北國ばらっどのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョジョシリーズの岸辺露伴スピンオフ短編小説集第二弾。
あいかわらず露伴が自ら飛び込み、あるいは巻き込まれる形で怪異を体験する。他の人の感想でもあったが、作家によって露伴のキャラが微妙に変わるのもまた面白い。
「幸福の箱」
美術商は魅力的な箱と露伴を残し、部屋を出る。つい触れたとたんに箱は崩れ落ち……独身の露伴が結婚について少しだけ考える(笑)。美術商夫婦の奇妙な愛。
「夕柳台」
その住宅街はなぜ静かなのか。それは静かな世界を求めた老人たちの願望が異様な形で具現化したもの。展開はかなりマンガだけど(笑)、実際問題、若い世代との対立は常にある。
「シンメトリー・ルーム」
シンメトリーにとり -
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Posted by ブクログ
なんやかんやでこのシリーズを読むのは三作目。今回の作品を執筆する作者さんたちはもはやお馴染み、といった感じで、安心して読む事ができた。
今作でいちばん面白かったのは「シンメトリー・ルーム」という作品。
とある大学の一室で学長が不審死を遂げる。その事故現場となった部屋が、なにからなにまで左右対称のシンメトリー・ルームで、、という展開のお話。
「ジョジョっぽく」ある必要はないわけだけど、それでもやっばり原作のテイストを感じさせてくれる作品の方が読んでいてワクワクする。そういう意味では、本作が一番ジョジョっぽくて面白かった。
全身シンメトリーの男とか荒木さんも好きそうだし、漫画にしたらどんな -
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岸辺露伴を主人公としたJOJOのスピンオフ作品「岸辺露伴は動かない」シリーズの短編小説集。
外伝やスピンオフ作品の存在を、原作を親としたら子供のようなものみたいな表現がありますが、スピンオフ作品(漫画)の小説集というのは、x親等の存在になるのかしら。甥姪?
実写ドラマ化が話題となることが多い「岸辺露伴は動かない」シリーズ。自分も楽しみにしています。オリジナル要素を混ぜ込んでドラマの岸辺露伴として魅力的でいいですね。ドラマだと六壁坂を物語の核に据えたシリーズが好きでした。
ドラマに小説集の方から「くしゃがら」のエピソードが扱われていたので、小説も追いかけないと楽しめないな、と思って読み始めまし -
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「岸辺露伴は◯◯ない」は「叫ばない」しか読んだことがなく、本作で二作目。
「叫ばない」は複数の作者さんによるアンソロジー形式の作品だったが、本作は北國ばらっどさんだけが筆をとっている。
北國ばらっどさんの岸辺露伴はけっこうテンションが高く、また会話のテンポがとても良いため楽しんで読むことができた。
ところでこの岸辺露伴シリーズではスタンド同士の戦いではなく、岸辺露伴がなんらかの「怪異」に遭遇してそれをヘブンズドアーでなんとかする、という展開が多い。
展開は面白かったものの、個人的にはもう少しヘブンズドアーが活躍してほしかった。
というわけで⭐︎三つ。
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ネタバレ「黄金のメロディ」「原作者 岸辺露伴」「5LDK◯◯つき」の三編収録。人間の執念や怨念からの怪異への変貌、怪異に対処するために他者を差し出す人間の悪意等、人間の感情とそれにまつわる怪異が今作のテーマなのかと思いました。
「ジョジョ」4部本編やスピンオフ「岸辺露伴は動かない」の内容を意識させる台詞もありニヤリとさせられます。
今作、怪異となるもの本体にヘブンズ・ドアーで命令を書き込まない方法で解決するのは新鮮で特に「黄金のメロディ」は対象者がある目的を遂げた後に何故そのようなことになったのかをヘブンズ・ドアーで読んでいく様子は映像で見たくなりました。
しかし「原作者 岸辺露伴」は怪異の倒し方がど -
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Posted by ブクログ
写実画家の描いた人物画のような作品だ。
人物画は限りなくその対象を忠実に、正確に、精緻に描写していても、写真には無い特徴が出てくる。目鼻のバランス、肌の色付き、表情筋のつき方、数え切れない微細な箇所に現れるオリジナルである対象との誤差のようなもの。それがその画家の個性であり、人物画としての価値である。
このノベライズ『岸辺露伴は〇〇ない』シリーズにも同じものを感じる。オリジナル作品である漫画『岸辺露伴は動かない』と同じキャラクターであり、原作を真っ直ぐに踏襲していながらも似て非なる岸辺露伴のキャラクターが出来上がっている。
それは原作からの劣化という失礼な意味では無い。これがこのノベライズ -
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