あらすじ
直すのは人の心、自らの過去――フランスの田舎町を渡り歩きながら、中世フレスコ画の修復に打ち込む、孤独で風変わりな日本人男性・アベ。名も無き人々が胸に秘めた想いに接し、さながら神父(アベ)のように彼らを受け止めるうちに、アベは町に溶け込んでいく。人生の哀歓と男の手仕事の魅力を絡めて描かれた、著者独自の世界が広がる、5つの連作短編集。
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれてブクオフで購入。
ミステリではないけど、しみじみと味のあるいい小説でした。
フランス在住の日本人修復師アベと、彼とつかの間の接点を持つ人々のお話。
アベの落ち着いたキャラクターや、登場する人々の心のうち、その土地の風景などを繊細な表現で情緒豊かに描写していて、いつのまにか世界に入り込んでいました。
どの作品にも余韻があり、大人の小説だなぁと思いました。
フランスが舞台ということで、ワイン好きな私としてはそこかしこに知っている地名や美味しそうお酒やお料理の名前がでてきて、そこも魅力の一つでした。
この作者の他の本も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
連作短編集
文章がしっかりしていて読みごこちがいい。アラ50向け?
日本人がフランスでフレスコ壁画の修復師をしている…今風の甘くて軽い設定かと思って読んだが、きちんと必然性のある設定だった。
男女・親子・友人、形は違っても、人を許し想い愛するっていいことだね。そしてせつないね。
Posted by ブクログ
フレスコ画の修復師が、修復に訪れたフランスの田舎町で出会った人々の、悲喜交々の人生模様を描いた短編集。
日本人修復師のアベが、さながら家政婦は見た的な役割を果たしている。
日々の暮らしに抑揚がなさそうなフランスの田舎町でも、やっぱり人生色々。
そして全体的にフランスっぽい、なんともいい雰囲気な作品。