吉澤康子のレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレかつて子ども向けTV番組『密航者』で名を馳せた父、レオを探す娘レベッカの物語。
間も無く26歳になるレベッカは、幼い頃蒸発してしまったレオについて、彼に関する話題への家族のだんまり、拒絶も手伝い、ほとんど考えることなく過ごしてきた。
あの世間を賑わせた『密航者』ですら観たことがないくらいに。
ところが、とあるネット記者が「回顧記事に憧れのレオを取り上げたい、居所を知らないか」と協力を求めてきたことから、父との鮮やかな日々の思い出が蘇り、俄然自分ごととして父の行方が気になり始める。
家族に当たりをつけても、不穏な空気になるばかり。
そんな中、祖母から手渡された『7つのお話』。
父が失踪の2年後 -
Posted by ブクログ
建築事務所の非正規社員として働くレベッカは、幼い頃に父親が家を出てから、母親に育てられ、もう20年ほど父親と会ってない。
そんな彼女のもとに、男性記者エリスから何度も連絡があり、父親とは連絡はとっていないのか?どこに住んでいるのか知らないのか?と尋ねられる。
いつのまにか記憶にもなかった父親のことが、思い出され、自分と母は父親に捨てられていたと信じていたのだが…
祖母から話を聞こうと、会ったときに手渡されたのは父親からレベッカへの一冊のおとぎ話の本だった。
そこから父親のことを知りたくなり、記者エリスの取材に協力するという理由で、2人で父親を探す。
父親のことが、おとぎ話の1話ごとに少し -
Posted by ブクログ
愛に包まれた家族の物語
読み終えた今、胸がいっぱいで涙が溢れる
そしてこれから訪れるであろう、主人公レベッカの未来に思いを馳せる……
レベッカの幼い頃、父親のレオは姿を消した。
レオは人気俳優だった。
それ以来、母親や家族は父親など最初から存在しなかったかのように暮らしている。
レベッカもそのように暮らしてきた。
でも心の中から父親が消えたことはない。
ある日職場に現れたのは、レオについて調べているという記者のエリス。
これをきっかけにレベッカは父親を探していくのだが…
捜索の手がかりになるのは、緑色の表紙の古い本。
父親がレベッカのために書いた「おとぎ話」だ。
これらの文章に隠された -
-
Posted by ブクログ
★5 幼い頃に失踪した父を探して…大切な人に胸の内を話したくなる名作 #父から娘への7つのおとぎ話
■はじめに
私には大切な家族がいます。愛すべき妻と中学生、小学生になる息子たち。家族みんなで食べるご飯は美味しく、たまの休日に遊びに行くと日ごろの疲れが吹き飛んでしまいます。ただ最近は私や妻は仕事で多忙になり、息子たちは友人との時間を大切にし始めるようになってきました。いつの頃か家族の時間が少なくなってきたような気がしています。
本書アマンダ・ブロック『父からの娘への7つの物語』は、そんな私に家族の大切さを再度学ばせてくれた素敵な物語でした。
■あらすじ
建設事務所で非正規雇用として働いて -
-
Posted by ブクログ
「夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話」の続編。
フィンの物語とおとぎ話でアイルランドの伝説と昔話を楽しもう。
巻頭詩 猫のパングル・バーン
第1部 クウァルの子フィンの物語 第二夜、全3話。
第2部 パングルのおはなしぶくろ、全3話。
第3部 クウァルの子フィンの物語 第三夜、全3話。
モノクロのアーサー・ラッカムな挿絵が良い。
物語のふるさとの地図、底本、参考文献有り。
「夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話」の続編で、
今回も、猫のパングル・バーンと写字生アイドが、収集した昔話と
伝説を紹介するという内容になっています。
読み聞かせのランクも付加・・・実際は難しいんだけど -
Posted by ブクログ
ネタバレエリザベス・ウェイン2作目。1作目の「コードネーム・ヴェリティ」とも関連を持ったWW2女性飛行士の物語。
前作でも戦争の悲惨さを徹底的に描いた作者だったが、本作ではミステリー要素等を少なくして、収容所内で描写と友情とサバイバル、そしてその後のPSTDの苦しみにクローズアップした小説に仕上げている。
戦場や無差別攻撃を受けた各国諸都市の悲惨さに唖然とする小説、映画、演劇等の諸作品はたくさんあって、それぞれにおいて「こんな愚かなことは二度と繰り返してはならない」という主張を聞き取れるのだが、アウシュビッツや政治犯収容所が舞台のそれは、また違った意味の戦争の愚かさを教えてくれる。
主人公たちが -
-
Posted by ブクログ
第二次世界大戦下のイギリス。主人公はアメリカ出身の飛行機乗りの女の子、ローズ・ジャスティス。ローズが、マディからもらった手帳に書き綴った「手記」という形で描かれるドイツの強制収容所ラーフェンスブリュックの状況。そして、極限の環境での、少女たちの友情の物語。
「コードネーム・ヴェリティ」の姉妹編。
つらい状況を描写しながらも、どこかにある未来を(友情を?希望を?)感じさせるので、ちゃんと読み進められる。そもそも、「手記」がここにある、という事実が、未来を感じさせる。すごく上手い描き方。
「コードネーム・ヴェリティ」とともに、何度も読み返すことになると思われます。すでに、2度めを読み始めまし -
Posted by ブクログ
英国補助航空部隊に所属する飛行士のローズが主人公。舞台は第二次世界大戦中の欧州。ローズは飛行機を移送する仕事についていたが、ドイツ軍に捕まり、ラーフェンスブリュック強制収容所に送られる。収容所での生活は酸鼻を極めるもので、ローズには何度も絶体絶命の危機が訪れる。そんな中、医学的人体実験のために手術された囚人と仲間になり、ともに生き延びようとする。文字通り命を懸けた仲間との生活の中で、女性として人間としての尊厳を保ちつつ、いかに収容所から脱出するか画策する。仲間と収容所を脱出した後に、いったんは離れ離れになるものの、後で再会する。その再会シーンも涙物で、素直に喜ぶのだと思うが、ぎこちない感じであ
-
-
Posted by ブクログ
2 続いて、「ベルリンは晴れているか」の深緑先生がおすすめされていたこちらを。時は同じく第二次大戦末期。ナチスに捕らえられ、情報を書き記すことで尋問を逃れた特殊部隊所属のクイーニー。ところが手記は小説の体裁を取り、親友のマディとの出会いやこれまでの歩みを克明に記したものだった……というのが第一部。
第二部はマディ視点で、クイーニーを救出すべくレジスタンスと活動をともにするうち、真実(=ヴェリティ)が明かされるという構成。
イギリス補助航空部隊(ATA)とピーターパンを絡めたお話は過去に同人誌で読んだことがあったので、不思議な縁に首を捻ったものです(もちろん作者さんにはこちらも勧めました)。
聡