獅子文六のレビュー一覧

  • 金色青春譜 ――獅子文六初期小説集

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    軽妙洒脱。
    当時の世相、流行が織り込まれていて興味深い。

    「楽天公子」これぞラブコメ!
    伯爵役はヒュー・グラントで!

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    2023年01月26日
  • 悦ちゃん

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    ネタバレ

    どういうわけか私、獅子文六って関西の作家だと思っていました。
    だからお母さんがいなくてお父さんとふたり暮らしの小学生の女の子・悦ちゃんって、じゃりン子チエのイメージだったんですよ。

    悦ちゃんは東京生まれの東京育ち。
    中野に住んでいますが、ショッピングに行くのは銀座のデパート。
    あ、これ昭和11年に発表された作品なんです。

    お父さんは歌謡曲の作詞者。
    ただしあんまり売れてはいない。
    なのにそろそろ再婚しよっかなあ、なんて思って、金持ちと結婚した姉を頼る。
    万事に頼りなく、人任せなのである。

    で、大銀行の一門の出で、学があって、美人のお嬢さんに惚れられて、さくさく婚約となる。
    いや、悦ちゃん

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    2022年10月11日
  • 七時間半

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    この時代の交通事情があってこそのドタバタコメディー、とても楽しく読ませていただきむした。
    獅子文六さん、他にも読んでみたいと思います!

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    2022年10月08日
  • 青春怪談

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    「ずっと避けてきてごめんなさい」と、獅子文六先生に謝りたいです。

    獅子文六の作品は長いあいだ絶版となっていましたが、近年再評価の流れで一気にその名を知られるようになりました。ちくま文庫のポップな装丁も手伝ってか特に若い層に評判は広がり、一時期ヴィレヴァンの文庫本コーナーで頻繁に見かけたことを覚えています。

    ミーハーなのに通ぶりたい人間の典型であった若い頃の私は、このポップかつサブカル受けしていたであろう獅子文六作品を、無視できないくせに避けていました。しかも目に飛び込んできたタイトルが「コーヒーと恋愛」。このタイトルだけでウヒーとむず痒かったのです(正直今でもむず痒さはゼロではないです)。

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    2024年02月24日
  • コーヒーと恋愛

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    面白かったんだけど、モヤモヤするー。

    モエ子に感情移入して読むと、まわりの人たちが身勝手で腹立たしいなぁ、って感じるけどモエ子にも「そうじゃない!」って思うところもあって。50年以上の月日が流れて、技術や情報は進化しても人間の感情なんてそうそう進化するものじゃないんだとかんじた。

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    2021年05月18日
  • ロボッチイヌ ──獅子文六短篇集 モダンボーイ篇

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    軽い気持ちで手に取れる作家、獅子文六…。
    彼の本は、三冊目でしたが、大いに笑いました。
    ユーモアの塊。
    まさか、このトンチンカンの中に著者がいるとは。
    結末に近づくにつれて、ドキドキ。
    オチがいつだって惹き込まれて、どんどん読めます。

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    2021年04月21日
  • 七時間半

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    ネタバレ

    ううむ、、、うむ。こりゃビビった。凄いです。こりゃ凄い。面白いです。というか、面白すぎる。いやもう、驚いた。感服です。脱帽です。

    獅子文六、という作家さんは、全然知らない人だったんですよ。いやもう、全然知らない人でした。で、友人から「獅子文六、オモロイでっせ」って紹介してもらいましてね。ふーむ、そんなら読んでみましょうかね?って、あんまり肩ひじ張らずにこう、何気なくこの本を手に取って読んでみましたら。

    いやもう凄い。めちゃくちゃオモロイやんか。驚き桃の木山椒の木、とはこの事です。獅子文六の存在を教えてくれた友人にマジ感謝。いやもう、素晴らしい小説との出会いは、何処に転がってるのか分からねえ

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    2020年12月17日
  • 断髪女中 ──獅子文六短篇集 モダンガール篇

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    とても良かった。
    辛い日々に、背中を押してくれた感謝の一冊。
    獅子文六を初めて読みましたが、この本は女性がテーマになっていて、若い女性は強く、そしてお婆ちゃんは非常に乙女で可愛い。
    女中は志願するものであるのかな?
    今や、妻や娘を女中扱いする馬鹿旦那が山程増加する世の中、まあ読んでくれと言っても読まないか。
    女中とは何者か?
    自分を磨く為のご奉公であり、また他者とのコミュニケーションを楽しむお仕事である。
    この本に出てくる男性は、非常にボケ倒していて、どうもユーモアを漢字にすると幽黙らしいが、黙っていられる訳もなく、笑いっぱなしで、非常にリラックスが出来た読書になった。
    積んであるモダンボーイ

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    2020年07月17日
  • 娘と私

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    GWを利用してやっと読み切れた!

