吉澤康子のレビュー一覧

  • 夜ふけに読みたい 不思議なイギリスのおとぎ話

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    「ノロウェイの黒牛」がすごく好き。
    ジャックと豆の木は自分が覚えていた内容と違っていて、そんな話だったのかぁと驚いた。人喰い鬼だったのか。

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    2022年09月09日
  • ローズ・アンダーファイア

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    圧倒的なのは、想像を絶する収容所内の様子

    フランス人、ポーランド人、ドイツ人、ロシア人たち
    実在したラーフェンスブリュック収容所にいた女性たちに起こったこと……。
    主人公ローズの使命は、実験台にされたポーランド女性74名の「ウサギ」たちの名前を数え歌にしてすべて暗記して、彼女たちの存在を世に知らしめる。そのために周りに助けられながら生き残ること。

    普通であれば、救出され、解放され終戦、事実が明るみになりエンディングとなるところ、その後に訪れるPTSD的な精神状態まで描くことで、より起こってしまったことの「残酷さ」が際立つ。

    事実を明らかに「しなければならない」と「したくない」のはざまで苦悩する。少女たちの戦いは、おそらく最後のページの後も続く。

    作者はリサーチで知ってしまったことについて「書かなければいけない」自身の思いが形になったのだろう。
    「あとがき」には前作同様、自分の創作箇所を示し「それ以外は全て事実」と言いきる。
    無心に手記を書き綴るローズの姿は、作者自身ではなかったか。

    最終ページのあとには、医学実験台とされた人たちの名前がうっすらと消えかかって……
    忘れてはいけない。現実に、今起こっている戦争があること……平和は理屈ではない。

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    2022年07月20日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    女性2人の永遠の友情が描かれる戦争作品。

    第一部はクイーニーの手記。親友マディのことを綴っているけど、クイーニーが捕えられている極限状態のせいか、文章も読みにくい。(あえて彼女は読みにくくしているのかもしれないけど。)
    読みにくいと思いつつ、がんばって読み進めるしかない。
    洋書だから読みにくいというより、そういう話なんだろうな。

    第二部のマディの手記のほうが読みやすく、第一部の疑問を解消してくれる。
    第一部よりジェットコースターに乗っているような疾走感のある第二部。

    後書きを呼んで驚いたが、児童書、、、?!
    内容を理解できるのか、と、刺激が強くないか?という疑問がある。私的には大人の作品かと。

    柚木麻子さんが推薦していたため購読してみたが、納得のガールミーツガール小説。

    キスして、ハーディ!
    キスして、いますぐ!

    ありがとうジュリー、マディ。

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    2022年06月28日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    ネタバレ

    第二次世界大戦を舞台に二人の少女の友情と成長と愛の物語が2部構成で展開する。
    1部あっての2部でのマディの行動の切実さ、そして2部を読んで新たに嚙みしめるクイーニーの深い愛と経略が浮かび上がってくる。
    二人の少女の成長物語であってほしかったが戦争がそれを阻む。拷問シーンなどの場面になるたび、戦争の持つ計り知れない闇を思ってゾッとした。

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    2022年06月09日
  • 夜ふけに読みたい奇妙なイギリスのおとぎ話

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    音読して楽しい、イギリスの童話を集めた本。

    音の調子がよいので、読み聞かせをしているほうも楽しい本です。

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    2021年12月20日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    ヴェリティ=真実、
    記録された歴史の裏にある人々の思いこそ、戦争の真実である。

    「スパイと飛行士」ふたりの女性。
    ドイツ占領下のフランス。

    作者のあとがきでは「マディとジュディーは私の空想から生まれたフィクション、舞台の都市名もその他の登場人物も架空、でも、一つ一つのエピソードは真実」と、さまざまな文献等から探り当てて織り込んだことがらに、この物語にかける熱量が伝わる。
    そのすさまじさにより、男の戦場には表されない現実の戦争の残酷さを、まざまざと見せつけてくれる。

    二人の主人公の語りの世界
    第一部、とらわれたスパイのゲシュタポのための手記に描かれた“小説のような”独白は、いつまでも溺れていて出口のない夢のようなできごとに、奇妙な感覚を覚える。
    一転して、第二部では占領下のフランスでのレジスタンス活動の緊迫感が押し寄せ、夢を見ている暇はない。

