夕映月子のレビュー一覧
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購入済み
真面目な受け
全体的にゆったりした感じの
お話でした。
挫折し、心が折れていた七海が
穏やかな大人な柊の包容力に
触れ、立ち直って行きます。
そこまでハラハラせず
安心して読めました。
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タチとして名を馳せていたこれまでの自分に違和を感じ、一度きりのつもりで初めて出会った男に抱かれる槙。だがその男は、アメリカの本社から戻ってきた優秀な男で、リサーチ部の槙を自分のチームに誘っている三隅だった。
三隅がスパダリすぎる。仕事でもプライベートでも槙の理想そのもの。にも関わらず、それまでの自分の男としての矜持が邪魔をして、三隅を受け入れることができない槙。その葛藤が面白い。槙の持つ優秀な男ゆえの『矜持』を、丁寧に説得力ある形で物語に組み込んでいてさすが夕映さんとうなる。
その後、自分が申し出たはずのセフレから、恋人になりたいでも三隅はきっと…と悩むところはちょっと面倒くさかったが(笑)ハ -
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ご都合主義とか現実的じゃないとか考える人はいるかもしれませんが私は好きです。
人にも植物にもというか町全体に魔法がかかったみたいにゆったりしているから。
お仕事小説という側面もあるのかもしれませんがそれよりも「植物を介した人のやさしさ」を重要視した小説なのかもしれません。
私は植物を育てた経験というものが小学校時代のアサガオくらいしかありません。
それは宿題だからやれたけれどプライベートで根気よく育てられる自信がありません。
そういう家庭で育ってないし。
でも緑は嫌いじゃないしそういう生活は素敵だな、と思います。
簡単なものになるけれど育てたい気持ちになりました。 -
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36歳で定職を持ちながら医者をめざす攻と、塾のバイトで攻に英語を教えることになった大学生の受というひねった設定。攻の鷹揚でありながら優しげな雰囲気もいいし、受の恋愛慣れしていないところも可愛かった。二人が結ばれたのは良かったけど、最初の話は受の一人称で攻の心情が語られなかったため、ノンケ攻がわりと抵抗なくすんなりと受を好きになったように感じられた。
逆に、次の話では攻の一人称のため、肝心の受の葛藤があまり伝わってこなかった。遠恋の二人のすれ違いは、受視点の方が見たかったというジレンマ。でもこれは好みかな。
タイトルの意味が作中にでてきたところで鳥肌。二つの話を合わせてこの作品でした。 -
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同級生同士。
「三十過ぎて独身だったら一緒に住もう」言うよね(笑)
最近では「老後一緒に住もう」に変わってきたけども(笑)(笑)
そういう保険?それともノリ?
結婚しましたハガキに「ぜひ新居に遊びにいらしてください(はーと)」って書いてあるみたいなもんで
そうは言うけど、本気じゃないよ。ってやつ。
それを逆手に取った攻めの東元はかなり頭いいし執着すごいし腹黒い。それを割と最後まで気づかない美人のジャイアンこと透ちゃんはじつはしずかちゃんなんじゃないかしら?(笑)
途中から透ちゃんが一生懸命な恋する乙女で可愛いくてたまらなかった。
夢中になって読みました。楽しかったです。
2人でいつまでも変なと -
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買おうかどうしようか散々迷って一ヶ月遅れで買った挙げ句、届いて数ページ読んで、これは植物知識が要る、と積読状態でした。やっと読んだんですが。
これは、都会の人には分からないヤツかも。です。
観葉植物一鉢くらいじゃお話になりません。
しかも、植物をそれぞれ「この子」レベルで愛せる人でなければヒロインの咲さんは変な人です。オーナーの青さんは輪がかかってますが。この二人の会話、字面だけではなく植物レベルのエア会話まで読まないと意味が分からない。その点、咲の先輩の大地のほうがよっぽど分かりやすいです。
植物の手のかけ方、剪定や施肥、細かい世話を本当に心を砕いてできるヒロインは本当に草木に寄り添って生き -
Posted by ブクログ
ネタバレまずこの作品がデビュー作という事実に驚きます。
本当に最近の新人さんは文章が熟れているというか、上手いなぁ……と唸りました。
普通、初読み作家さんはどうしても最初に躓くと、読みにくいという印象が先立ってしまって時間が掛かってしまうのですが、この方の文章は非常に癖が無く読みやすかった。
するするする~とトコロテンを押し出すようなスムーズさとリズムに読んでて心地よかったです。
内容は山登りものです。
BLで山登り……初体験(笑)
私個人は登山に全く興味のない引きこもりなんですが、これを読んでると、山の空気や景色などといった、登場人物を通して見る世界がまるで自分にも見えるような瑞々しい描写でした。 -
Posted by ブクログ
健気。ひたすら健気。
地味な二人の話だけど、すごく胸がきゅ~っとなる。
何もかも諦めることで自分を律してきた宮下(大学生・塾講師バイト受)と安定した仕事があるのに一心に医者になるために大学受験をしようと予備校に通う日下部。
宮下の塾にそんな日下部が入校し、あからさまに無理だと決めつけ面倒なものを押し付けるかのように学長に日下部の担当を言い渡される宮下。
それでも、まっすぐ頑張る日下部を見て、自分がたくさん諦めて、期待しなければ傷つくことはないと生きて生きた自分にないものを持つ日下部にどんどん引かれて。
視点が受け視点で始まり、思いが通じた後の2話目が攻め目線。
気持ちの補完があるからとても