虎走かけるのレビュー一覧
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「ゼロから始める魔法の書」から続いた当シリーズ、遂に最終巻。
使節団が新世界と呼んだ其処は、其処に住む彼らからは禁足地と呼ばれた地よりも古くから存在し、支配・従属関係も元がどの様にして成立したのかも判らないものとなっていた。
交易をもたらすだけの筈だった新しい風は、古い空気と混ざり合い暴風となり、人権の無い歪んだ社会を薙ぎ払い、新しい秩序を築き始める事に…。
そして、セービル・ホルト・クドー・ロスらに加え各面々も新たな時代へとそれぞれの歩を進める事に…。
只、ゼロと傭兵とのその後の暮らしのヒント等が無かったのが… -
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あれから各々の道に進んだセービル・クドー・ホルト・ロスら、そして3年の歳月が過ぎ去り…。
「太りすぎた三日月」の形状をした大陸、ソレしか存在しない世界…。
船で東へ西へ向かえば大陸の反対岸に着き、南へ向かえばいつの間にか戻って来て、北に向かえば必ず船は沈む…。
何らかの結界に阻まれ「新世界」があると予想されていても辿り着けた者は無く…。
しかし、そこからの漂着者が現れ、現大陸を「禁足地」と呼んでいた…。
使節団をゼロらも加えて組織し、結界の先へと赴いてみれば、常識の全く異なる世界…。
交易を求める筈が、災禍を招くのか -
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災厄の残滓が跋扈する北の大地に聳える禁書館に辿り着いた3人+黎明の魔女ロス。
その道中も魔法兵団からの目は穏やかではなかったが、禁書館に到着後も…。
永年魔術を極めようと研鑽してきた魔女たちにとっては、学校で数年魔法なるものを勉強した程度で飛び級で卒業し、使命を言い渡されてやって来て、館長からは賓客対応、まぁ嫉妬は避けられず…。
そしてロスの200年前に別れた養い子が、愛の悪魔の力をもって…、いやはや何とも…。
初巻から3人+ロスとで行動してきた彼ら、ばらけての行動になるのか、約束の面々が登場するのか…、次巻へ。 -
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魔法使い見習い3人が実習の為に暮らす開拓村、其処へ『災厄の残滓』やら諸々を用いて攻め込み、その戦いを演出して魔女の危険性を世に広めようとする反魔女派の過激派。
実際に送り込まれる兵は、食い詰めた者たちにバケモノの卵を呑み込まされた捨て駒たち。
魔女の残虐性を喧伝する筈が、自らの策の嗜虐性・不道徳を露わにされる事に…。
戦争とは名ばかりの茶番劇、最南部の大聖堂イデアモルの主教はその後どうなるのか…?
そして、これを卒業試験代わりとして無事卒業した3人は、北の「禁書館」へ赴く事となり、ゼロと傭兵とは暫くお別れなのか… -
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大陸南部の反魔女派が趨勢を握る中に出島のように存在する魔法使いの開拓村、そこで特別実習と称して村に役立つ事、ひいては魔法使いへの認識改善を課せられる魔法使い見習いの3人。
その実習の為に各々自らの役割をこなす事になるが、セブの魔力屋だけは向上心が感じられず…。
周囲の大人たちの後押しもあり少しずつ変わってくるが…。
そんな最中、『災厄の残滓』なる凶悪なものを持ち込んだと思しき一派、同時にタイミング悪く襲撃者を従え実地試験に訪れたホルデム。
命の危険に際し蘇ったセブの封じられし記憶…。
ここに来て漸くセブは志を…? -
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前作『ゼロから始める魔法の書』から続編である本書の間に、ウェブ小説が有る事をあとがきで読後に知ってしまったのですが、取り敢えずこのまま読み進めようかと思う。
約3年前の2022年春にアニメ化された際に見た筈だけど、殆ど内容を忘れていて、セービルらがゼロらの棲む村に着いた後の展開には後ろのページが気になってしまいました。
