矢樹純のレビュー一覧

  • 血腐れ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    この本で「イヤミス」という言葉を初めて知りました。笑
    どの話もジメジメとした湿気のような嫌な雰囲気を感じました。
    特に『影祓え』の登場人物が怖いし悪いしで胸くそ悪くなりました。
    『声失せ』は最後腑に落ちました。
    『爪穢し』の結末が後味悪くておすすめです。

    0
    2025年07月24日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あっという間に読めた短編集。
    家族の話。
    家族って、生々しいし互いへの思い込みも多いし、重たいわりに逃げられない。

    いろんな短編があって、思い込みだけのミステリーかなと思ったら、わりとちゃんと事件が起こる話もあり。
    個人的に、好きなのが「戻り梅雨」、面白いのが「無垢なる手」、ぞわっと顔が歪んだのが「裂けた繭」

    0
    2025年07月18日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    どんでん返し系短編五篇。夫が元妻とよりを戻して自分を殺そうとしていると思う『妻は忘れない』、急に接近してきたママ友と夫の仲を疑う『無垢なる手)、死体処理をする引きこもり男が母親の死体を見つける『裂けた繭』、長年帰っていなかった田舎で姉の本性を知る『百舌鳥の家』、息子がストーカー殺人を犯してしまった『戻り梅雨』。

    『戻り梅雨』は、結果、息子は殺人を犯していないのだけれど、母親が夫のDVで離婚をしていて、それが影響して息子に暴力的な面があるのではと思わせるところなど、うまいなーと思った。保育園の給食室での仕事の様子とか、地味だけどリアリティがあって読ませるし、そこにもちゃんと伏線を仕込んでいる。

    0
    2025年07月16日
  • 新しい法律ができた

    Posted by ブクログ

    25人の作家による、
    『新しい法律ができた』
    から始まるショートショート集。
    多崎礼さん、東川篤哉さん、霜月流さん、五十嵐律人さんの作品が良いと思った。
    くどうれいんさん、赤川次郎さんも短いなかでしっかりまとまっていて、流石プロ作家さん。
    残りのうちの半分くらいは、まあ、言いたいことは分かるんだが、消化不良のまま本になっちゃったかな、という感想です。玉石混淆ですね。

    0
    2025年07月06日
  • 新しい法律ができた

    Posted by ブクログ

    「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
    25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。

     「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
    例えば、
    ・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
    ・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
    (わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
    ・くどうれいんさん「ショートケーキの夜」では、「フードロスと人口減少を同時に解決する」ために「ショートケーキはふたりで食べなければならない法律」ができました。
     それぞれ興味深いです。

     では、「新しい法律ができた。」から「どうなのか」というと、
    ・「だから、もう〇〇ができない。」というもの、
    ・「そのせいで、社会が〇〇になった。」というもの、
    ・「新しく〇〇をしなくちゃいけない。」というものに、分かれているような気がします。

     そして、登場人物たちは、「新しい法律」がどこかで、知らないうちに「できて」、しぶしぶそれに従わざるを得ないという感覚で生活が変えられていっている作品が多いように見えます。表現の効果上、まあそうなりますよね。

     (さてここからは私見です。)
     世の中にはいろいろと従わなくてはいけないルールが存在しますが、「法律」とは国会で制定されるルールです。おおまかに言うと、国会は国会議員が審議する場です。国会議員は公職選挙によって選ばれます。選挙で投票できるのは18歳以上の国民です。
     つまり、我々が選んだ国会議員が「法律」を国会で作るのだから、本来「新しい法律ができた」といった時事的、他人事的な表現ではなく、(意識としては)「新しい法律を(我々が国会議員をして)作らせた。」「新しい法律を作った。」と当事者意識で言うのが理想と言えるのかもしれません。
     小説集の話に政治の話を持ち込むのは文字通りご法度なのかもしれませんが、「できた」という表現に自分の生活とは縁が薄いという意識が隠れていないか気になるところです。面倒くさいヤツですみません。
     この小説集に書かれているような理不尽な「新しい法律」が制定されて社会がディストピアと化さないように、しっかり政治を監視しなくちゃな、と思ったしだいです。放言をお許しください。

     それはさておき、いろいろな視点で語られるお話はそれぞれ読み物として面白いですので、オススメいたします♡
     
    著者一覧(掲載順)
    金子玲介
    日野瑛太郎
    朱野帰子
    阿部智里
    真下みこと
    須藤古都離
    嶋戸悠祐
    多崎 礼
    風森章羽
    名倉編
    真梨幸子
    東川篤哉
    霜月流
    矢樹純
    高田崇史
    潮谷 験
    献鹿狸太朗
    高田大介
    大沼紀子
    矢部嵩
    柾木政宗
    くどうれいん
    白井智之
    赤川次郎
    五十嵐律人

    0
    2025年06月28日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夫婦や親子、姉妹など家族関係からなるミステリ短編集、どれも面白かった!
    どの話も心理描写とか、(主人公の視点での)人に対する見方とか、すごく分かる感じ。

