藤沼貴のレビュー一覧

  • 戦争と平和 (六)

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    物語部分より、エピローグ2(トルストイの歴史考察)が強烈過ぎる。
    そのため、小説の印象が薄くなってしまった。

    考察を読んで思ったことは、トルストイはギリシャ哲学も学んでたんだなということ。
    物語の方で、級数(数学Ⅱ・Bで習う)という単語も出てきたり、著者の学識の深さに驚いた。

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    2025年10月11日
  • 戦争と平和 (三)

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    戦争が描かれてない巻だった。
    ロシア帝国の生活の一部を知ることができた。
    狼猟だったり、オペラが上流階級の嗜みだったり、ダンスパーティーだったり(後者2つは、世界共通の気がする)。

    最後部分のアナトールを殺したくなった。
    いたいけな少女を騙して楽しいのかね?
    アンドレイが、もう少し早く帰ってきてくれれば、こんなに事態が悪くならなかったのに、と感じてしまう。

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    2025年08月07日
  • 戦争と平和 (二)

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    読みやすいのだが、登場人物が多いため混乱してくる。
    私に学歴がないためだと思うが、ティルジットの会見をこの本で初めて知った。
    また、オーストリア皇帝と神聖ローマ帝国の皇帝の名前が一緒なのはなぜ?ということで調べたら、神聖ローマ帝国がナポレオンのせいで解体されてもフランツ2世が皇帝を維持するためにオーストリア皇帝になった(オーストリアは、それまではオーストリア帝国ではなく、単なるオーストリア。皇帝ができたから、オーストリア帝国に名前が変更された)。

    色々勉強になる本だ。

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    2025年07月16日
  • 復活 下

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    キリスト教の教義を用いて、人は過去の行いを悔い改め精神的に復活出来るかを問う本作は、求道者の如き晩年を送ったトルストイの思想が色濃く反映されており、小説版「人生論」のようにも感じられた。色々と考えさせられる部分が多く、何れまた目を通したい

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    2024年09月27日
  • 戦争と平和 (二)

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     少しずつ話が動いてきて、歴史上の出来事も、話の中に絡んでくる。ピエールよりも、アンドレイの方が波乱万丈な人生のような気がする。

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    2024年02月04日
  • 復活 下

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    シベリアへ送られるカチューシャをネフリュードフは追うとともに官憲に奔走する。功を奏するが、二人の運命は意に沿うとは限らず。著者晩年の作。裁判所や官庁、刑務所の扱いに非難を浴びせながらもドストエフスキーと違って弾圧を受けなかった。時代の風潮とともにトルストイがすでに著名な大作家であったことが、国際的に非難されることを国は避けたようだ。2023.12.26

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    2023年12月26日
  • 復活 上

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    裁判所で目にした被告人は、かつて関係を持った女性だった。最上層階級の主人公が苦悩し行動を開始する。自省が世の矛盾の気づきに広がり領地の整理にも着手する。読みやすい小説。2023.11.16

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    2023年11月16日
  • 復活 下

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    初めてのトルストイ。
    重い内容だったけれど、リアリティな描写、豊かな感情表現で、100年以上前の世界が迫ってくる。においまで伝わってきそう。

    今の時代がいかに恵まれてるか。人の尊厳を大切にする社会に近づいている国であればそう。でもこの本のような社会で生きている人たちもたくさんいる。

    人間を人間的に扱わなくてもいい立場なんてない。身体的なことだけでなく、精神的なことでは、今の社会でもたくさんの非道がある。

    1人ひとりが子どものように純粋に、自分の喜びのために生きるのではなく、神の国と神の義を求めるそんな生き方をすれば、もっと世界はよくなるのか。
    自身が復活できる日はくるのだろうか。

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    2023年10月28日
  • 戦争と平和 (六)

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    ネタバレ

    トルストイの歴史観が最後や途中に展開されるあたり、司馬遼太郎感ある。最後の解説にあった、丸くなって輪になって平和、というのはなるほどなと思った。アンナカレーニナと違って、ナターシャは女性らしい魅力を失って太った幸せな母になる。プラトン・カラターエフは丸く表現されている。主人公ピエールも肥満。
    アンドレイやペーチャは死んで、マリアとナターシャはそれぞれニコライとピエールと結婚して幸せになる。ソーニャがかわいそうすぎる気がするけどそこはあまり描かれない。ギスギスしないんだろうか。ソフィアは賢さを表すから、感情の争いには無縁なんだろうか。

    関係ないけど、トルストイという名前は太っているという意味だ

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    2023年07月05日
  • 戦争と平和 (五)

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    ネタバレ

    ピエールやアンドレイやナターシャがそれぞれに成長というか、精神的な悟りに近づいている感じがした。トルストイが老子の影響を受けているというのに納得。アンドレイは死の床で福音に目覚め、敵を愛す境地に至ってナターシャを赦し愛する。独特にキリスト教にストイックに思えるトルストイの姿が投影されているような気がした。トルストイの考えとアンドレイのそれがどれくらい同じなのか知らないけど。
    一方ソーニャの純愛は報われないどころかニコライに心変わりされて伯爵夫人にもニコライと別れるよう迫られて可哀想。

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    2023年06月04日
  • 戦争と平和 (三)

