小中千昭のレビュー一覧
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怪獣映画はガチのリアリズムがないとだめだ。非現実としかいいようのない怪獣を召喚するにはまわりからリアルに固めていかねばならない。某ゴジラ映画には夢オチのが一本あって子供心にもあれは腹が立ったな。しかしまた、映画においてはとにもかくにも怪獣が出てきて、それが「絵」としてよくできていたら、放射能で巨大化したとかいうしょぼい設定であっても、それだけで説得力を持つ。何しろ人間は視覚をもっとも信じるのだから。
だから視覚を欠く怪獣小説は最初からハンディを負っているのだと思う。
本書は『怪獣文藝』の続編。続編といってもそもそもアンソロジーだから、話がつながっているわけではなくて、第2弾ということで -
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ネタバレ第一部の恐ろしいほどの面白さが、第二部、三部と行くにつれて失速して行ってしまうのは、現在のホラーの行き詰まりを表しているようで、寂しい。
演出で「驚かせる」のではなくて、恐怖を感じさせる映像とはどんなものか、だけを追及する本。
著者の関心から、神道的なのと神経医学的なアプローチはあったけど、民族・風俗な部分がちょっと片手落ちな感は否めなかった。自分も好きでは無いけど、ゾンビ映画がなぜホラー映像として受け入れられているか、と言うのも、何か足りなかったよなぁ。
とはいえ、これからの恐怖映像を考える上で、まず土台に刷るべき本であることは、間違いないとは思う。 -
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ネタバレ「ウルトラマンティガ」等の特撮作品で脚本を担当し、「異形コレクション」等にはホラー短編を寄せていた著者の初の短編集。
最初は映像ディレクターとしてスタートしたということもあって、映像畑での活躍が長いことは今回の個々の作品にも反映されているように思えた。
「異形~」に収録されたものや、クトゥルー神話などバラエティに富んでいる。中でもオススメは冒頭の書き下ろし作品「Read Me!」。アパートの前の住人が、次に来る住人に対して宛てた手紙、という形式で書かれた作品だが、最後まで背筋にチリチリと厭な感覚が残る1本。
但し、これは作品内容とは関係ないんだが……なぜこのレーベル(徳間デュアル文庫)から発 -
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樋口真嗣『怪獣二十六号』(25年前に書いた)怪獣映画の企画書。建設技師や自衛隊員が協力して土木機械で怪獣に立ち向かったり、インテリ美人が出てくるあたり…、いや、表紙の「怪獣は常に人間にとって恐怖の存在でなくてはならない」とか「この映画は人間の前に怪獣が現われ、人間は自らの身を守る為に智慧と勇気で闘う、ただそれだけの映画」「我々がこだわりたいのは、「ただそれだけ」にする事なのです。」とか…うん、シン・ゴジラを思い出す。
大倉崇裕『怪獣チェイサー』怪獣対策が進んだ日本。ヒロインの怪獣省の怪獣予報官・岩戸正美は、封鎖区域で怪獣の動画を撮影する違法行為を行う「怪獣チェイサー」と予期せず協力することにな -
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10人による、怖い話。
題名通り、夢で見たり、白昼夢だったり。
うっかり思い出してしまわないためにも
日が高いうちに読んだ方がいいかもしれません。
いや、思い出すような読み方をしなければ大丈夫?
ぎょっとする終わりなのは、そらみみ。
これが現実なのか、あちらが現実なのか、と
思わせるような最後の一言。
非常に混乱させられます。
目的だった、辻村さんは…子供のせいか
やたら無邪気に怖い。
世の中、知らない方が…気がつかない方が
幸せ、という選択もあると思われます!
言ったら相手に移る夢、かと思っていたのは、琥珀。
さすがにそれはない内容でしたが
とり憑かれたと表現するのがぴったりな感じで -
Posted by ブクログ
2013年に刊行された「怪獣文藝」の続編として、怪獣と怪獣が跋扈する世界をこよなく愛する映像作家(監督)と小説家による持ち前のセンスを生かして書き上げた怪獣短編小説で構成したアンソロジー集の第二弾。
前作が怪異な世界観をメインテーマに据えて構成したミステリー、ホラー色の強い怪奇小説作品集としての仕上がりは≪怪獣小説≫を期待した読者の評価が二分した結果を踏まえ、今回はより具体的に怪獣の暴れまわる事件に焦点を当てたビジュアル的なストーリー展開の作品で構成されている。映像でストーリーを読ませる映画監督による文章表現と、文章を用いてビジュアルをイメージさせる小説家の双方が「怪獣」をテーマにした競作は≪ -