望月諒子のレビュー一覧

  • 最後の記憶 〈新装版〉

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    医者の沢村は、脳腫瘍の患者秋山の手術を担当する。手術中秋山の髄液が沢村の目に入った。その日から沢村は、脳裏におかしな映像が映ったり、好みが変わったりした。なかなか面白い長編サスペンスだった。
    そのようなことが実際にあるとは思わないが、人類や体の神秘を感じさせるお話だった

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    2023年04月29日
  • 【新装版】呪い人形(木部美智子シリーズ)

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    ぎっしりと詰まった文庫本466ページ。

    病院で相次いで起こる不自然とも思える急死。

    事件性に疑問を抱いた記者の木部美智子が、
    鋭い観察力と行動力、幅広い同業者の情報網と
    報道のノウハウを駆使して病院で起きた死の
    違和感を追求し、真相にせまる物語。

    記者特有の嗅覚で調べ上げる情報を武器に
    警察とも駆け引きする美智子の肝が座った
    記者魂に圧倒され、美智子という登場人物に
    興味をそそられます。

    『殺人者』の時と同様、関係者の下に何度も
    足を運び、真っ向から質問をぶつける熱意と
    危険な場所にも躊躇なく向かい相手と対峙する
    様に記者としての揺るぎない信念が感じられて、
    美智子の行動を通して事

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    2023年04月19日
  • 神の手(木部美智子シリーズ)

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    ネタバレ

    構成的にも、なかなか面白い作品だった。
    「読みづらい」と言うレビューをちょこちょこ見かけたが、恐らく同じ段落の中で主語が変わるところあり、「彼」や「彼女」が登場人物の誰を指すのかか分かりにくなってしまっているのではないか。
    また、今回メインになっていることと木部が追っていた事件がたまたまリンクしただけで、もしもこの事件を木部が追っていなければ気が付かなかったと思われる。偶然の産物。まぁ、その辺りが小説的というか映画的ではある。
    少し古い作品であり、春からのドラマがそれをどう現代に合わせるのか、楽しみである。

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    2023年03月21日
  • 神の手(木部美智子シリーズ)

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    ネタバレ

    TVドラマ化されると知って原作も探して読んで見た。この著者のデビュー作との事であるが、読みにくい小説であった、時系列も分かりにくいし、今誰が喋っているのかも分かりにくい、辻褄が合わない事や放ったらかしの事もある、これは余程しっかりした脚本家でないとドラマにならないかも知れない、だが上手くいけば極上ミステリーになるかもしれない。だがこの作家の次作を読むかと言えば遠慮しときますというレベル。結局ある編集者が作家志望の女性を陵辱したという話でその女性が精神に異常を来たし殺人事件を起こしたと言うありきたりな小説。

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    2023年03月09日
  • 腐葉土(木部美智子シリーズ)

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    老人ホームで富裕な老女笹本弥生が殺される。祖母に寄生しながらも険悪の仲である孫健文が怪しい。祖母はヘルパー会田に全財産を遺すとした遺言があるかも知れない。2億の借金がある弁護士が2億の現金とともに事故死するという謎の事件。大学の考古学部での詐欺事件。様々な謎が繋がっていて・・・

    かなり複雑なストーリーで人間関係もややこしい。しかし真相が分かると、なるほどと納得できる。万人にはオススメできない、ホヤの刺し身みたいなものか。

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    2023年02月01日
  • 神の手(木部美智子シリーズ)

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    ネタバレ

    小説という「怪物」に呑み込まれてしまった一人の女性と、その燃えたぎるような情熱と夢に魅せられてしまった二人の男性の話 だったと思います

    この作品が木部美智子シリーズの第一作であると同時にデビュー作と知って納得
    文章から火傷しそうなほどの「熱」が伝わってくる作品でした

    「小説を書くとは心の中に怪物を一匹飼うこと。その存在により書き続け、そしてそれに喰い尽くされる。」
    彼女は自らの怪物に喰い尽くされてしまったのかもしれない 次第に精神を病み 現実と妄想の境目がわからなくなっていく
    深淵を覗いてみたい その結果 彼女は何を得て何を失ったのだろうか
    たとえ「神の手」を持っていても情熱と夢だけでは

