立川談慶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
立川談志の没後10年が経ち、弟子の立川談慶が書いた立川談志論。
私は談志の著書は全て持っており、弟子のもそこそこ集めてきましたが、キリがないので久しくやめていました。
ただ、次の惹句に惹かれて本書を買いました。
「弟子がやっと気づいた『本当の凄さ』」
本書を読んで、談志は「凄い」落語家だったのだと再認識しました。
その凄さを、著者は「先見性、普遍性、論理性」の3つの言葉で表現します。
先見性―それは、昭和40年に談志が著した落語家のバイブル「現代落語論」のラストに現れます。
落語界が勢いのあった時代、談志は「落語が『能』と同じ道をたどりそうなのは、たしかである」と言い切ったのです。
以後、そうはさせまいと、談志自身はもとより数多の落語家の活躍があったからこそ、今の落語界の隆盛があるのだと思います。
普遍性―それは、たとえば「たが屋」のオチを変えた点に表れます。
従来の「たが屋」は、刀ではねられた殿様の首が飛んで「たーが屋ー」というオチでした。
これに群衆が留飲を下げるのです。
しかし、談志はこれに「せこい下剋上のカタルシス」と異を唱え、たが屋の首が飛んで「たーが屋ー」というオチに変えました。
群衆の期待とは真逆の流れになったのに、それでも「たーが屋ー」と叫ぶ群衆の無責任。
それこそ、自身の持論である「人間の業」だと考えたのです。
いやはや凄い。
論理性―それは、先述の「現代落語論」と、その続編である「あなたも落語家になれる 現代落語論其二」を読めば一目瞭然でしょう。
著者は、談志の論理性を「普段からの不断の努力によって獲得された形質なのでは」と推察しています。
努力を「バカに与えた夢」と唾棄していた談志ですが、自身は努力家だったと著者を含め周囲の多くの人たちが証言しています。
談志の天才性は、「芝浜」の演出の変遷過程にも表れています。
「芝浜」が十八番だった先々代の三木助は、登場人物の女房を「良妻賢母型の古風な女房」として描いていました。
談志も当初、これを踏襲していましたが、徐々に「現代風なかわいらしい気質」を交えた女性像へと転換していきました。
そして、あの伝説の、よみうりホールでの「ミューズの神が降りた」高座が実現したのです。
すみません、談志フリークなのでつい熱くなって長くなってしまいました。
これでも触れたのは、まだ本書の10分の1くらいです。
談志のことになると熱くなってしまうのです。
全部書いていると日が暮れそうなので、このへんで。
遅くなりましたが、本書は、談志の凄さを論じた「客観的な談志論」と、そんな談志の弟子として師匠をどう見てきたのかを書いた「主観的な談志論」の大きく2部構成となっています。
9年間にも及んだ前座修行の期間が主となる第2部は、読み物としても秀逸。
著者が前座時代に婚約者を事故で失った経験があったなんて知らなかったので、思わず胸を締め付けられました。
いずれにしても、談志ファンなら読むべきでしょう。 -
Posted by ブクログ
まず、落語家と教師の共通性が面白い!
そして感覚的に面白いと感じたのは、話を聴く=受け身 と考えてしまいがちだが、攻めるようにして聴くことで、色々な情報を得ることができるし、その情報を活かしながら話すと、今度は受け身の要素も使いながら話せるということ。これは子供に対してだけでなく、大人に対してのコミュニケーションでも大切だと思う。
また、エンタメ化の話は非常に興味深い。「苦しいことをお金に変えて生きてゆく時代」は終わり、「楽しくなければ仕事ではない」というよりも、「楽しいことを仕掛けることができるのは人間だけ」で、エンタメ化=人間に残された最後の可能性 というのが、今後の日本を言い当てている気さえしてしまう。。。 -
Posted by ブクログ
「最近、ちょっと心が固くなっているかも」
そんな時に読んで、すごくよかった本です。
立川談慶師匠の『ビジネスエリートがなぜか身につけている教養としての落語』は、落語の解説本というより、“人間を少し好きになり直せる本”でした。
著者は元サラリーマン。営業職を経験したあと、立川談志師匠に弟子入りしたという異色の経歴を持っています。だからか、「成果を出さなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」と疲れてしまう現代人への視線が、とてもやさしい。
本書で出てくるのが、「落語とは業の肯定」という言葉です。
落語には、怠け者も、嘘つきも、見栄っ張りも出てきます。でも、「だからダメだ」と切り捨てない。呆れながらも、「まあ、そんなところあるよね」と笑って終わる。この感覚が、とても心地いいんです。
特に与太郎の話が印象に残りました。現代なら「生産性が低い」と片づけられそうな人物なのに、江戸の人たちはちゃんと居場所を与えていた。効率や正しさを求めすぎる今だからこそ、こういう“余白”は大事なんだろうなと思います。
もちろん、落語の「枕」をプレゼンに活かす話や、人を惹きつける話し方など、ビジネスに役立つ内容もあります。でも、この本の一番の魅力は、「他人にも自分にも、少し優しくなれる」ところにある気がしました。
読み終わったあと、より一層落語が好きになりました。
寄席に行ったことがある人にも、落語をほとんど知らない人にもすすめたくなる一冊です。特に、「今日はちょっと人にイラっとしてしまった」という日に読むと、かなり効きます。 -
Posted by ブクログ
落語と講談の違いが面白かった〜!!
YouTubeで落語みたい
【第2部 第4章 古典落語に「忠臣蔵」がないワケ】
「生まれで差別はしない」という公平性、大衆性こそ、「落語」という芸能の本質をよく表している
「座布団1枚さえあれば、室内でも野外でもどこでもすぐに演じられる」
講談師・神田松之丞
落語は「笑い話」
講談は「歴史物語」
創業当時は「講談」を売っていた講談社
【第3部 第6章
落語に人殺しは出てこない
「飢え」と」「寒さ」が落語のベース】
人として共感できるかどうか
その笑いに“品”があるかどうか
俵万智「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
【第3部 第7章 これを知っていればあなたも落語通!】
「芝浜だけに」夢オチ
権助魚
紙入れ
居残り佐平次
「ここで会ったが百年目」
ねずみ穴
はてなの茶碗
猫の皿
【第1部 第2章 登場人物を知っていれば落語は100倍わかりやすくなる】
熊さん、八っつぁん、与太郎、一八、若旦那、権助、ご隠居、大家さん、、、、
【第1部 第1章】
「一眼国(一眼国 )」
芥川龍之介の『河童』見たいだなって
豊臣秀吉のお気に入り
最初の落語家「曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)」
枯れた松を見て、うなだれていた秀吉を励ましたエピソード
上方落語と江戸落語
【第1部 第2章】
落語の噺(はなし)
枕・本題・オチ
“「枕」をきけば、落語家の腕前がわかる”
枕を四つに分類する
①本題のバックボーンである時代背景などを解説する
②お客さんの反応を探る
③オチへの伏線を張る
④オチとは逆の伏線を張る
「オチ」=「サゲ」、「地口オチ」=ダジャレ落ち
①考えオチ:足が出る、幽霊の話とか
②逆さオチ:立場や物事が入れ替わる
③ぶっつけオチ:勘違いからくるとんちんかんな状況
④間抜けオチ:与太郎、失敗談
⑤見立てオチ:連想ゲーム、見立ての意外性
【第1部 第3章 よく出てくる名作古典落語】
寿限無
まんじゅうこわい
ときそば
目黒のさんま
芝浜