吉澤康子のレビュー一覧
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★3.5
パステルナークや、パステルナークの著書『ドクトル・ジバゴ』には、そんな物語があったんですねぇ。まぁ、旧ソ連では、国家の理想とは異なる人物や出来事は無かったという事になるので、パステルナークや『ドクトル・ジバゴ』の運命は、そうなっちゃうんですねぇ。
この本の特徴は、旧ソ連サイド、アメリカサイド、それぞれの視点で描かれているところにあると思うんですが、それぞれの章において“わたし”あるいは“わたしたち”が示す人物が、ころころ入れ替わるので、いまの『わたし(あるいは、わたしたち)』が、一体登場人物上の誰の事を指しているのはちょっとわかりにくいです。普通は、そういう小説だと、中身の満足度も低くなるんですが、この作品の場合はちょっと違いました。なんでかな?ちゃんと最後まで読ませる力がありました。とはいえ、読むのにちょっと苦労したので、★は3.5です。
『ドクトル・ジバゴ』は読んだことがないんですが、読んでみようかなぁ。 -
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訳者あとがきから
これまで日本で読まれてきたイギリスのお話しはジェイコブズという編者の本
本著はフローラ・アニー・スティールという女性の編者の本からいくつかを選んでまとめた
よく知るタイトルのお話しも微妙に違って面白かった
綺麗な娘がたくさん出てきて、苦難に陥っても、人間でない者が現れて、その者の言いつけを守れば(何年単位で)、王様やお金持ちと結婚して幸せに暮しましたとさ
って話しが多かった印象。
『美しい娘(プリンセス)、苦労するけど、助けてくれる魔法使いが出てきて、美しい王(王子)様と幸せに暮しましたとさ』
素敵なプリンセスのお話し
イギリスのイメージを感じられた
一番好きなお話しは
井戸の三つの首 かな。
ノロウェイの黒牛、妖精王の黒い塔、イグサのずきん
あれあれおたすけ
三びきの熊の話
トム・ティット・トット
三枚の羽根
金のまり
ジャックと豆の木
ねこっ皮
三びきの子豚
ノロウェイの黒牛
めんどりのペニー
井戸の三つの首
フォックス氏の城☆
おちびのスコーン
赤ずきんちゃん
妖精王の黒い塔☆
おばあさんとお化け
イグサのずきん
ロバとテーブルと棍棒
バラの木☆
☆残酷シーンのあるお話し
挿絵:アーサー・ラッカム(1867年~1939年)
飼い猫、チェッコとチェシャ
チェシャは『不思議の国のアリス』のチェシャ猫のモデル
2020年、スティールの本がイギリスで出版されて百年
アーサー・ラッカムの没後八十周年 -
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なかなか評価の難しい小説。
第二次大戦時のイギリス。偶然巡り合った二人の若い女性。一人はパイロット、もう一人はスパイ。
物語はナチス占領下のフランスでナチスの捕虜となってしまったスパイの女性が、拷問の末の、情報提供として書き始めた小説形式の独白として描かれる。
これが第1部。
第2部はパイロットの女性の視点で描かれる捕虜になった女性を救出するための話。
当然ながらこの第1部の奇妙な小説が第2部の展開の伏線となり、話は展開していく。
なぜ評価が難しいかというと、第1部が結構長いのだ。若い二人の女性の青春記みたいな感じもあるが、それでも長い。
第2部で伏線など回収されていくが、そこまで第1部が長くなくてもと思う。はっきり言って第1部は途中から単調に感じてしまう。
一方で解説を読んで知ったのは、これがヤングアダルト小説、つまり10代など若者向けの小説として書かれて、ヒットしたということ。
米国の書評では、若者だけでなく、万人にとっても面白い作品とあるが、まさにその通りで、主人公の二人が若いという事を除けば、ナチスの捕虜となった女性の独白や、第二次大戦のイギリスの女性パイロットの話が、どうしてヤングアダルト小説なのか、よくわからないのだ。
ただ想像するに、これは第二次大戦をアメリカとの大平洋戦争と捉えるのが普通の日本人と、連合国対ナチスドイツの戦いと捉える欧米人との感覚の違いかもしれない。
でも、気になる作品であることは確かで、次作も読んでみたいと感じる。 -
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さまざまな謎が第一部の手記、驚愕の事実が判明する第二部の手記。そして慟哭の結末、という内容紹介。
ナチス占領下のフランスで捕虜になった若い女性スパイとその親友の女性飛行士が主人公だが、第一部の謎というのが、どこが謎でどこがカギなのか私にはわかりにくかった。第二部でこういうことか、とうなづけるところもあったが、第一部を三人称にした意味がどうもよく理解できないままだ。
だからと言ってこの作品の価値を否定するつもりは毛頭ない、ないのだが。
ヤングアダルト向けに書かれたそうだが、十分に読みごたえはある。
ハッピーエンドにせず、二人が自分に課せられた使命を担って逃げない、その雄々しさに胸が詰まる。
ただ、二人の少女、と言えばキャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』をつい思い出し。戦争ものではないのだが、驚愕と慟哭ではこちらに軍配を挙げてしまう。 -
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第二次大戦中、女性パイロットのマディと女性無線技士のクイーニーは親友同士。クイーニーはスパイでもあり、マディの操縦する飛行機でフランスにもぐり込むが、ナチスに捕まり拷問をやめる代わりに、知っている情報を書くように紙とインクを渡される。残された時間の中で、クイーニーは生きているかどうかわからない親友マディについてを小説のように書き始める。この紙が無くなり、与えられた時間が過ぎればクイーニーは実験材料として収容所へ送られるであろう。
第二部は、フランスにもぐり込んだクイーニーがレジスタンスとともに活動する場面が描かれる。そして、第一部の真実が明かされる。
戦時寺中の過酷な状況の中、お互いを信頼し続けたクイーニーとマディ。第一部でさりげなく書かれていることが、実は伏線で第二部を読み進むうちに明かされていく。ひきつけられてしまうストーリー運びだった。 -
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タイトルと装幀だけでレジに持って行ったので、あらすじやジャンルは分からないまま読み進めた。創元推理文庫なのでミステリか?とあたりをつけるも、それにしては色んなことがあからさまなので、不思議に思いつつ。
解説まで読んで、児童書なのだと知って納得した。本書は2部に分かれており、秘密が散りばめられているが、浅く土がかけられている程度だ。分かりやすいと行っていい。
誤解しないでほしいが、児童書は好きだ。私の読書体験の原石だから。飛行中の景色ーー緑色の月の光や、心の底から邪悪な人間としての描写がないことーーあの親衛隊大尉すらーーなどは、懐かしさを覚える。子供の頃、この本を読んだらきっともっと胸の奥まで針が刺さっただろう。
今年発売の新刊に本書の登場人物が出るという。邦訳が出てほしい。楽しみに待っています。