獅子文六のレビュー一覧

  • てんやわんや

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    もとは毎日新聞に1948年1月21日から49年4月14日にかけて連載。単行本は49年7月刊。50年には映画化。
    当時の「時代の風」が感じられるエンタメ小説。まだテレビなどなかった時代、次はどう展開するか、新聞が届くのが待ち遠しかったに違いない。
    物語は1945年12月に湘南に始まり、1年後の12月21日、四国の伊予で終わる。まさかの終りが昭和南海地震。
    登場人物は、犬丸順吉、花輪兵子、鬼塚玄三、玉松勘左衛門、田鍋民兵、越智善助、平城アヤメ……人名にも作品の雰囲気が出ている。全体に、暗さはなく、どこか明るい。伊予の田舎の自然や風習の描写がみごと。でも、主人公がopportunist過ぎるかな。
    (p.s. 往年の漫才コンビ、獅子てんや・瀬戸わんやを思い出した。そういえば、彼らの名前は、大当たりしたこの作品にあやかっていた(無断借用)。「獅子てんや」って、そのままやん。)

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    2026年05月29日
  • 青春怪談

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    獅子文六が大好きだ。チャーミングな嫌味とでもいおうか、描写が丁寧で場面が目に浮かぶが、くどくなく、
    匙加減が抜群。

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    2025年09月08日
  • 父の乳

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    近年再評価される昭和の大衆作家獅子文六。
    「娘と私」に続く自伝的小説。フランス時代に結婚したフランス人妻との長女に関する作品から今回は長男そして自身の父に関する回想。
    10歳で50歳の父を亡くし、60歳で息子が生まれる。父になった頃こそ分かる、昔の父の気持ちや態度。子供の成人する頃には自分はこの世にいないだろうとの不安から心配。
    子供の頃の瑞々しい思い出が後半一転して息子の言動に一喜一憂する展開。
    「息子におくる」という献辞と実際の息子さんのあとがきが、実に良い読後感。

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    2025年08月30日
  • コーヒーと恋愛

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    内容、表現方法などが昔のもので最後まで読み進められるか不安な部分もあったがコーヒーを中心に回る世界が楽しくてさくさく読み進めることが出来た。

    時代に関係なくドタバタな恋愛を過ごしている人はいて、さらに若くはない年齢のふたりがメインだが青春の真ん中にいるような感覚になり、安定だけではないこのような人生も悪くないなと思った。

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    2025年06月24日
  • 娘と私

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    650ページ、一気に読ませる。
    獅子文六のいわば私小説。もとは「主婦の友」に、1953年1月号から56年5月号まで連載。61年にはNHK朝の連続ドラマの第一作になった。
    獅子文六、留学先のパリでマリー・ショウミイと恋に落ち、妊娠した彼女を伴い帰国。生まれた女児は巴絵と名づけられた。しかし巴絵が7歳の時に、マリーが病死。文六は男手ひとつで巴絵を育てなければならなくなる。小説は、1925年の巴絵の誕生に始まり、51年の巴絵の結婚で終わる。戦前・戦中・戦後という時代の移り変わりもそこに描かれている。
    読みどころは父子家庭の大変さ。とくに印象的だったのは、麻里が小学校の寄宿舎で重い肺炎になってしまう場面。でもやがて、救世主が現れる。文六は静子という女性と再婚し、静子は麻里を育て上げる。文六は仕事をしながら、ふたりをただ傍観するのみ。後半の主題は「娘と静子」。
    小説中の人名や学校名は実名ではない。たとえば、ミッションスクールの白百合は白薔薇、マリーはエレーヌになっている。巴絵も、母親マリーの名をとって麻里。後妻の静子は千鶴子として登場する。残念なことに、静子は巴絵の結婚の前年に亡くなった。本書は「亡き静子に」捧げられている。
    (タイトルは、有名なミュージカル『王様と私』のもじりなのかも。ミュージカルの初演は1951年。連載の直前だし、文六は演劇人でもあったので。)

