とはどういうものなのか、文学はなぜ必要なのか、という点について論じたものです。
インタレストとは「興味」「関心」「利害感」。行動そのものではありませんが、必然的に行動をはらんでいるものだとされています。
人生に対する激しい意欲に満ち、行動的情動を孕んだ作者が一定の情熱と質量をもってして作品を生み出したのであれば、読者もそれにより行動の直前と言うべき状態に置かれるのだと言います。
限りある現実体験の中で、そういった心的態度と知識を獲得できるのが他ならぬ文学の効用であり単なる娯楽とは異なるものなのであり、こ -
中江兆民 三酔人経綸問答
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中江兆民 三酔人経綸問答
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268P
さんすいじんけいりんもんどう
中江兆民は民主主義の基礎を築いた人
歴史で〜をやった人+名前だけ覚えるみたいなクソみたいな勉強してたなと思う。中江兆民の書いた本読んでなかったらこんな魅力的で素敵な人だって知らなかったもん。〜をやった+名前を知ってても知ってるとは限らないというのはこの事だね。
中江兆民(なかえ ちょうみん)
(1847年12月8日 - 1901年12月13日)は、日本の思想家であり、「東洋のルソー」と呼ばれた人物です。明治時代に活躍し、近代日本における民主主義思想の先駆者として知られています。彼は西洋哲学、特にジャン=ジャック・ルソーの思想を日本に紹介し、それを -
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安心安定の岩波新書。
私は常に「何故ライトノベルは低俗な小説」として扱われているのかを考えていた。それにあたり、文学とは?についての本を読んできたが、この新書が一番納得できる考えだった。
新たな道徳は大抵多くの人に嫌悪され、既存の枠組みに満足であることは、多くの若い人の理解を容易にさせる。
速い話が、同じ道徳の下で同じ枠組みを使い、読者の心を大きく変革させることは難しいことが挙げられるのだろう。
ただ、近代小説は評価が固まっていないことも評価されない理由であるともいい、近代小説は読むべきではないという内容ではない。
筆者は、過去にしか興味を持たず近代および現実に目を向けない人を「世捨て人」と定 -
中江兆民 三酔人経綸問答
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ネタバレ要約
第1章
文学は、はたして人生に必要なものであろうか?
単純に、文学が面白いからこそ必要だと著者は考える。ここで言う面白さとは、amusing ではなく interesting 。両者の違いは能動性にある。つまり、作者の誠実ないとなみによって生まれた文学作品を能動的に堪能することが、文学の醍醐味と言える。
第2章
すぐれた文学とはどういうものか。
我々を感動させるもの。その感動を経験したあとでは自分が何か変革されたと感じられるものである。
このような文学の条件は、明快さ=再経験しうるもの、誠実さ=作者自身が切実なインタレストをもっていること、新しさ=新しい経験 だと著者は考える。
第 -
中江兆民 三酔人経綸問答
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明治日本が経綸する上での、様々な意見が述べられる。
あくまでも著された明治20年の時点では、紳士君が述べる事柄と
豪傑君の述べる事柄のどちらも等しく極端であると退けられている。
この後紆余曲折を経ながら60年かけて豪傑君の意見が国内の
指導層の間で大勢を占めるすことを思うと、まさに隔世を感じる。
果たして南海先生と紳士君と豪傑君の3者のうち、どの意見が
中江兆民の真意に近いか分からない。
ただ解説であった通り、どれも兆民の意見であるというのは正しい
のだと思う。
なにしろこうも客観的かつ冷静に三者の意見を著述するのである。
三者の意見はその全てが経綸のための手段にすぎず、
手段の全てがその -
中江兆民 三酔人経綸問答
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時の政策を批判する時に、批判ばかりしていたのでは良くない。対案は持つべきではある。しかし専門家ではない市民の身、原発政策や経済面の複雑な論議に入っていくと埋没してしまって抜け出せなくなる。よって、一番根幹の論議とは何かを考える。根幹を押さえて置くと、結論は直ぐに出るだろう。すると、結局はアメリカとの関係をどうするのか、というところに行き着くのである。それは即ち日本の外交政策をどうするのか、というところに行くだろう。だから憲法9条をどうするのかということは、世の中ことを論ずる時には必要不可欠だし、中国脅威論云々というのは、基本的には決して無駄な論議ではない。
しかし繰り返すが、専門家ではない市 -
中江兆民 三酔人経綸問答
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中江兆民がこの著作を執筆してから百二十余年。
未だに豪傑君、あるいは紳士君の一方の主張に拘泥する論調の、何と多いことであろうか。
「軍備なき平和」と「力による平和」の問題について南海先生はこうまとめた。
「外交上の良策とは、世界のどの国とも平和友好関係をふかめ、万やむを得ない場合になっても、あくまで防衛戦略を採る」こと。
何だか当たり前のようなこと、ともいえる。
しかしこの著作から得られることを高坂正堯は次のように記している。
「たいせつなことは、『軍備なき平和』と『力による平和』のあいだには超えがたいジレンマが存在するということなのである。このジレンマゆえ -
中江兆民 三酔人経綸問答
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中江兆民 三酔人経綸問答
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ゼミの教授に強く薦められ、手にした一冊。
原本が出版されたのは百数十年以上昔の明治時代。「経綸」とあるように、近代化へとひた走る日本における「あるべき国の姿」を、三者の議論の形を採って模索している。
当時の日本は、内の民権運動という波に加え、外の欧米列強という波にも揺さぶられており、故にこの本は政治制度と同時に国際政治にも論及している。国際政治学の古典とも名高く、教授はその意味でこの本を薦めて下さった。原文は難解だが、現代語訳されており、数時間で読める。
この本の優れて知的な点は、狙いとしてその「模索の過程」に重きを置いている事にある。国権主義、理想主義、現実主義を並べ置き、それ -
中江兆民 三酔人経綸問答
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中江兆民 三酔人経綸問答
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戦前から戦後、現代に至るまで各分野の知の巨人らが述べた良書である。
多様な著者の文学研究以外の物理学や法学、社会学など様々な研究で得られた知見と知のバトンを次世代に受け継ぐ本である。
興味があれば、中学生からでも読み始めている人は多いだろう。研究者とは「研究しない自由はない」と本著で述べている通り、全ての学問に対する研究に責任があると説く。第一線で活躍していた研究者の言葉を聞き、現代の価値観や様式、世界規模での情勢をその時の生きた時代の研究者へバトンは渡され、人類は発見と修正を繰り返しながら前に進んでいく。世界は広い、本著でも紹介されきれない研究者は山ほどいるだろう。そして、今生きる現代の次世