藤野恵美のレビュー一覧

  • 紫鳳伝 王殺しの刀

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    次々と現れる魅力的な登場人物、そして淡々と語られる様は三国志を読んでいるようだった。とても面白かった。一番驚いたのは,この作品を生み出したのがあの「ハルさん」の著者だということ。作家さんって凄いですね。
    あらすじ(背表紙より)
    仰の国では、王の徳が失われ、世情が乱れ始めていた。「王を殺す刀」を作ったという罪を着せられて両親を殺された柳紫鳳は、女であることを隠し、「絶命殺」と恐れられる暗殺者となり、旅を続けていた。ある日立ち寄った酒場で、月家刀を手に入れたという男たちから、塞北盗侠こと胡桃核が奪おうとするところに遭遇する。この月家刀こそ、紫鳳の父の作った刀だった。だが…。

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    2018年01月30日
  • 紫鳳伝 王殺しの刀

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    ネタバレ

    男装の殺し屋が主人公の武侠小説。
    独自の世界観、仇を討つため硬派な主人公、腕に覚えある侠客たち。
    展開は早く、それでいてトーンは抑えめ。
    もっとじっくり読みたい展開もキャラも設定もあったけど、このスピーディさがよいとも。
    とはいえ二つ名で呼び合うところとか、奥義書なんてのは大変滾る。
    ラストシーンはもの悲しく、それがよさでもあり物足りなさでもあった。
    続編はどうなるんだろう。

    ちょっと色恋沙汰を期待したんだけどそういうのではなかったなー。
    それはそれとして、7章以降の陸松に思わずキョドるなど……そうか、DT……。

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    2018年01月18日
  • わたしの恋人

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    ネタバレ

    あなたは,わたしの恋人。それがどんな勇気になるか。

    龍樹は保健室で出会った少女に恋をする。その少女,森せつなは,両親の喧嘩が絶えない家庭の状況から,恋愛に希望を持てないでいる。龍樹のまっすぐな気持ちを受け,交際を始めたせつなは,自分と彼の考え方の違いに戸惑い,傷つき,悩んで……二人の出した答えは。

    先に続編にあたる『ぼくの嘘』を読んでしまったので,二人の行く末は知っていたけれど。でも,『ぼくの嘘』とは異なり,将来のことまでは書いていなかったから,最終的に龍樹とせつながどうなるかはわからない。もしかしたら,やはり育った環境の違いから,決定的な別れが訪れるかもしれない。でも,心を凍らせていたせつなは,まっすぐな龍樹の気持ちに触れて,心を溶かされていった。同じように両親の問題を抱える龍樹の親友・笹川勇太に親しみを覚えるせつなの描写は,『ぼくの嘘』を読んだ後だと,つい気になってしまう。

    しかし,いまだに仲の良い両親,勇太を気遣う優しさを持ちながら,勇太との間にある配慮より,むしろすべて知りたい,そしてそれはわがままなのだ,とわかっている龍樹だからこそ,せつなを変えたのではないか。だから,映画の趣味がまったく違っても,時にすれ違うことがあっても,二人の未来を明るく感じられるのだ。

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    2017年04月16日
  • ぼくの嘘

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    ネタバレ

    誰かを好きなあなたに恋をした。

    笹川勇太は親友・古賀龍樹の恋人・森せつなに恋をしている。彼女の忘れた上着を抱きしめた瞬間を,学校一の美少女・結城あおいに目撃され,証拠写真を撮られてしまった。弱味を握られた勇太は,あおいの友人であり想い人である小桜かすみとその彼氏の動向を探る協力をさせられることに。

    誰かを恋する横顔に惚れてしまう勇太。実は彼の父親は離婚歴があり,浮気相手との間に生まれたのが勇太で,その母親と結婚することになった。精神的に不安定な母親との関係も一筋縄ではいかない勇太だが,あおいとは憎み合うような関係から,少しずつ意識し始める。この作品は勇太とあおいの視点が交互に採用されており,どちらの考えていることも読者にはわかるのだが,その少しずつの歩み寄りがなんだかストレートにむずがゆい。最終的に勇太のとった選択は,なかなか難しいというかまるで映画というか,なるほどフィクションの世界を愛好していた勇太が選びそうではある。実現するのはなかなか難しいが。

    バイプレーヤーとして,図書委員の八王子さんがなかなかよい味を出している。彼女があおいに薦める「これは読んでおくべきという恋愛小説の古典的名作」は,あまりにもスタンダードだが,なかなか鋭い読みであおいのリクエストに応えている。

    実はこの『ぼくの嘘』は,龍樹とせつなの物語『わたしの恋人』の続編だそうで,とても面白かっただけに,続編から読んでしまったことをちょっと後悔した。

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    2017年04月13日
  • お嬢様探偵ありすの冒険

