黒岩重吾のレビュー一覧

  • 法王の牙 病院サスペンス集

    Posted by ブクログ

    ★3.5

    令和の時代に読むと舞台設定も古くナゾな展開も多いのですが、そんな些末なことを吹き飛ばす熱量を感じます。

    「さらば星座」を読み返したいです。

    0
    2024年10月31日
  • 天風の彩王(下)藤原不比等

    Posted by ブクログ

    よくわかった
    史実に、現代の人間模様を合致させ、人間ドラマとしてたのしめる。何より、歴史がよくわかる。

    0
    2024年09月06日
  • 天の川の太陽(下)

    Posted by ブクログ

    兄、中大兄皇子(天智天皇)の皇太弟として次期天皇を期するも、天皇の子の大友皇子が新天皇に指名され、出家して吉野に隠遁する大海人皇子。
    敢えて忍従しつつも東国の反近江朝廷派の力を集積し、機が熟したところで反撃の狼煙を上げる。

    672年に起きた大海人皇子と大友皇子による「壬申の乱」をテーマにした壮大なドラマ。高校生の頃に年号と名前だけを丸暗記しただけのことを50年たった今、あらためて事の真相を知る素晴らしい時間だった。

    数年前、関ケ原と垂井町を歩き回ったときに、なぜここに壬申の乱の史跡があるのかと不思議に思ったがその理由がよく分かった。その時の土地勘があったので内容も楽しく読めた。

    ただ黒岩

    0
    2023年07月11日
  • 天の川の太陽(上)

    Posted by ブクログ

    中臣鎌足とともに大化の改新を実行した中大兄皇子(のちの天智天皇)とその弟の大海人皇子の確執を主題とする古代歴史小説。
    兄弟と額田王や鵜野讃良などの女性たちとの奔放な愛の遍歴や大友皇子、大津皇子らをめぐる皇位継承に対する兄弟のやり取りなどを時間をかけて丁寧に描写。

    上巻は自由奔放な中大兄皇子に対し忠実にサポートをし牙をひそめながら反撃の機会を狙う大海人皇子の苦悶の日々を描く。

    0
    2023年06月12日
  • 背徳のメス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一時、直木賞作品をすべて読もうと思い立ち、かなりの数を集めた。まだコンプリートはできてないが今も古本屋などで持ってないものを見かけるとテンションが上がる。もっともまだ手元にないものは、かなりの古書価がつくものが多く、購入には二の足を踏んでしまうが・・

    さてこの作品、昭和三十年代半ばの受賞作。高度成長期への入り口時代の作品になると思う。全体として重苦しいので好みは分かれる作品かもしれない。

    格差や差別偏見は今からは考えられないレベルであるのが作品を通してよく分かる。ただ底辺に生きる人々も活気だけはあり、逞しく貪欲に生きる人間の力強さを感じる。

    ストーリーは自分を殺そうとした犯人を探すのがメ

    0
    2022年11月05日
  • 天の川の太陽(下)

    Posted by ブクログ

    上巻に引き続き、大海人皇子は石橋を叩いて叩きまくりながら、対中央朝廷の準備をすすめる。そして、待ちに待った兄の天智天皇の死。大海人皇子は味方にした地方豪族たちを率い、三万の軍勢で近江宮を目指す。

    著者は限られた資料や当時の戦場の地形、人々の体力や走力などを分析し、壬申の乱の局地戦を詳細に描き出す。下巻のほとんどがこの戦乱描写なのだが、あまりに詳細すぎて読むのがつらかった。あまり知られていない将軍や舎人に比べて、額田王や大友皇子の登場が少なく、人間ドラマそっちのけの下巻は、小説というより歴史書に近い。

    と、そんな不満は置いといて、本作品を読んでわかった大海人皇子が圧勝した理由は2つ。一つは緊

    0
    2020年10月24日
  • 飛田ホテル

    Posted by ブクログ



    戦後間もない昭和の大阪。
    社会の落伍者が集うアパート「飛田ホテル」
    光の当たらない暗がりで悲しく交わる男女の情と性。
    今日日、男女の愛憎という言葉が最早昼ドラで使われるのか怪しいくらいに、陳腐な響きになってしまったように思うが、時代と共に、貞操観や死生観というのは移ろいでゆくもの。
    平安から江戸期はもちろんのことだが、戦前、戦中、全てが焼け野原になった直後からやや落ち着き始めた時期、貞操観や死生観が現代と異なるのは当然。
    そんな時代を最底辺で生活している、男と女の六編の物語。
    なんだろう、重いはずなんだけど、暗い気持ちにはならないな。人間の根源みたいな原始的な、生きるって要素が滲み出てるの

    0
    2019年12月13日
  • 飛田ホテル

    Posted by ブクログ

    なにかの書評で高評価だったので読んでみた。
    読み始めて、あまりの昭和感と薄暗さに全部読むかどうしようか悩んだのだけど…
    読んでいくうちに、なんかこ~じわじわとおもしろさがにじんできて、最後まで一気に読んでしまった。

    戦後の大阪(関西)を舞台にした男と女の短編物語集
    と、こう書くだけでなんかジメジメする感じだけど…
    このジメジメ感がなんかいい。

    社会の落伍者が集まるアパートで繰り広げられる男女の愛「飛田ホテル」
    神戸の怪しいクラブと息子の死の真相を探る「口なしの女たち」
    コールガールの姉妹を描いた「隠花の露」
    お金と人生と愛を描いた「虹の十字架」
    愛した女の過去を探る「夜を旅した女」
    女の愛

