望月諒子のレビュー一覧
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もともとフェルメールが好きなので
タイトルだけで 手に取りました。
ページを進めていくと、
フェルメールや、その時代を共にした画家たち、そしてその背景、
知らなかったフェルメールに関する事柄が、たくさん詰まっていて
資料?としての価値もありました。
内容は、
教会から盗まれた絵画を取り戻すため、
フェルメールの絵画を強奪する、、なぜに??
詐欺やマネーロンダリング、そして宗教、CIAなど、
次から次に、絡みあい... 人と人も騙しあい、
そのやり取りの巧妙なこと…。文章だけでもかなりの迫力。
絵画の世界を思い知らされた感があった。
次にフェルメールの絵画を見るときは、見方が変わる -
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単行本書き下ろしの意欲作。新潮の100冊で買ったのだったかな?
プロローグはいいとして、その後の本編で記者視点と犯人側視点が章分けも無く入れ替わるのは正直読みづらかった。ミステリー的に、最後にどんでん返しを用意したいなら、最初から最後まで記者側視点の方がよかったと思う
「貧困」についての「貧しいというのと貧困は違う。貧しいというのは金がないだけだ。しかし貧困というのはインフラがない土地のようなもの」(86頁)という表現は上手いと思った。
また、「求めるものは……自分が生きていくのに安全な環境」(446頁)という指摘も末男側からの意識としてよく分かる。
貧困について切り込んだ素晴らしい作品なだけ -
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貧困の連鎖と犯罪。
育児放棄にあい、それでも貧困の中から抜け出そうと必死にもがいたけれど抜け出せなかった男性の言葉にはっとさせられました。
「みんなこの空のどこかに書かれている人権とか正義にかしずいて、どこにあるのかわからないのにあると仮定しているものにかしずいて、生きていけばいい。でも空のどこかにあるのかもしれない正義や人権を、あると思わず生きていることもできるんですよ。そんなものがない世界が、同じ空の下にはあるんですよ。」
そして、そんな彼らの事件を追う記者の思い。
「安全な社会に住む人間には、事件は、誰かが逮捕されたときがピークなんだと美智子は思う。動機なんて、個々が適当に想像するの -
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ネタバレ高級老人ホーム資産家殺害事件を追う話。
フリーライター木部シリーズ2作目。
資産家高齢女性弥生さんが殺され、ヘルパーに遺産相続すると遺書があり、そのヘルパーの過去は、とどんどん深みにハマっていき真相が気になる。資産家の女性の関東大震災、東京空襲の描写が凄くて悲惨さに息を飲む。その状況下で私ならやっていけたとは思えやん、弥生さんの強さに惹かれると共に何故この人が殺されたのかと理不尽さを呪う。そして読み進めるにつれ深沢弁護士がどんどん好きになるのに訪れる心を乱されるラスト。もうええやん、何で、という思いがエピローグで綻ぶ。最初っから伏線が張られててそこが繋がるのかと舌を巻く。このシリーズ重いけどハ -
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なかなか読み応えのあるミステリーだった。物語全体を通して漂う陰鬱な雰囲気が、重厚感を与えている。弱っているとき読むとちょっと凹むかもしれない。
東京中野区で起きた二件の殺人事件。フリーの記者である主人公木部美智子は、ずっと追っていた企業恐喝事件との関連性に気づき、真相を追いかけていく。その一方で、貧困の連鎖により悲惨な境遇に置かれた若者たちの側面が描かれていく。なぜ、二件の殺人事件は起きたのか?犯人は誰なのか?一見ずさんとも思える企業恐喝事件から、殺人事件へ発展していったのか?読んでいくほどに、その綿密に組まれた物語に驚かされる。
貧困の連鎖。道徳感の欠如。親を選べない子供の不幸。そんな底 -
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書店で平積みにされていて、
表紙を見て「!」となった一冊。
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美術ミステリー史上
もっとも鮮やかに描かれた
大どんでん返し!
ゴッホ、モネ、ルノワール……
2000億円の名画を強奪せよ
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詐欺に遭い、多額の借金を抱えた二人がいる。
この詐欺を挽回するため、金を手に入れるため、
絵画強奪に加担することになる……。
もともと美術館とかアートが好きで興味はありましたが、
原田マハさんの本で、さらに好きになり、
前情報が少しある中で読めて良かったです。
途中は、あれ誰、これ誰となり、
冒頭の主要登 -
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ネタバレフリーライター木部美智子シリーズ第4弾。
高級老人ホームで殺害された資産家老女・笹本弥生。弥生殺害事件を調査するフリーライター・木部美智子の目線で語られる弥生を巡る人間達。孫、ホームでの弥生の担当者、顧問弁護士、新聞社デスク・・・。そこに、大学を巡る詐欺事件、弁護士の謎の事故死などが複雑に絡まり合い、事件の行き着く先は予想もつかない。
現在の時間軸の間に挟み込まれる、弥生の過酷なまでの人生。関東大震災、東京大空襲を生き延びた壮絶な過去の記憶。焦土の中、ただ「生きる」ことだけを正義として冷徹にのし上がってきた弥生の生きざまには激しく心を揺さぶられる。
夫にも娘にも、孫にさえも愛されず、最後まで