黒岩重吾のレビュー一覧

  • 天の川の太陽(上)

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    古代歴史小説の最高傑作のひとつ。小説してだけでなく、歴史を研究している作者ならではの考察も興味深い。

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    2009年10月04日
  • 天風の彩王(上)藤原不比等

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    これは面白かった。
    読みやすく、わかりやすい。
    古代に猛威をふるった藤原不比等が主人公、その父鎌足から始まり、ピンポイントで知りたい事を読む事が出来た。官人達の縮図は出世や派閥、人の裏表など今も昔も変わらない人間の蠢く様であり、存分に楽しめた。
    古代の生命力が旺盛な様も生き生きと描かれ面白かった。史実に人間ドラマが重なって読み応えあり。

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    2024年08月29日
  • 飛田ホテル

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    舞台となってる大阪市内南部エリア、私にとっては、毎日、電車に揺られて通り過ぎている、興味あるエリア。
    善と悪、陽と陰、光と影、色々ですが、大阪人がみんな、一生懸命に生きている姿、人間臭い姿、私は好きです。
    今風に言うと、エモい。昭和レトロ。

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    2023年10月29日
  • 中大兄皇子伝 下

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    (上巻から続く)黒岩はその冒険に成功したといえるだろう。もちろん現代人の黒岩が中大兄皇子の思考や心情を完全に把握することなどできるわけがない。しかしこれは歴史を題材にとった小説なのだ。小説であると思えば、読者は黒岩の創出した新しい中大兄皇子像に共感にせよ反発にせよ、その傑出した生涯に何かを感じられるはずだ。

    黒岩は、中大兄皇子の人物像について、「激情家である反面、冷静さと冷酷さを兼ね合わせに持つ人物で、ぼくは入鹿より凄いと思う」と述べている。本作でもその中大兄皇子観が反映されている。決めたことはそれがどんなに大胆で非難を浴びる行為だとしても断固としてやり抜く執着心。それは晩年に実弟の大海人皇

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    2023年10月02日
  • 天の川の太陽(上)

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    信ぴょう性の高い資料がほとんどない古代史で、日本では空前絶後の天皇家の内戦、壬申の乱を想像で埋めてダイナミックにとりあげた作品。
     天智天皇は兄、天武天皇は大海人、弘文天皇は大友皇子、藤原鎌足は内臣、持統天皇は讚良(さらら)と表記されます。たくさんの登場人物が出てくるのですが、メインキャストはこの4人で、前半では弟の大海人から息子の大友に皇位継承の気分が移りつつある中で、誰が味方か誰が敵か、色分けに収れんされます。女性の地位はかなり低く(天皇になる人もいますが)、政略で親がまぐあわせるケースが続出するのですが、その関係は狭い狭い。例えば、天智天皇は娘4人を天武天皇に嫁がせてますが、天武天皇は弟

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    2021年03月26日
  • 新装版 古代史への旅

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    黒岩氏による日本古代史の考察。
    大変面白かった。黒岩氏の古代史をテーマにした小説は
    だいぶ前に大体読んだが、その根拠になっていたのがこの本の考えだった。
    蘇我馬子の業績や聖徳太子の女好き、持統天皇の子への愛情や大津皇子の魅力などワクワクして読み進んだ。
    あくまで黒岩版古代史で真実かどうかはわからないが時間を忘れさせる一冊だった。

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    2021年03月20日
  • 飛田ホテル

    購入済み

    スルッと読めました。

    久しぶりに小説を読みました。
    大好きな西成の話。
    雑多な街ですが、それぞれの人生のドラマがある。
    かなり昔の物語ですが、スルッと読めて、読了後も不快じゃない一冊でした。

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    2020年07月18日
  • 飛田ホテル

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    はっきり言って誰も救われない。けれど読後に辛さがないのが不思議で、そこがいい。日陰者が集まってより深く影を作っていく。昭和の、まだ戦争の残り香さえあるような、そんな短編集だった。

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    2018年09月05日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(下)

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    『落日の王子 蘇我入鹿 上 (文春文庫)』では蘇我氏がクーデターで物部氏を失脚させて、政治の中枢を握るところまで、『落日の王子 蘇我入鹿 下 (文春文庫)』で、乙巳の変で蘇我入鹿・蝦夷親子が暗殺されて、翌年に大化の改新という政治改革が始る手前で終わっている。

    蘇我氏が台頭して、入鹿・蝦夷親子が暗殺されるまでの過程が描かれている。古代日本史が好きな人に薦めたい本である。ただ、古代日本史の本を読んだことがない人、大学受験の日本史で古代史が苦手な人にとって、人物の略系図はあるが人物の解説がないという点で、難しいと感じる人がいるかもしれない。

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    2015年11月27日
  • 天の川の太陽(下)

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    この小説は天武天皇(大海人皇子)と、天智天皇の皇子(大友皇子)の戦い「壬申の乱」について描かれたものです。
    色々な立場の各登場人物の心の移り変わりの様子が丁寧に書かれており、また、身分(血統)や階級が絶対的だった時代ならではのモノの見方や考え方に触れることによって、古代をいつもとは違う視点で味わうことができました。
    いつもとは違う視点、といえば大海人皇子に仕える舎人たちがかっこよくて、少女マンガのような気分で読めたのも楽しかったです。