    そして、二つの物語が出会い、
    一瞬の笑顔と叫び声「キスして、ハーディー、今すぐに!」……。

    言葉にならない……。

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    2021年12月06日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    読み応えのある話だった。もう少しミステリー要素があるものかと思っていたけど、戦争を舞台とした登場人物たちのライフストーリーの様な感じだった。

    最後の手紙で全てが救われた気がした。

    ただ、この時代の背景を理解していないと難しい箇所があるかも。

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    2020年11月01日
  • ローズ・アンダーファイア

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    本屋のポップに惹かれたもので…

    描写がとても細かい
    目を背けたくなるような辛さがあった
    後半は追い込むように読んでしまった

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    2020年06月04日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    ネタバレ

    とても哀しい友情小説である。

    この本はミステリーとして紹介されることが多いようだ。確かに謎に満ちた第1部の手記を第2部の手記で伏線回収していく手法は、ミステリー小説として一級品だとも思う。

    しかし、ミステリーの醍醐味である「謎が解明してすっきり」とはいかないのである。謎の解明は哀しさにつながり、二人の主人公の友情は美しいのに、その再開は悲劇なのである。

    あとがきによると、出版された際は、ヤングアダルトだったらしいが、この小説をティーンエイジ対象にするという辺りが、反戦に対する断固たる姿勢にうつる。

    戦争は悲劇、武力や暴力による争いは絶対にアカンのだ、ということ。
    人間は、ここまで優しく温かい反面、ここまで冷徹に残酷になれるんだということ。

    連合国だから正義、ナチスだから悪人…と単純に割り切れるものではなく、どこに所属していても人間は二面性をもち、正義のためだと言い訳をもてば、どんなひどいこともしてしまいがちだということ。肝に銘じておこう。

    正義の名のもとに鉄槌をふるうより、嘘でもエエ人間を演じようとする偽善者の方に、俺はなろうと思う。

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    2020年05月04日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    本書は二部構成で、どちらも手記のような体裁で話が展開する。第一部の最初は誰が語っているのか分からず、我慢の読書となる。ゲシュタポに捕まったスパイのクイーニーが秘密を書くように強制され、しかも二週間でやれという。二週間後は想像できる悲惨が待っている。第二部は、クイーニーをフランスまで飛ばした女性飛行士のマディの語りとなる。こちらも手記のような体裁となる。二人は違う場所にいながら、相手を信じて書き続ける。衝撃なのは、マディとクイーニーの再会シーンだ。究極の信頼関係を築いているかのように、クイーニーの望みを叶える。自分にはこれはできない。相手のためを思っても。で、このような物語が実は大人向け小説ではなく、YA(ヤングアダルト)だと聞いて驚く。

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    2019年07月10日
  • ローズ・アンダーファイア

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    CL 2019.1.26-2019.1.31
    なんと心揺さぶられる作品でしょう。
    コードネーム・ヴェリティを読まなきゃ。

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    2019年01月31日
  • ローズ・アンダーファイア

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    ネタバレ

    強制収容所での過酷で残酷な日々。毎日厳しい労働と人が殺される。辛いなかどうにか生きよう、抜け出そうと闘う女性たち。そこには一人じゃなく、隣に誰かがいるということの意味が感じられる。一人では折れてしまいそうな心も誰かがいることでなんとか保っていられる。その強さが悲惨な出来事をくぐり抜けながらどんどん大きくなっていく。人の持つ希望、希望の持つ力。そういうものが描かれていてどんな状況でも生きていくという意志を捨てなかった女性たちの物語。

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    2018年10月01日
  • コードネーム・ヴェリティ

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     第2次世界大戦中に、ドイツのとある場所にイギリスからのスパイの女性が囚われる。彼女は激しい拷問のうえ、暗号を伝え、さらにイギリスのことを書き記すように紙を与えられる。
     彼女はそこにマディと呼ばれる女性飛行士の物語を3人称で語り始める。1週間という期限内に書くこと。その間は生きられることが保証される。しかしながら、彼女の状況は過酷であり、最後まで書き進めることができるか非常にあやうい。

     彼女の手記と彼女の状況が挿入されるのが1部、そして2部と読みすすむと、なんというか、奇跡だなぁと思う。実にフィクションだ。
     物語の中で彼女らが生きていたこと。戦争という非日常の世界で日常があったことを考えさせられる。
     しかし、実に魅力的なヒロインらだ。

