藤野恵美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「あなた、小さいころから、少しずれているというか、かんちがいしやすい性格だったようね。」
お嬢様はそうおっしゃると、かすかに笑みをこぼされました。
......はい、否定はいたしません。
「でも、そういう経験って、わたしにもあるわ。ほかの人間たちがふしぎだ不可解だという、密室だとか人間消失だとかの事件も、わたしにはすぐに真相を見破ることができるから、まったくもって合理的な現象でふしぎでもなんでもないと思ってしまうのよ。」
お嬢様のおっしゃっていることは、ぼくの思いちがいとは別次元の話のような気がしますが、共感していただけたようでよかったです。”
アップルタルト食べたい。
ゆきとくんは将来的には好青年になりそうだね...。
“「だって、ありすちゃんの執事がこんなただの男子だなんて、ほんと、がっかりだもん。ありすちゃんの執事っていうからには、頭脳明晰、運動神経抜群、身長百八十センチ以上の悪魔めいた美声年じゃなきゃだめなの!」
あいかわらず、ひどい言われようです。
しかし、ぼくはぼくでしかたなく、残念ながら、どう転んだところで、こばとさんの言うような存在にはなれません。
まあ、成長すれば、身長百八十センチ以上にはそのうちなるかもしれませんが......。うん、なりますとも、ぜったいに。にょきにょきのびますから、いまに見てやがれこんちくしょう。
......さて、それはともかくとして、ちあきさんは今日もしずんだ顔です。
心配ありませんよ。
お嬢様がいらっしゃったら、きっと、すぐに解決してくださいますから。” -
Posted by ブクログ
“「……うむ。」
わずかにうなずくと、お嬢様は手をのばして、スコーンをつかみました。そのあいだも、書類から目をおはなしになりません。
お嬢様はベッドの上にひざを立ててすわり、書類と本を交互にごらんになりながら、スコーンにかじりつきます。
とても行儀が悪いのですが、とがめる者はだれもおりません。
このありすお嬢様こそ、二ノ宮家の当主でいらっしゃるのです。
ぼくはじっとベッドサイドに立って、お嬢様が食事を終えられるのを待ってました。
お嬢様は無言で、スコーンをほおばります。
薄暗い中、ベッドにうずくまり、何日間も同じパジャマで、髪はねぐせだらけでもじゃもじゃとあれば、そのお姿は女の子というより、野生動物かなにかのようで……。”
イラストに惹かれて。
あっさり読めた。
“「わたしという探偵が現れなければ、彼女は復讐をまっとうできたでしょうに。」
冗談とも本気ともつかない口調でおっしゃると、お嬢様はふうっと息を吐いて、シートにもたれます。
「桜子さんだって、わたしがあの男の過去の罪をあばかなければ、真実を知ることもなく、傷つかずにすんだかもしれない……。わたしが外に出ると、いつもこうよ。」
そうつぶやかれたお嬢様の声は、どこか投げやりで、悲しげな響きを含んでいました。
これまで、つねに自信満々といった態度でいらしたお嬢様には、このようなお言葉は似つかわしくないように思えて、ぼくは思わず、口を開きました。
「しかし、ぼくはやはり、お嬢様が事件を解決なさったのは、いいことだと思います。」
執事という立場で、お嬢様に自分の意見を申しあげるなんてですぎたまねだとは思いますが、言わずにはおられませんでした。
「うまく申しあげることはできませんが、お嬢様が過去の事件を解決してくださったからこそ、かすみさんの心はすくわれたのだと思います。それに、桜子さんもだまされてしあわせでいるよりは、つらくても本当のことを知ったほうが、よかったのではないのでしょうか。」
「そうかしら。」
「はい、お嬢様。」”