藤田宜永のレビュー一覧

  • 戦力外通告

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    55歳。
    人生の通知表を考える年代。

    主人公はリストラされた55歳。
    お金に困るわけでもなく、
    時間だけが豊富にある。
    クラス会で再開した
    旧友の悩み相談に乗り
    かつての憧れの女性と近くなって行く。

    55歳は中途半端な年齢だ。
    主人公はこう感慨する。
    「ゴールはかすかにだが見えている。
     しかし、あとふたつも三つも
     山を登り下りしなければ
     ゴールには辿り着かない」

    思うならば、人生の通知表がそろそろ出そうな年代。
    自分の人生はどうだったのか、
    現実にも足を取られながらも
    人生の総決算を意識する年代。

    通知表の評価項目は何だろうか。

    資産。恋愛。生きがい。

    他人からどう見られるか。
    自分がどこまで満足しているか。
    他者志向だったり、自己志向だったり。

    家とか、車とか、家族とか、お墓とか、
    別荘とか、見た目とか、社会的地位とか。

    そんなふうに他者評価と自己評価の間を揺れ動き
    今をもがき続ける。
    まだまだ先は長い。そんな年代。

    主人公は幼なじみと恋愛をする。
    それは“昔の恋”。
    火がつくが、やはり長続きはしない。
    それは“昔の恋”だから。

    そして、妻との関係。
    それは“今の問題”。
    妻は働き始め
    新しい恋を得ている。
    しかし、どこへ行こうとしているのか
    そこがわからない。

    さらに将来への思い。
    主人公はその日その日を生きて
    しかし、自分のゴールを
    意識せざるを得ない。
    それは“明日の通知表”。

    そんな昨日、今日、明日を生きながら
    主人公は再び会社に復帰する。
    クラス会のメンバーの問題にともに悩み傷つきながらも
    “明日の通知表”を目指して。

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    2011年07月21日
  • 壁画修復師

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    ヨーロッパを旅する日本人修復師が出会う、ちょっと切ない事件の短編集。なかなかに良かった。あまり専門的な修復シーンは出てこないのですが。

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    2011年06月06日
  • 異端の夏

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    なんだか恋愛ものなのか刑事ものなのか、
    どっちつかずでどちらも中途半端な印象。
    テーマとか展開自体は悪くなかったので、
    どっちかに突っ込んだ方が面白かったかなと。

    ☆☆☆ ホシ3つ

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    2010年08月05日
  • 敗者復活

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    社会の表舞台から姿を消し、古いバッティングセンターで余生のような人生を送っていた男。
    そのバッティングセンターを欲しがる男が現れ、やがて騒動へと発展していく

    別れた妻や息子との葛藤
    一線を退いた男の寂しさ
    いろんな要素が詰まった本ですが・・・

    とにかく長い(笑)
    そしてなかなか話が進まない。
    静かな静かなハードボイルドって感じ

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    2010年07月16日
  • 前夜のものがたり

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    ◆あらすじ◆
    明日、答えが出るのにじっとしていられず、バーの扉を押し開けた。
    五十三歳にして私は、竹馬の友を相手にこの店の女主人を取り合うことになり…(「蘭の前夜」)。
    三角関係、熟年夫婦の危機、家出した娘に許しを請う旅───中年男性が折々に迎える人生の危機を、ほろ苦い思いとともに切り取った作品集。全八話。

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    2009年10月12日
  • 流砂

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    旅先で、土地の女と恋をした中年男。
    決してアバンチュールを楽しんだというわけでなく、
    静かに燃え上がった大人の恋愛模様だ。
    先が見えないとわかっていても、
    頭の片隅に冷静さを残しながら溺れてゆく。
    中年向けの不倫のお話し。

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    2009年10月04日
  • 子宮の記憶 ここにあなたがいる

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     実の親達とうまくいかない17歳・島本真人は、ちょっとしたことで今までつもりつもったものが爆発、父親の歯科医院で暴れた後、家を飛び出した。そして向かった先は、幼児の頃、自分を誘拐した女のところ。ずっと気になっていた、自分を誘拐した女。もしそのまま、その女が自分の母親になっていたらどうなっていただろうか?今の本当の母親と何が違うんだろうか?誘拐犯の女の居所をつきとめ、素性を隠してアルバイトとして雇ってもらい、住み込みで一緒に暮してみて真人が感じたこととは?

