かわい有美子のレビュー一覧
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ホワイトハートから発行された「いのせんと・わーるど」が、改題されて新装版となったもの。10年の歳月を経て、未完だった作品がようやく完結するようです。私はこちらが初読みです。
大阪地検が舞台の検事もの。トラブルを起こして福岡地検から大阪へと異動してきた野々宮は、かつて大学の先輩だった伊能と7年ぶりに再会します。
野々宮と伊能は共通の友人渡瀬によって知り合った仲。すでに亡き人となっている渡瀬は、伊能にとって片時も忘れられない存在で、今なお後悔と罪悪感を抱き続けている相手です。
周囲から聖職者のように穢れなく高潔な人間だと見られていて、実際真面目な性格の伊能は、自分が同性愛者であることを認めることができず苦しみ抜いていた末、命を絶とうとまで思いつめますが、そんな彼を救うことになるのが野々宮です。
繊細な伊能を支えることができたのは、野々宮がひとえに自分に正直でまっすぐ生きるタイプの男だったからでしょうね。野々宮は、果敢な大型犬というイメージです。
恋愛面、エロ面は硬派な作品らしく控えめです。それでも、伊能と野々宮の距離がだんだん近づいていく様子はとても自然で、伊能の罪悪感が徐々に消滅していく姿には安堵します。
事件に関しては、これからがヤマ場のようですがなかなか手ごわい相手のようで、果たしてすべてが上手く解決して一件落着となるのか、気になります。
原口が敵か味方かというのも気になるところ。
事件はとてつもなくキナ臭いかんじがするので、野々宮がこれから危ないめに遭うんじゃないかと気がかりです。
かわいセンセのお手並み拝見、ということで続編の「贖罪」が楽しみです!
麻々原絵里依センセの硬質な絵柄も、合っているんじゃないかと…
●スチルぽい旧題よりは、こちらの新しいタイトルの方が断然いいですね。 -
Posted by ブクログ
SATが舞台の「饒舌に夜を騙れ」スピンオフ。犬伏×橋埜もしっかり登場しています。
「微乳無乳でも感度がよければ」の飯田と、前作で犬伏にほのかに想いを寄せていた高梁がメインです。
飯田は無口ですが、情報はしっかり握っている?タイプ。今回彼の良さもいっぱい見えてきて、なかなか楽しかったです。
高梁は、犬伏率いる第一班から、橋埜の負傷後に飯田が班長となった第二班への異動を示唆されます。
高梁は、よく知らない飯田とどう接するかより、思慕する犬伏の元を離れることにショックを受けるのでした。
犬伏が「娘を嫁にやるような気分」と言っていたのが、あまりにもぴったりくる高梁です。猫と呼ばれてかわいがられながらも、任務にきちんと対応できる能力もあるのがいいんですよね。
飯田も貧乳好きのムッツリなだけじゃなく、相手のことをよく見ていて意外に気が利く男でした。ちょっと言葉数が足りなくて、高梁を悩ませてしまいますが。
飯田があまりにも寡黙で本心を出さないので、見かねた周囲がいろいろと手助けするのが男前で面白かった。犬伏のおせっかいに、橋埜のさりげなさと、それぞれの性格が出ていました。
飯田と高梁は、犬伏×橋埜がデキてると気付いていないのに…
高梁は、生い立ちに関係するような諦念とか、幸薄さが漂っています。しかも庇護されれば流されてすがってしまいそうで、飯田のことを本当の意味で好きなのか?心配させられました。誤解から飯田の気持ちが信じられなくなってしまうのも、かわいそうでした。
強気は強気なんですけどね。
そんな懸念が払拭されたのが、立てこもり事件が無事終結した時です。危険にさらされる仕事を通して、二人の絆が確かなものになっていくのがよかったです。
むっつりな飯田が、みんなの噂どおりにあまりにも強引な行動にさっさと出てしまって、大丈夫かなと思ったらやっぱり…でしたね。パワハラになっちゃうよ、と余計な心配までしてしまいました。そこで、自己主張することができない高梁が、思わず受け入れちゃったのが彼らしかった。
そうやってカラダから入ってしまった関係だから、いろんな誤解が生まれちゃうんでしょ~と言いたくなりましたけどね。
今回は、銀行立てこもり事件解決のための突入シーンが思わず力が入るくらい迫力ありました。残忍な犯行ですが、この事件が描かれることでストーリー全体に読み応えがありました。
命を懸けて潜入した高梁、すごかったです。
凶悪犯罪に立ち向かったからこそ、その前後の飯田と高梁のやり取りが心に響いてきました。
案外相性ぴったりだったのでした。
エロ的には、強引さのある飯田も、相手への愛情といたわりが充分にあるので、Hシーンはかなり萌えました…
大体において、飯田はムッツリスケベです。妄想がハンパない。それが広がりすぎてしまっているかんじww
「邪に想いを紡げ」では、その傾向が明確に現れていて笑えます!妄想力最高。花びらのお風呂がよかった。ラブラブですね。
犬伏と橋埜の大サービスショートもステキでした。彼ららしさがすごくよく出ているお話です。
イラストが緒田センセで、前回ちょっとかわいいかなと思っていたんですが、今回は好感触。いいかんじ。 -
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ネタバレ『空色スピカ』シリーズ2作目。前作では、ちょっと腹黒王子みたいな生徒会長として登場した峰とその傍で影のように寄り添う副会長の衛守のお話。
前作の時からふたりはカップルなんだろうな~と予想はできたのだけど、正直こんな風だったとは思いもしませんでした。峰ってこんな子だったのか!!