     正直、1部は読みつらくなかなか読み進めにくい、けれども2部に入ると一気に読みやすくなる。そして読み終えると1部から読み返したくなる。そんな物語。

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    2017年08月16日
  • コードネーム・ヴェリティ

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    第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性スパイがナチスに捕虜となった。彼女はイギリスに関する情報を手記とすることを強要される。
    その手記には親友であるマディのことが丁寧に綴られていた。

    こういう物語で、前半は彼女の記した手記がつづく。
    何故彼女は、手記を小説のような形にしたのか。

    わたしは戦争の特にナチスを扱ったものは見つけたら読むほうなので、今回作品の存在を知って、読みたくて堪らなかった。

    この作品では、手記の部分が大変長い。また、手記に挿まれるように捕虜としての生活を窺わせる内容も記されている。
    長い手記が、全て真実なのか空想なのかわからないまま読み進めていく。そのためなんとも心許ないまま物語は進む。

    長い手記のあと二部が始まり、物語の全貌が見えてくる。
    そうなると彼女がどんな思いでこの手記を綴っていたのかと思い、物語の途中であるのに手記を読み返したくなる。
    最後まで読むと、勿論手記のはじめから読み返してしまう。

    物語が非常に丁寧に綴られており、情景が目に浮かぶようだ。そこは素晴らしい。
    ただ、この作家の文章自体なのか翻訳の文章のためか、わたしには手記の部分が少し読みにくい。文章のリズムが合わないというか、単純に好みの問題だとは思う。
    それでも、戦争でなければ出会うこともなかったふたりが友情を深めていく様が、とても上手く描かれていた。静かに心が通いあい、互いを大切に思いやる様子が心に沁みてくる。

    手記の終わり辺りから二部にかけては展開も良く、見えていなかった部分が見えてくるため一気に読みやすくなる。

    戦争中に出会ったふたりの女性の友情が、とてもあたたかいものを残す。
    第二次世界大戦とナチスを扱っているが、ナチスとドイツ国民やユダヤ人という構図ではなく、ドイツと敵対するイギリス、ナチスとイギリス軍という物語であり、ナチスを扱う作戦の中ではやや珍しいかもしれない。

    戦争を扱うため、それなりに残酷な描写はあるが、そこが中心ではないため、そういう描写の苦手なかたでも問題なく愉しめる。
    青少年向きの作品をよく書かれているようだが、大人が読んでも十分読み応えがある。

    この作品は著者の日本語訳されたはじめての作品らしい。
    この作品の次にも同じ頃を舞台にした作品を書いておられるらしく、そちらも是非読んでみたい。

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    2017年04月07日
  • 偽証裁判 上

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    力のこもった歴史ミステリです。
    元警官で探偵のウィリアム・モンクのシリーズ。
    「見知らぬ顔」「災いの黒衣」「護りと裏切り」に続く4作目。

    看護婦のヘスター・ラターリィと、弁護士のオリヴァー・ラスボーンの3人で事件に当たるのが特徴です。
    今回は特にヘスターの視点が多いですね。
    女性が主人公のミステリがお好きな人にもお勧めです。

    看護婦のヘスターは、仕事のつなぎに、新聞広告に載っていた仕事を引き受ける。
    エディンバラの名家の女主人メアリがロンドンへ旅行する付き添いに、看護婦が求められたのだ。
    ヘスターは指示どおりに心臓病の薬を飲ませたが、メアリが車中で亡くなってしまう。
    殺人の罪を着せられたヘスターの無実を証明するため、モンクはエディンバラへ。
    名門ファラリン家には、長男のアラステア、長女でしっかり者のウーナ、次女でひときわ美しいアイリッシュが皆夫婦で一緒に暮らし、末弟でやや反抗期のケネスもいた。
    それぞれに何か秘密を抱えているような‥
    一家に何があったのか?
    弁護を引き受けようとしていたラスボーンだが、ヘスターはスコットランドに移送されてしまう。
    はたして‥?
    ヘスターのために全力をつくそうとする男二人!