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    "ぼくの言葉に、お嬢様はふっと笑みを浮かべて、こちらをごらんになります。
    その笑みは、こばとさんに向けられていたときとはちがって、どこかさみしげでした。
    「なるほど。そういうこと。」
    小さくうなずいて、お嬢様はおっしゃいます。
    「あなたは、幸運のティーカップのために、あんなことをしたというわけね。」"[p.206_幸運のティーカップ]

    「うさぎの穴に落ちて」
    「幸運のティーカップ」

    番外編。

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    2016年12月10日
  • わたしの恋人

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    高校生男子が一目惚れをし、数回のデートを重ねて晴れてお付き合いをすることになり……という話。彼氏と彼女の交互の視点で語られる。甘酸っぱい、どこか王道の、高校生の恋愛が描かれる。逆に言えばそういったものに共感できない人はふーんで流してしまいそう。

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    2016年07月31日
  • お嬢様探偵ありす 天空のタワー事件

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    "「お嬢様。」
    そうよびかけて、ぼくはお嬢様をまっすぐに見つめました。
    「どうか、ぼくをお嬢様の執事にしてください。」
    お嬢様はベッドに腰かけたまま、片手をカップへとのばされます。
    そして、紅茶に口をつけて……。
    「……合格、ね。」
    満足げにうなずくと、そうおっしゃったのでした。
    「やっぱり、あなたのいれた紅茶がいちばんだわ。」"[p.167]

    7巻目、完結。

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    2015年07月25日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    あんまり入り込めなかった。
    この写真のとは違うけど、本の表紙のイラストがハンパなくかわいい!!
    女の子が金魚鉢の金魚をにゃんこにあげているイラスト。町田尚子さん作。

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    2015年07月14日
  • わたしの恋人

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     簡単に読める恋愛小説で胸キュンのお話。男女が付き合うまでの過程を描く作品が多い中で、付き合い始めてからの事も書いてあり、面白かった。好きになって、付き合って喧嘩して仲直りして、というありがちなストーリーではある。学生の、特に女の子受けする物語。ミステリー好きの男性は別に読まなくても・・・。

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    2015年04月03日
  • わたしの恋人

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    甘酸っぱすぎるー。可愛すぎるー。
    学生時代に読んだらまたキュンキュンして感想も違うのだろうけど、さすがになぁー。可愛いらしい本でした。

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    2015年02月25日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    色々な作家さんの実話系。

    実話『系』なのは、本当なのか違うのか…。
    香月さんの話は、これによってあの話ができた? と
    ものすごく分かりましたが。
    実話…実話だったら恐ろしいですが
    現実は小説や漫画よりも恐ろしい…。
    1月に死ぬと7人連れて行く、は言い伝えだと思ったら
    結構最近の話だったのにびっくりです。

    目的だった辻村さんは、占い師。
    不確かな言い方をしたりして、当てはまる事を
    占われる人間自身に探させる。
    とはいえ、本当にそう言われてしまったら
    驚きを通り越してぞっとします。

    それ以外の話は特に…というよりも
    お話のような感じで、実話っぽくなかったです。
    漫画はすごく分かりやすかったですが。

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    2014年10月06日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    藤野さんの過去初めて知った。皮膚疾患は辛い…内臓からくるのか。
    朱野さんの話が一番怖かった。子供を産むってやっぱり生命を受け渡すってことか。

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    2014年09月28日
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>

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    この前のずっとそばにいるの第二弾。一弾目の方が面白かったかな。中では猫と七代目が面白かった。それと、愛しい呪いも猫の話で、考えさせられる話で心に残った。

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    2014年09月09日
  • わたしの恋人

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    2014-8-19
    高校生のきらきら

    古賀くんのまっすぐな思い、きらきらしてた!こっちがキュンキュンきちゃった

    付き合ってくださいなんていわれたのいつぶりだ?笑

    人と関わることで自分のこともわかるし、相手にもっとじぶんのことしってもらいたいとおもうきもちがどんどんましていくー
    どんなに好きでもむかつくことだってあるし、うまくいかないこともある

    せつなちゃんは、古賀くんに出逢えて本当によかった

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    2014年08月19日
  • お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿

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    四年生くらいから読めそうな探偵もの。ワトスン的少年の語り口。
    執事、という仕事関連でも紹介できるかもしれない。
    内容、雰囲気としては『GOSICK』(桜庭一樹)の幼年版みたいな。

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    2014年06月19日
  • わたしの恋人

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    今時の高校生の話ではない、純粋なストーリー。
    2014.6.12

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    2014年06月12日
  • お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿 一夜姫事件

