藤田宜永のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1971年、主人公浜崎順一郎は31歳の時、父親が遺した
探偵事務所を引き継ぐ。
留守電もファックスも普及していない、パソコン、携帯も
なかった時代の話。
公衆電話を多用し、連絡がつかなければ会いに行ってみる
考えてみると大変な労力だなぁ〜
その労力分、ページ数も多くなったのか、と意地悪な
見方をしてしまう。
物語は浜崎がとあるデパートで女性達がバーゲンのワゴンに
群がっている中、スリの現場を目撃
この小さな出来事が事件の幕開けとなっていきます。
ある日、若い女性が尋ねてきて浜崎に「母を探して欲しい」と
調査依頼をします。栄子の母親は元女優の神納絵里香
絵里香は所属していた、日新映画 -
Posted by ブクログ
ネタバレいやぁなんていうか。
本のタイトルからすると異様にかけ離れた内容でしたね~~
っていうか、このタイトルちょっと意味不明。
もともとはキッドナップというタイトルだったそうで、読み終えてみるとなるほどそっちのほうがしっくりきます。
なんで替えちゃったのかな~~~??
おハナシは、裕福な高校生が、家庭に嫌気がさし家出し、過去に自分を誘拐した女に会いに行き、そこで生活を始めてしまうというもの。
ばれないようにウソをつきうまく住み込みのバイトに紛れ込んで、周りの人たちともうまく交流し、最後にはその周りのいやな人とのいざこざに巻き込まれてしまうんですが・・・。
その、ヒミツがばれるばれないあた -
Posted by 読むコレ
長いっ(笑)。でもこの長さを苦にさせないところが
筆者の上手さですよね。主人公の強さと弱さとが
織り交じって描かれる中年男性像は、もう既に
自分の年齢と変わらなくなってきており、いちいち身に染みる。
主人公が必死になってしがみ付いて守ろうとした古ぼけた
バッティングセンターのようなものを果たして自分は持っているんだろうか?
自分にとって守るべきものは何なのか...。音楽だったはずなんだが
この数年その自信がなくなってきた。流行になるでもなく、
一般に受け入れられるでもない環境の音楽に対して
ここまで闘えるのか...。歳をとるってのは臆病風に吹かれ弱く
なるって事がこんな -
Posted by ブクログ
ミステリーかと思って読みましたが、そういった謎解きではありませんでした。
生後3日で新生児室から連れ去られた過去を持つ17歳の主人公、真人が、その誘拐した女、愛子に会いに行く話し。
実の親とうまくいかず家を飛び出し、誘拐した女を探し出して、嘘をついて一緒に暮らす。そして、その地でいろんな人と知り合っていく。そんなストーリです。
とくに、ぐっと泣かせるシーンもなく、あれよあれよと読み進めることが出来ました。いつ、嘘がばれるのか。ばれたときの愛子と真人はどうなるのか?といったところが気になって読み進めていく感じです。
真人にも愛子にもどちらにも感情移入できず、読後感もスッキリしない作品となり -
Posted by ブクログ
55歳。
人生の通知表を考える年代。
主人公はリストラされた55歳。
お金に困るわけでもなく、
時間だけが豊富にある。
クラス会で再開した
旧友の悩み相談に乗り
かつての憧れの女性と近くなって行く。
55歳は中途半端な年齢だ。
主人公はこう感慨する。
「ゴールはかすかにだが見えている。
しかし、あとふたつも三つも
山を登り下りしなければ
ゴールには辿り着かない」
思うならば、人生の通知表がそろそろ出そうな年代。
自分の人生はどうだったのか、
現実にも足を取られながらも
人生の総決算を意識する年代。
通知表の評価項目は何だろうか。
資産。恋愛。生きがい。
他人からどう見られるか