吉澤康子のレビュー一覧

  • 父から娘への7つのおとぎ話
    余韻が心地よい。
    人が死んだりはしないミステリー要素も多い。

    間に挟まるおとぎ話が鍵になるが、帯にある通りそれぞれだけでもおもしろい。
    かなり後味は悪いものもあるが、、

    また、躁鬱などの表現が独特で、初めて触れる類だった。
    影がついてまわる気がして、想像力が飛躍する。
    上記のような精神的な病気の...続きを読む
  • 父から娘への7つのおとぎ話
    家族みんなが辛い思いをしてきたのだと思った。
    アデリーンが治療を受けることが出来ていればと思ったけど、夫が医師だし閉じ込めておけば良くなるとの認識なら無理だし、世間体があるのかもしれない。母の遺伝かわからないけれどレオは病気で相当しんどい経験をしただろう。助言されても治療の必要性を感じないから、周り...続きを読む
  • 父から娘への7つのおとぎ話
    幼い頃に父親に見捨てられたと感じながら育ったレベッカ。あるきっかけで大人になってから父親を探すことに。捨てられたということや母たちから聞かされていた父親のこと。そういうことから探すのにも積極的ではなかったけれど父が書いた「7つのお話」という本を知り徐々に変化していく。魅力的な登場人物たちや作中作の中...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
    しっかりとした読み応えがある。
    謎や意外性はないけど、戦争と女性と決断の手触りがはっきりとある。
    子ども向けと思わず、大人の小説として味わうべき作品。
  • 夜ふけに読みたい 不思議なイギリスのおとぎ話
    「ノロウェイの黒牛」がすごく好き。
    ジャックと豆の木は自分が覚えていた内容と違っていて、そんな話だったのかぁと驚いた。人喰い鬼だったのか。
  • ローズ・アンダーファイア
    圧倒的なのは、想像を絶する収容所内の様子

    フランス人、ポーランド人、ドイツ人、ロシア人たち
    実在したラーフェンスブリュック収容所にいた女性たちに起こったこと……。
    主人公ローズの使命は、実験台にされたポーランド女性74名の「ウサギ」たちの名前を数え歌にしてすべて暗記して、彼女たちの存在を世に知らし...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
    女性2人の永遠の友情が描かれる戦争作品。

    第一部はクイーニーの手記。親友マディのことを綴っているけど、クイーニーが捕えられている極限状態のせいか、文章も読みにくい。(あえて彼女は読みにくくしているのかもしれないけど。)
    読みにくいと思いつつ、がんばって読み進めるしかない。
    洋書だから読みにくいとい...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
    第二次世界大戦を舞台に二人の少女の友情と成長と愛の物語が2部構成で展開する。
    1部あっての2部でのマディの行動の切実さ、そして2部を読んで新たに嚙みしめるクイーニーの深い愛と経略が浮かび上がってくる。
    二人の少女の成長物語であってほしかったが戦争がそれを阻む。拷問シーンなどの場面になるたび、戦争の持...続きを読む
  • 夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話
    音読して楽しい、イギリスの童話を集めた本。

    音の調子がよいので、読み聞かせをしているほうも楽しい本です。
  • コードネーム・ヴェリティ
    ヴェリティ=真実、
    記録された歴史の裏にある人々の思いこそ、戦争の真実である。

    「スパイと飛行士」ふたりの女性。
    ドイツ占領下のフランス。

    作者のあとがきでは「マディとジュディーは私の空想から生まれたフィクション、舞台の都市名もその他の登場人物も架空、でも、一つ一つのエピソードは真実」と、さまざ...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
    読み応えのある話だった。もう少しミステリー要素があるものかと思っていたけど、戦争を舞台とした登場人物たちのライフストーリーの様な感じだった。

    最後の手紙で全てが救われた気がした。

    ただ、この時代の背景を理解していないと難しい箇所があるかも。
  • ローズ・アンダーファイア
    本屋のポップに惹かれたもので…

    描写がとても細かい
    目を背けたくなるような辛さがあった
    後半は追い込むように読んでしまった
  • コードネーム・ヴェリティ
    とても哀しい友情小説である。

    この本はミステリーとして紹介されることが多いようだ。確かに謎に満ちた第1部の手記を第2部の手記で伏線回収していく手法は、ミステリー小説として一級品だとも思う。

    しかし、ミステリーの醍醐味である「謎が解明してすっきり」とはいかないのである。謎の解明は哀しさにつながり、...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
    本書は二部構成で、どちらも手記のような体裁で話が展開する。第一部の最初は誰が語っているのか分からず、我慢の読書となる。ゲシュタポに捕まったスパイのクイーニーが秘密を書くように強制され、しかも二週間でやれという。二週間後は想像できる悲惨が待っている。第二部は、クイーニーをフランスまで飛ばした女性飛行士...続きを読む
  • ローズ・アンダーファイア
    CL 2019.1.26-2019.1.31
    なんと心揺さぶられる作品でしょう。
    コードネーム・ヴェリティを読まなきゃ。
  • ローズ・アンダーファイア
    強制収容所での過酷で残酷な日々。毎日厳しい労働と人が殺される。辛いなかどうにか生きよう、抜け出そうと闘う女性たち。そこには一人じゃなく、隣に誰かがいるということの意味が感じられる。一人では折れてしまいそうな心も誰かがいることでなんとか保っていられる。その強さが悲惨な出来事をくぐり抜けながらどんどん大...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
     第2次世界大戦中に、ドイツのとある場所にイギリスからのスパイの女性が囚われる。彼女は激しい拷問のうえ、暗号を伝え、さらにイギリスのことを書き記すように紙を与えられる。
     彼女はそこにマディと呼ばれる女性飛行士の物語を3人称で語り始める。1週間という期限内に書くこと。その間は生きられることが保証され...続きを読む
  • コードネーム・ヴェリティ
    第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性スパイがナチスに捕虜となった。彼女はイギリスに関する情報を手記とすることを強要される。
    その手記には親友であるマディのことが丁寧に綴られていた。

    こういう物語で、前半は彼女の記した手記がつづく。
    何故彼女は、手記を小説のような形にしたのか。

    わたし...続きを読む
  • 偽証裁判 上
    力のこもった歴史ミステリです。
    元警官で探偵のウィリアム・モンクのシリーズ。
    「見知らぬ顔」「災いの黒衣」「護りと裏切り」に続く4作目。

    看護婦のヘスター・ラターリィと、弁護士のオリヴァー・ラスボーンの3人で事件に当たるのが特徴です。
    今回は特にヘスターの視点が多いですね。
    女性が主人公のミステリ...続きを読む
  • エルサレムから来た悪魔 下
    残酷なことが沢山起こったけれど、史実を巧みに盛り込んでいて、とても面白かった。
    「昆虫の羽音」と表現されたところは、普通の人たちの行為なので、本当に恐ろしかった。
    世界史の授業で習ったけど、いまいち分からなかった教会と王との関係も明快に。教会関係者を王が好き勝手に罰することはできなかったんやね。