吉澤康子のレビュー一覧

  • あの本は読まれているか

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    すごくいい映画を観たあとのような読後感。しばらく静かに余韻を味わいたくて、何もしたくなくなった。
    何がそんなによかったのか私には言語化できないが、大矢博子さんの解説が全てを語っている。解説まで含めて必読の一冊。

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    2024年09月08日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    一話めのおとぎ話、収集家と水の精がゾワッとする怖さでした。父親の人物像が少しづつ解けていくドキドキ感と、エリスとレベッカのやり取りにまた違ったドキドキもあり、楽しく読めました。

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    2024年08月24日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    イギリスの女性が父が書いたおとぎ話を元に行方を追う話。周りが見えず自分勝手すぎるなーと辟易する場面もいくつかあったけれど、自然な流れで最後まで面白かった。

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    2024年06月05日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    ネタバレ

    かつて子ども向けTV番組『密航者』で名を馳せた父、レオを探す娘レベッカの物語。
    間も無く26歳になるレベッカは、幼い頃蒸発してしまったレオについて、彼に関する話題への家族のだんまり、拒絶も手伝い、ほとんど考えることなく過ごしてきた。
    あの世間を賑わせた『密航者』ですら観たことがないくらいに。
    ところが、とあるネット記者が「回顧記事に憧れのレオを取り上げたい、居所を知らないか」と協力を求めてきたことから、父との鮮やかな日々の思い出が蘇り、俄然自分ごととして父の行方が気になり始める。

    家族に当たりをつけても、不穏な空気になるばかり。
    そんな中、祖母から手渡された『7つのお話』。
    父が失踪の2年後

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    2023年12月10日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    建築事務所の非正規社員として働くレベッカは、幼い頃に父親が家を出てから、母親に育てられ、もう20年ほど父親と会ってない。

    そんな彼女のもとに、男性記者エリスから何度も連絡があり、父親とは連絡はとっていないのか?どこに住んでいるのか知らないのか?と尋ねられる。

    いつのまにか記憶にもなかった父親のことが、思い出され、自分と母は父親に捨てられていたと信じていたのだが…
    祖母から話を聞こうと、会ったときに手渡されたのは父親からレベッカへの一冊のおとぎ話の本だった。
    そこから父親のことを知りたくなり、記者エリスの取材に協力するという理由で、2人で父親を探す。

    父親のことが、おとぎ話の1話ごとに少し

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    2023年11月15日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    愛に包まれた家族の物語
    読み終えた今、胸がいっぱいで涙が溢れる
    そしてこれから訪れるであろう、主人公レベッカの未来に思いを馳せる……


    レベッカの幼い頃、父親のレオは姿を消した。
    レオは人気俳優だった。
    それ以来、母親や家族は父親など最初から存在しなかったかのように暮らしている。
    レベッカもそのように暮らしてきた。
    でも心の中から父親が消えたことはない。

    ある日職場に現れたのは、レオについて調べているという記者のエリス。
    これをきっかけにレベッカは父親を探していくのだが…

    捜索の手がかりになるのは、緑色の表紙の古い本。
    父親がレベッカのために書いた「おとぎ話」だ。
    これらの文章に隠された

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    2023年11月04日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    ネタバレ

    アマンダ・ブロックのデビュー作。
    ミステリに限りなく近い家族小説。

    7つのおとぎ話が書かれた絵本を残し、姿を消した父を探す物語。残された娘が、一つ一つのおとぎ話を手がかりに、家族や親戚が絶対に話そうとしない父の姿を追う。

    おとぎ話から父へアプローチする過程がミステリ風(それだけではなく、ある一点も非常にミステリな要素あり)。
    ただ本質は家族小説。なぜ父は姿を消したのか。父の本当の姿は。この辺りは、ベタといえばベタなのだが、読みたいものを読ませてくれる感じが非常に良い。
    心が暖かくなる小説を読みたい時に、ぜひおすすめしたい。

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    2023年09月28日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    ★5 幼い頃に失踪した父を探して…大切な人に胸の内を話したくなる名作 #父から娘への7つのおとぎ話