    0
    2025年06月24日
  • 夫の骨

    Posted by ブクログ

    直近でこの作者のホラーを読んで興味を持ったのだが、この短編はヒトコワ集でホラー要素は少なめの為、若干見当が外れてしまった。

    それでも冒頭の表題作品からして、なかなかの破壊力。

    いつもいつでも最恐最悪なのは人さまを慮れない人間なのだ。

    私ら爺さん達が夢に見た21世紀も四半世紀が過ぎた今日でも世界の至る所でジェノサイドが厚顔にも横行している。

    0
    2025年06月08日
  • 撮ってはいけない家

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    映像制作会社で働く主人公がとある家でホラーモキュメンタリ―を撮影中事件に巻き込まれる。


    話は概ねホラーとして進んでいくが、阿南というキャラクターが不快で集中できなかった。好奇心旺盛でオカルトに詳しいというキャラクターなのだろうが、探偵でも警察でもないのに、人んちのアレコレを触ったり失礼な言動をしたり。社会人として無能に感じてしまい残念に思った。

    0
    2025年05月11日
  • 血腐れ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    [こんな人におすすめ]
    *じわじわ怖くなるタイプの話が好きな人
     水が浸透するようにスロースピードで怖さがやってきます。夜道を歩けなくなったり眠れなくなったりする怖さというより、読み始めはなんとなく気味が悪く、いつのまにか恐怖が加速していて、気づいてしまった瞬間に急激に体温が下がるタイプの本です。
    ※ホラー小説があまり得意でない人間の感想です。

    [こんな人は次の機会に]
    *人に話すことで怖かった経験を消化するタイプの人
     あらすじを説明しても相手にはいまいち伝わらないタイプの本です。小説ゆえの面白さというか、一対一で向かい合って読むことで言語化できない怖さが遠くからやってくるので、ホラーミステリー系の小説が苦手な人はご注意ください。

    0
    2025年05月10日
  • 撮ってはいけない家

    Posted by ブクログ

    先が気になる ところどころにホラーな小ネタを盛り込みながらリアリティのある作品で、先の展開が気になってスイスイ読めてしまう。

    0
    2026年01月12日
  • 夫の骨

    Posted by ブクログ

    9つの短編ミステリーを収録。9つの家族の話。帯に『全作どんでんがえし』とあるが、短編でもあり、あっと驚くということはなかった。ドロドロした話が多く、読後感は良くないが、イヤミス的には成功なのか。読みやすかった。

    0
    2025年04月23日
  • 血腐れ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【収録作品】魂疫(タマヤミ)/血腐れ/骨煤(ホネズス)/爪穢し/声失せ/影祓え

    超常現象や霊的な存在はあるが、構成としてはミステリで、腑に落ちる結末になっている。

    0
    2025年04月04日
  • 血腐れ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     石に相手の血を捧げると縁切りが叶うという神社。姉は弟の行動にある疑惑を抱くーという表題作他、家族や家庭に潜む不穏さと闇(時に疎ましさ)を描き出したホラー・ミステリ全6編。

    ・一周忌を終えた夫が「枕元に立って何か訴えて唇に触れてくる」と語る義妹。だがこの義妹は色々難ありの人物の上、軽い認知障害に罹っていた(魂疫【たまえやみ】)。ラスト、本当に《鬼》から逃れられていたのか―。
    ・弟家族とキャンプに来た幸菜。弟はその朝早くに近くの縁切り神社へ行ったようだった。仕事で来れないという義妹に連絡が付かないことから、彼女の中に恐ろしい疑念が膨らむ(血腐れ)。弟夫婦の未来は何れにしても……。
    ・老いた父親を介護する弟と口だけは出す兄。弟は亡母から「地獄に落ちた者は遺骨が黒くなる」と聞かされてきた(骨煤【ほねすす】)。地獄は其処にあったということか。老親の介護をどうするかという問題は収録作の中で最も切実なリアリティがあるかもしれない。
    ・ある事件からアイドルを引退して引きこもりになった妹。彼女に頼まれネットで購入したネイルチップは注文したものと全く違う不気味なもので、返品しようにも出品者と連絡がつかず、捨ててもなぜか戻ってくるのだった(爪穢し)。仕事上のトラブルは解決しても……最も救いのない結末。
    ・オカルト系編集者の和久と社長でもある叔父は、祖父が住職を務める福島の寺に向かっていた。撞くと人が消える《神隠しの鐘》の取材だったが……(声失【こわう】せ)。神隠しの謂れの理由を合理的に解明しているのは面白い。各地の禁忌や伝承にも多分にこういう理由があったのかも。
    ・幼い息子の検査入院の付き添いで泊まった夜、真希はベッド脇に不気味な黒い影を見る。不安と疲労に苛まれる中、同じく息子が入院しているという中年女性里佳に声をかけられる(影祓え)。人怖と呪い、我が子に死の手が及ぶ恐怖―それらが入り混じる最もホラー度の高い一編。

