服部まゆみのレビュー一覧

  • この闇と光

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    西洋が舞台の盲目の姫の話……と思ったらめちゃくちゃに本で誘拐されてて、しかも男の子。
    主人公:レイアは騙されていたけれど、物語の中で一番幸せそうだったのは闇の中、父と過ごしていた日々。
    誘拐した父はどんな気持ちだったんだろう……。
    前半が作中作という解釈もあるそうだが、事実派。女中と2役というのも面白かった。

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    2026年04月07日
  • 罪深き緑の夏

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    故人であることが惜しまれます。『この闇と光』に魅了されて、服部さんの著書を読み始めました。また違った背徳感。お互いに想いあう兄妹と嫉妬を募らせる兄弟。何もかもを持っていると思われていた兄の本心とは。粘りつくような空気の中、夢中で読み進めました。のめり込んだ作品ほど感想に困ってしまい、この思いをうまく文章に起こせない。好きな作品です。

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    2026年03月23日
  • 一八八八 切り裂きジャック

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    な、長い。長かった。9月の中旬くらいから読み始め、10月はずっとこの作品を読んでいました。あまりの奇形で有名になったエレファントマンの研究から、次々と起こる娼婦殺人事件。最初は鷹原のおまけで捜査に関わっていた柏木が、積極的に事件に介入していくさまがおもしろかったです。積極的になるきっかけは服部さんお得意のお耽美。今作ではそういった要素はないのだろうと思っていただけに、一目ぼれの相手の真実には驚きました。鷹原と柏木、最後に別々の人物を犯人と指すところも変わってる。長いけれど楽しかった。良い作品でした。

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    2026年03月23日
  • シメール

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    『この闇と光』がとても面白く好みだったのでこちらも読んでみようと購入。
    世界観がやっぱり好きで楽しめたけど、主人公の実の両親を他の大人に比べて明らかに愚かに書きすぎなのがいちいち気になってしまいもやもやした。
    もちろん対比させた上で画家さんも問題のある人なのだからあえてなのはわかるけど。
    作者の他作品からもそれは感じてたので、なぜ実両親をこんな人物にするんた?という疑問が最期まで付きまとってしまった。
    本当に美しい世界観なんだけど、最後のページで一気にまとめる感じなのも少し残念に感じた。
    子の未来を守ろうとした英子は怖いけど素晴らしいと感じた。

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    2025年10月06日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクションの第二弾。今回も8名の作家の8作品だった。特に印象に残ったのは以下の3作品。
    「骨」小松左京
    なにかに突き動かされるように庭を掘り続ける主人公の姿が最後に悲しみを誘った。何かを思い出しかけているという描写がよかった。
    「或るはぐれ者の死」平山夢明
    こんなにも悲しい話だとは思わなかった。自分だけでも死者を埋葬しようとしたその清らかな心は悪意に踏み躙られる。
    「人獣細工」小林泰三
    この作品が最も衝撃だった。自分と父の秘密を探らずにはいられない、そのはやる気持ちが痛いほど伝わってくる。凄まじいラストだった。

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    2025年05月23日
  • レオナルドのユダ

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    絵画の表現が凄かった。実際に見てみたくなりました。レオナルドにとってのユダが結局誰だったのか、ジャンは自分がユダだと思っているけど実はフンチェスコだったと言うことなのか。。解釈があっているのか分からないけど、面白かった。

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    2024年03月03日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    なぜこの本を予約したのかさっぱり思い出せません。ともかく読んでしまう。
    1993年角川ホラー文庫創設。そこから30年あまりの作品の中から精選収録のアンソロジー。
    竹本建治「恐怖」1983
    小松左京「骨」1972
     SFっぽさあり
    宇佐美まこと「夏休みの計画」2017
     新しいなって思う
    坂東眞砂子「正月女」1994
     女の嫉妬の怖さ
    恒川光太郎「ニョラ穴」2013
    平山夢明「或るはぐれ者の死」2007
     都会の隅で見過ごされる悲しさ
    服部まゆみ「雛」1994
     雛人形の怖さと女の情念の怖さのダブル
    小林泰三「人獣細工」1997
     ありえなくもない豚と人間の相互移植

    坂東さんの正月女は、言い伝えにまつわる話。死期が近い若い妻が死んだ後の夫への嫉妬。諦めきれない思いや、優しげだけど裏がありそうな家庭の状況等、怖いより上手し。
    たぶん、坂東さん読みたかったのだと思う。
     