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    “お嬢様は、だいじょうぶでしょうか……。
    ふだん、体を動かす機会がほとんどないお嬢様にとって、雪の山道を急ぐというのは、かなりきびしい状態だと思われます。しかも、いまは、とても動きにくそうな着物すがたなのです。
    雪や水で地面はすべりやすくなっていますし、転んだりしては大変です。
    そう考えて、ぼくはお嬢様の手を取りました。
    「なっ、なにをするの、執事……。」
    一瞬、おどろいたようすで、お嬢様はこちらをごらんになりました。
    しかし、手をふりはらおうとはなさいません。
    お嬢様の手は、ひんやりとしていました。”[P.125]

    6巻目。
    最後の雰囲気だと、ありすはゆきが言った言葉の裏を理解していて、理解されていることをゆきも分かっていて、って読み取れるけれど合ってるかな。
    杖の件はあまりにもあっさりだったけれど、嘘付いてたりって思わないの?前にも何かしら伏線あったっけなぁ。
    HACCANさんの絵は本当良いなぁ……。

    “「それから、もうひとつ、お嬢様にお願いがあるのです。」
    まるで、他人の声のように、その言葉は耳にひびきました。
    「どうか、ぼくをクビにしてください。」
    お嬢様を裏切らないために……。
    ぼくは、お嬢様の執事でいることを、やめなければなりません。
    「執事、あなた……。」
    なにか言いたげに口を開いたお嬢様でしたが、くちびるをかんで、うつむくと、軽く肩をすくめて、おっしゃいました。
    「もちろん、そのつもりよ。あなたなんて、執事失格だわ。クビよ、クビ!荷物をまとめて、さっさと出ていきなさい!」
    片手で追いはらうようにして、お嬢様はぼくに命じます。
    「わたしは、待たないわ!ぜったいに、あなたがもどることを、待っていたりはしないのだから!」”[P.193]

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    2014年05月01日
  • わたしの恋人

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    家族円満な家庭で育った男の子と
    両親が毎日喧嘩している中で育った女の子の恋愛話でした。

    ちょっと思い出したのが、マツリカ*マジョルカでした。
    一歩踏み出そうとしないのは自分

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    2014年02月27日
  • わたしの恋人

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    少女漫画を読んでいるようでテレテレしてしまいました。
    せつなのホラー映画が好きな理由には妙に納得です。

    表紙の絵は素敵ですがもう少しポップな感じにすれば
    ヤングな子たちがもっと手に取るんじゃないかな~と思いました。

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    2013年11月28日
  • お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿 古城ホテルの花嫁事件

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    “「だが、くれぐれも忘れるな。最初に、おまえを拾ってやったのが、だれかということを。おまえは、どこに属するものか、ということを。……以上だ。」
    翁の話が終わったので、ぼくは深く頭をさげると、座敷をあとにします。
    来たときとおなじ通用門をくぐって、どこもかしこもそうじの行き届いた敷地の外に出て、やっと、全身から力がぬけました。
    翁のまえでは、表情には出しませんでしたが、ぼくは内心、とてもショックを受けていました。
    ぼくの役目が、スパイだったなんて……。
    そんな、まさか……。”[P.25]

    5巻目。
    ちょっとわくわくする展開……!
    これが落ち着いたら終わってしまいそう。

    “「ああ、そうだ。致命的な欠点だ。弱点、と言いかえてもいいだろう。あの子は、めったに他人に心を開かない。だが、一度、自分のふところに入れてしまうと、すっかり信じてしまう。」
    そこで、秋麻呂氏は手をのばすと、びしっとぼくを指さします。
    「あの子は、きみをうたがわない。」
    ぼくは一瞬、ぎくりとしました。しかし、もちろん、顔には出しません。
    秋麻呂氏はいったい、どこまで気づいているのか……。
    「たとえば、この古城ホテルで、連続殺人事件が起きる。はね橋が壊され、よそからだれもおとずれることもできなければ、この場からだれも逃げることもできない。閉じられた空間、クローズドサークルだ。そんな状況で、ひとりずつ、だれかが殺されていくとしよう。」
    どこか楽しげな口調で、秋麻呂氏は語ります。
    「そして、ふたりだけになった。」
    秋麻呂氏がつきだした片手では、二本の指がぴんっと立っています。
    「次々に犠牲者が出て、ついに生きのこっているのが、あの子ときみのふたりだけになったとする。それでも、あの子は、きみのことをうたがわないだろうね。」
    ぼくは表情を変えません。
    どのような表情を作ればいいのか、わからなくて、石像のようにかたまっています。
    「きみが刃を向けて、あの子におそいかかったそのときになっても、真相にはたどりつけまい……。」
    秋麻呂氏は、ぼくの顔を正面から、じっと見つめます。
    名探偵のふたつの目が、ぼくを観察しています。
    「そんなことで、名探偵といえるかい?」”[P.130]

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    2013年08月17日