西條剛央のレビュー一覧
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サブタイトルは
「ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか」で、
まさにその通りの本でした。
著者の西條さんは「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表で、
早稲田大学大学院(MBA)専任講師です。
帯の糸井重里さんの推薦文がわかりやすいので、
全文引用します。
『岩をも動かす理屈はある。
「そこに方法がないなら、つくればいい」
西條さんの学問は、実戦的で痛快だ。
震災の状況だけでなく、あらゆる仕事の場で
役に立ってしまう本になったと思う』
最初は、地震の発生、そこからの著者の思いや行動などが綴られて進行していきます。
あっという間に組織の原型が出来あがりますが、 -
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東日本大震災のボランティアをどうやって始め、進めていったかという話。
本の始めに震災当初のころの話が書かれていた。私的な話だが、震災の日の翌日に自分の結婚式が予定されていたことでそのことで頭がいっぱいだったことと、帰宅難民になり、車の中で一晩過ごしたことで、震災直後の様子をよく知らなかったことに思い当たった。本を読むだけでずんと落ちおんでしまうほどひどい状況に、自分のことでいっぱいいっぱいでこのことを直視できなかったことが本当に幸せなことだったんだなと思った。
内容は後半のところどころに、蛍光ペンで線を引きたくなるような、ビジネス書としていいことが書かれていて、いい本だと思う。 -
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3.11の後、日本最大級の支援組織「ふんばろう東日本プロジェクト」をつくった、代表 西條剛央さんの記録
4人でのボランティアからはじめたことが、全国のひとりひとりの力を活かし、大きなプロジェクトになっていく過程と仕組み。固定的な方法も役に立たず、未知の状況で、変化の激しい環境のなか、必要なものを、必要な人に。協力したい人から、早く確実に届ける。
被災された方々のために、自分にできることをしたい、という思いの具現化のもとになるのは、構造構成主義=あらゆることを、しなやかに対応するための考え方。構造構成主義という理論があったからこその実現、でも、そのきっかけは、たくさんの偶然(もしかしたら必然 -
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ネタバレ著者 西條剛央氏は1974年生まれで、早稲田大学大学院(MBA)の心理学と哲学の専任講師を務めている。
過去にボランティア活動の経験は無かったが、「構造構成主義」を用い「ふんばろう東日本プロジェクト」を立ち上げ、日本最大級のボランティア・プロジェクトを成功させる。
本書は、その仕組みと支援の舞台裏を書いたもの。
阪神大震災のときも、全国から集まった多量の支援物資について保管と仕分けができずに被災者に届かなかったと聞いた。東北大震災では、その失敗を教訓にロジスティクスに詳しい人がボランティアとして支援していると聞いたような気がするが、事実を確認したわけではない。
確かに、『ホームペ -
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東日本大震災における被災地支援の大きなうねりの一躍を担ったプロジェクトの活動の様子と、ボランティアの集合体という無形なものを、いかにして実態ある組織にまとめ上げたのか、その内部構造が良く分かります。
ボランティアに参加したことのある人、あるいは、ボランティアと被災者をマッチングする立場に立ったことのある人は、その組織化と運営がいかに難しいことなのかを実感しているはず。
私自身、何度もボランティアに参加し、そしてNPOの運営に携わっている者として、本書は、組織運営のお手本として大いに参考になった。
組織論としては、ビジョンの共有、目標の設定、プロジェクト組織の有効性、権限移譲と情報共有の重 -