藤沼貴のレビュー一覧

  • 復活 下

    Posted by ブクログ

    一般的に復活というと、死からの復活が一番最初に頭に浮かぶと思うが、この小説は精神的復活をトルストイ独特の視点で描いた作品。
    結論に至るまでとても長いストーリーが置かれるけれど、期待されるエンディングではないこと、結論を描きながらも、その先にさらにどうすればいいのかということを提起していることなど、一言で言えば「含蓄に富む」という感じ。
    何となく冬の雪に閉ざされた室内でゆっくり読むのが似合いそうな一冊。
    春になりましたが、お時間ある方はぜひ。

    0
    2019年03月09日
  • 戦争と平和 (一)

    Posted by ブクログ

    3000頁超の大作。50日位掛けて漸く全編読み終えた。(一気読みが勿体無い気がしたので、間に違う本を10冊ほど読みつつ。)
    細かい人物描写(特に小さな動作に潜む無意識的な心理)がいちいちおもしろく、人間観察の鋭さが素晴らしい。それと、巨視的な歴史観が同居してるのが、類い稀な作家である所以か。

    0
    2017年08月19日
  • 戦争と平和 (六)

    Posted by ブクログ

    トルストイ本人曰く、長編小説でも叙事詩でもないらしいが、こんなに長い小説は久しぶりに読んだ。(翔ぶが如く以来かな。)
    登場人物はWikipediaによれば全部で559人とのこと。
    歴史のうねり、という言葉がぴったりくるような、大河小説。
    ロシア人のヨーロッパに対する感情が漸く理解出来るようになった気がする。
    小説の筋と直接は関係ない歴史論とかが異様に長いが、執筆動機を窺い知ることが出来るし、作者本人としてはどうしても端折れなかったんだろう。

    0
    2017年08月19日
  • 戦争と平和 (五)

    Posted by ブクログ

    この巻に限らず、偶然死に目に会う場面が多いなあ、と感じるが、ご都合主義な訳ではなく、地主貴族連中の絶対数がすくなくてかつ熱心に社交してるからなんかいな?
    全体の感想は最終巻で。

    0
    2017年08月15日
  • 戦争と平和 (一)

    Posted by ブクログ

    大迫力、3000ページ!いや、たぶんそれ以上。読み切ったというだけで達成感がある。
    トルストイは本当に人間を描くのが上手い。内面描写に頼りすぎず、ちょっとした動作や外見を描くことで人物像を立ち上がらせる。「こんな人いるいる!」と思ったことはしばしば。
    戦争のエピソードと恋のエピソードがあるが、両方とも読みごたえがある。私は戦争に関する筋のほうをより興味深く読んだ。
    後半に行くとトルストイの思想がかなり直接的に描かれるようになり、この辺は好き嫌いが分かれるかもしれない。私はトルストイの主張は好きである。地に足がついた思想であるという印象を受け、きっと現実の荒波で長いこと揉まれてこうなったのだなあ

    0
    2017年07月29日
  • 戦争と平和 (四)

    Posted by ブクログ

    “大佐はバラショフの任務を国王陛下にうやうやしく伝えたが、バラショフという名が発音できなかった。
    「バル・マシェーヴ卿!」王は(大佐が直面した難関を、持ち前の思い切りのよさで克服して)言った。” (49page)

    括弧のなかのちょいちょいした描写がいちいち楽しい。おもしろい文体ではまるなあ。

    0
    2017年07月28日
  • 戦争と平和 (三)

    Posted by ブクログ

    大戦争の合間での貴族同士の華やかで打算的(一部直情的)な恋愛劇。いかにも共感するところ無さそうな設定なのにぐいぐい読めた。後半戦が楽しみだ。、

    0
    2017年07月27日
  • 戦争と平和 (二)

    Posted by ブクログ

    人間のちょっとした無意識的動作や表情に対するトルストイ先生の描写は繊細かつ新鮮。人間の本質は100年単位ではそうそう変わらないんだな、と思うこと多々。
    偉大な群像劇を通勤途中のチョイ読みで読み続けていくのは勿体無いので残りは夏休み中に纏めて読もうかな。

    0
    2017年07月16日
  • 戦争と平和 (六)

    Posted by ブクログ

    この巻で印象的だったのはペーチャとプラトン・カタラーエフの死。あまりに呆気ない終わり方。人は生まれる前は長い月日を母の胎内で過ごし、期待と希望を浴びながら誕生する。物事も最初はドラマチックに始まるのに終わる時はあっけない。人の一生も同様なのかもしれない。

    最後は二組の夫婦がそれぞれいい家庭を築きハッピーエンドに終わってはいるが、個人的にはソーニャがとても不憫に感じる。
    伯爵夫人あたりが、いい縁組でも探してあげるべきだと思うが…彼等にとってソーニャは使用人程度の存在だったのだろうか。

