北國ばらっどのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
岸辺露伴は動かないシリーズ第3弾。全3話からなる短編集。
「黄金のメロディ」:追求者が追求し到達した結果が想像以上の異常。異常だと理解していても戻れない所までいった者。露伴は到達した彼にある意味で敬意を示しているが、ああはなって欲しくない。
「原作者 岸辺露伴」:作品は作者だけのものではない。そして作品に関わる以上は作品に敬意を持って接する必要がある。昨今の漫画原作のドラマなどはそういう感情を持って作られているのだろうか?
「5LDK○○つき」:麗水の趣味嗜好がおかしいのと神様の価値観が人間の基準とかけ離れているというダブル異常。露伴がまともに見える異常事態発生。
これまでで話数が1番少ないだけあって話も濃密だった。なにより各話のキーパーソンとなる登場人物が個性的な人ばかりで露伴じゃないが、ヘブンズ・ドアーを使いたくなる。そして今回もそのいざという時のヘブンズ・ドアーが効かない場面がある。その時の焦りながら考える事をやめない露伴がカッコいい。露伴が自分の信念を曲げない限り、岸辺露伴は倒れない。 -
Posted by ブクログ
岸辺露伴は動かないシリーズの初の映画の小説版。漫画家デビューしたての時に出会った女性・奈々瀬。彼女から聞いた「最も黒い絵」の話。彼女も絵のことも忘れていたのに露伴は夢で見て思い出す。
最初から露伴らしいなと読者に思わせる出だしだ。夢で昔の人やその人に言われたことを思い出しても、それが気になって調べ始める人がどれだけいるだろうか?今回も露伴の好奇心が鍵になっていく。それは毎度お馴染みの良い意味でも悪い意味でも話を面白くしてくれた。
個人的には黒い絵と向き合った時に他のメンバーの描写は最低限にし、露伴の自分であえて危険に踏み込んでいき想像以上のピンチになった焦り、それでもどんなものかと体験しようとする好奇心、ヘブンズ・ドアーの一か八かの使い方などに重きを置いてくれたのが読んでいて露伴と一緒にリアリティを体験出来てよかった。
岸辺露伴は動かないシリーズ初の長編だってが、あいかわらず露伴は謎に首を突っ込んだり、巻き込まれたりと楽しく読めた。
#泉香最強説 -
Posted by ブクログ
「くしゃがら」は実写ドラマ化もされて実に良くできていた作品。今回後追いで原作を読む形となったが、設定をちゃんと活かしていてラストを知っている身でも読んで面白かった。ドラマ版はより分かりやすいようにオーバーに描いたんだろうなって工夫も垣間見えたし、文字だからこそドラマ版には無いハッキリ描かれる心情面も見ることができた。
他の作品も面白いが、どれも共通しているテーマは「好奇心」だと思う。時折「好奇心は猫をも殺す」という言葉まで出てくる。作品によっては殺されないためにボカす不完全燃焼感もあったり。逆にトコトン追いかけるプロ意識が見れたり。同じ露伴先生なのに悪く言えばキャラに統一感が無く、良く言えば敵に合わせて機転が効く柔軟さがある。ゆえにどれも先が読めない展開が楽しめた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ胸を張り背筋を伸ばしゆっくりと映画館を出た。
高橋一生演ずる岸辺露伴はカッコいい。
不協和音で不安定に漂う菊地成孔の音楽に乗り、
この世ともあの世ともつかない不思議な異空間の世界へと誘われます。
ネタは、世界中に転がっている……か。
あ、パリ……!「ルーブル美術館」!
「岸辺露伴は動かない」TV版の「ジャンケン小僧」のラストシーンで、泉鏡花が思い付いた通り、パリが舞台です。
この世で最も「黒い色」という色を
見たことがあるだろうか?
光を反射する鏡は、鏡の前にいるものを映すが、
光すら吸い込む漆黒の前では何が見えるのか…。
「この世で最も黒く、最も邪悪な絵」は
「先祖や己の罪」「後悔」を見せ襲い掛かります。
漫画家デビューを目指していた17歳の露伴が、祖母が経営する元は旅館だったアパートで出逢った年上の黒髪の女性、奈々瀬。
10年後、ふとしたことで奈々瀬のことを思い出し、好奇心と青春の慕情に駆られ、取材と絵を見るために訪れたルーヴル美術館。
今は使われていないZ-13と呼ばれるルーブルの謎の地下倉庫。
そこで「漆黒の絵」を見た者が、先祖や己の罪、後悔に襲われ次々と怪死する中、絵を見た露伴の前に現れたのは…?
