藤野恵美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ藤野恵美さんはじめまして!
こちらは「金曜日の本屋さん」(著:名取佐和子さん)で紹介していて気になっていた本のひとつ。ようやく読むことができた!ちゃんと文庫本の方です!(詳しくは金曜日の本屋さんを!)
主人公ハルさんは、妻に先立たれ一人娘のふうちゃんとふたり暮らし。ついにふうちゃんの結婚式の当日、今まであった思い出を回想する。
こういう、殺人事件が起こるミステリーじゃなく日常の小さな謎を解決していくほのぼのミステリーもとても良い。頼りなさげなハルさんとしっかりもののふうちゃん。そして謎を解決する時に突如としてあらわれる亡き妻瑠璃子さん!!
最後結婚式のところではハルさんと一緒に号泣でした(;_:)今までの思い出が蘇りいろんな感情が。ふうちゃん素敵な人に出会えたんだね!おめでとうございます。お幸せに(*^ᴗ^)
文庫本のあとがきには「ハルさん」という作品がどうやって出来たかも書かれています。作者自身の家庭環境だからこそ出来た作品、ハルさんというキャラクターであったのかも。素敵な作品に出会えて嬉しい。 -
Posted by ブクログ
若者たちが懸命に夢を追う、王道の青春ストーリー。
ショコラティエになりたい男の子。
ピアニストになりたい女の子。
食べる事は大好きだけど、イマイチやりたい事がわからない男の子。
友情あり、恋あり、挫折あり、反抗期あり。
みんな壁はあったけど。
何とか乗り越えスタートラインに立てました。
壁は人によって違うのだけど、乗り越えられる大きな推進力になるものは、その道がやっぱり好きだという強い思いなのだろう。
私は子ども頃の夢とは違う職業に就きました。
昔から好きで少しだけ得意な事がお仕事になりました。
好きだという思いは道を創ってくれるようにも思います。
もう一つ、ショコラ食いしん坊として見逃せなかったのは、素晴らしいショコラの表現の数々です。
華麗すぎる!
完璧すぎる!!
おいしそすぎる!!!
青木定治氏が語っていらっしゃる?って思う程です。
(青木氏は作品に登場してません)
今日は友人がチョコレートをくれたので、お夕飯の後にいただいたのですが、なんか、もう、いま、食べたい。
ちょっとだけなら問題ない、と、思うのですけど。
23時30分…。
やっぱりとっとと消灯いたします。
-
Posted by ブクログ
ハリネズミには友だちがいないけれど、だれにも邪魔されずにひとりでいることが好き。
うさぎの耳にバラの花飾りがついていたけれど、似合わないとはっきり言う。
かわうそは、そんな言い方したらかわいそうだと言うけれど心で思ってることと違うことはいいたくないと…。
そんなんじゃ、友だちができませんよと言うかわうそに「ほんとうのことをいえないなら、ともだちなんか、いらないね」と。
友だちがいないとさみしいし、だれも助けてくれないと困ったことになるよと。
もぐらにあってからハリネズミに変化が訪れる。
うさぎやかわうそやもぐらに会った夜、眠れずにいたハリネズミは、ししゅうをする。
そのししゅうをもぐらは、見えない目ではなく手でさわってかたちがわかることに感動し、壁に飾って大切にする。
それから…。
もぐらのことばからたくさんのことを知るハリネズミ。
明日はどんな日になるのかわくわくするし。
次の機会が楽しみだと待つこともできる。
うれしい気持ちは悲しい気持ちを打ち消すことができる。
自分と違う考えを持っていると言うことは、新しいことを知り楽しみを知ることにもなる。
友だちの大切さを感じることのできる児童書だと思った。
-
Posted by ブクログ
とても素晴らしい一冊だった。いろんな方向に考えや思いが飛んでいき、うまくまとめられないのが悔しい。共感、あきらめ、希望、期待、孤独、自分の中にある様々な心に問いかけてくる。
(物語)
友達はいないけれど、一人が好きで平気なハリネズミ。思った通りのことを口にするので、相手を傷つけてしまいます。背中のハリだけでなく、言葉もチクチクしています。そんなハリネズミがモグラと出会い、変わっていきます。最後には、ハリがあることで友達を守ることができて良かったと思えるまでになります。
******
ハリネズミは確かに感じが良くはない。でも、正直な気持ちを言っているだけとも言える。意地悪をしてやろうとかいう他意はない。
思ったことが言いにくい事だから口にはしないといった経験は誰しもある。口にしない人は性格の良い人で、口にして相手を不快にさせてしまった人は性格の悪い人なのだろうか?同じことを心の内では思ったのに、相手を不愉快にさせてはいけないと本当のことは言わず、他の言葉で取り繕った人。ちょっと失礼だけれど、思ったことをそのままいう正直さを選んだ人。
個人的には私なら後者の方が信頼できる。もちろん、言い方は工夫してオブラートに包んで欲しいけれど…。前者のような人が蔓延していて、私には恐怖しかない。敏感だから、相手のちょっとした表情で思っていることがわかり、いちいち傷つくから。前者の方ができた人、良い人とカテゴライズされがちな世の中は肌に合わない。
ただ、この物語を読んで、友達でなくても、相手を尊重したり、話を(自分の考えをまずは混えずに)聞いたりすることは、孤独を好む者でもやった方が絶対いいなと感じた。そして、本当に素敵だと思える人に出会えたら、友達が欲しいと思った。
もぐらとハリネズミの会話は無駄がなく、心を端的に表していて素敵だった。こんな会話ができるようになりたい。私はよく言葉が足りなかったり、言い方が悪くて誤解される。後になって、あっ、あれは良くなかったなと反省する。
ゆっくりと(時間的に、気持ち的に)話ができないときは、余計な事は話さないほうがいいと頭ではわかっている。思っていることと、違うように受け止められてしまうから。単に相手が悪いのではなくて、自分も、相手にこう思われたらいけないとか、こんな風に思われたいとか、でもこの事は伝えたいとか、その時嫌なことがあってイライラしてそれを発散したいとか、劣等感とか…そういう思いが織り混ざって本当の心のままに言葉を発していない自分がいる。そして誤解されたまま受け止められ、悪く取られ、離れていく。相手の表情の変化を即座に見分ける私は、少しでも相手の心にこちらに対する何か悪いものを見つけると、とっさにそれを感じを近づけなくなってしまう。
友達がいないと、確かに困った時に助けてもらえなくて途方に暮れる。自分一人でできることは限られている。ただ、友達って困った時のためにいるものではないじゃん、とも思う。人として好きだから、一緒にいて楽しいから友達でいる以外あるのだろうか?