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    2024年02月21日
  • 罪深き緑の夏

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    主人公の独白を交えて進むストーリー。著者特有の流麗な文体は変わらない。また「女」「父」と言った単語が誰を指すのか分かりづらい場面が多い。他の方のレビューにもある通り複数の伏線や謎が回収、解明されないまま終了。読者の想像に委ねるということなのかもしれないが、個人的に少々キャパオーバーでした。シメールもそうだったけど正直消化不良な作品。ただゴシックな時代背景、雰囲気を味わうにはうってつけかも。

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    2023年12月13日
  • 黒猫遁走曲

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     服部さん何作か読んできたが本書が1番好みではなかった。ちゃんと物語の世界に入りきらずに読んだから、最後の方よく理解できなかった箇所もあったが読み返す気も起きない。冒頭のイラストレーターと瑠璃のシーンは何だったんだ?いなくなった黒猫を探す翠と、妻を殺した昭平のモノローグの掛け合いは面白かった。

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    2023年08月25日
  • レオナルドのユダ

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     ハリー・ポッターシリーズの合間に読んでいたので、なかなか読み進められなかった。テンポがゆったりなのと思っていたほど歴史ミステリ色が強くなかったため退屈に感じたが、最終的には面白かった。レオナルド・ダ・ヴィンチを知らない人は居ないだろうが、彼の人柄や人間性についてのエピソードを全く知らなかったので新鮮に感じた。『モナ・リザ』のモデルにそんな説もあったのか。レオナルドを崇拝するあまり互いに反目し合う弟子・ジャンとフランチェスコと、レオナルドに反感を抱くパーオロの章が交互に展開し、掴めそうで掴めない人物像にやきもきさせられた。

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    2023年03月12日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクションのアンソロジー。
    小松左京の「骨」は既読でしたが、久々に読んでも怖いと思った。震災の後の大洪水というくだりが東日本の震災のことを書いてるようで、それが1972年に書かれていたというところにまた戦慄。
    坂東眞砂子「正月女」何かのアンソロジーで読んだか、それとも同じような別の話だったか…ホラーというよりイヤミス的な面白さだった。
    小林泰三「人獣細工」のラストが一番おぞましかった。
    これは角川ホラーセレクションの第二弾らしい。
    第一弾「再生」の方も読みたい。

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    2022年11月20日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    坂東眞砂子さんの『正月女』と恒川光太郎さんの『ニョラ穴』が印象的。
    平山夢明さんと小林泰三さんのはもう何度も作品読んだことあるけど、相変わらず好き。

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    2022年04月17日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    あまり好みの内容ではなかった。

    ただ、正月女の話はばあちゃんに聞いたことある話に良く似ていた。「正月」という所が「西の女」という話だった気がするけど、昔話なんてそんなもんか。ちょっとゾッとしたけど。

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    2021年09月26日
  • シメール

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    わたしには結構重かった…お父さんの気持ちを考えると辛すぎる。そして母のために兄を演じるしかなかった主人公も…
    決して、片桐さんはヒールではない。それだけに結末はさらに重い。

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    2020年08月22日
  • レオナルドのユダ

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    服部さんのファンで、ずっと気になっていたこの作品にようやく手を出したけれど、読み始めてみると何とも読み辛い。服部作品定番の「美少年」や独特の関係性が冒頭からマンネリに感じられてしまったり、登場人物が誰が誰だかわからなくなってきたり、合わないと感じる文章表現が目についたり。
    挫折しそうになったけれど、色々予備知識を蓄えながら挑み、第2章までいくと読みやすくなって中盤以降は一気に加速した。
    まあとにかく、クセの強い作品。
    フランチェスコにあまり魅力を感じられなくて辛かった。ほかの弟子たちの方に興味が向いていたので、少し消化不良な感じ…テーマから反れてしまうので仕方ないのだろうけど。
    私が読んだのは平成15年初版の単行本だったけれど、どうしてこういう装丁にしたのか?(本編のイメージと違う…表示されている文庫版の装丁なら納得)不思議。

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    2020年05月03日
  • 黒猫遁走曲

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    お耽美かと思いきや、コミカルでスラップスティックな味わい。
    かと思いきや、所々まぶされていた暗い情念が、終盤にぶわっと明らかになって、ぞっ。
    思わず二度目を読んで、構成の巧みさにびっくり。
    翠と昭平という主旋律の奥に、瑠璃という副旋律の毒がぎらりと光る。