    何はさておき、長い時間かけて読んできたけど、人の心の動きや変化が大変リアルで興味深い、やはり名作だと思った。

    0
    2017年03月02日
  • 戦争と平和 (五)

    Posted by ブクログ

    戦場前線の記述は理解するのに時間がかかるが、ピエールの目を通した戦場の模様はとても臨場感がある。
    しかし、地獄の沙汰も金次第とはよく言ったもので、戦場で負傷した兵隊はたくさんいる中アンドレイは医者が掛り切りの特別待遇を受ける。捕虜になったピエールもフランス語が話せて育ちの良さが伺えるため他の捕虜と一線を画す待遇を受ける。
    現場にいる人間はお礼を期待したわけでもないだろうし、そんな状況の中では見返りは期待出来ない事もわかっているだろうが、おそらく習慣から旦那方に丁寧に接してしまうのだろう。

    0
    2017年02月26日
  • 戦争と平和 (四)

    Posted by ブクログ

    後半のフランス、ロシアの戦い、一気に読んだ。
    戦争でのみんなの心理はこうかもしれないなって思った。状況はコロコロ変わって、指示も追いつかないし、みんなその場で勝手に決めて…

    それにしても、ピエール危ないし、邪魔だと思うんだけど。

    0
    2016年12月07日
  • 戦争と平和 (三)

    Posted by ブクログ

    ナターシャはトルストイが“全力をこめて創造した魅力的なロシア女性像”らしい。
    だけど、おバカさんにしか見えない。そこが面白いんだろうな。
    いろんな恋愛の形が書かれている。

    レビューは最終巻で。

    0
    2016年11月07日
  • 戦争と平和 (二)

    Posted by ブクログ

    戦争で負傷したアンドレの手紙による家族の動揺が描かれ、

    個々で恋愛感情が動いていく

    壮大なスケールの中の人物描写が言うまでもなくすばらしい

    0
    2009年12月03日
  • 戦争と平和 (一)

    Posted by ブクログ

    フランスのナポレオンによるロシア襲撃をロシア側から描いた言わずと知れたトルストイの代表作

    ロシア上流階級の若者の恋愛、遺産問題などをリアルに描く

    全6巻

    0
    2009年12月03日
  • 戦争と平和 (五)

    Posted by ブクログ

    どんどん内容が難しくなる。

    アンドレイが死んだとあるが、二度あることは三度あるから、まだ生きてそうな気はする。
    なにかの拍子にまた出てくると思う。

    エレンが死んだが、私は次のように思った。
    ざまあみろ。
    エレンのことが嫌いだから、これでよかった。

    そうか、ナポレオン軍は寒さだけでなく、食料不足もあって壊滅に向かってたのか。
    勉強になる。
    食べ物は、大事だ。

    0
    2025年09月19日
  • 戦争と平和 (四)

    Posted by ブクログ

    1〜3巻と比べ、難しいと感じた。
    ロシア帝国の地理に暗いからだろう。
    (簡単な地図が載ってるのだが、それでも理解が追い付かない。)

    世界史の教科書などでは、ナポレオン軍は寒さにやられて敗北と載ってるが、
    この本ではフランス軍の死傷者が多くなり、それによってナポレオン並びにフランス軍の士気が低下し敗北色になったとある。

    それとも、次巻で寒冷による敗北を迎えるのかな?

    0
    2025年09月02日
  • 戦争と平和 (五)

    Posted by ブクログ

    ある者が報われる一方、ある者は辛い立場に立たされることになり、本当に世界とは繋がっているのだなと。
    トルストイがこれまでのどの巻にも増して語っていた。

    0
    2025年06月19日
  • 戦争と平和 (三)

    Posted by ブクログ

    面白かった…!やはり戦争と平和はここまで来ないと良さがわからないかもしれぬ。
    毒親と子の関係、いろんな恋愛などが描かれていて人間ドラマがめちゃくちゃ重厚。
    マリアが可哀想。ソーニャ賢い。ピエール(';ω;`)

    0
    2025年05月12日
  • 戦争と平和 (一)

    Posted by ブクログ

     題名は、よく聞くけれど、どんな話なのか全く知らなかった。ピエールが主人公なんだろうと思いながら、登場人物が多すぎてよく分からず、本の最初にある系図を見ながら読み進めた。

    0
    2024年02月04日
  • 戦争と平和 (四)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ナターシャの件でアナトールを憎んでいたアンドレイが、負傷して脚を切り落とされているアナトールを見て敵への愛を自覚するところがキリスト教っぽいなと思った。敵を含め全てのものへの愛が生への喜び。アンドレイはナターシャに裏切られたり故郷を失ったり散々なのに、生きていたいという生への愛が強いところがすごい。

    0
    2023年05月24日