カレー沢薫のレビュー一覧
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「いや、ゴミは捨てろよ!」とつっこみながら楽しく読んだ。まぁゴミ捨てろよってつっこんどいてなんだけど、わたしも部屋をまったく片付けられないナチュラルボーンクズなので共感するところが多く、無職でひたすら虚無を過ごしている現在のわたしにはある意味救いになるようなところもあった。「何もしないことが得意でニートが天職」みたいな存在わたしだけかと思ったけどわたしだけじゃなかった!
共感するところもたくさんあれば、ある意味新しい価値観を知れた部分もあった。わたしはやたらグッズや本を溜め込むタイプのオタクなんだけど、カレー沢さんは本書で「しかし、ソシャゲはいい。得られるものがJPEGであり、物量がゼロだ。段 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌」、「ピンチは乗り越えたいが、頑張るのは嫌」、「部屋はキレイにしたいが、片付けるのは嫌」、「話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌」…。
我慢せえ!がんばれや!的なツッコミが入りそうなお題に対し、舌を巻くような言い訳、否、正当性を以って立ち向かう。怠惰やわがままと思われたこれらの行動が、いかにクールで正しいことであったか、押さえ切れない自己肯定感で「逆に罪では」と別の悩みができてしまうことうけあい。
「やらかした」ことは全て肯定。「やらなかったこと」も全て英断。こういう人に私はなりたい。相変わらずボキャブラリーがえぐい。 -
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OL兼漫画家・コラムニストの方による、ブスについてのエッセイ。同じ女性が書いていなかったら完全にハラスメントになっているのでは?というくらい強めの言葉がどんどん出てきて心配になります。
どうも元は連載モノのようで、編集者からテーマを貰っているようなのですが、そのテーマ出しがまずどうなの?というレベル。「ブスの老化」とか、何でもブスってつければ良いってモンじゃねぇぞ、ってモノから、最終的に「量産型ブス」「自撮りブス」まで至っては、何がしたいのか正直良くわかりません。
文章のテンポはメチャクチャ良くて、そういう意味では勉強になるのですが、1行にブスが3回か4回出てくるとなると軽くゲシュタルト崩壊 -
Posted by ブクログ
ブスに真正面から斬り込んでいくエッセイ。ブスがバッタバッタと死んでゆく。
これがまた信じられないくらいおもしろかった。ブスが一体何をしたんだ!と庇いたくなるほど血も涙もなく徹底的にブスをディスり倒している。いやしかしそこには一抹のリスペクトさえ感じさせる。
ああ世の中にはいろいろなブスがいるなぁ。ブスは細部に宿っているのだなぁ。と感慨深いというか悟りの境地に達することができた。ワーキングブス。季節感のあるブス。ブスとはなんぞや。
最後まで読んだところで確かに得るものは何一つ無かったが、ブスに対する造詣と懐は深まった気がする。
みんな違ってみんなブス。 -
Posted by ブクログ
孤高の漫画家・コラムニストであるカレー沢薫御大の最新作は、「痩せたいが食べるのを我慢するのは嫌」、「お金は欲しいが働くのは嫌」など、人間が生きる上で直面するアンビバレンツに対して、できない自分を卑下するのではなく全面的に肯定しようというコンセプトで書かれた哲学書であり、まさに「人間革命」な一冊である。
一冊読み通して、御大の日本語表現の豊穣さには毎回感服させられる。例えばこんな文章。
「私も人の色恋沙汰というかエロ話が大好きなので、どこかでエロトークが開催されていると聞きつけるや否や、『話は聞かせてもらった』と窓から入って座に加わろうとする。しかし、いざ自分にマイクが回ってくる段になると『 -
Posted by ブクログ
もはや、「イラストも描けるエッセイスト」として、21世紀のナンシー関の後継者として各種媒体にエッセイを乱筆するカレー沢薫御大が、「ブスに厳しいブス」として、全てのブスに捧げる哀歌(エレジー)。
読み始めて3ページ目で、余りの「ブス」という単語の多さに、ゲシュタルト崩壊を起こす本書では、恐らく人類の歴史上、ここまで「ブス」というテーマについて語った人間はいないのでは、と思わせるほど、あらゆる角度から「ブス」について語られる。といって、何か有益なものが残るかというと、これが清々しいほど読後に残るものがなく、「あー時間を浪費した」という空疎さが残るのみであり、万人にはお勧めできない。
エッセイス