藤野恵美のレビュー一覧
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ハリネズミには友だちがいないけれど、だれにも邪魔されずにひとりでいることが好き。
うさぎの耳にバラの花飾りがついていたけれど、似合わないとはっきり言う。
かわうそは、そんな言い方したらかわいそうだと言うけれど心で思ってることと違うことはいいたくないと…。
そんなんじゃ、友だちができませんよと言うかわうそに「ほんとうのことをいえないなら、ともだちなんか、いらないね」と。
友だちがいないとさみしいし、だれも助けてくれないと困ったことになるよと。
もぐらにあってからハリネズミに変化が訪れる。
うさぎやかわうそやもぐらに会った夜、眠れずにいたハリネズミは、ししゅうをする。
そのししゅうをもぐら -
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とても素晴らしい一冊だった。いろんな方向に考えや思いが飛んでいき、うまくまとめられないのが悔しい。共感、あきらめ、希望、期待、孤独、自分の中にある様々な心に問いかけてくる。
(物語)
友達はいないけれど、一人が好きで平気なハリネズミ。思った通りのことを口にするので、相手を傷つけてしまいます。背中のハリだけでなく、言葉もチクチクしています。そんなハリネズミがモグラと出会い、変わっていきます。最後には、ハリがあることで友達を守ることができて良かったと思えるまでになります。
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ハリネズミは確かに感じが良くはない。でも、正直な気持ちを言っているだけとも言える。意地悪をしてやろうとかい -
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奥さんを亡くして男手一つで子育てをするハルさんと娘の風ちゃんの物語
春日部晴彦は娘 風里の結婚式の前にこれまでの事を思い出しながら式場に向かう
幼稚園、小学校、中学、高校、大学のときのエピソード
ちょっとした日常の謎があったが、困りごとは心の中で瑠璃子さんが語りかけて解決してくれる
・消えた卵焼き事件
風ちゃんの友達のお弁当に卵焼きが入っていなかった事の真相
・夏休みの失踪
小学四年生のとき、いなくなった風ちゃんの行き先と意図
近所で気難しい老人と噂される源田のおじいちゃんは「風里が花を盗んだ」と主張するが……
・涙の理由
家でも元気がない様子
駅前に貼られているという、風ちゃ -
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6月に「きみの傷跡」を読んで、何年か前に読んだ「わたしの恋人」と「ぼくの嘘」に続編?があると知り、読みました。
なるほど。
笹川くんや森さん、結城さんは知ってる気がする。
スクールカーストが絡んでくる高校生の話、自分の高校時代を思い出しつつ読みました。
あやには結城さんや九條くんとの関係があるから引き上げてもらった感じがする。
アリサちゃんは一見すると下位レベルのところにいるのだけど、内面が強いから実はそうでもない。
あやも、勉強ができるから実はそこまで低いところにはいないと思う。
勉強ができる人が集まる進学校って事だから、そこまで深刻な差別意識はないのだろうけど、話の端々にそういう描写は -
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名取佐和子さんの『金曜日の本屋さん』で紹介されていたので読みました。
この作品は、女性が読まれてももちろんいいのですが、年頃の娘さんを持たれる男性が読まれると共感するかなと思いました。
妻の瑠璃子さんと死別した人形作家のハルさんこと春日部晴彦は男手ひとつで、一人娘のふうちゃんこと風里を育て、今日はふうちゃんの結婚式の日。ふうちゃんの幼稚園の頃からの出来事を年齢順に回想していく連作短編集です。
日常の謎ミステリーでもあります。
ハルさんは、ふうちゃんのことがわからなくなると天国の瑠璃子さんに問いかけ、問題は瑠璃子さんの推理により解決されます。
第一話 消えた卵焼き事件
ふうちゃんの幼稚園で、