立川談慶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
落語の世界=江戸時代の町人の暮らしと現代の生活を対比させながら、現代で失われてしまった大切なものは、落語の世界に見つけることができるのではないかと、筆者は主張する。
だから、落語を聞いて価値観をシフトチェンジさせることで、息が詰まる現代も、より楽に生きていくことができる、つまり、落語は「こころの処方箋」になると提言している。
筆者の視点は鋭く、それでいて全体を通して噺家特有の柔らかい口調で語られているので、読みやすく、かつ気付きがたくさんあった。
特に、落語は「人間の業の肯定」であるという定義がとても印象的だった。(噛み砕くと"ダメなやつでも、しょうがねえなあと許容する世界&q -
Posted by ブクログ
私は人事部門で長く働いているが、特に最近感じているのが、「人を育成・成長させるには、デジタルツールでは成り立たない」ということだ。
本書を読むと、特にそのことを確信してしまう。
最近「学校の先生は不要で、動画教育だけでよいのでは?」という議論もされている。
私個人はそれには反対である。
未来の人材を育てるのは、結局人からの継承が必要で、師弟同士がぶつかり合わないと成立しないと思う。
古い考えなのかもしれないが、教えることは技能だけではないし、人間性や考え方、その人物の背景にある部分が重要だったりする。
育成の根幹の話になるが、「ダメな上司が、部下を優秀な人材に育てられる訳がない」と思う。
当た -
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Posted by ブクログ
資本主義には"オチ"がある
■概要
資本論を解説するのではなく、「落語と結びつけるとこう理解できるのでは、現代社会に活かせるのでは?」という落語家の筆者からの提言。
・人間の業を肯定する資本主義と落語
>そんな談志の理念の一つが、「落語とは人間の業の肯定である」 という歴史的な落語の定義であり、 これをはじめとするいくつもの落語の理論化を打ち出しました。 マルクスと談志、落語と『資本論』。 まったく異質なものですが、あえて無理やり共通項を見出そうとすると、「人間のシステム エラー大全」ではないかと思います
・資本主義のオチ (解釈の解釈)
まず資本主義社会は、産