    ■はじめに
    私には大切な家族がいます。愛すべき妻と中学生、小学生になる息子たち。家族みんなで食べるご飯は美味しく、たまの休日に遊びに行くと日ごろの疲れが吹き飛んでしまいます。ただ最近は私や妻は仕事で多忙になり、息子たちは友人との時間を大切にし始めるようになってきました。いつの頃か家族の時間が少なくなってきたような気がしています。

    本書アマンダ・ブロック『父からの娘への7つの物語』は、そんな私に家族の大切さを再度学ばせてくれた素敵な物語でした。

    ■あらすじ
    建設事務所で非正規雇用として働いて

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    2023年08月25日
  • 父から娘への7つのおとぎ話

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    ネタバレ

    本の題名が面白そうで手に取った本だったけれど、ただただ面白かった。
    祖母から渡された父からの贈り物の物語から、ぼんやりとした記憶の中でしか覚えていない父を探し始めるお話。
    父親との再開とその後の話は読みながら泣いてしまった。

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    2023年07月19日
  • 危険な友情

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    真っ黒の艶やかな髪をボブにした美しい女性、オダリー。生真面目な警察署のタイピストのローズの人生は、彼女が現れたことにより変わり始める…。危険な秘密に気がつき始めるも、彼女の魅力と友愛への羨望から逃れられない。

    どうしてもこの人に好かれたい、好かれた自分までグレードが上がる気持ち。分かるなあ。
    親密な友情より特別な愛情ってあるのかしら。ただ、肩を寄せてひそひそ話をしたり、頬にキスをされたいだけなの。

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    2021年09月16日
  • 夜ふけに読みたい神秘なアイルランドのおとぎ話

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    「夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話」の続編。
    フィンの物語とおとぎ話でアイルランドの伝説と昔話を楽しもう。
    巻頭詩 猫のパングル・バーン
    第1部 クウァルの子フィンの物語 第二夜、全3話。
    第2部 パングルのおはなしぶくろ、全3話。
    第3部 クウァルの子フィンの物語 第三夜、全3話。
    モノクロのアーサー・ラッカムな挿絵が良い。
    物語のふるさとの地図、底本、参考文献有り。
    「夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話」の続編で、
    今回も、猫のパングル・バーンと写字生アイドが、収集した昔話と
    伝説を紹介するという内容になっています。
    読み聞かせのランクも付加・・・実際は難しいんだけど

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    2021年06月10日
  • 夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話

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    シリーズ第2弾。前作より対象年齢が上がっている感じ。
    <収録話>
    チイチイねずみとチュウチュウねずみ
    嫌われ者の大蛇
    金のかぎたばこ入れ
    ぼろ娘
    楽しき国イングランドの聖ジョージ
    影も形もない王子
    モリー・ウピーと二面の巨人
    三人のおバカさん
    巨人退治のジャック
    旦那のなかの旦那さま
    ディック・ウィッティントンと猫
    ジャックの運試し
    姉さんと妹
    のらくらジャック
    怪物赤いエティン
    魚と指輪
    世の果ての泉

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    2021年02月06日
  • 夜ふけに読みたい 不思議なイギリスのおとぎ話

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    元ネタってナウイね、チェシャちゃん。
    塩の話、なんか知ってるなと調べたら「影武者 徳川家康」!

    <収録話>
    あれあれおたすけ
    三びきの熊の話
    トム・ティット・トット
    三枚の羽根
    金のまり
    ジャックと豆の木
    ねこっ皮
    三びきの子豚
    ノロウェイの黒牛
    めんどりペニー
    井戸の三つの首
    フォックス氏の城
    おちびのスコーン
    赤ずきんちゃん
    妖精王の黒い塔
    おばあさんとお化け
    イグサのずきん
    ロバとテーブルと棍棒
    バラの木

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    2021年02月06日
  • 夜ふけに読みたい神秘なアイルランドのおとぎ話

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    なぜか海外の神話、おとぎ話は翻訳が直訳だったり、雰囲気をだすためか古めかしい文体だったりして、読みにくいことが多いため、あまり期待していなかったが、失礼しました!すごく読みやすく、面白い。ケルト、北欧系の神話が好きな方には絶対ハマると思う。ヨーロッパのファンタジーは。こういったストーリーが各地で残されて融合したりすることで「指輪物語」のような厚みのある世界観が共有されやすいののかな、と思ったりした。