    獅子文六にハマって約2年。ちくま文庫で近年復刊された作品を読み漁り、評伝や企画展などで彼の生涯を知ったうえで、今だ、と思って読み始めた私小説「娘と私」。

    タイトル通り、娘とのエピソードが中心なのかなと思ったら、2番目の妻を迎え3人家族となった文六一家と、戦中〜戦後の自身の苦悩について詳しく記されていた。

    あまりにも正直な感情を書きすぎていて、千鶴子さんに少し同情してしまう箇所もあったけれど、読み終えると、また違った感慨が湧いてくる。

    カラッと明るくモダンな作品で世間を楽しませた流行作家が、私生活でこんなに苦悩し奮闘していたことに驚き。

    牧村さんの解説

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    2020年05月05日
  • やっさもっさ

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    近年再評価される獅子文六。故郷横浜を舞台に戦後の復興期、混血児の孤児院を舞台に繰り広げられるドタバタ劇。

    巻末の筆者自らの解説も含め横浜愛に溢れた作品。関東大震災と529横浜大空襲。東京よりも洒落た町だった時代もあったという横浜だが東京に差をつけられる。

    戦後の占領期。米軍兵士と娼婦。残された混血児たち。大磯に実在したという孤児院エリザベスサンダースホームを舞台にした作品。

    本作をきっかけに横浜駅の駅弁の売り子「シュウマイ娘」が有名に。売上を大きく伸ばし横浜名物なったのがあの崎陽軒だとか。

    本作は昭和27年の新聞小説。孤児院に育った混血児たちはどのような大人になったのだろうか。

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    2020年03月30日
  • 青春怪談

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    60年前の作品なのに、古びていない。
    何よりキャラがすごくたっている。
    意外なのが、男性の書く女性なのにヒロインの千春ちゃんが結構ワガママというかハジケキャラというか、新子ちゃんとの関係といい斬新です。でも、慎一君が逆に落ち着いているので、バランスが取れているのかな?イライラせずに読めました。
    新子ちゃんと船越さんとドロドロ具合といい、頑固なお父さんに天真爛漫なお母さん、こうして書くと女性のキャラが多いですね。みんなすごくリアリティがあり読ませます。
    作中に出て来る小物たちもおしゃれで素敵です。

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    2019年10月28日
  • 胡椒息子

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    「信子」が女版「坊っちゃん」なら、本作は少年期版「坊っちゃん」と言える。婆やとの絆を描く設定が非常に酷似していて、ただ、読むとちゃんと獅子文六らしさ全開の展開。
    漱石好き、中でも坊っちゃん好き、なおかつ獅子文六好き、の私には堪らない作品だった。

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    2019年09月26日
  • 沙羅乙女

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    ネタバレ

    塙と日出子にはもっともっと痛快な仕打ちを期待したんだけど……。ともあれ、きっと野村は帰ってくるし、その頃には町子の喪も明けているはず!

    獅子文六の小説は、夢を見させてはくれない。人生の大どんでん返しなどはまず起こらない。私はハッピーエンドのほうが好きだけど、読んでいる過程がとにかく楽しいから、苦いラストを想定しつつもついつい彼の本を手に取ってしまう。

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    2019年08月04日
  • 自由学校

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    読みながらしみじみ「獅子文六好きだなぁ」って思った。
    なんでもっと有名じゃないんだろう。
    教科書に漱石や太宰を載せるのもいいけど、獅子文六、載せませんか?

    内容について。
    序盤の五百助がぐうたらすぎて、また同性ということもあって、ずっと駒子贔屓で読んだ。だからちょっと結末にんん?って気持ちもなくはないんだけど、会話にも地の文にも楽しませてもらったので大満足。

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    2019年07月09日
  • 娘と私

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    本当に大好きな作品。父と娘の物語ってなんか惹かれるんだよな〜。
    楽しいときもあり、辛いときもあり、でも、ひとつひとつのエピソードがとてもあたたかい。
    一番好きなシーンは、娘が産まれた日。男の人ってこんな感じなんだろうな〜って、微笑ましくて、でも、じんわり涙が出てくるような。ラストもとてもよい。
    そしてこの作品は「悦ちゃん」とセットで読むべし!

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    2019年06月12日
  • 七時間半

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    これは好きだー。たしかこれも山内マリコの本で紹介されていて、初の獅子文六チャレンジだったと思う。この本を皮切りにどハマり…笑
    女の子たちの葛藤、一度決心したつもりで何度でも迷う様子など、きめ細やかに描かれている…

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    2019年05月13日
  • 箱根山

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    昭和がレトロになって久しい。
    そんな話題にうってつけのエンターテインメントだ。
    昭和を知っている人も知らない人もすごく楽しめる小説、わたしの今年一番のお薦め。

    あの頃は、とにかく希望がいっぱいあった。
    (今の北京みたいに、いや、昔のロンドンみたいに)東京が煤煙で汚れていても、明るかった、活気があった。

    そんな東京の避暑地、温泉地箱根に勃発した観光道路開発戦争。
    それに加えて地元旅館の争い、お家騒動。
    「箱根の山は天下の嶮じゃなくて、ケンカのケンだぜ」登場人物の独白。
    自然のきれいな空気も硫黄でなくても濁りそうで、息苦しいような。

    だけども他人の喧嘩はやじ馬にとって実に面白い。

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    2019年03月09日
  • 七時間半

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    実に面白かった!
    1960年の昭和文学であるが、登場人物のユニークさ、キャラの濃さ、彼らに起こるどたばた騒ぎと恋愛悲喜劇、登場人物の思い、悩みは現代においても輝きを失うものではない。緻密な描写で、トコトコ走る特急列車の車内、仕事、人々の活動の様子がありありと伝わってくる、実に読んでいて楽しい小説でした。

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    2018年09月06日
  • 断髪女中 ──獅子文六短篇集 モダンガール篇

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    どの作品も明治から戦後昭和くらいの雰囲気を感じるのに、内容はとっても新しい印象を受ける。不思議な面白さでした。編者があとがきで「未来の古典」と表現していた点、まさに!と唸ってしまった。

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    2018年07月08日
  • ロボッチイヌ ──獅子文六短篇集 モダンボーイ篇

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    「ロボッチイヌ」というタイトルを誤解して購入。
    とんだ勘違いでしたが、うれしい誤算となりました。
    獅子文六の作品、他にもちくま文庫でたくさん出ているようなので、揃えたいと思います。

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    2018年05月26日