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    2016年08月23日
  • 天風の彩王(下)藤原不比等

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    ネタバレ

    不比等は持統女帝の寵愛を受け律令政治家として台頭する。娘・宮子を文武天皇に嫁がせ皇太子を得、もう一人の娘・光明子を皇太子妃とした。天皇家との婚姻により、藤原氏の権威と勢力を拡大させていく不比等の野望。権力の頂点に立った男の真実に迫り、華麗なる生涯の光と影を活写する長編古代史ロマン。

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    2012年03月22日
  • 中大兄皇子伝 上

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    通常の大化の改心と孝徳天皇への譲位まで
    皇子の女関係をめぐる展開になるのか、間人皇女(実妹)、額田までが登場し、大海皇子も随所に登場

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    2011年03月29日
  • 中大兄皇子伝 上

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    後の天智天皇こと、乙巳の変~大化の改新で有名な中大兄皇子を描いた小説です。
    文章は一人称で、葛城皇子=中大兄皇子が独白をするスタイルで語られています。

    なんとなく、一人称形式がとっつきにくかった感はありますが、本書で中大兄皇子に対する印象が少し変わりました。

    王者たる者の深い孤独をのぞき見てしまった。そんな読後感でした。

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    2009年12月20日
  • 闇の左大臣 石上朝臣麻呂

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    700年ごろ。天智天皇,大友皇子,天武天皇,持統天皇,文武天皇,元明天皇に仕えた物部朝臣麻呂の話。
    麻呂は石上物部に生まれ,蘇我・物部戦争では中立の立場を守ったがゆえに生きながら得ることが出来た。
    蘇我氏に敗れた物部氏は政界から遠ざかり,物部の民は奴婢として貴族らに仕えることを余儀なくされ,麻呂も冠位は最下位近くだった。
    武術や情報収集の才に恵まれ,常に先の時代の流れを読むことが出来た麻呂は,天智に才を見出され,大友皇子の武術師範に抜擢されたが,時代の流れは天武側に流れていた。麻呂はそんな流れを掴み,天武の舎人の一人で物部系の朴井連雄君にそれとなく自分を売り込んでおいた。大友皇子の最期を看取り

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    2009年10月07日
  • 白鳥の王子 ヤマトタケル 大和の巻

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    全6巻。

    古代史いろいろ書いてる人。
    やっぱりルーツは知りたくなりますよね。

    まあ。
    古代だから。
    資料もほとんど残ってないだろうし。
    多少はファンタジーな感じにもなりますわ。

    ファンタジーは嫌だけど、
    これは許容範囲。
    ある程度人間、ヤマトタケル。
    この人の著書の中で一番好き。

    この人の他の著書もそうなんだけど、
    少し変な文体。
    小説っぽくないと言うか。
    ぶっきらぼう。
    画面転換に前置きがなかったりする。
    あれってなる。
    でもなんか引き込まれるのよね。
    ちょいちょい。
    自分の蔵書の中で異色な存在感。

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    2009年10月09日
  • 中大兄皇子伝 下

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     上巻で大化の改新が終わってしまうので、少しトーンダウンしてしまうのはまあ、しかたないかな。でも、弟への嫉妬、憎しみというまた新しい見所があります。一人称で書かれているのがその効果を更に増しています。

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    2009年10月26日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(下)

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    これまでの蘇我入鹿の人物像は、自分の野望の為に権力を専横し、
    鎌足と中大兄に滅ぼされたという印象しかなかったが、
    どうしてそうなってしまったかが納得できるような国際状況、
    生い立ち、人間関係などが語られていてとても楽しめた。

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    2009年10月04日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(上)

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    これまでの蘇我入鹿の人物像は、自分の野望の為に権力を専横し、
    鎌足と中大兄に滅ぼされたという印象しかなかったが、
    どうしてそうなってしまったかが納得できるような国際状況、
    生い立ち、人間関係などが語られていてとても楽しめた。

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    2009年10月04日
  • 落日の王子 蘇我入鹿(下)

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    現在の飛鳥には確かに本作のようなお話を妄想させる空気がある、今は放置されてただ静かにあるだけだが、人間の生きた痕跡が。入鹿の生臭さも、皇極の我儘ぶりも、山背の幼さも全部空想の中で動き回ることが許されるような。
    飛鳥に出向かれる前にインプットとして読むのにお薦めです。

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    2025年05月27日
  • 西成山王ホテル

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    時代は1950年代。西成地区に住む人々の粘り気のある生活や仄暗さ、無数の重たい不安がどっぷりと貼り付いてくるような小説だった。

    あの場所に行ったこともなければ昭和30年代に生きたこともないはずなのに、ドヤ街に漂う湿った生ぬるい空気や、ピンク色のネオンの光までもが目の前に広がるように見えてくる。

    「落葉の炎」の間柄不二という女の子の呪われた運命がやるせないほど哀しく、未だに不二を思い出すと胸が痛む。遅効性の毒を持っている作品だった。

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    2025年07月21日