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    2021年01月03日
  • ローズ・アンダーファイア

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    ネタバレ

    エリザベス・ウェイン2作目。1作目の「コードネーム・ヴェリティ」とも関連を持ったWW2女性飛行士の物語。

    前作でも戦争の悲惨さを徹底的に描いた作者だったが、本作ではミステリー要素等を少なくして、収容所内で描写と友情とサバイバル、そしてその後のPSTDの苦しみにクローズアップした小説に仕上げている。

    戦場や無差別攻撃を受けた各国諸都市の悲惨さに唖然とする小説、映画、演劇等の諸作品はたくさんあって、それぞれにおいて「こんな愚かなことは二度と繰り返してはならない」という主張を聞き取れるのだが、アウシュビッツや政治犯収容所が舞台のそれは、また違った意味の戦争の愚かさを教えてくれる。

    主人公たちが

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    2020年09月20日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    それぞれの心の動きを重視する的な物語として、凄い魅力がある。そちら専門方面から大々的に取り上げられたらイラッとしそうだけど、究極の百合と言えばそう。
    けどそこで起こってることは存分に議論すべき事柄で、うーん、実際この中で議論や教訓は掲示されないんだけど。こうやって心的に惹きつけられないと、考えるべき題材として熱を持てないなあと。カズオイシグロの、わたしを離さないでと、凄いのタイプが同じ。って思った。

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    2020年02月10日
  • ローズ・アンダーファイア

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    第二次世界大戦下のイギリス。主人公はアメリカ出身の飛行機乗りの女の子、ローズ・ジャスティス。ローズが、マディからもらった手帳に書き綴った「手記」という形で描かれるドイツの強制収容所ラーフェンスブリュックの状況。そして、極限の環境での、少女たちの友情の物語。

    「コードネーム・ヴェリティ」の姉妹編。

    つらい状況を描写しながらも、どこかにある未来を(友情を?希望を?)感じさせるので、ちゃんと読み進められる。そもそも、「手記」がここにある、という事実が、未来を感じさせる。すごく上手い描き方。

    「コードネーム・ヴェリティ」とともに、何度も読み返すことになると思われます。すでに、2度めを読み始めまし

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    2019年08月24日
  • ローズ・アンダーファイア

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    英国補助航空部隊に所属する飛行士のローズが主人公。舞台は第二次世界大戦中の欧州。ローズは飛行機を移送する仕事についていたが、ドイツ軍に捕まり、ラーフェンスブリュック強制収容所に送られる。収容所での生活は酸鼻を極めるもので、ローズには何度も絶体絶命の危機が訪れる。そんな中、医学的人体実験のために手術された囚人と仲間になり、ともに生き延びようとする。文字通り命を懸けた仲間との生活の中で、女性として人間としての尊厳を保ちつつ、いかに収容所から脱出するか画策する。仲間と収容所を脱出した後に、いったんは離れ離れになるものの、後で再会する。その再会シーンも涙物で、素直に喜ぶのだと思うが、ぎこちない感じであ

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    2019年05月23日
  • ローズ・アンダーファイア

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    3、良かったって書くのも憚られる、ラーフェンスブリュック強制収容所での日々。仲間たちと詩を口ずさみ、助け合い匿いあって過ごした半年間が描かれます。「ラ・ヴィクトワール!」の囁きの強さ、世界に知らせて、と叫んだ人々。全身に染み渡るような一冊。
    「コードネーム・ヴェリティ」とあわせてぜひ。

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    2019年01月30日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    2 続いて、「ベルリンは晴れているか」の深緑先生がおすすめされていたこちらを。時は同じく第二次大戦末期。ナチスに捕らえられ、情報を書き記すことで尋問を逃れた特殊部隊所属のクイーニー。ところが手記は小説の体裁を取り、親友のマディとの出会いやこれまでの歩みを克明に記したものだった……というのが第一部。
    第二部はマディ視点で、クイーニーを救出すべくレジスタンスと活動をともにするうち、真実(=ヴェリティ)が明かされるという構成。
    イギリス補助航空部隊(ATA)とピーターパンを絡めたお話は過去に同人誌で読んだことがあったので、不思議な縁に首を捻ったものです(もちろん作者さんにはこちらも勧めました)。

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    2019年01月09日