望月諒子のレビュー一覧
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望月諒子のデビュー作品にして、後のライフワーク的キャラクターとなるフリーライター木部美智子シリーズの一作目。
失踪した作家志望の来生恭子が物語のキー。彼女を担当していた文芸編集者誌の編集長、彼女の書いた小説を自分が書いたとと語る謎の女性、その主治医。そして別な事件を追うフリーライターの木部美智子。
サスペンスホラーの様相を呈した感もありながらのミステリー。
複数の登場人物の視点から語られるストーリーは絡まりまくって、どこに向かっているのか見通しが立たず、中々ストーリーに入り辛いし、荒削りな感はある。
ただ著者の作品の特徴は一度ギヤが入るとそのままラストまでのスピードが落ちないところはこの作品で -
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大どんでん返しという紹介があったが、そういう訳ではない。
紹介の仕方に問題あり。
何となく予測はつくけど果たして正解はなんなのか。という疑問がどんどん溢れてくる。
それをひとつひとつ解いていく丁寧な作品。
言い回しがくどい部分もあるが、情景が想像出来てそれも良い。
お洒落な言い回しをしたいが為にややこしい文章になっている点が多々あり。
ここまでの感想だと「なんで☆3?」となるかもしれないが、読み終わった時の達成感、そして次のページを早く読みたいと思わせる登場人物の人柄というか、キャラクターに惹かれた。
汚く浅ましい女が喚いている姿の想像がつく。
面白かった。 -
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ネタバレプロットや文体含め、全体的には読み易い部類に入る小説だとは思うのだが、特に序盤、内部世界を読者にスムーズに理解させるべき状況説明については、ちょっと文章力が拙いのでは、と感じた。
また、回想ブロックのハイライトであるはずの”弥生ののし上がり”に関しても、あまりにあっさりし過ぎというか、現実感が伴わない表層的な描写に留まっている印象で、戦後のどさくさに紛れ金貸しというグレーな生業を背景に強かな女が成り上がっていく過程で必ずあったであろう、いわば汚泥のような手触りと表現すべきか、そういったリアルな生き様が見えなかったのが残念。
中盤以降、雑誌と新聞とテレビという3つの媒体が共闘するくだり以降はテン -
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北斎の版画をめぐる、頭脳戦。
だが、ちょっと合わなかった…
絵画もミステリも好きなのだが、本書は、私が思うに、山場に欠ける。
京都、銀座、そのほか各地を巡り、たくさんの絵画が登場し、たくさんの人物が北斎について語る。
でも、この人何の人だっけ?がよくあった。
絵について語る箇所もあり、確かにそれは絵画の背景を知るのには非常に有効だし、勉強になった。
面白い箇所だった。
けれども、探偵Qがモナリザの絵と対峙した時のスピード感や山場はない。
確かに対象が少し違うのかもしれない。
どちらかと言えば原田マハの系統なのだろう。
しかしあちこちに物語の舞台が飛び、人が入れ替わると読者としては、それについ -
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タイトルには『大絵画展』とは銘打ってはいないが、前2作の主要メンバーが登場しており、絵画を絡めたコンゲーム小説なのでシリーズとしては3作目にあたるのだろう。騙しの仕掛け自体は楽しめた。
前2作に引きつづき、登場人物の口をして熱く語られる美術業界に対する批判的な言論が随所に見られる。フェノロサや林忠正等、開国間もない明治初期の日本文化を海外に広めた背景やその評価、日本美術の閉鎖性やマーケット等について、これらを面白く取るかどうかで評価が割れるかもしれない。
タイトルでは北斎と銘打ってはいるが、冒頭から最後までキーとなるのは実はクリムトの絵画『婦人の肖像』。実物の絵画は本当に行方不明になり20数年 -
購入済み
長い!割には面白くない!!
2024年9月読了。
前から気になっていた作家さんだったので購入即読み。
小説家や出版業界をテーマにしたミステリーと云うのは、無さそうで質は結構多く、その中で比べれば「中の下」ぐらい…。
盗作疑惑、失踪した謎の作家、本人しか知らない様なことを知っている赤の他人……等、その類のミステリーではよく扱われるので、途中「ホラー方向へ向かうのかな」とも思わせたが、大体序盤に想像した通りの結末。
矢鱈と時制に拘り、『○○年○月○日△時△分…』の記述が多く、その度に「さっき書いてあったのは何年だっけ?」と一々前に戻ってチェックして読んだが、その年月日自体はそれほど『衝撃のトリック』に繋がると云う訳でも