…岸辺露伴の前に現れたのは、絵の作者 山村仁左右衛門と、彼の妻 奈々瀬でした。
露伴同様、一際こだわりの強い絵師だった仁左右衛門は奈々瀬の黒髪を描くことに執着し、黒い染料を探し、神木の黒い樹液に辿り着きますが、神木の樹液を採った咎で役人に捕らえられます。
仁左右衛門を庇う奈々瀬の命を奪った役人を殺めた後、彼は「漆黒の絵」を書いて亡くなったのでした。
神木を切り倒した斧で露伴に襲い掛かる仁左右衛門。
仁左右衛門を必死に抑えようとする奈々瀬。
ヘブンズ・ドアーが効かず絶体絶命の危機の露伴。
「全てを忘れて」
露伴17歳の夏休み。露伴の前から消え去った奈々瀬が残した言葉を思い出し、ヘブンズ・ドアーで自らの全ての記憶を一時的に消すことで「先祖」も「後悔」も消し去り、難を逃れた露伴。
帰国後の調査で判明した奈々瀬の旧姓は岸辺…。
神木の漆黒の樹液が見せた露伴の先祖の罪と後悔が
山村仁左右衛門と奈々瀬だったということは、
作中彼等の子供は描かれませんでしたが、
露伴は彼等の子孫ということです。
因みに山村仁左右衛門も高橋一生が演じていました。
その後、神木を探し当てた露伴のもとに三たび奈々瀬が現れ、巻き込んだことを詫び、仁左右衛門の絵による被害を断ち切ったことに感謝を述べます。
「あなたのことは決して忘れない」
露伴が思いを伝えると奈々瀬は掻き消えたのでした。
ところで、飯豊まりえ演じる泉京香も「漆黒の絵」を見ていたことを露伴は知ります。
「……何ともなかった、のか?」
「ぜーん、ぜんっ!」
「君のそういうところには本当に感心させられる」
泉京香には「罪」も「後悔」もないのです。 -
Posted by ブクログ
「黄金のメロディ」での泉京香ちゃんがすげーー良かった……。本当は雑誌編集の仕事がやりたかったけど露伴の担当としてちゃんと理解があるというか、露伴の漫画への情熱やプライドに対してリスペクトがあるのがとても良い。
露伴は人間的にあまり京香のことは好きではなさそうだけど、この二人本当にいいコンビなんじゃないかと思う。なんだかんだで京香ちゃん、露伴をやる気にさせるの上手いし…………上手いこと手綱握ってる気がする。
5LDK〇〇つき、アワビ密猟より前の話なのか。
動かないシリーズのスピンオフにしては珍しく、今回、時系列が分かる作品多かったなと思った。
原作から7年後って明確に書かれたの、初めてじゃない……? -
Posted by ブクログ
ジョジョの奇妙な冒険の登場人物・岸辺露伴が主人公のスピンオフ作品で短編小説集。
「くしゃがら」:本人も言っているが本当に露伴らしくない。だが、自分よりも熱狂してる人がいると自身は冷めるのは現実でもある。最後に謎の編集者の存在がじわりと恐怖感を演出していて上手い。
「Blackstar.」:スパゲッティ・マンは都市伝説だ。怪談は幽霊の話、だが都市伝説の多くは正体不明の存在が相手だ。謎の存在は人の恐怖心と好奇心を同居させる。自身の写真を見たいとダメが同居する。
「血栞塗」:好奇心は猫をも殺す。ダメと言われるとやりたくなる、だが多くの人は分別を付け妥協してある程度で止める。この2人越えてはいけない境界線を平然と越えているが、憧れていいの?これ?
「検閲方程式」:好奇心は猫をも殺すパート2。露伴の好奇心は超次元レベルに達している。それを方程式にしたら何か起きそうと好奇心一般レベルは思う。
「オカミサマ」:好奇心は猫をも殺すパート3。好奇心は~パート1、2と違って軽い気持ちでやって痛い目を見る。学習してよと思う反面、露伴はこうでなくちゃねと納得してしまう。だが、作品のために妥協しない姿勢はこれまでの経緯がアホみたいだが素敵だなと思った。
岸辺露伴は叫んでる。各話で叫んでる。ほぼほぼ自業自得でそうなっているが、ほぼほぼ死にかけてるから叫びたくもなるだろう。だが、岸辺露伴は妥協しない、自身がそれを許さない。危険を承知でいけるのは無謀か勇敢か、いこうとすら思えない自分は冷静か臆病か…考えてしまう。