藤田宜永のレビュー一覧

  • ダブル・スチール

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    ハードボイルド小説。
    八百長事件に巻き込まれて野球界を追放。
    パリに逃げたらマフィアになっちゃった中年おじさんが、現地のハーフピッチャーに才能を見出し、なんとかプロにしようとしつつ、裏で過去の事件の真相を知る……
    みたいな話し。
    うーん。飽きずには読めるけどちょっと意味不明。

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    2016年02月13日
  • 敗者復活

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    なかなか良かったです。主人公、かっこいいおじさんだなー。男性が書いたものだと、男性の心理も分かりやすく描いてるな、と実感。

    登場人物もそれぞれ過去にあった事を引きずりつつ今日を生きているのが分かり、魅力的に描かれていた。崎見が余程人を引き寄せる力があるのか、なんとなく色々な人が集まってきて、彼に心を開く。

    それだけで小説として成り立ちそうなので、特に振り込め詐欺のからみは要らなかったかな、と。推理小説的な要素の所は中途半端過ぎて、尾行の所などはちょっと飽きてしまった。そこが☆3つに留まってしまった理由。

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    2015年12月22日
  • 風屋敷の告白

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    どうしたんだろう。大変好きな作家なのだけれど、直近で読んだ幾つかの作品はどれもいま一つまだろっこしい感じがする。本作の含めて、どれもそれなりのボリュームがあるのだが、描写がくどいように思える。綿密な描写というのは必要だと思うけれど、そうではなく、なにか言い訳のような表現が多いのだ。そのために話のスピード感が失われているように思えてならない。

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    2015年11月26日
  • 艶めき

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    中年女性の恋物語もなるほどと素直に面白かった。『うどん』『扇子の秋』『ちぎる』が特に心に残った。若くもなく、老いてもない女たちの揺れる心がまぶしく、愛おしかった。

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    2015年09月10日
  • 燃ゆる樹影

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    様々な事件は起こるものの、淡々としていて大きな盛り上がりに欠けているように思うのは、主人公たちが結婚する気がないところにあるのかな?
    後半の美枝子の娘、陽子のくだりなんかは、もっと怖く書きようがあったと思うのに、あっさりと解決しちゃうし。
    帯にあったような「燃え上がる」とか「韓流」的な無茶苦茶さは、感じませんでしたね。
    ただ、自然の豊かな情景や樹木医という職業が描かれている点は面白かった。
    藤田さんが書く男性は装蹄師や、仕立て屋、樹木医と一風変わった職業の人が多いですね。

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    2015年07月22日
  • 喝采

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    そうゆうわけでちあきなおみ『喝采』を繰り返し聞いていたのです。藤田さんの小説初めて読んだし、なんならミステリー久々だったけど、すごく面白かった。分厚い!主人公は探偵なんだけど、口がうまくて、怖いもの知らず。一人称で語られるから、わたしは高飛車にとか、わたしは〜してやったとかそんな調子。失礼な発言たくさんするんだけど、なんだかんだみんな協力してくれるし、読んでて強気な気分になってくる。音楽とお酒がわりとたくさん出てくるので、詳しい方はそのへんのニュアンスまで読めるのではなかろうか。

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    2015年06月28日
  • 喝采

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    1971年、主人公浜崎順一郎は31歳の時、父親が遺した
    探偵事務所を引き継ぐ。
    留守電もファックスも普及していない、パソコン、携帯も
    なかった時代の話。


    公衆電話を多用し、連絡がつかなければ会いに行ってみる
    考えてみると大変な労力だなぁ〜
    その労力分、ページ数も多くなったのか、と意地悪な
    見方をしてしまう。


    物語は浜崎がとあるデパートで女性達がバーゲンのワゴンに
    群がっている中、スリの現場を目撃
    この小さな出来事が事件の幕開けとなっていきます。


    ある日、若い女性が尋ねてきて浜崎に「母を探して欲しい」と
    調査依頼をします。栄子の母親は元女優の神納絵里香
    絵里香は所属していた、日新映画

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    2017年09月20日
  • 愛の領分

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    心地よい文体でスラスラと読み進むことができた。長く生きれば過去を背負う。相手の背負ったものを意識すまいと思えど、そのこだわりを払拭することは難しい。経験を重ねた恋愛であればこそ相手を思いやれる反面、相手の恋愛経験をも受け入れなければならない。過去への嫉妬、燃え上がる中でも理性を保った想い、大人の恋慕が綴られる。

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    2014年05月08日
  • 子宮の記憶 ここにあなたがいる

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    ネタバレ

    いやぁなんていうか。
    本のタイトルからすると異様にかけ離れた内容でしたね~~
    っていうか、このタイトルちょっと意味不明。
    もともとはキッドナップというタイトルだったそうで、読み終えてみるとなるほどそっちのほうがしっくりきます。
    なんで替えちゃったのかな~~~??