前作からの数年後の世界感。
新装し新たなキャラも増えましたが、出版社が変わっても同じキャラが登場。
魔法使い見習いの3人がどの様に成長するのか、早速アルバスの無茶振りが炸裂しそうですが、果して…? -
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初読だと思い読み始めた本巻、一度読んだ事のある既視感が…。
それはさておき、本編完結後の後日譚とそれ以前の短編集といった趣き。
後日譚では同じ村に住み、永遠に近い若さを失い共に老いる事になったゼロと傭兵。
最後に入門書の執筆を始めた事で「”ゼロから始める魔法の書”」のタイトル回収は様式美ですかね…。
短編集の方は、写本を捜す旅に出る前、その旅の道中でのヒトコマ等の全3編。
どれも甲乙付けがたいですが「ゼロの素肌を包んでいた襤褸布」もとい『忘れられた約束』は、本編1巻終盤のエピソード回収で、私の好みでした。 -
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ゼロによって獣堕ちの心臓を穿たれ、人間とされた傭兵。
大陸中央のウェニアス王国へと待避しようとする人間らに、ゼロの下を離れ同行する事を肉体言語を交えて説得されるも…、ゼロの下に戻る事に固執する傭兵…。
ゼロとしては傭兵を護る為に下した決断…。
傭兵の内から人間界を観察していた「名も無き悪魔の王」の思惑…。
黎明期に教会を創り上げ、そして人間に裏切られた魔女と、泥闇との関係…。
世界は平定されるも、被害の大きかった中央以北と、影響のほぼ無かった南部とでは温度感も桁違いで…。
「名も無き英雄」たちの旅は終わり、暮らしは… -
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ノックス大聖堂に辿り着いた聖騎士の遠征隊と、護衛として同行したゼロと傭兵。
そこで教会の壮大な嘘を知らされ受容れられない面々、教会とは関係なく世界を救うつもりのゼロと傭兵は…。
一方、南のルートラで先に真実を知り、止める為に竜に乗り追い掛けてきた者ら…。
結局、旅のメンバーは再び揃ってしまうが…、魔女、獣堕ちを受容れられない狂信者の思惑で…、
嗚呼…、己の心を護る為ならば正道を曲げるの厭わない愚か者…。
魔女は傭兵との契約を終了し、約束を果たした上で独りジェネロス島の祭壇へと向かう…。
ゼロを娘と呼ぶその者とは… -
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前巻で広げた大風呂敷、今巻で片が付く事も無く、更に拡大して最終章へ…、と言う感じでしょうか…。
世界を滅ぼそうとする泥闇の魔女、ゼロのお師匠様、北の果ての祭壇、教会の始まりの場所、悪魔と魔女の討伐の為に北へ向かう行軍。
それに同行するゼロと傭兵は、遠征隊長と副隊長との確執から本体と分断され、禁書館へ…。
悪魔を滅するのでは無く、従えた上で力とするゼロ。
その頃、ゼロを欠いた本隊は少なくない犠牲を払う事に…。
合流後に改めて北へ進軍を開始する一行。
一方、南へ向かった裁定官とリーリら、ルートラの主教が語る事には…。 -
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上下巻で話がスッキリ一区切りするかと思ってたら、思いの外に風呂敷が広がってしまいました…。
ゼロの書が穴ぐらから持ち出された時、師も含めて同朋は滅されたとされてましたが、十三番もゼロも掌の上で転がされていたんですね…。
魔女の為でも教会の為でも民衆の為でも無い、世界を作り直す為に「世界を滅ぼす」って…、随分とスケールが大きくなって…。
十三番やサナレは逝き真の脅威…。
聖都のリアや黒竜島のゴーダなど、懐かしい面々も…。
神父とリーリは南へ…。
そしてゼロと傭兵は北へ…。
隊長ジェマの父を戦死させたのは「黒の死獣」って… -
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弓月の森からゼロらが強制転移させられた先は、振り出しに戻りウェニアス王国…、しかし其処は国境の外で召喚主である筈の十三番の姿は見当たらず、代わりにナナを名乗る魔法使いが…。