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    2023年01月23日
  • 【新装版】呪い人形(木部美智子シリーズ)

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    呪いメールを受け取った人が次々と死んでいく。研修医の工藤は殺人を疑われて都落ち、タネという老婆が自分が呪い殺したと名乗りをあげる。はたして全員が呪い殺されたのか?それとも全員が殺されたのか?というお話。
    医師がたくさん登場するので少しこんがらがってしまった。仕事をとるために体を張っていく、千里という記者のキャラが面白かった。

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    2023年01月09日
  • 【新装版】呪い人形(木部美智子シリーズ)

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    ネタバレ

     呪うことで人を殺すことができる。

     そんなことが出来るわけではないのですが、そうした状態で人が死んでいく。

     その謎に巻き込まれた医師と謎を追いかける記者。

     実はホラーと勘違いして手に入れました(^▽^;)

     ですが、一気に読んでしまいましたね。

     背景とか考えることも多くて、面白かったです♪

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    2022年12月25日
  • 神の手(木部美智子シリーズ)

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    望月諒子のデビュー作品にして、後のライフワーク的キャラクターとなるフリーライター木部美智子シリーズの一作目。
    失踪した作家志望の来生恭子が物語のキー。彼女を担当していた文芸編集者誌の編集長、彼女の書いた小説を自分が書いたとと語る謎の女性、その主治医。そして別な事件を追うフリーライターの木部美智子。
    サスペンスホラーの様相を呈した感もありながらのミステリー。
    複数の登場人物の視点から語られるストーリーは絡まりまくって、どこに向かっているのか見通しが立たず、中々ストーリーに入り辛いし、荒削りな感はある。
    ただ著者の作品の特徴は一度ギヤが入るとそのままラストまでのスピードが落ちないところはこの作品で

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    2022年11月12日
  • 殺人者(木部美智子シリーズ)

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    男が二人続けて猟奇的に殺される。レイプ事件の復讐か?ジャーナリスト木部美智子が調査していくと警察とほぼ同時に容疑者に行き着くが眼の前で自殺される。そして新たに判明するのは・・・

    執拗に推理、仮説、周辺描写が繰り返される。松本清張のようだ。

    真相は、面白いと言えば面白いし、無理矢理だなと言えば無理矢理。ただストーリー展開や丁寧な描写には好感。

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    2022年09月25日
  • 蟻の棲み家(新潮文庫)

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    大どんでん返しという紹介があったが、そういう訳ではない。
    紹介の仕方に問題あり。

    何となく予測はつくけど果たして正解はなんなのか。という疑問がどんどん溢れてくる。
    それをひとつひとつ解いていく丁寧な作品。
    言い回しがくどい部分もあるが、情景が想像出来てそれも良い。
    お洒落な言い回しをしたいが為にややこしい文章になっている点が多々あり。

    ここまでの感想だと「なんで☆3?」となるかもしれないが、読み終わった時の達成感、そして次のページを早く読みたいと思わせる登場人物の人柄というか、キャラクターに惹かれた。
    汚く浅ましい女が喚いている姿の想像がつく。
    面白かった。

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    2024年10月07日
  • 壺の町

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    なんだか思わせぶりな証言がおおく、笑笑
    でもきっとこの人が犯人なんだよなぁ。でもなんで?

    なんか怪しい、怪しい、怪しい

    と、最初から犯人は分かりかけてるんだけど、理由がわからない。理由はわかってもどうやって?っていう読者と一緒に一歩一歩謎解きです。

    まさかの犯人大どんでん返しが来るかとビクビクしてましたが、わりとすんなり終わった。解決。ラストの淡々としたやり取りはなかなかシュールで好きです。笑笑

    小説家が謎解きするっていうのも新しい切り口でした!!!!!