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    2025年06月22日
  • 七時間半

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    1960年1月~9月、「週刊新潮」に連載され、10月に単行本化。翌年4月には、「特急にっぽん」として映画化された。このテンポの速さは、小説中のテンポそのままだ。
    東京‐大阪間を特急で7時間半。その車中で展開されるドタバタ劇&ラブコメディ。さほどの緊張があるわけでもなく、安心して楽しみながら読み進められる。とはいえ、いま読む理由は、昭和30年代初頭の雰囲気を味わいたいからだが。
    導入部がいかにも獅子文六らしい。午前8時45分、空は晴れている。高輪の泉岳寺に近い電車道(都電が走っていたのだ)を、妙齢の女性7人の集団が大阪弁でしゃべくりながら、職場に向かう。「全国食堂品川営業所」の看板を通り過ぎた瞬間、彼女たちの大阪弁は標準語に切り替わる。映像的・音響的な描写がすでに映画的だ。
    小説のなかの特急列車名は「ちどり」(「つばめ」がモデル)。電車ではなく、まだ電気機関車の時代だった。メインの舞台は食堂車。この走るレストランもいつのまにか姿を消してしまった。

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    2025年06月20日
  • コーヒーと恋愛

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    読売新聞の連載時(1962-63 年)のタイトルは『可否道』。ところが文庫版から『コーヒーと恋愛』という凡庸なタイトルに変更された。映画化もされたが、こちらのタイトルは『「可否道」よりなんじゃもんじゃ』。なにがなんだかわかんない。
    主人公は坂井モエ子、43歳。新劇の役者とテレビタレント、二足のわらじをはいている。恋愛も二股。こっちにするかあっちにするか、『可否道』は絶妙なネイミングだと思うのだが。
    構成がしっかりしている。モエ子をとりまくコーヒー愛好家(日本可否会)の4人の男たちも個性的でおもしろい。その描き分け、役割分担もよくできている。会話も自然で巧み、しかもしゃれている。さすが劇作家、獅子文六(岩田豊雄)!
    連載終了後すぐに映画化されたところを見ると、獅子の頭にはすでにキャスティングがあって、それを念頭に筆を進めたのかも。ちなみにモエ子は森光子、その若い夫は川津祐介、彼を横取りする新人女優アンナは加賀まり子、日本可否会の4人は加東大介、村松達雄、宇佐美淳也、柳家小さん。アンナの伯母に清川虹子、モエ子とアンナのマネージャーに長門裕之。みな適役だ。

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    2025年05月04日
  • 娘と私

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    フランス人の妻に先立たれ、六歳の娘と二人きりで残された著者が、大人になった娘を羽田からフランスへと飛び立つのを見送るまで。
    自伝的小説である。
    固有名詞などは変えてあるが、そこに描かれた心情は紛れもない真実であろう。
    主婦に先立たれ、仕事も駆け出しで収入も乏しく、育児と不慣れな家事、しかも子供は病気ばかりする。
    ーー仕事に没入できず、神経衰弱になりかかった。父親は事業を愛すると共に、子供を愛したい。どっちが大切というのではない。別のところから出る愛であるーー
    今、片親で子供を育てている人にとっての厳しい現実と変わらないだろう。
    著者は、極論で「娘のため」に再婚を決意する。

    家事の負担は減ったけれど、継母と娘と私の、新たなる日々が始まった。
    戦争があり、疎開があり、都落ちと、戦争小説を書いたことにより戦後の処分に気を揉むなど、自分には絶えず不幸が襲いかかるような気がしている。
    気がつけば、妻との関係性も変わってきていた。

    つくづく、暮らしという毎日の積み重ねによって、人は、家族の関係は、変わっていくものなのだと思う。
    娘の結婚式にすでに妻はいない。娘を育て上げた一番の功労者は、ウェディングドレスを見ずに一生を終わってしまった。
    失って初めて気づくものもある。
    愛情と感謝とともに心の中で、娘の結婚式に妻も列席させた。
    その後、著者はあっさりと三度目の結婚をするのだが、この本は、「私の娘を育てるために、一生を送ってしまった」二度目の妻に献げている。

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    2025年02月28日
  • 悦ちゃん

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    昭和初期の本。中古で買い、古さも手伝って面白くなさそうでしたが、内容は良かったです(ギャップもあるかも)。貧乏生活を乗り越える話というか、とにかく記憶に残る1冊でしたね◎

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    2025年02月18日
  • コーヒーと恋愛

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    1962年(昭和32年)の読売新聞で連載された、ドタバタ恋愛喜劇。
    内容が「主婦向けのお茶の間ライトノベル」という感じで、すっごくおもしろかった!