    おハナシは、裕福な高校生が、家庭に嫌気がさし家出し、過去に自分を誘拐した女に会いに行き、そこで生活を始めてしまうというもの。

    ばれないようにウソをつきうまく住み込みのバイトに紛れ込んで、周りの人たちともうまく交流し、最後にはその周りのいやな人とのいざこざに巻き込まれてしまうんですが・・・。
    その、ヒミツがばれるばれないあた

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    2013年07月27日
  • 敗者復活

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    長いっ(笑)。でもこの長さを苦にさせないところが
    筆者の上手さですよね。主人公の強さと弱さとが
    織り交じって描かれる中年男性像は、もう既に
    自分の年齢と変わらなくなってきており、いちいち身に染みる。

    主人公が必死になってしがみ付いて守ろうとした古ぼけた
    バッティングセンターのようなものを果たして自分は持っているんだろうか?
    自分にとって守るべきものは何なのか...。音楽だったはずなんだが
    この数年その自信がなくなってきた。流行になるでもなく、
    一般に受け入れられるでもない環境の音楽に対して
    ここまで闘えるのか...。歳をとるってのは臆病風に吹かれ弱く
    なるって事がこんな

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    2013年02月21日
  • 子宮の記憶 ここにあなたがいる

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    ミステリーかと思って読みましたが、そういった謎解きではありませんでした。

    生後3日で新生児室から連れ去られた過去を持つ17歳の主人公、真人が、その誘拐した女、愛子に会いに行く話し。
    実の親とうまくいかず家を飛び出し、誘拐した女を探し出して、嘘をついて一緒に暮らす。そして、その地でいろんな人と知り合っていく。そんなストーリです。

    とくに、ぐっと泣かせるシーンもなく、あれよあれよと読み進めることが出来ました。いつ、嘘がばれるのか。ばれたときの愛子と真人はどうなるのか?といったところが気になって読み進めていく感じです。

    真人にも愛子にもどちらにも感情移入できず、読後感もスッキリしない作品となり

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    2012年09月16日
  • セカンドライフ

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    ネタバレ

    藤田氏の作品は「官能系」というイメージが強かったので、
    読んだことはなかったけど、唐仁原さんのイラストに惹かれて読んでみた(笑)

    「会社をやめたサラリーマンがエロ小説を書く」という、多分、得意分野の物語を本人ではなく、登場人物に書かせているというところが面白い。

    ドロドロしてなくて、さらりとした印象。

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    2012年02月20日
  • 愛の領分

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    ネタバレ

    中年ビバリーヒルズ高校白書。
    なんていうと身も蓋もないけど、 ドロドロ恋愛劇場。

    深い内容があるのかもしれないけど。

    愛には、周波数がある。

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    2011年12月19日
  • 愛の領分

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    ネタバレ

    熟年の愛。

    個人メモ
    宮武淳蔵・・・仕立て人。若いころ、昌平とつるみ遊びまわる。美保子に恋する。
    佐智子・・・淳蔵の妻
    信也・・・淳蔵の息子。歪んだ性格?淳蔵に愛されていないせい?
    高瀬昌平・・・事業に失敗し若かりしことのパワーを失う。急に淳蔵を探しだし会いに行く。
    美保子・・・昌平の妻。いっとき淳蔵と関係をもつ。不治の病に冒される。
    太一・・・淳蔵の父に救われる?
    佳世・・・太一の娘。絵描き。昌平の愛人。淳蔵に惹かれる。

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    2011年11月02日
  • 乱調

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    結局、肉親の情とか、年齢とか、モラルとか、
    打算とか、そういったものを全部どうでもよくなってしまうのが、
    恋愛というものなんだろうか。

    そんな恋愛ってしたことがないけど、
    そこまで盲目になれるのは少し羨ましい、かな。

    でもそれでもいいって思えるのは、
    お互いが盲目でいるほんの僅かな時間だけなんだろうな、
    なんて思ってしまう時点で、
    たぶん私はこういう恋愛はできないんだろうとも思う。

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    2011年10月04日
  • 戦力外通告

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    55歳。
    人生の通知表を考える年代。

    主人公はリストラされた55歳。
    お金に困るわけでもなく、
    時間だけが豊富にある。
    クラス会で再開した
    旧友の悩み相談に乗り
    かつての憧れの女性と近くなって行く。

    55歳は中途半端な年齢だ。
    主人公はこう感慨する。
    「ゴールはかすかにだが見えている。
     しかし、あとふたつも三つも
     山を登り下りしなければ
     ゴールには辿り着かない」

    思うならば、人生の通知表がそろそろ出そうな年代。
    自分の人生はどうだったのか、
    現実にも足を取られながらも
    人生の総決算を意識する年代。

    通知表の評価項目は何だろうか。

    資産。恋愛。生きがい。

    他人からどう見られるか

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    2011年07月21日
  • 壁画修復師

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    ヨーロッパを旅する日本人修復師が出会う、ちょっと切ない事件の短編集。なかなかに良かった。あまり専門的な修復シーンは出てこないのですが。

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    2011年06月06日
  • 異端の夏

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    なんだか恋愛ものなのか刑事ものなのか、
    どっちつかずでどちらも中途半端な印象。
    テーマとか展開自体は悪くなかったので、
    どっちかに突っ込んだ方が面白かったかなと。

    ☆☆☆ ホシ3つ

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    2010年08月05日
  • 敗者復活

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    社会の表舞台から姿を消し、古いバッティングセンターで余生のような人生を送っていた男。
    そのバッティングセンターを欲しがる男が現れ、やがて騒動へと発展していく

    別れた妻や息子との葛藤
    一線を退いた男の寂しさ
    いろんな要素が詰まった本ですが・・・

    とにかく長い(笑)
    そしてなかなか話が進まない。
    静かな静かなハードボイルドって感じ

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    2010年07月16日
  • 前夜のものがたり

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    ◆あらすじ◆
    明日、答えが出るのにじっとしていられず、バーの扉を押し開けた。
    五十三歳にして私は、竹馬の友を相手にこの店の女主人を取り合うことになり…(「蘭の前夜」)。
    三角関係、熟年夫婦の危機、家出した娘に許しを請う旅───中年男性が折々に迎える人生の危機を、ほろ苦い思いとともに切り取った作品集。全八話。

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    2009年10月12日