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    2021年07月30日
  • 哄(わら)う北斎

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    手に取った動機は
    表紙が素敵だったこと
    巻末の「参考文献」が興味深いものだったこと

    さて、本文ですが

    絵画(特に北斎)に関する
    登場人物が語る蘊蓄が面白くて、
    ついつい読み進めていました。
    でも、
    物語(?)の展開には
    「……」でした。

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    2021年04月23日
  • 神の手(木部美智子シリーズ)

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    どの登場人物に感情移入して読めばいいんだ……?と混乱したが来生素子の人となりが判明するにつれ面白くなっていった。
    文章力があるなという感想

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    2021年04月02日
  • 腐葉土(木部美智子シリーズ)

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    ネタバレ

    プロットや文体含め、全体的には読み易い部類に入る小説だとは思うのだが、特に序盤、内部世界を読者にスムーズに理解させるべき状況説明については、ちょっと文章力が拙いのでは、と感じた。
    また、回想ブロックのハイライトであるはずの”弥生ののし上がり”に関しても、あまりにあっさりし過ぎというか、現実感が伴わない表層的な描写に留まっている印象で、戦後のどさくさに紛れ金貸しというグレーな生業を背景に強かな女が成り上がっていく過程で必ずあったであろう、いわば汚泥のような手触りと表現すべきか、そういったリアルな生き様が見えなかったのが残念。
    中盤以降、雑誌と新聞とテレビという3つの媒体が共闘するくだり以降はテン

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    2021年03月28日
  • 哄(わら)う北斎

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     浮世絵で誰もがみたことのある北斎の肉筆画をめぐるコンゲーム。
     CIAからの指示を断れないイタリア男とその相棒。
     古物商、絵画商、新進気鋭の実業家がでてきてどこに落ち着くのか想像できない物語が展開される。

     見たことのない、北斎の肉筆画が文章の合間から浮かび上がる感覚がある。絵を見てみたい。

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    2020年11月30日
  • 哄(わら)う北斎

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    北斎の版画をめぐる、頭脳戦。
    だが、ちょっと合わなかった…
    絵画もミステリも好きなのだが、本書は、私が思うに、山場に欠ける。
    京都、銀座、そのほか各地を巡り、たくさんの絵画が登場し、たくさんの人物が北斎について語る。

    でも、この人何の人だっけ?がよくあった。
    絵について語る箇所もあり、確かにそれは絵画の背景を知るのには非常に有効だし、勉強になった。
    面白い箇所だった。
    けれども、探偵Qがモナリザの絵と対峙した時のスピード感や山場はない。
    確かに対象が少し違うのかもしれない。
    どちらかと言えば原田マハの系統なのだろう。
    しかしあちこちに物語の舞台が飛び、人が入れ替わると読者としては、それについ

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    2020年11月07日
  • 哄(わら)う北斎

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    タイトルには『大絵画展』とは銘打ってはいないが、前2作の主要メンバーが登場しており、絵画を絡めたコンゲーム小説なのでシリーズとしては3作目にあたるのだろう。騙しの仕掛け自体は楽しめた。
    前2作に引きつづき、登場人物の口をして熱く語られる美術業界に対する批判的な言論が随所に見られる。フェノロサや林忠正等、開国間もない明治初期の日本文化を海外に広めた背景やその評価、日本美術の閉鎖性やマーケット等について、これらを面白く取るかどうかで評価が割れるかもしれない。
    タイトルでは北斎と銘打ってはいるが、冒頭から最後までキーとなるのは実はクリムトの絵画『婦人の肖像』。実物の絵画は本当に行方不明になり20数年

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    2020年10月04日
  • 哄(わら)う北斎

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    絵画ミステリーとしてまあまあ面白いのだが、マハさんのようなアートへのリスペクトが全く感じられず、興醒めする作品。

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    2020年08月13日
  • 腐葉土(木部美智子シリーズ)

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    あれこれ盛りだくさんの日常で、近頃読書スピードが落ちている。ま、それはそれでヨシなんだけどね〜。
    どこかで読んだよね、この作家さん、と思ったら『フェルメールの憂鬱』だった。ほかにも読んでみたいと思ったということよね、記憶に残っているということは。
    資産家女性が老人ホームで殺されたことから、あれやこれやが発覚。ま、発覚させるために死を選択したのだけれど。それにしても、そこまでするか。
    過去に他人のおかげでここまでやってこられたのだ、という思いがあればそういう行動になる!?

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    2019年06月19日