    原作ではこれは5作目だそうで、本国では既に二十作目まで発表されているそうです。
    このシリーズ、そこまで好調なんですね!
    日本人にとっては1850年代というのは遠いですかね‥
    幕末の頃、アメリカだと南北戦争の頃ですね。
    シャーロック・ホームズの時代よりちょっと前だけど、そんなに違わないですよ。
    順調に翻訳発行されるといいですね~楽しみに待ってます☆

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    2015年05月25日
  • エルサレムから来た悪魔 下

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    残酷なことが沢山起こったけれど、史実を巧みに盛り込んでいて、とても面白かった。
    「昆虫の羽音」と表現されたところは、普通の人たちの行為なので、本当に恐ろしかった。
    世界史の授業で習ったけど、いまいち分からなかった教会と王との関係も明快に。教会関係者を王が好き勝手に罰することはできなかったんやね。

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    2015年01月31日
  • 新訳 賢者の贈り物・最後のひと葉

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    貧しくとも、夫のジムに特別なクリスマスプレゼントを贈りたい。デラはある決意をする。しかし、ジムからのプレゼントは……(賢者の贈り物) どんな金庫でもたちまちの内に開けてしまう大泥棒・ジミーは恋に堕ち、過去を捨てるけれど……(よみがえった改心) 一日だけ大金持ちの振りをしてとびきりのおしゃれと贅沢を楽しむチャンドラーは、貧しそうな身なりの娘を助けて、つい…(おしゃれさんの失敗) 二回も偶然にもらった「緑のドア」と書かれたカード。ルドルフの冒険心が疼いて…(緑のドア) 窓から見えるツタの最後の一枚が落ちた時、自分の命も消える。そう生きる気力を失っていたジョンジー。けれどその一枚は、どんな風にも雨にも耐えて…(最後のひと葉) 短編の名手として世界中で読み継がれているオー・ヘンリーの珠玉の名作がつばさ文庫に登場です。

    むかし、講談社から出てたメルヘンを集めた短編集のうちで、多分一番読んだのがこの「賢者の贈り物」でした。挿絵が綺麗だったからなんだけど、やっぱりそれぞれ自分の大事なものをお金に変えて、相手の素敵なものの為に贈り物を贈る、その素敵なものは既に失われていたけれど…と言う愛の形に幼い私が純粋に感動したんだと思います。文章の方は結構投げやり(愚か、とか書いてるし)ではあるんですけど、そのそっけなさが逆にデラとジムの暖かで尊い愛情を引き立てていると思います。あと「賢者の贈り物」ってタイトル昔から謎だったんですけど、イエスに贈り物を贈った東方の三賢者のことを言ってるんですね。最後のくだりの文章がすごく好きです。
    で、オーヘンリーはずっとこの賢者の贈り物しかしらなくて、最後の一葉は概要だけ知ってるけどちゃんと読んだことは無い。短編の名手ということも全く知らなくて、読む作品のほとんどが初見でした。日本で言うと、ジャンルは違うけど星新一っぽい感じがしますねー。「よみがえった改心」にくい終わり方ですねえ~好きです。「警官と讃美歌」は最後でこれかよ~って苦笑しちゃってちょっと虚しいんですけど、一応話の中に救いがあっていいですよね。刑務所から出て来たらきっとソーピーはまっとうに生きていこうとするだろうし。これ落語にあっても面白そうだなー。「ハーグレイヴスの二役」もおおっ、と驚く終わりだし(これもまたニクイのだ)「お金の神さまと恋の神さま」はツンデレ乙って感じでやはりニクイ。「おしゃれさんの失敗」は日本のそれこそ落語とかに類似作品がありそうだなあー。ででで、私が一番好きなのは「緑のドア」ですねー!これすごく不思議だしほっこりするし、運命と言うか偶然のいたずらというか、縁といいますか。「水車のある教会」は多分そうなんだろうな~と思いつつもクライマックスで不覚にも泣いてしまいましたわ。そして有名な「最後のひと葉」はまさか百合(おい)だとは……概要は知ってたんですが女の子同士だったとは知らなかったのですよ。死にたいなんて思うのはいけないこと、うん、うん… ああ感動いたしました。これも日本人好きそうな話ですね。自己犠牲の憐みがある。
    他にもオーヘンリー読んでみたいなあ、と思ったのだけどつばさ文庫で続刊はあるかなあ。二大代表作を冠にしちゃったしなあ…でも読みたいなーなんかいいのないかなっ

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    2015年01月02日
  • アーサー王の墓所の夢

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    アデリアシリーズ3作目です。

    今回も残虐行為有り。
    アデリアも相当酷い目に遭ってます。
    宗教裁判にかけられそうになって住み慣れたケンブリッジを追われるわ、
    またもやヘンリー王から無茶振りされるわ。
    嘆いたり癇癪を起こしたりと感情的にはなりますが、
    決してブレない命に対す真摯な態度が救いになっています。