    いろいろ連想できたのも面白い。
    マンションからオペラグラスという構図は『裏窓』。だがあちらとこちら互いの誤解という捻りが効く。
    殺人者の精神が乱れていく『黒猫』。あるいはホフマン『砂男』。
    ごーん、ごーん、という工事現場の神経をささくれ立たせる音響は丸尾末広『電気蟻』を思い出したりして。
    ある書き物ではキューブリック『シャイニング』。
    老婆の取り乱しと憔悴の雰囲気は『何がジェーンに起ったか?』。

    佳品。

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    2019年05月29日
  • 罪深き緑の夏

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    その文体と世界観に、何度も時代設定を見誤りながら読んでいた。
    なんというか、世界観や雰囲気ばかりがものすごく迫ってきて、肝心のミステリー部分に目がいかなかった。
    初の服部作品。
    他のも読んでみよう。

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    2018年09月17日
  • 一八八八 切り裂きジャック

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    長い〜とにかく長い〜
    でも実在の人物や事件も登場して面白かった
    作品に漂う暗くてどんよりした感じ、好きだー
    皆川博子氏の作品の雰囲気に似ているので、そちらが好きな人はこの作品も好きかも

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    2018年06月18日
  • 黒猫遁走曲

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    本作は有栖川氏の『ダリの繭』同様、角川ミステリ・コンペティションの参加作品で文庫書下ろしで刊行された作品。
    一読して驚くのは、非常に読みやすい文体と内容になっていることだ。ゴシック趣味溢れる『時のアラベスク』や『罪深き緑の夏』の同一作者とは思えないほど、普通のミステリとなっている。恐らく読者の人気投票で優秀賞が決まるというこの企画に即して、自らの持ち味をあえて殺し、普段本を読まない人でも読めるように意図したのではないだろうか。

    出版社を退職し、翻訳者として第2の人生を歩むことに意気揚々としていた森本翠は女性編集者の瑠璃と祝杯を上げたその夜、愛猫の黒猫メロウが行方不明になり、心境穏やかでなくなる。
    一方、近所のアパートでは駆け出しの役者鳴海が妻を殺害し、バラバラに解体していた。底に現れた1匹の黒猫。黒猫を必死に探す翠と、瑠璃、そして鳴海の人生が交錯しようとする。

    退職した独身女性で唯一の家族が黒猫という60歳の女性、翠の思考がなんだか痛々しい。独り身の寂しさの拠り所が猫というのは、私も飼っていたので猫に対する愛情については理解できるが、やはり常人とはどこかずれていて、狂気さえ覚える。鳴海もボタンの掛け違えのような瑣末な事から起こしてしまった殺人を、どこか夢の中の出来事のように第三者的に捉えながら、その実、自覚せずにどんどん狂気の井戸の底に落ちていく。
    そしてまた2人の狂人の緩和剤として挿入された瑠璃もまた、常識人とはちょっと違った特異な考え方を持っている。つまりこれは1匹の黒猫を軸にした3人の狂人たちの遁走曲なのだ。

    作者の故服部氏は猫好きとしても有名だったので、どうしても翠と作者がダブって仕方がなかった(ちなみに作者は既婚)。
    中身はごく普通のミステリで、結末も皮肉が利いている。前2作の雰囲気が好きな人にはあっさりとしすぎて物足りなさを覚えるだろうが、私は全く逆の立場だったので本作は服部氏の作品では最も評価が高い。

    昔のミステリマガジンで猫ミステリの特集が組まれていた。その中にいくつか猫ミステリ作品が挙げられていたが、本書はその選から洩れていた。長らく絶版になっており、本書もまた忘れられていく一冊になるのだろう。そんな消えゆく作品を少しでも誰かの記憶にとどめて欲しいために私はこんな風に感想を書いているのかもしれない。

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    2017年05月18日
  • 一八八八 切り裂きジャック

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    正直、読書歴が少ない私には読みずらかった…けど慣れるもんです。
    しかしながら歴史と上手くコラボした作品で読書後は唸る!!
    と思います。私は、仕事が忙しく&まじめに読んで、久しぶりの1ヶ月半かかりました…
    これは、時代背景と出版された時代に、本が好きだった方には最高に面白い本!!だと思います。再読すれば、かなり面白い本かも!(かなりの読書通の母親は3日で読破(-。-;面白いそうです!?)

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    2016年10月29日