藤野恵美のレビュー一覧
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SNSやインターネットにまつわる連作短編
前の話にちょっと出てた人が次の話の主人公という形式は個人的に大好き
見知らぬ人と実はつながっているという性質を持つSNSにおいてはありえない状況ではないと思う
ネットとの付き合い方を考えるにはふさわしい本かと
道徳の教科書のように、どっちがいいとか決めつけているわけではないんだけど結論を誘導されているような何だかもやっとする感じのストーリー
8編あってそれぞれが20ページ程度なのでサクッと読める
・誰かの悪口をいうSNSの内輪のグループ
・レスもないのに真面目な事をつぶやくアカウント
・面接者のアカウントをチェックする人事の人
・PVやいいねを稼 -
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シリーズ名はよくわからないが、青春三部作と言われている三作目
なので、これで完結なのかね?
今回は「ぼくの嘘」にも登場していた八王子さんと、新キャラの何でもそつなくこなすイケメン九條くん
二人は同じ保育園だったけど小学校の頃に八王子さんが転校し、高校でまた同じになった関係
二人ともシングルマザーの家庭環境で、片やバリキャリでもう一方は元夫とよりを戻すだの戻さないだのとしていて元夫が家に来ているときは外で時間を潰して帰らない八王子さん
キャラクター的には九條くんは万能キャラのモテ男に対して、八王子さんは三編みメガネの読書陰キャという対比
とは言うものの、九條くんもそれなりのダークな部分を内面に -
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高校生の古賀龍騎と森せつなの恋愛
古賀くんの両親は仲が良すぎて恥ずかしくなるくらい、そして古賀くんにも優しい
一方、森さんの方は両親の仲が悪く、父は愛人がいるし母はそれを知っていて嫌悪しているが、離婚したら今の生活ができなくなるので離婚はしない
そして離婚をしない理由に自分も挙げられて不快に思っていると
部活のサッカー中に擦りむいたので保健室に行った古賀くんは、眠っていた森さんに一目惚れしてしまう
恵まれた家庭環境でまっすぐに明るく育った古賀くんと、家庭環境を恨む森さんの恋愛模様や如何になお話
おっさんにとって、こんな恋愛模様を見せられると胸のあたりがギュンギュンしてしまって心臓に -
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親友の恋人を好きになった笹川くんは、同級生の美少女である結城あおいに弱みをにぎられ結城さんが好きな人とダブルデートをするための偽装恋人としてつきあわされる
タイトルに秘められた「嘘」とは何をさすのか?
読んでいてついついにやけてしまうくらいの青春恋愛小説
若い……
というか、地味側人間の恋愛感情というものをよく分かっていらっしゃる
片想いでいいという感情にはとても同意する
自分の好きな人が幸せであればそれでいいという気持ちもね
ただ、結城さんの言うことも納得できるんだよなー
ってか、途中まではかすみちゃんの印象は悪くはなかったけど
最後まで読むと何だかねぇ?
ま、別に悪い事は言って -
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ネタバレ主人公のハリネズミがアスペルガー症候群みたいなのでびっくりする。思った通りのこと、本当のことを言い、それが人を傷つけることがわからない。一人でいることを好み、こだわりが強い。
そういう主人公がもぐらと出会い、初めて友達ができて変わっていく。
この物語が面白いのは、もぐら以外の登場人物が友達ではない、というところ。これから友達になるかもしれないが、この物語の中では、カワウソは厭な奴で、リスはメッセンジャーを兼ねる商人、クマは製造販売業者、うさぎは着飾るのが好きで、人はいいが友達ではない。
もぐらはハリネズミの個性を尊重して、長所を伸ばしてくれる。社会と結びつけてくれる。しかし、そういう友達は希で -
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本作品は、先に文庫化されている『わたしの恋人』(角川書店,2014年)の続編である。
今回の主役は、前作の主人公・古賀龍樹と森せつなの名アシスト役だった、オタク少年・笹川勇太くん。
親友として二人の恋を静かに見守ってきた笹川くんだが、実は人知れず切ない片想いをしていたわけで…。
そしてそのことが、同じクラスの美少女・結城あおいに知られてしまったことから、笹川くんの受難の日々(?)が幕を開ける――というのが、本書のあらすじ。
前作に引き続き今作も、勇太:ぼく/あおい:あたし~という風に、語りの視点(一人称)が交互に入れ替わるシンプルな構成で話が展開していく。(ちなみに前作は、龍樹:おれ/せつな: -
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ネタバレ〇 概要
一人娘「風里」=ふうちゃんの結婚式を前に,ひとり親として娘を育てた父=春日部晴彦が,娘の思い出を回想するという設定で構成された短編集。風里の幼稚園時代,小学校時代,中学校時代,高校時代,大学時代を描いた5つの短編が描かれている。頼りない人形作家の父の目から,日常の謎のミステリが描かれ,最後は,風里の結婚式で終わる。
〇 総合評価
日常の謎系のミステリなのだが,扱われている謎は「卵焼きの消失」,「ふうちゃんの失踪」,「ふうちゃんがいじめにあっているか?」,「落とし主の待ち合わせ場所はどこか」,「人形は入れ替わったのか」というものであり,その真相もミスディレクションのようなものはな