絵津鼓のレビュー一覧
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購入済み
2人だけのちっぽけで大切な六年
春の夕方の、青とピンクが混ざった空のことを「春の、生まれたての季節のやわらかな宵」と表現していて、なんて綺麗な言葉だろうと思いました。一穂作品は難しくない、簡単な日本語しか使われないのに溜息が出るほど素敵な文章ばかりです。
今作は攻めの佑が小学6年生、受けの真知が大学生です。この攻めた設定に買う前は及び腰になってしまいましたが、一穂ミチ作品には「雪よ林檎の香のごとく」という歳の差モノの伝説級の名作があります。私はこの「雪よ林檎の〜」が何回も読み返すほど大好きなのです。それもあって、勇気を出して買って大成功でした。
歳の差モノの醍醐味と一穂先生の美しくて優しい言葉達の魅力を凝縮したような今作品、