     感想を書くのがものすごく難しい。真人の行動や思考も、理解できるようで理解できないようで。それでも、この誘拐犯の女とのやりとりには心温まるものを感じたり、真人が実親の元にいる時とはどんどん変わっていく様をただ単純に嬉しく思えたり。17歳という年齢にしては、酒やらタバコやらセックスやら、こんなに達観しているもの!?という感じがして疑問が残るが、不思議と嫌な気持ちにはならずに最後のページまで読みきった。親と子って難しいなぁ。

    あと、248ページにこんな一文が。主人公がクラブで。

      僕は、KinKi Kidsの『情熱』にしようか、
      山崎まさよしの「Plastic Soul」にしようか迷った。

    でも結局、歌うのはわらべ歌の『めだかの兄妹』なんだけど。

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    2011年10月19日
  • 子宮の記憶 ここにあなたがいる

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    かって新生児のころに誘拐された過去を持つ男子高校生。実母の愛を受けずに育ち、自分を誘拐した女に会いにいこうとする。

    アダルトチルドレンについて描いた小説を読みたくて、ミクシーで紹介されていたこの本を手にとってみました。
    うまくできてはいるんですが、小説の限界を感じました。今ひとつリアリティがないんです。
    あれだけお母さんに虐待されているにもかかわらず、自信もありバイトもそつなくこなし賢いはきはきとした主人公。普通、虐待されたらこんなになんないんじゃないかと疑問。誘拐した女との関係もすごくうまくいくし・・。つくりものっぽさを感じずにはいられません。高校生にしてはしっかりしすぎだし・・。

    ただ健全な女性に惹かれず、美佳のような複雑な女性に恋していくさまはリアル。

    「良き家庭、良き人間関係・・何事においても理想が先行しているから生身の人間のやることは全てうそくさく見えるのかもしれない。しかし現実というものを掴み取る術を教えられないまま育てば、ユートピアが頭の中で増殖してしまうのは仕方のないことではないか」という言葉は印象的でした。でもこれが高校生の洞察ってありえないし・・。

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    2009年10月07日
  • 子宮の記憶 ここにあなたがいる

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    分厚かったけどすぐ読めたー。これも映画が先。そしてこれも映画のほうがよかっ・・・w映画で好きだったシーンがどんなふうに書かれてるか楽しみで読んだのに、全然なかった!!wカーネーションとか、チークとか、ビンタとか。あと愛子さんがあんまり魅力的に書かれてなかったのと、美佳に惚れる意味がわかんなすぎる。その心理はむずいです藤田さん!映画の美佳との関係のほうがわかるー。

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    2009年10月04日
  • 子宮の記憶 ここにあなたがいる

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    幼少の頃、自分を誘拐した女性に会いに行くなんて、とても設定が変わっている。
    出てくる人達は、感情を表面に出さないがみな心の奥に何かを抱えて生きている。
    そんな人達に好感が持てた、破天荒な美佳でさえ。

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    2009年10月04日
  • 愛の領分

    匿名

    ネタバレ

    直木賞?

    中年の男性の恋愛願望とはこんなものだろう。主人公の淳蔵は、昔横恋慕した美保子と若い佳世に想われるがあくまで受け身。中年になってもモテちゃうオレ。しかし男性目線の狭い視野が過ぎる。これが直木賞受賞作品?直木賞受賞を目安にして読む本を選ぶ人の期待を裏切る。
    佳世は昔不倫した相手が自殺し,その後もまた不倫し妊娠して安産祈願までした相手があり、その後その友人である淳蔵と付き合っちゃう。佳世、世間狭過ぎだし凝りなさ過ぎ。まぁ男にとっては都合の良い女性。
    そして息子の存在を描きながら関係性は薄っぺら。父親のせいで母親が苦しんで死んでいったという息子の疑念も、ボランティアの事も、ストーカー行為も、息子との関係をどう解決するかよりも息子への鬱陶しさが優位であるかの様ですね。親子関係を描ききれないのなら息子はいない設定で良い。
    淳蔵と佳世の世界が一致してラッキーでしたね。

    #ドロドロ

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    2024年11月07日