    0
    2019年08月08日
  • 飛田ホテル

    Posted by ブクログ

    人生は平等な訳がない。産まれながらに不幸で死ぬまで不幸の人もいれば、産まれてから死ぬまで幸せな人もいる。小説は不幸であればあるほど面白い。

    0
    2019年03月17日
  • 天の川の太陽(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻では、大友皇子に天皇位を奪われ、出家して吉野に隠遁していた大海人皇子が綿密すぎるほどに計画し、挙兵するまでの様子を描く。宮滝に落ち延びてからも決して態度を変えず大海人に寄り添い続ける勝気な妻、鸕野讃良との絆の深さも印象深い。

    身分に隔たりのある舎人たちと心を通わせるなど、懐の大きな大海人に心を寄せるものは東国にも王族にも朝廷内にも多く、彼らは近江朝廷に愛想を尽かしてしばしば大海人を慕い、挙兵を促す。しかし大海人は舎人たちにさえギリギリまで本心をひた隠しに隠して、水面下で準備を推し進めていく。
    決戦の日に備え、部下たちに土地勘を養わせたり、より強力な武器を製造させたり、まだ皇太弟として権威

    0
    2015年12月01日
  • 天の川の太陽(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    壬申の乱をテーマとした小説で、大海人皇子の視点で描かれる。

    この上巻では、主人公・大海人皇子は、兄である中大兄皇子の政権下で、「武人肌で政治にはあまり興味のない皇太弟」として過ごす。
    中大兄皇子は、ブレーンである鎌足から独立して「大王」ではなく「天皇」という新しい観念の独裁者になることを望み、着々と実行していくが、白村江の惨敗を経て自信を失う。その頃から、老いとともに我が子大友皇子を溺愛するようになる。そして皇太弟である大海人から大友へ天皇位がわたるように巧妙に操作していく。

    天智天皇の心変わりや大海人の野望が育っていく様など、心理描写は巧みで人間を深く描いている。「老い」というものに対す

    0
    2015年12月01日
  • 新装版 古代史への旅

    Posted by ブクログ

    論説というよりエッセイという感じで、古代史の年表や天皇家の系統図のようなものを見ながら読まないと少しわかり辛いかもしれない。ある程度の知識を前提として書かれている気がした。
    でも他の古代史に関する謎解き本に比べると、冷静というか客観的というか、思い込みが強くてこじつけっぽいところがなく、納得しやすかった。
    20年以上前に書かれた本で、その後発掘や研究が進んだために、わかってきたこともあると思うし、最新の論調とは異なるところもあると思うが、それでもとても興味深くて面白かった。古代史って、まだまだ奥が深い。

    0
    2014年07月06日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    蘇我入鹿を主役として、きのとみのクーデターで暗殺されるまでを描いた作品。

    私の中で、蘇我氏のイメージって、まんが日本の歴史で、蝦夷と入鹿が「天皇なんてお飾りさ」ってがははと笑ってる絵が、30年近くたった今でも鮮明に覚えてて。あとは、山岸さんのまんが、日いづる処の天子の、聖徳太子に翻弄される蝦夷像。

    そんな貧弱な蘇我像だったので、とても楽しめました。
    唐の制度の研究、啓蒙が進む中で、蘇我氏としては自身が大王になるか、現在の大君家への中央集権を指をくわえて見てて没落するか、の選択肢だったということにとても納得。

    あとは、鎌足がイヤな奴で、とっても好み(笑)

    推古女帝の恋の話が読みたい。

    0
    2014年02月21日
  • 古代日本への探険

    Posted by ブクログ

    『歴史街道』掲載の論考をまとめたもの。
    「謎の巨大豪族物部氏の正体」「藤ノ木古墳の被葬者は誰か」など。

    0
    2014年01月21日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(下)

    Posted by ブクログ

    ついに山背大兄皇子の一族を滅ぼし、頂点に立とうとする蘇我入鹿。しかし、その陰で自分自身が誅殺される陰謀に気づくことはできませんでした。『日本書紀』の中でも最も劇的なシーンである「大化の改新」がついにやってきます。

    0
    2021年06月22日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(上)

    Posted by ブクログ

    蘇我入鹿は自らが大王になることを求めた。それが作者の描いた入鹿です。そこには彼なりの倭国に対する理想がありました。

    0
    2021年06月22日
  • 古代史を解く九つの謎

    Posted by ブクログ

    古代を舞台にした小説を多数発表した黒岩重吾氏による、日本古代解説本。
    弥生時代ネタが四つ、古墳時代ネタが四つ、大化改新ネタがひとつ。

    0
    2011年11月24日
  • 白鳥の王子 ヤマトタケル 大和の巻

    Posted by ブクログ

    『大和の巻』、『西戦の巻・上下』、『東征の巻・上下』、『終焉の巻』のシリーズ全六巻。
    景行天皇の皇子、ヤマトタケルの生涯を描く。

    0
    2011年11月06日
  • 中大兄皇子伝 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    黒岩さんらしい語り口調の本だった。死後(?)の中大兄の天から見てる視線の一人称語りが、ときにちょっぴしウザかった。黒岩氏もやはり間人と中大兄は怪しい説なのですね。飛鳥時代の一仮説として、まあ面白かったです。

    0
    2011年05月25日
  • 中大兄皇子伝 下

    Posted by ブクログ

    下巻
    人物自体に魅力を感じてないせいか、どうも最後まで馴染めなかった。革新者という人物像は普通もっと魅力を感じるのだが
    通説通り実妹との姦通は問題となるのか。
    人間老いるとやはり目が曇ることのこれも典型か?

    0
    2011年04月02日