私はとても人付き合いが苦手だ。大抵の人とは関わるとどっと疲れるし、何回か関わっていると必ず嫌な気持ちになる。大学時代の友達の1人だけ、心から好きで一緒にいて楽しい、本当の友達だと思える人がいた。他は、たぶん本当に友達でいたいと思う人は1人もいなかった。
一人でいるのはとても好きだ。寂しいと思うのはほんのたまにだ。たとえなんとなくの友達といても寂しさはきっと変わりはしないだろう。もちろん、助け合ったり、愚痴を言い合ったりなんかはできるだろうけれど。
もぐらみたいに気が合いそうな相手がいればもちろん友達になりたい。そんな相手、そうそう見つからないだろうけれど…
気になったところ
○もぐら「その友達はいつやってくるかわからない。いつもふらりとやってくるからね。だからこそ、明日はどんな日になるだろうと、ワクワクしながら眠りにつけるというものではないか。」
ハリネズミはこれまでワクワクしながら眠りについたことなんてありませんでした。寝る前は、いつも嫌だったことが頭に浮かぶのです。
カワウソ「だから言ったんですよ。友達がいないと取り残されます。みんなと仲良くしていれば、良いことを教えてもらえるのです。」 -
Posted by ブクログ
奥さんを亡くして男手一つで子育てをするハルさんと娘の風ちゃんの物語
春日部晴彦は娘 風里の結婚式の前にこれまでの事を思い出しながら式場に向かう
幼稚園、小学校、中学、高校、大学のときのエピソード
ちょっとした日常の謎があったが、困りごとは心の中で瑠璃子さんが語りかけて解決してくれる
・消えた卵焼き事件
風ちゃんの友達のお弁当に卵焼きが入っていなかった事の真相
・夏休みの失踪
小学四年生のとき、いなくなった風ちゃんの行き先と意図
近所で気難しい老人と噂される源田のおじいちゃんは「風里が花を盗んだ」と主張するが……
・涙の理由
家でも元気がない様子
駅前に貼られているという、風ちゃんが書いたポスターが剥がされて捨てられていた
いじめの可能性を疑うハルさん
中学生のときに風ちゃんが泣いた理由
・サンタが指輪を持ってくる
風ちゃんが大学受験前のクリスマス
花屋でバイト中、指輪のプレゼントを落としていったお客さんがいた
風ちゃんは追いかけた際に骨折してしまったため、ハルさんに返却を託す
お客さんの会話から聞こえてきた、待ち合わせ場所の「ツリーの間」とは?
・人形の家
ハルさんの人形 エンジェルシリーズの持ち主からの、人形が入れ替わっているという訴え
ハルさんはビスクドールの作家さん
同じ型から作った12体の人形の一体を購入したお客さんから「人形がいなくなった」とバイヤーの浪漫堂から連絡を受ける
服や髪の三つ編みなど同じだが、違う人形だという
果たして、人形は入れ替わっていたのか?だとしたら何故?
話の合間に結婚式の場面が挿入される
結婚式場に着いて、風ちゃんの衣装を見る描写
実はハルさんは新郎の長谷さんと初めて会う
そのときの印象
読者はこれまでの二人の関係性を知った状態で読むことになる
純粋だった幼児や小学生の頃、そっけない態度を取る中学生、大人びて自立しそうな高校、大学生
旦那さんは海外勤務のため、今後はもっと会えなくなる
寂しさを覚えつつも、娘の門出を祝う気持ちもある
ふうちゃんが何故、結婚相手の男性の長谷さんを選んだのかが夫婦の挨拶で判明する
最後のところを読んでいて泣ける
私がこれを初めて読んだのは10年前くらい?
今回改めて読み直してみて、前よりもずっと心に響くものがある
多分、実際に娘が結婚してもおかしくない年齢になったからでしょうねぇ
娘さんが結婚の年頃の父親が読むといいと思う