    筆者の獅子文六は、もともと新劇の作家だったが、昭和10年頃から映画とかドラマの原作小説家として人気を得た。でも内容があまりにも大衆的すぎるから、文学界隈では長らく評価されなかった感じがある。ようやく2010年代に入り、筑摩文庫が復刊キャンペーンで続々と刊行して、リバイバルヒットした。

    筑摩の帯文がいちいち素晴らしいのだ。
    この『コーヒーと恋愛』の帯文は、「こんなに面白い小説が何十年間も読めなかったなんて信じられない」だ。読後、この帯文に完全に同意した。理屈抜きで面白いのだ。

    中年のおばさん女優「モエ子」が巻き込まれる恋愛のいざこざがゲラゲラ笑えるし、コーヒーのうんちく話を冷笑する筆致にニヤニヤさせられた。そしてベンちゃんやアンナ、菅さんもキャラが立っていて魅力的だった。

    「もっとも、この間死んだ永井荷風なぞは、コーヒーに山盛り5ハイぐらいの砂糖を入れたというから、コーヒー・インテリとしては、下の部であろう。」

    なんてクスッとさせる地の文が、物語に知的な軽妙さを添えていて、笑える。

    そして怒涛の展開からどんな結末になるのかとハラハラして読み進めると、、、宇治十帖かよ!とツッコミたくなるほど見事な終劇。この展開は、でもむしろ必然かもしれない!と舌を巻いた。

    次は『悦ちゃん』か知ら。それとも『胡椒息子』か知ら。また楽しみな作家を発見してしまった。

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    2025年01月03日
  • 自由学校

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    昔の言葉遣いが、何とも風情があり、言い得て妙で、感心しきり。

    なるほどこんな表現があるのか!目の前に情景が浮かぶなぁ!といった感じ。


    話の展開ももちろん面白い。
    とんでもハップン=とんでもない
    ネバーすき=大っ嫌い
    なんともまぁ。

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    2024年10月03日
  • 悦ちゃん

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    昔の話し言葉と、悦ちゃんの真っ直ぐさ、人情味溢れる登場人物達。
    時代のパワーなのか、活力が湧いてくる本。
    なんとも形容し難い、今の時代にはない実直さ。
    大好きな本になりました。

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    2024年08月28日
  • 娘と私

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    『砂糖の用い方』に大変感銘を受け、次に読んだ獅子文六。好きだなぁとしみじみ思う。

    なんだろう。ユーモアがあり、例えが上手で、戦前戦後の日本を見てないにも関わらず目の前に広がるよう。ちょっとひねくれてて、喜怒哀楽が豊富で人間味のある文章。

    長いけど、夢中で読めてしまう。

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    2024年08月22日
  • 悦ちゃん

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    三年前に妻を亡くした“碌さん”の元に、再婚話が持ち上がった。
    碌さんの姉が勧めるお見合いのお相手日下部カオルさんは、お金持ちで頭が良くて美人だけれど意地悪そうで、10歳になる碌さんの娘“悦ちゃん”を可愛がってくれそうにない様子。
    ちょっぴり口の悪いおませなお転婆娘悦ちゃんは、デパートの水着売り場の優しいお姉さん鏡子さんを大好きになってしまい、彼女を碌さんのお嫁さん、すなわち悦ちゃんのママになってもらおうと大奮闘します。

    この作品は昭和11年に報知新聞に連載された新聞小説で、耳慣れない言葉や仮名遣いもあるけれどさほど古臭さを感じさせず、当時の雰囲気が魅力的に伝わってきて、とても楽しく読むことができました。

    生き生き、はつらつとした文章で、作者のユーモアが冴え渡っていて、次々と先へ進みたくなります。
    吞気な碌さんにやきもきさせられる反面、悦ちゃんの切なる願いがいじらしくてとても可愛い。子どもの手紙って、どうしてこんなに感動するのでしょう。

    最後まで楽しく読めるはず、だったのに、フィナーレでうるっとさせてくれるなんて…。
    この物語は、温かくて、忘れられない一冊になりそうです。

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    2024年06月21日
  • 沙羅乙女

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    「こんな面白い小説がまだあるのか!かわいらしい恋物語はいつのまにか二転三転するドタバタ劇へ」

