北國ばらっどのレビュー一覧
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なんやかんやでこのシリーズを読むのは三作目。今回の作品を執筆する作者さんたちはもはやお馴染み、といった感じで、安心して読む事ができた。
今作でいちばん面白かったのは「シンメトリー・ルーム」という作品。
とある大学の一室で学長が不審死を遂げる。その事故現場となった部屋が、なにからなにまで左右対称のシンメトリー・ルームで、、という展開のお話。
「ジョジョっぽく」ある必要はないわけだけど、それでもやっばり原作のテイストを感じさせてくれる作品の方が読んでいてワクワクする。そういう意味では、本作が一番ジョジョっぽくて面白かった。
全身シンメトリーの男とか荒木さんも好きそうだし、漫画にしたらどんな感じになるかな、なんて考えながら読んだ。
とはいえ他作品もクオリティが高く、とくに「楽園の落穂」という作品なんかは、漫画ではなく小説だからこその演出や面白さがあって楽しんで読めた。
というわけで⭐︎三つ。 -
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岸辺露伴を主人公としたJOJOのスピンオフ作品「岸辺露伴は動かない」シリーズの短編小説集。
外伝やスピンオフ作品の存在を、原作を親としたら子供のようなものみたいな表現がありますが、スピンオフ作品(漫画)の小説集というのは、x親等の存在になるのかしら。甥姪?
実写ドラマ化が話題となることが多い「岸辺露伴は動かない」シリーズ。自分も楽しみにしています。オリジナル要素を混ぜ込んでドラマの岸辺露伴として魅力的でいいですね。ドラマだと六壁坂を物語の核に据えたシリーズが好きでした。
ドラマに小説集の方から「くしゃがら」のエピソードが扱われていたので、小説も追いかけないと楽しめないな、と思って読み始めました。小説集「岸辺露伴は叫ばない」です。
「くしゃがら」「Blackstar.」「血栞塗」「検閲方程式」「オカミサマ」の5篇。
毎度のことながら露伴センセーは、好奇心で頭を突っ込み、心身を危険にさらして、漫画のネタを探しています。受動でも能動でも、結果的にネタ探しになっているというか、しているというのが業の深さです。
スタンドであれば原則人間同士なのですが、「動かない」シリーズで相対するのは、ほとんどが人間以外の存在であるので、下手に触れてはいけない分野なんだよな。
己のテリトリーに侵入した。発動条件を満たしてしまった。罠にかかってしまった。
なんにせよ、トリガーが動いてしまったら逃れることはできないというのが基本で、そこをヘブンズドアーというイカサマみたいなもので掻い潜っているのが露伴センセーです。
「血栞塗」が好きです。
あの司書を、荒木飛呂彦が描いたあの司書を見たい、というのが最初にきた感想で、追い詰められてゆく時の迫力が圧倒感が良かった。強者のプレッシャーで動けない、というよりも、逃れられないの絶望と諦観の混じった脱力があったように思います。
強者としてだけの立居振る舞いよりも、得体のしれなさが先に立つのがJOJOの登場人物に感じる迫力で。ディオになくてDIOにあるのはそれ。それがカリスマ性につながっているのではないでしょうか。あの司書にも、同様の得体のしれなさがありました。
文字だけで登場人物の激昂台詞を読むと、なかなか違和感を感じてしまう。「オカミサマ」とか。あのJOJO特有の台詞回しといいますか、漫画の絵と言葉で構成されているから、印象が強く効果的なんだな、と再確認。 -
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「岸辺露伴は◯◯ない」は「叫ばない」しか読んだことがなく、本作で二作目。
「叫ばない」は複数の作者さんによるアンソロジー形式の作品だったが、本作は北國ばらっどさんだけが筆をとっている。
北國ばらっどさんの岸辺露伴はけっこうテンションが高く、また会話のテンポがとても良いため楽しんで読むことができた。
ところでこの岸辺露伴シリーズではスタンド同士の戦いではなく、岸辺露伴がなんらかの「怪異」に遭遇してそれをヘブンズドアーでなんとかする、という展開が多い。
展開は面白かったものの、個人的にはもう少しヘブンズドアーが活躍してほしかった。
というわけで⭐︎三つ。
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ネタバレ「黄金のメロディ」「原作者 岸辺露伴」「5LDK◯◯つき」の三編収録。人間の執念や怨念からの怪異への変貌、怪異に対処するために他者を差し出す人間の悪意等、人間の感情とそれにまつわる怪異が今作のテーマなのかと思いました。
「ジョジョ」4部本編やスピンオフ「岸辺露伴は動かない」の内容を意識させる台詞もありニヤリとさせられます。
今作、怪異となるもの本体にヘブンズ・ドアーで命令を書き込まない方法で解決するのは新鮮で特に「黄金のメロディ」は対象者がある目的を遂げた後に何故そのようなことになったのかをヘブンズ・ドアーで読んでいく様子は映像で見たくなりました。
しかし「原作者 岸辺露伴」は怪異の倒し方がどことなく物足りなかった。また「5LDK◯◯つき」は怪異の内容と家の謎と怪異を退ける方法、、露伴と麗水とのやりとりは良かったのですが、ヘブンズ・ドアーが活かされていないように思いました。 -
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写実画家の描いた人物画のような作品だ。
人物画は限りなくその対象を忠実に、正確に、精緻に描写していても、写真には無い特徴が出てくる。目鼻のバランス、肌の色付き、表情筋のつき方、数え切れない微細な箇所に現れるオリジナルである対象との誤差のようなもの。それがその画家の個性であり、人物画としての価値である。
このノベライズ『岸辺露伴は〇〇ない』シリーズにも同じものを感じる。オリジナル作品である漫画『岸辺露伴は動かない』と同じキャラクターであり、原作を真っ直ぐに踏襲していながらも似て非なる岸辺露伴のキャラクターが出来上がっている。
それは原作からの劣化という失礼な意味では無い。これがこのノベライズのオリジナリティであり、作者の個性であり価値だ。
オーディオオタク、ドラマ撮影現場と民俗伝承、日本の家屋建築、と今回は特にマニアックでニッチなテーマの短編集だった。
どれも読み応えあったけど、対峙する怪異のビジュアルがイメージしにくい作品たちだったのも事実だ。
だから、いつかこのノベライズシリーズを逆にコミカライズしてくれないかな。
そして、次はどんな『〇〇ない』なんだろうか。『叫ばない』『戯れない』『倒れない』と来て、さぁ次は。