峰は幼い頃、遠縁の衛守に助けられ、代わりに一生傷が残るような大けがを負わせてしまう。
けれど、そこにあるのは相手への負い目というよりも、自分を投げ出して守ってくれた衛守に対する100%の信頼感や好意。
いつしか峰にとって、衛守は心の拠り所になる。
小さな頃から、自分のかわいらしげな顔立ちやほっそりとした華奢な容姿が、不用意に周りの関心を集めてしまうことを峰はよく自覚していた。時にはそういう性癖をもつ人間の注意を引いてしまう。
なるべく敵を作らないよう、目立たないよう、常に細心の注意を払ってきた。
例え何かあっても、自分の方にも隙があったという大人の評価に内心深く傷ついてきた峰。
そんな峰を衛守は真摯に見守ってきた。
何かあった時に、いつものように笑ってる裏で、本当は泣いたり、傷ついたりしていることも。
人に隠れて懸命に努力する姿も。
年と共に体も成長して、周りの見方が美少女みたいな男の子からかっこいい王子様へ変貌をとげる中、衛守だけには、いつまでも可愛い、守られる存在だと思われたいと切望する峰の乙女心も。
峰が自分に向けてくれる好意すべてを受け止める。
時折垣間見せるあざとさもしたたかさも、全て込みで。
峰の行動は、ほとんどが自分への熱い想い故だとちゃんと理解しているから。
衛守は峰が一番欲しい言葉を、一番欲しい時にくれる。
『いつか、お前がどれだけ傷ついても、ちゃんと受け止められるくらい、器の大きい男になっておくから』
これ以上の殺し文句はないなぁ・・・
峰の生い立ちが複雑だったり、先輩に狙われたり、前作と違いキラキラして気持ちいいお話だけではないのだけど、
シリーズを通してのポリシーなのか、決して暗い方へは行かない。
そこが好き。
びっくりするほどエロ可愛い峰先輩と男気あふれる衛守の素敵なカップルをぜひご堪能ください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもうこのキラキラした乙女ちっくなタイトルだけでハートを撃ち抜かれそうです。こういうの大好き。
八ヶ岳山麓にある半寮制の名門男子校・清泉学院。
人里離れた学校に通う男子高校生にとって、唯一の楽しみは近隣の女子高生を学園行事に呼び寄せること。
客寄せのため、代々見目麗しい生徒会長を選出してきた。
新たに選ばれた生徒会長は一見天使のような儚い感じの美少年の楠ノ瀬。でも実は中身は体育会系の普通の男の子。
有能実利型の副会長:高科を含む生徒会役員は、楠ノ瀬を対外的に『ギムナジウム風美少年』としてプロデュースして売り込むことにする。
この『ギムナジウム風美少年』っていうのは、全寮制名門校をとりまとめる物憂げな美少年のイメージだそうです。(トーマの心臓やアナザーカントリー的な)
ややこしいひねりがなく、とてもわかりやすいキャラ設定がよかった。
攻の副会長高科はインテリメガネでピアノ男子!! 超ストライクなんですけど。。やさしくて男前で大人で文句なしにかっこよかった。
受の楠ノ瀬も見た目と中身のギャップ萌えで、とにかく可愛い・・・。
痛々しい事件も過去の負い目もコンプレックスもなく、学園の行事ごとに心の距離を縮めていく2人の姿が丁寧に描かれている。
恋愛をするってこんな感じなのかな・・・とか。もうちょっと一緒に歩いていたいな・・・とか。
もっとやさしい声で話しかけてくれればいいのに、もっと嬉しそうに笑ってくれればいいのに、
自分だけを後ろにのせて、自転車で走ってくれればいいのに、ずっと二人でいられればいいのに・・・とか。
相手は今、何を考えているんだろうか、寝る前にちょっとでも自分のことを考えてくれるだろうか、
好きって言ってくれるだろうか、触りたいって思ってくれるだろうか・・・とか。
誰しもどこかで経験したことがあるような、甘い甘い気持ち。
ほのぼのしたトーンでうっかりBLだってこと忘れそうになるよ。
かわいくてキラキラした少女マンガみたい。
でも、文体は浮ついてない、結構地に足の着いてる感じ。それはそれでよかった。