藤田宜永のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実の親達とうまくいかない17歳・島本真人は、ちょっとしたことで今までつもりつもったものが爆発、父親の歯科医院で暴れた後、家を飛び出した。そして向かった先は、幼児の頃、自分を誘拐した女のところ。ずっと気になっていた、自分を誘拐した女。もしそのまま、その女が自分の母親になっていたらどうなっていただろうか?今の本当の母親と何が違うんだろうか?誘拐犯の女の居所をつきとめ、素性を隠してアルバイトとして雇ってもらい、住み込みで一緒に暮してみて真人が感じたこととは?
感想を書くのがものすごく難しい。真人の行動や思考も、理解できるようで理解できないようで。それでも、この誘拐犯の女とのやりとりには心温まるものを感じたり、真人が実親の元にいる時とはどんどん変わっていく様をただ単純に嬉しく思えたり。17歳という年齢にしては、酒やらタバコやらセックスやら、こんなに達観しているもの!?という感じがして疑問が残るが、不思議と嫌な気持ちにはならずに最後のページまで読みきった。親と子って難しいなぁ。
あと、248ページにこんな一文が。主人公がクラブで。
僕は、KinKi Kidsの『情熱』にしようか、
山崎まさよしの「Plastic Soul」にしようか迷った。
でも結局、歌うのはわらべ歌の『めだかの兄妹』なんだけど。 -
Posted by ブクログ
かって新生児のころに誘拐された過去を持つ男子高校生。実母の愛を受けずに育ち、自分を誘拐した女に会いにいこうとする。
アダルトチルドレンについて描いた小説を読みたくて、ミクシーで紹介されていたこの本を手にとってみました。
うまくできてはいるんですが、小説の限界を感じました。今ひとつリアリティがないんです。
あれだけお母さんに虐待されているにもかかわらず、自信もありバイトもそつなくこなし賢いはきはきとした主人公。普通、虐待されたらこんなになんないんじゃないかと疑問。誘拐した女との関係もすごくうまくいくし・・。つくりものっぽさを感じずにはいられません。高校生にしてはしっかりしすぎだし・・。
ただ健全な女性に惹かれず、美佳のような複雑な女性に恋していくさまはリアル。
「良き家庭、良き人間関係・・何事においても理想が先行しているから生身の人間のやることは全てうそくさく見えるのかもしれない。しかし現実というものを掴み取る術を教えられないまま育てば、ユートピアが頭の中で増殖してしまうのは仕方のないことではないか」という言葉は印象的でした。でもこれが高校生の洞察ってありえないし・・。 -
匿名
ネタバレ直木賞?
中年の男性の恋愛願望とはこんなものだろう。主人公の淳蔵は、昔横恋慕した美保子と若い佳世に想われるがあくまで受け身。中年になってもモテちゃうオレ。しかし男性目線の狭い視野が過ぎる。これが直木賞受賞作品?直木賞受賞を目安にして読む本を選ぶ人の期待を裏切る。
佳世は昔不倫した相手が自殺し,その後もまた不倫し妊娠して安産祈願までした相手があり、その後その友人である淳蔵と付き合っちゃう。佳世、世間狭過ぎだし凝りなさ過ぎ。まぁ男にとっては都合の良い女性。
そして息子の存在を描きながら関係性は薄っぺら。父親のせいで母親が苦しんで死んでいったという息子の疑念も、ボランティアの事も、ストーカー行為も、息子との関係をどう解決するかよりも息子への鬱陶しさが優位であるかの様ですね。親子関係を描ききれないのなら息子はいない設定で良い。
淳蔵と佳世の世界が一致してラッキーでしたね。