藤沼貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ついにトルストイの最高傑作の一つで大作の『戦争と平和』を読み始めてしまった。最初、新潮文庫と岩波文庫のどちらで読むか迷ったが、登場人物の紹介や家系図、小説の途中で入る「コラム」のある岩波文庫の藤沼貴氏の訳の方を読んでみた。
結論的に言うと藤沼氏の新訳は非常に読みやすい訳で、注釈なども適度に入っており、かなり分かりやすかった。「コラム」が小説の筋を遮ってしまうというようなこともなく、当時のロシアの背景を分かりやすく解説してくれて、ロシア史の専門家以外の人には絶対に役に立つと思う。
さて、物語の方はというと、最初の100ページくらいは登場人物がやたら多く、話の筋をたどるのが非常にやっかいだった( -
Posted by ブクログ
大迫力、3000ページ!いや、たぶんそれ以上。読み切ったというだけで達成感がある。
トルストイは本当に人間を描くのが上手い。内面描写に頼りすぎず、ちょっとした動作や外見を描くことで人物像を立ち上がらせる。「こんな人いるいる!」と思ったことはしばしば。
戦争のエピソードと恋のエピソードがあるが、両方とも読みごたえがある。私は戦争に関する筋のほうをより興味深く読んだ。
後半に行くとトルストイの思想がかなり直接的に描かれるようになり、この辺は好き嫌いが分かれるかもしれない。私はトルストイの主張は好きである。地に足がついた思想であるという印象を受け、きっと現実の荒波で長いこと揉まれてこうなったのだなあ -
Posted by ブクログ
岩波文庫版戦争と平和の最終巻で、1812年のフランス軍のロシアからの壊滅的撤退からナポレオンの没落が書かれていま す。岩波文庫版は年表、コラム、戦闘時の部隊配置などの資料が豊富でした。戦争と平和全巻を振り返って、最初読むのが大変だったけど、アウステルリッツの戦いで物語が一気に加速します。私が好きな登場人物は何度も死線をくぐり抜けてある境地(ネタバレになるので書きません。)に到達するアンドレイ・ボルコンスキーかな。最初嫌いだったけど様々な人に接することで人間的な成長を遂げたピエール・べズーホフ も捨てがたい 。司馬遼太郎 が好きなら確実にお勧めできる本です。 ウクライナ侵攻しているプーチン氏に読
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Posted by ブクログ
この巻で印象的だったのはペーチャとプラトン・カタラーエフの死。あまりに呆気ない終わり方。人は生まれる前は長い月日を母の胎内で過ごし、期待と希望を浴びながら誕生する。物事も最初はドラマチックに始まるのに終わる時はあっけない。人の一生も同様なのかもしれない。
最後は二組の夫婦がそれぞれいい家庭を築きハッピーエンドに終わってはいるが、個人的にはソーニャがとても不憫に感じる。
伯爵夫人あたりが、いい縁組でも探してあげるべきだと思うが…彼等にとってソーニャは使用人程度の存在だったのだろうか。
何はさておき、長い時間かけて読んできたけど、人の心の動きや変化が大変リアルで興味深い、やはり名作だと思った。