     6編とも家族や近親者との関係が舞台となり、不意に訪れた死や災難が日常に作った裂け目。家族や血縁があるからこそ容易に断ち切れない関係が時に疎ましさや歪みを産む。『血腐れ』は収録作のタイトルだが、作中の人物の言葉にある「腐れ縁」のように血の繋がりによる腐れ―倦んだ関係というのは全作に共通しているようにも思えた。家族とは基本的に大切なものではあるけれど、近しいが故の煩わしさというのもまた、誰しも多少は身に覚えがあるものではないか。
     またどれも一人称で書かれているが、それを活かした「信頼できない語り手」の構成を取っているものもあって面白い。

     帯で謳っているほどの"イヤミス"とは感じないまでも、ホラー的な恐怖よりも「うわ、なんだかなぁ……」という"厭さ"が際立つ短編集、だった。

    0
    2025年03月25日
  • マザー・マーダー

    Posted by ブクログ

    母性の毒が次々と引き起こす戦慄の事件とは?すべての作品に幾重にも仕掛けられたどんでん返しに驚き、歪んだ母性の毒に慄然とする連作短編集。
    不気味な母子家庭に巡り合わざるえなかった人々の恐怖。現実にも起こりそうな出来事だから余計に気味が悪い。

    0
    2025年03月21日
  • 夫の骨

    Posted by ブクログ

    家族の軋みをテーマにした短編集。
    現実にあり得そうな内容がよりイヤ〜な気分にさせてくれる。
    表題作「夫の骨」をはじめ「柔らかな背」「かけがえのないあなた」なぜかちょっとホッコリの「虚ろの檻」が良し!

    0
    2025年03月15日
  • 夫の骨

    Posted by ブクログ

     この作品も以前から読みたくって、気づけば「積読」になっていた作品です。読みたかったわりに、9つもの短編集だったことは知らなかったんですけどね!

     特に印象的な作品は…と、考えてみても、どの作品も同じくらいだとに感じてしまう…。だけど、9作品もあるとそれぞれをレビューしておくのも躊躇してしまいます。そして何より、読んですぐにレビューを作れなかったからか、ちょっと内容が曖昧になっています。どの作品も、家族をテーマにしているある意味イヤミス系です。そして、エンディングで、そうだったのかぁ~と思わせてくれる作品でした。

     でもこの作品を読む前に「撮ってはいけない家」を読んでるからか、矢樹純さんの作品は長編の方が面白く読めると私的には感じました。あ、2作品しか読んでないし、まだそう結論づけるのは早いかもだけど…。

    0
    2025年03月13日
  • Jミステリー2024~FALL~

    Posted by ブクログ

    『Jミステリー2024』は、豪華作家陣による書き下ろし短編ミステリーのアンソロジー。誉田哲也先生の『刑事の食レポ』が読みたくて手に取ったけど、ほかの作品もめちゃくちゃ面白かったです!

    なかでも、川瀬七緒先生の『沼の底、さらに沼』は衝撃的。タイトル通り、自業自得なまるで蟻地獄に引きずり込まれるような、逃れられない展開が続き、読んでいて恐怖と驚きでいっぱいになった。短編ながらも強烈な余韻を残す作品でした。

    0
    2025年03月08日
  • Jミステリー2024~FALL~

    Posted by ブクログ

    ※
    ちょっといい話系、ややホラー味系、
    一回りしてファミリー系など、
    多彩なアンソロジー・ミステリー

    0
    2025年03月08日
  • マザー・マーダー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第一話では引きこもりの息子可愛さに隣家のクレーマーと化す母親、第二話では同僚相手に息子愛を滔々と語る母親、第三話では溺愛する息子のために監禁まで手を染める母親…と梶原美里の母としての過激な一面が徐々に顕になっていく。
    美里もヤバいが、各話の登場人物も普通の顔して暮らす一癖ある人物ばかり。
    戌亥と野崎の経験から9歳息子の漢字の勉強の必要性を再確認w
    終盤は“梶原家の秘密”で頭の中がごたついたが、第三話の美里の狂った願望が伏線となって回収されたラストは全て塗り潰されるお先真っ暗の奈落…おぞましさしか残らへん…。

    0
    2025年03月02日
  • 血腐れ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『妻は忘れない』を最初に読んで矢樹純さんのイヤミス✕ホラーの短編集にハマり『夫の骨』『マザー・マーダー』なども既読。本書で6冊目となりました。

    こちらは6編のホラー・ミステリーでしたが、ここ最近日中に読書する時間がなく、寝る前が唯一の読書タイム。しかしこの本は寝しなに読んではいけない本でした〜。

    部屋の電気を消したくない〜。夜中にトイレ起きたくない〜。だって思い出しちゃうんだもの….⁠(⁠T⁠T⁠)

    表題作の「血腐れ」を始め、「魂疫」「骨煤」など6編のタイトルだけでもただならぬ雰囲気があってザ・日本のホラー・ミステリーを堪能したい人にはおすすめの1冊です。

    0
    2025年02月26日