それはさておき、魔法国家の主席魔法使いとして立ち回っている筈のアルバスが、不完全なる数字のサナレに「ソーレナの人形」を介し、操り人形にされていようとは…。
黒竜島の事も、ルートラでの狂人裁定官『背徳』の事も、ウェニアス王国から戦禍の狼煙を滞りなく挙げる為の時間稼ぎだったとは…。
<ゼロの魔術師団>と<不完全なる数字>、更に伏兵は居ないよね? -
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死霊術師サナレの情報を得ようと弓月の森へと向かう道中、船旅を終え陸路を行く為に降り立ったルートラと言う白い港町。
そこには同行した『隠匿』ではなく、真の狂人裁定官『背徳』が、存在しない偽ゼロを炙り出す為に無辜の民らに拷問紛いの事を行っていた…。
それは「不完全なる数字」が教会への民の不信感を煽る策だったが…。
いゃ~、大変下衆な神父が現れ…次巻以降も引っ張るかと思ったら、サナレに籠絡され存外呆気なく退場してしまうとは…。
それに反して鼠の獣堕ちリーリ、この巻だけの賑やかしかと思っていたら…。
で、弓月の森の状況は… -
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今巻、弓月の森での十三番との対峙かと思いきや、向かう船旅の海は大時化で、その上に竜まで登場し遭難、黒竜島に流れ着く事に…。
漂着すれば其処は何故か魔法国家、ある魔術師が魔法の実地観測の為に選んだ閉ざされた土地だった。
傭兵とゼロとが流れ着く前に、裁定官も上陸しており、魔法兵団と竜と姫と思惑が入り乱れ…。
そして此処にも「不完全なる数字」
また、サナレは組織の下っ端かと思っていましたが、意外と…?
姫に憑依して活動出来るとなると、決着の方法は…?
テオのナイフ、傭兵にとって引き摺る事になるのか…。 -
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聖女フェーリアが操り人形である事は前巻(上巻)から明白でしたが、その背後に居たのがまさかの魔法の使えない魔法使い(?)だったとは…。
聖女の犯したのは「無知の罪」と言えなくもないですが、最初に書き起こしたゼロより守護の章の行使だけは才能がありそうなのは、カル含めて今後の伏線となるのか否か…。
また、サナレの口走った「あの方」とは十三番の事なのか?
そして「不完全なる数字」とは?
才能ではなく術式で行ったサナレの強制転移先とはいったい?
次巻「弓月の森」で何が起るのか?
テオのナイフ、本人が残って欲しかったけど… -
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[再読] アニメ視聴後に前巻に引き続き読んだ筈の上下巻の前半、スッカリ内容忘れていました。
ウェニアス王国の平定後の事はアルバスに任せ、国外に流出した魔法の使い手と、写本を捜す旅を始める獣堕ちの傭兵と泥闇の魔女ゼロ。
そんな中、怪我や不治の病を癒やす聖女フェーリアの台頭により、医療崩壊を起こし始めているクレイオン共和国に辿り着く事に…。
守護の章の魔法を用いて奇跡を起こしている様なれど、教会の裁定官は魔女との判定を渋る感…、ただその魔法は治癒を目的としたものではなく…。
聖女に悪意は無さそうだが、周囲はヤバそう… -
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[再読] 2017年アニメ化作品、2014年の出版作品をアニメ視聴後に読了。
この巻でアニメ化範囲を網羅しているけど、その後に11巻まで続いた事で興味はあったが、何となく永らく積読状態だった本作。
獣堕ちの傭兵と泥闇の魔女ゼロとの掛け合いが、互い語調は平坦な中に感情の込められた趣き深い本作。
あとがきで著者が書かれているとおり典型的ファンタジーの皮を被った本巻ですが、それだけに初巻でシッカリ完結している本作がどう続くのか、完結後の続編まで刊行されている中、今更ながら読み始めたいと思う。 -