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患者・秋山和雄を診察したのは7月の終わりだった。CTスキャンの結果、脳底部に腫瘍影が認められた。脳外科医の俺は秋山を自分の大学病院に入院させた。それが事件の発端だった。手術の前日、執刀医が俺であることを確認した秋山は突然言った。「眼鏡を、かけられたほうがいいかと、思うのです」……何を言っているのかわからないままに、手術当日になった。頭部切開の最中、ふとしたはずみで秋山の髄液が目に飛び込んできた。俺の脳裏におかしな映像が映るようになったのはそれからだった。脳外科医の身に何が起きたのか? 衝撃の問題作。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
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Posted by ブクログ
特に期待値はなかったけれど、思いがけずに楽しめた。とても面白かった。脳内に巣くった寄生者がヤドカリのように次々と宿主を変えながら生き長らえていくという物語。あの名作「パラサイトイブ」を彷彿とさせるようなストーリーだが、ここではその寄生者の意志が単独ではなく、複数の人格が累積している状態にあるというのが変化球だった。だからといって未来が見えたりする理屈や根拠は全くなく、およそ現実味のないファンタジーではあるものの、感染から徐々に異常に気付き始める過程はとてもスリリングで、舞台となる大学病院内での確執はリアル感があり、読み物としてはとてもよくできていると思った。
瞬間を写し出す遠近法は、長い時間軸では一点透視法となるのではないかな。
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小説・文芸
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