    前作までと雰囲気がちょっと違って感じるのは、
    アーサー王伝説が絡んでいるせいですね。
    伝説に彩られたキリスト教の聖地というロケーションに加えて、
    夜毎アデリアの夢に現れる意味有りげな啓示(?)。
    アーサー王に関しては、
    まだいろいろ謎だと以前読んだ記憶がありましたが、
    あとがきによると結構資料に基づいて書かれているようで、
    興味深かったです。


    それにしても・・・。
    20年以上前の遺体を検死するという無茶振りに加えて、
    存在も定かでない伝説の王の遺体かどうかの判定とわ。
    科学捜査も無い12世紀にミステリーとしても相当無茶ですね。


    大火事の真犯人とか、行方不明の友人一行とか、
    いろいろ推理はされていますが、
    やがて夢の啓示に導かれるようにアデリアにやって来る
    「謎は全て解けた・・・。」という理解の場面はちょっと強引かな。
    本格推理ものではないですが、
    意外な犯人像とかは読み応えがありました。

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    2017年10月14日
  • ロザムンドの死の迷宮

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    アデリアシリーズ2作目です。
    前作から1年。
    娘が生まれて、アデリアは母親として幸せに暮らしていましたが、
    またもやヘンリー王(ロウリーか?)に引きずり込まれて、
    恐ろしげな事件の渦中にどっぷり。
    医者として女性として際どい立場の自分自身だけでなく、
    今回は娘の安全にも心を砕かねばならず、発狂寸前です。
    なにしろセクハラのオンパレードで、
    現代人の感覚で読んでるとかなりストレスが溜まります。


    息子をそそのかして謀反を企てている王妃エレアノールが容疑者のため、
    あわや再び戦乱の世になるのかという危機感から、
    ロウリーは勿論、アデリアまで駆り出される訳ですが。
    なんだろなぁ〜。
    結局、国民を巻き込んだ国王と王妃の夫婦喧嘩の様な・・・。
    ロザムンドの他、兵士や無実の人たちも沢山殺されたのに。
    王妃は謀反の罪で幽閉されていたので、
    お互い憎み合っているのかと思いきや。
    8人も子を生した夫婦間の馴れ合いのような空気が漂っていました。
    前述の人たちが殺される際の残酷さと比べると異様です。
    政治的判断だの王族・貴族にとって下々の生き死には瑣末事だとか。
    いろいろ理由付けはあるんでしょうが、なんだか釈然としませんでしたよ。


    ミステリーとしては、
    前作同様、アデリアが限られた機会の中で検死(らしきもの)をしながら、
    状況証拠を積み重ねて推理していくのですが、
    本当にハラハラしました。
    どんでん返しもあってよかったです。


    そして、ロザムンドの家政婦デイカーズの執念が怖いっ!
    あと、腐乱した遺体の上にダイブ・・・、脳が想像するのを拒否しました。

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    2017年10月14日
  • エルサレムから来た悪魔 下

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    女性の検死官が連続殺人事件を解決するミステリー、と書くとパトリシア・コーンウェルのシリーズを連想するが、こちらは12世紀のイングランドが舞台。その点だけでも充分ユニーク。
    時代が時代なだけに捜査や検死の方法に多少迷信じみた要素が入るかと思いきや、そこは想像していたよりも現実的で、むしろ現代小説を読んでいる感覚に近かった。
    もちろん風俗習慣、思想、時代背景は12世紀のそれが鮮明に描かれているので、現代小説を読む感覚で時代小説を読むという不思議な読み応えを感じた。

    子供を餌食にした犯行も残酷だが、当時まかり通っていた迷信や無知、差別もまた別の意味で残酷なので、現代が舞台の犯罪物を読む時より精神的にエネルギーが削られる気がする。
    それでも続編を読もうと思うくらいに面白かった。

    上巻での衝撃は退場すると思っていなかった人物いきなりの退場、下巻での衝撃は主人公アデリアまさかの恋。
    バリバリキャリア志向かつ男まさりのアデリアが恋に落ちる姿はなかなか可愛らしいのに、たとえ快楽に味を占めても思考はナチュラルに医術と直結している残念な彼女には今後も残念なままでいてほしいw

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    2013年12月07日