望月諒子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
光と闇のミステリー
『フェルメールの憂鬱』を読んで
---------
美術史 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
事件の真相 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
展開の妙味 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
------------
1.はじめに
名画をめぐる望月諒子さんの傑作ミステリーです。
読み終えた今、美術館で見るフェルメールの輝きが、少し違った色に見えてきそうです。
------------
2.「30点未満」という魔力
物語の軸となるのは、フェルメールの真作が「30点に満たない(20数点である)」
というあまりの希少性です。
この圧倒的な少なさが、資産価値となり、そして、人間たちの欲望を狂わせます。
作品が純 -
Posted by ブクログ
望月諒子『野火の夜 木部美智子シリーズ』新潮社文庫。
フリーライターの木部美智子が活躍するシリーズの第3弾。裏表紙の紹介文に『シリーズ最高傑作』という惹句があり、迷わず購入。気が付けばこのシリーズは前2作も読んでいた。
世の中の腐敗構造を背景にした社会派ミステリー。『シリーズ最高傑作』という惹句に違わず、非常に面白かった。
まさか現代で起きた事件が25年前に起きた事件につながり、さらには終戦間際の満州で起きた出来事とつながっていくとは思わなかった。
第一次産業に頼るしか無い地方で、産業の衰退と共に新たな事業を創設し、一時は隆盛を極めたが、再び衰退し、結局は原発マネーに頼るしか無いという -
Posted by ブクログ
ネタバレ飽きずに最後まで読めた!
主人公の脳だけの話ではないんだけど、
人ってやっぱり自分から見えてる面だけでは判断できないなあ、、と思った。
多面性があるのが人間だけど、本質はあるから素直にお話をすることが大事なんだと思った。
きっともっと早く素直にお話ができていたら寒椿の向こうに人を見ることもなかっただろうに。
自分も人のことを一面だけ見て嫌な人とか意地悪な人とか思わずに素直に「悲しい言い方だけど本当に傷つけたくて言ってる?」とか聞けるようになりたい。
色々プライドとか恥ずかしさとかあって聞きづらいと思うけど。
それはそうと、みんなは楽しいからって活動しすぎて宿主を壊すのは寄生ズとしては -
Posted by ブクログ
先日、「蟻の棲み家」を読んだ後に望月諒子さんの本が家にあったはずだと本棚を見て探し出した一冊。
読んだはずなのに全く記憶になく、再読する。
木部美智子が登場するシリーズだった。
この作品は、高級老人ホームで資産家の笹本弥生が殺害されたことから始まった。
誰が殺したのか?が気になるところだが、それよりもこの老女が戦後をどうやって生き延びてきたのかを知ると凄味が増す。
さらに孫である健文が関わる大学生の考古学研究室での詐欺事件も自殺者が出るほど濃い顛末。
会田良夫の足跡の不確かなことを徹底的に調べ、さらにはさらには…と疑問に思うこと全てを木部美智子が、そして今回は東都新聞の亜川がいっしょに探っ -
Posted by ブクログ
どの作家であれ、文庫書き下ろしなるものはそこそこで、そこそこ以上はほぼないなぁと思っています。しかしこれは大当たり。どうしてこれがまずは単行本で刊行されなかったのだともったいなくなる。なんて、よほどのことがない限り、文庫化されてからしか本を買わない私が言うのもなんですが(^^;。
関東大震災と東京大空襲のなか、闇市で成り上がった女性が、高級老人ホームで殺害される。その老女と不仲を噂されていた孫が唯一の法定相続人であるはずが、ホーム職員の男性がもう一人の孫だと名乗り出る。
まるで著者が見たかのように綴られる震災と空襲当時の凄まじい光景。家族を失い、奉公先も失って、たった一人で生きなければなら -
Posted by ブクログ
木部美智子シリーズ第7弾。
トー横で売春をしていた14歳の暴行事件、Xの中傷投稿、連続暴行事件。一見無関係な事件に共通項を見出していく木部美智子。
全てが状況証拠。推論はできるが確証はない。理解不能な動機で次々と犯罪を続ける男に木部美智子がとった行動は…。
今回も面白かった。
フットワーク、洞察力、柔軟な考え方、他者への優しさなど木部美智子の魅力を挙げるとキリがないが、今回も最後はなかなか危ない橋を渡ったな〜と。脇を固める中川くんや秋月刑事もいいし、このシリーズは絶対に見逃せない。
友情や義理人情などという人間関係を排除し、コスパを重視した現代社会。合理化して階層化した社会で切り捨てられ