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    ナターシャみたいな若い派手な人には、一年アンドレイを待つことができなかったんだろう。それは愛じゃないと思うけどな。ソーニャみたいに静かに待てる人がニコライと婚約できてよかった。最初の、アンドレイがナターシャに出会う前と後で古木のナラの木の見え方が変わる場面は授業で昔読んだ気がする。

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    2023年05月05日
  • 戦争と平和 (二)

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    ネタバレ

    ニコライやアンドレイが一旦家に帰って、彼らの家の話が展開されたりするのでまだ話についていけた。最後に、ロシアとフランスが講和していて、アレクサンドルとナポレオンが勲章を交換しあっているの、世界史を知らないからか急展開で、何があった?って驚き。ニコライを一途に愛しているソーニャが良い。

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    2023年04月30日
  • 復活 下

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    ネタバレ

    下巻になってようやく話が分かりました。やはり最後はトルストイ先生の主張の中心となる「愛」でしたね。本当に愛は綺麗事なのかもしれませんが、人生これからなので信じてみるのもいいかもしれませんね。

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    2021年11月22日
  • 戦争と平和 (四)

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    いよいよ、ロシアがナポレオンとの戦争に突入する。

    作者の歴史感を書き留めておきたい。
    ・人間の中には2面の生がある、その利害が抽象的であればあるほど自由が多くなる個人的な生と人間が予め定められた法則を必然的に果たしている不可抗力な群衆的な生である。
    ・人間は意識的には自分のために生きている。しかし、歴史的、全人類な目的の達成のための無意識的な道具の役をしている。
    ・歴史=人類の無意識的、全体的、群衆的な生
    ・歴史上の偉人はその事件を示すレッテルに他ならず、レッテルと同じように事件そのものとは最も関係が小さい。

    歴史とは抽象化された一面的な解釈である。ある概念を宙吊りにして眺めたとしても真理

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (三)

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    ネタバレ

    ピエールがフリーメイソンに入信し、愛や美徳の探求を始めるも、どこか方向違いで自堕落な様子が滑稽に思えた。

    対して、親友のアンドレイが多くの真理的なものを心得ていていながらも、世界に絶望感を抱いている様子が対照的な存在としての二人を如実に感じさせた。

    ナターシャが多くの男性から求愛を受ける魅力的な女性として描かれているが、どのような意味を持つのか、奔放さ、無垢さ、溢れ出る生といった事柄が人間の上級の価値だと作者が言っているのだろうかと考えた。

    それにしても、アナトールの誘惑に負けて破滅してしまう運命はやるせない。

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (二)

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    ネタバレ

    アウステルリッツの戦いで、戦争の描写に移る。

    血気盛んで、祖国のために戦うという盲信さは当時の人々がそうあったのかと想像させられた。

    ベズーホフ伯爵となったピエールを取り巻く、財産目当ての謀略と裏切り、そして地位と財産という当人と分離して見える価値観に翻弄される様に、滑稽さと哀れな感覚を覚えた。

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (一)

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    ロシアの時代背景を知らなかったため、物語初めのアンナのパーティーや上流社会の人々の会話に入っていけないような感覚があった。

    目的のためなら手段を選ばないドルベツコイ公爵婦人の図々しさが印象的である。

    ピエールの正しい人のようで、何も正しくないような立ち位置が興味深い。

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    2020年09月09日
  • 戦争と平和 (三)

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    ネタバレ

    私が読んだのは、新しい「藤沼 貴訳」の方です。
     どうして、みんな、ナターシャが良いのでしょう。どうも、私は、世間知らずなわがまま娘のような気がして、イヤですね。
     マリアやソーニャには、けっこう感情移入して読んでしまいます。マリアは、一生を老いた父と、母のいない甥の世話ために捧げてしまうのでしょうか。ソーニャは、やっぱりニコライとは結婚できないのでしょうか。
     それにしても、アナトールとエレンの兄妹は、本当にイヤなやつです。ピエールとエレンとの結婚生活は、今後、どのようになるのでしょう?
     そして、時代背景的には、ナポレオンのフランス軍とロシア軍との対決が避けられなくなる状況です。4巻は、き

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    2024年01月28日
  • 復活 上

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    ネフリュードフのクズだけどクズになりきれないみたいなところがとても良かった。だからこそカチューシャに対して罪の意識が拭えず、カチューシャのために手を尽くしてやるというおせっかいなところもいい。
    しかし、かつての清純なカチューシャはもういなかったし、自分の期待が大きすぎることに絶望するネフリュードフはまさに人間だなぁという感じがする。

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    2019年06月04日
  • 戦争と平和 (一)

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    ついにトルストイの最高傑作の一つで大作の『戦争と平和』を読み始めてしまった。最初、新潮文庫と岩波文庫のどちらで読むか迷ったが、登場人物の紹介や家系図、小説の途中で入る「コラム」のある岩波文庫の藤沼貴氏の訳の方を読んでみた。
    結論的に言うと藤沼氏の新訳は非常に読みやすい訳で、注釈なども適度に入っており、かなり分かりやすかった。「コラム」が小説の筋を遮ってしまうというようなこともなく、当時のロシアの背景を分かりやすく解説してくれて、ロシア史の専門家以外の人には絶対に役に立つと思う。

    さて、物語の方はというと、最初の100ページくらいは登場人物がやたら多く、話の筋をたどるのが非常にやっかいだった(

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    2019年06月03日