    SNSでひょんなことで出会った本。
    表紙のなんとも言えない雰囲気と帯のメッセージで手に取った本でしたが、個人的にはかなり好みでした。

    最近朝ドラにはまっているわたしですが、なんだかワンクール分の朝ドラを見終わったかのような明るい気持ちになりました。

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    2024年04月08日
  • てんやわんや

    購入済み

    恐怖からの自由

    戦前と戦後社会の連続性について、この作品は描いている。この指摘や示唆は丸谷才一「笹まくら」が最も成功していると感じているけれど、「てんやわんや」で書き込まれているのは庶民感覚により近く、山口瞳が「卑怯者の弁」で絶唱に近い声で、戦争も殺し合いも絶対に拒否したいといったものと近似値である。いろんな自由が戦後憲法に書き込まれているが、恐怖からの自由がないのだという指摘は切実である。主人公は立派な人間ではなく、うまく立ち回ることを常に考えている小市民であるのでユーモアとシニカルが入り混じり、日本社会のシステムに翻弄される。巻き込まれタイプの典型であるので、志も決意も常にグラグラと揺れてしまう。あとがきに獅子文六氏が言われたという「君はエログロを書かないから良いね」が紹介されているように、庶民が保持していた倫理や道徳が潔癖ではない程度に保たれていることも、作家の現代性を示していると感心させられた。こういう物語がしっかり生き残っていて今も読める状況にあるのは、新聞小説としての連載だったらしいが、当時の読者の見識や感覚に寄り添っていた証拠であるので、読み継がれてほしい作品のひとつである。それにしても、戦争、災害、暗殺、犯罪などの恐怖から自由になれる時代という壮大で素朴な理想を、ジョンレノンよりずっと前の日本作家が書いていたことに驚きました。借り物ではない、手づくりの思想は好ましいと拍手喝采。

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    2024年01月20日
  • コーヒーと恋愛

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    ネタバレ

    1963年に刊行されたこの本、自分が生まれる半世紀も前の話なのになぜか共感できるし、登場人物がいい人すぎる。温かい心で本を閉じた。獅子文六、ちゃっかり登場するのかわいくて好き。

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    2023年12月27日
  • コーヒーと恋愛

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    1963年に刊行された昭和の小説です。
    主人公は、テレビタレントのモエ子さん。
    ドラマの母親役やオバサン役で人気の女優です。
    八つ年下の夫、ベンちゃんは、劇団の舞台装置家。
    劇団の若い研究生アンナとベンちゃんの仲を疑って、モエ子さんはヤキモキしています。
    モエ子さんはコーヒーを淹れる名手でもあり、コーヒーの同好会「可否会」の会員です。
    「可否会」の会員は、モエ子さんの他に、真のコーヒー通の会長、洋画家、大学教授、落語家がいて、全部で5名。
    この登場人物たちの滑稽なやりとりや、コーヒーについての多彩な会話やうん蓄が面白くて、楽しく読めました。
    とにかくコーヒーの話がたくさん出てくるので、カフェで読むとより気持ちが入りそうです。
    2回目を読む時は、カフェで読みたいと思いました。

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    2023年07月02日
  • バナナ

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    ネタバレ

    お気に入りの散歩ルートにある移情閣。傍らの石碑に本作の一節が彫り込まれており興味を持った。バナナの輸入とシャンソンと美食。移情閣を建てた実在の人物・呉錦堂と同じ姓を持つ台湾華僑の一家。お金持ちで家族仲は良好だが、それぞれちょっとした秘密を抱え、それが妙な具合に絡み合う。天童さん。息子・龍馬のために行動しつつも美食家としての矜持は外さない。余韻が残り、とてもよかった。レトロでポップな物語。

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    2023年06月17日
  • 青春怪談

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    同棲愛にロマンスの無い恋愛が昨今の若い人たちの恋愛を表現しているように見える。
    今読んでも色褪せない、今だから読むと納得する本。
    セックスと恋愛がセットになっていた時代はもう終わりを迎えている現代をそのまま描いたような内容でもあり、こざっぱりしていて好き。
    何冊か獅子文六は読んできましたが、これはちょっと毛色が違う感じでこんな大切な事も書いていたのかと発見できた一冊。

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    2023年03月05日